日本一のエースと天才バッター   作:四つ葉

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一年VS二三年

「砂田。次こっちに。」

「はい。」

と俺は伊佐敷先輩にトスをだす。リズム良いテンポで打っていく伊佐敷先輩

俺は今三年の先輩たちとの自主練習に参加していた

「でも砂田本当にいいの?あっちにいかなくて。」

「……あぁ、紅白戦ですか。」

トスを投げながら小湊先輩の言葉に頷く。

「試合見てても体を動かしたくなってどっちにしろここに来ますから。まぁ気にならないって言えば嘘になりますけど。それならできるだけ動かしてから様子見程度で観に行こうと思ってます。ぶっちゃけると見るくらいなら出たいです。」

「……まぁ気持ちは分かる。」

「それにせっかくのアピールチャンスに俺が出たらまずいですよね。俺だって試合に出てアピールしてレギュラーに入りたいですけど今回はやめておきます。それに俺は昨日の稲実戦でしっかりアピールしましたから。」

昨日の春季大会に決勝俺は最終回に川上先輩の代打で出場しヒットと盗塁そしてサヨナラのホームを踏んだ。

「あぁ。見事な盗塁だったな。」

「……そうだね。スタート完璧だったし相手キャッチャー投げられなかったしね。」

「……誰もバッティングについては褒めてくれないんですね。」

内角の球をセンター前にはじき返したのに

「でも、砂田って長打も打てるのになんで長打狙わないの?」

小湊先輩が不意にそんなことを言い出した

「長打ですか?」

「そうだな。インコースのストレートをセンターに弾き返せるスイングスピードがあれば十分に長打は狙えるんじゃないのか?」

結城先輩の言葉に俺は考える。そういえばそうだな。

冬場のウエイトトレーニングで長打を狙える体にしてきたのに長打という考えはなかった

ということになると

「まぁ、中学の時の癖ですかね。なるべくシングルヒットを打って足で揺さぶりをかけろと口すっぱく言われてきたんで。それに多分中学の時投手事情にあると思います。長打狙いだと分かると変化球でゴロ打たされるのでコンパクトに鋭く振るのが当たり前になってるんですよ。ムービング投げるピッチャーもいましたし。」

「あぁ。それはやっかいだな。」

「それだから今でも無意識に鋭く低い打球を飛ばすのが当たり前になってきてるんだと思います。。あっ伊佐敷先輩ラスト10球です。」

そして10球伊佐敷先輩が打ち終えた後片付ける

そして全部片付けた後

「健斗いる?」

美帆が室内練習場に入ってきた

「ん?どうした?紅白戦で動きあったのか?」

「うん。3回が終わって1対0。一年生チームが先制したわ。」

「なっ?」

「まぁ秀明、先輩の苦手なコースを徹底的に調べてたしな。それで先制点の内訳は?」

「東条くんがヒットを打ってその後に金丸くんのタイムリーツーベースだって。ついでに東条くんは二軍に合流が決定したわ。」

「……朝練組頑張ってるじゃん。春市はまだ出場してないのか?」

「うん。全員出場の機会があるから出番は来ると思うけど。でも金丸くんと東条くん以外はやっぱり動きが固いわ。」

「まぁ、この試合の意味を理解してる二人だし信二も二軍合流はあり得そうだな。」

「へぇ〜。今二、三年生負けてるんだ。」

「は、はい。」

黒い笑みの小湊先輩に美帆がひいてるし

「仕方ねぇちょっと喝を入れにやってやるか。」

こっちはこっちでなんかやけになってるし

「……俺打ってないんだけどなぁ。」

「私が後から球出ししてあげるから。」

「……頼むわ。」

そういいながら俺たちは室内練習場を後にするんだった。

 

「……へぇ〜。」

俺がシャワーを浴びBグラウンドに着くと6回の裏になっていた

8対2

「……なんで一時間で8点も取られるんだよ。」

俺はため息をつく。

4回に7点5回に1点

そしてピッチャーは

「おっ?沢村投げるじゃん。」

今沢村がピッチング練習をしてるところだった

「おう。きたのか?」

「御幸先輩。はい。一応冷えたらいけないと思いシャワーだけ浴びてきました。」

と一応この後また体を動かすつもりだったので練習着とアンダーシャツを変えてきたのだが

「……その人は?」

「……ん?」

とそこには見覚えのない奴が一人いた。

「……だれですか?」

「降谷暁。この試合で唯一丹波さん以外に一軍の合流が決定した奴。」

「……ってことは一年か。俺は砂田健斗。一応同学年だよ。」

「……でも試合に。」

「あぁ。俺もう一軍合流してるから。監督にでる意味がないって言われてんだよ。ついでにポジションはピッチャーとキャッチャー以外な。ってか俺かなり目立ってたはずなんだけど。」

