日本一のエースと天才バッター 作:四つ葉
青道高校に入って一週間生活に慣れてきた。入学式が終わり学校の授業が始まったんだが
「はぁ。おい起きろ沢村。」
「グーガー。」
「……なんで俺はこいつの席の隣になってしまったんだろう。」
俺はもう入学して間もないのに学校では疲れが溜まっていた
「いつもすまんな。砂田。」
「いや。こいつも部員なんで。いつも授業の妨害してすいません。」
青道野球部の俺は文武両道を口にした以上日々の積み合わせをしてるのだが
「……沢村カードな。」
その声を入った途端こいつは一気に起き上がる
カードとはペナルティーの数で一個増えるたび昼食に食う白飯の量を一杯ずつ増やすということだ。
「おい。健斗ずりぃぞ。」
「信二これで何杯目だ。」
「えっと今日は3つだ。」
「これで朝昼晩4杯ずつになったわけだが。お前な学校の授業おろそかにするのはやめろ。期末テストの補修や追試で練習時間潰れたらどうするんだよ。」
俺はため息をつく
「なんか練習よりこいつの面倒見る方が疲れるわ。」
「砂田も大変なんだなぁ。」
「先生も同情しないでください。沢村お前次寝たらここの掃除一人でやってもらうからな。」
「……げぇ。」
「はぁ。」
といいながらノートを二つ取っていく。
俺も少し甘いよな。
そんなことを考えながら授業を進んでいく
「でも、っよく砂田も見習い部員の面倒を見てるよな。お前一軍だろ。」
「……おい。見習い部員ってどういうことだ。」
「沢村。」
少し強い声で止める。こいつがしでかしたことはそれほどにも大きいことだから。
「くそ。」
「ほら、ノート。わからんとこあったら聞きに来い。わかる程度なら教えてやるから。」
「……」
でも実際口だけの奴よりかもこいつの方が今はマシである。
今の発言には正直俺もかなり切れそうになっていた
…一旦一年は痛い目を見た方がいいかもしれんな。
そんなことを考えながら俺はノートを書き進めた
「分かっているなお前ら。」
監督の言葉に耳を傾ける
「選抜を決める秋の大会、本戦となる夏。その二つに比べて決して高くはないだろう。だが今日の相手は秋の大会で敗れた市大三校だ。受けた屈辱は十倍にして返すぞ。」
「「「はい!!」」」
さすがに市大戦とあって士気が高い。これならよほどのことがない限りは大丈夫だろう
「結城いつもの奴いけ。」
「はい!!」
と円陣を組み右手を左胸に持ってくる
「俺達は誰だ?」
『王者青道!!』
「誰よりも汗を流したのは?」
『青道!!』
「誰よりも涙を流したのは?」
『青道!!』
「戦う準備はできているか?」
『おおおおおおおおおおお!!』
「我が校の誇りを胸に、狙うはただ一つ、全国制覇のみ!!」
そして
「行くぞォォォォ!!!!」
『おおおおおおおおおおお!!』
それが青道の掛け声となって青道のグラウンドに木霊する。
俺は試合のことで集中したいのに
他人事になっている一年が目についた
「……」
「どうしたんや?」
「…前園先輩。」
「なんや集中しきれないみたいやが。」
あのフリーバッティング以来少しずつ先輩から頼まれごとをしたり相談を受けるようになったんだけど
「……いや。少し一年の態度が気に入らないですよ。」
「……どういうことや?」
「ただこれが全国制覇を狙うチームなのかってことです。」
「……」
一年が不甲斐なさすぎる
いい加減甘えた考え方は卒業してほしい
「俺が今日バスに野球道具を運ぼうとした時に、ベンチ入りしてない先輩が俺たちにやらせてほしいって言われたんです。普通は後輩である俺たちの仕事なのに。」
「……」
「先輩たちの態度は確かに立派ですが……一年はなんだよ。俺以外呑気に先に集合場所に集まって軽口叩いて……いい加減自分がその試合で自分は何ができるのか気づいてほしいんですよ。もう俺たちは青道野球部員ってことに。」
するとつい口を滑らせたことに気づく
「……すいません。ちょっと愚痴を吐いてしまいました。」
「いや。ええ。俺も少し考えが回らんかった。……しかし、お前そんなことまで考えとったんか?」
「……全国のてっぺんを一度経験すると全てが欲しくなっちゃうんですよ。同じ景色をもう一度見たいので。」
全国の頂点に立ったあの時
俺は自分がキャプテンでありながら信じられなかった
何も考えられなくなりそして気づいた時にはチームメイトの笑顔
もう一度日本一へ
すると
「あれ?沢村?」
俺は沢村がバスとは反対方向へ向かうのを見る
「……あいつ来ないのか?」
「あぁ、そうらしいぞ。」
すると倉持先輩が代わりに答える
「こんな時にやらないとそっちにはいけませんからって言ってたぞ。全くプライドが高いのかただ目標にまっすぐなだけなのか。」
「……多分両方じゃないですかね。」
俺は少しだけ笑ってしまう。
なるほど
「……分かっている奴は分かっているんだな。」
「……ん?何がだ。」
「いや。あぁいうバカで前向きな姿勢だけは見習わないといけないなって思いまして。」