「……別に興味ないから。」

「あ、そう。」

俺は沢村の投球練習をみてると相変わらず変な動きをしてあがる

「……今日沢村良さそうですね。相変わらずグニャグニャしてる。」

「あぁ。」

「……?」

「こいつの球ただのストレートだと思ったら痛い目みますからね。ど真ん中だと思って初球打ちするのは悪手ですよね。」

すると2、3年生チームの先頭打者がバッターボックスに立つ

「さて、普通は1球見ますよね甘くても。どれくらいの球なのか見ておきたいですし。」

「あぁ、これが普通の試合だったらな。」

と御幸先輩の言葉に頷く。その一言でもう結果は決まっていた

カキィィィンと音を建てたバットはレフトへと飛んでいく

「……カット気味に曲がりましたね。」

「あぁ詰まったな。」

そして打球は伸びずにレフトのミットに収まる

ワンアウトか。

「これこの回3人で終わりそうですね。真ん中のストレートだと思って頭に血が登ってますし。それに沢村のテンポもいい。考える隙を与えてませんね。」

「お前ほんとよくみてるな。」

「あぁいうピッチャーはほんと打ちづらいので。」

そして予想どうりすると次のバッターがサードライナーに倒れるとその次のバッターは詰まらせてセカンドゴロ。

3球でスリーアウトになった

「……はぁ。気合いに乗りすぎてフルスイング。それじゃあ沢村の思う壺ですね。」

「まぁ、自覚してないっていうのが沢村らしいけどな。」

「砂田!!」

すると監督が大きな声で俺をよぶ

「はい。なんですか?」

「お前次に二、三年側の代打だ。準備しておけ。」

「……はい。」

ってことは沢村の球を打つってことか。

「……まぁ、ど真ん中しか投げてこないんなら大丈夫か。」

さっきから真ん中しか投げてこないし。

このボールがアウトローかインコースに集められると本当に厄介だけど。

「すいません。呼ばれたんで準備してきます。せっかくのチャンスなので。」

「はいはい。」

と俺は二、三年生側のベンチへ走る。

「すいませんが誰かヘルメット貸してくれませんか。」

バットは自主練のため持ってきてるが、ヘルメットは未だに部室に置いてきている

「……そんならわいの使い。」

すると前園先輩が俺にヘルメットを渡してくる

「……ありがとうございます。」

「それで、沢村の投げている球はなんや?」

「……気づいてましたか?」

「あぁ。何かなければ先輩方があんな簡単に凡退するわけないやろ。」

まぁそれはそうかと思い出し

「ムービングです。天然の。」

沢村のストレートの正体を言った

「ムービングやと?」

「はい。多分野球経験が少ないんでしょうね色々な方向に曲がってます。多分一球見ればわかりますよ。沢村の球質がどれだけ厄介なのかが。」

すると一年チームの先頭が倒れる

「……それにあいつは今までずっとチャンスを待ってきた。それだから気持ちの乗ったいいボールが投げれてます。このままだったらそのまま沢村のペースですよ。」

そして俺は軽くなるべくコンパクトにスイングする

「対策はバットをコンパクトに待って鋭いゴロを狙いますね。打席もギリギリ前に立って変化する前に叩くって感じだと思います。それで後は足やバントで揺さぶりますね。ムービングボールはコントロールするのが難しいってきくので投手の自滅を狙いスタミナを着実に奪っていくところでしょうか。ただしムーピングのバントはかなり難しいですので基本はエンドランで攻撃するのがベストです。」

「……なるほどな。つまりはストレートって言っておきながら変化球やったちゅうわけか。」

「いや。沢村の場合普通に投げるストレートの方が変化球なんだと思います。」

「……どういうことや?」

「多分あいつフォーシームの握り知りません。」

「は?」

「遠投あったじゃないですか。それで確信に変わりました。あいつの球は曲がるのが普通であり曲がる握り方しか知らない。だからあんな大勝負で変化球なんか投げるんですよ。自分が直球だと思っているから」

それがあ80m以上投げれるんだから尚更イラつくんだよ

「しかも皮肉ですよね。ストレートのいろはを知らない奴がピッチャーとして最大の原石であることが。少しは俺も欲しかったです。あいつの才能。おれもピッチャーとしてマウンドに立ちたかったので。」

肘肩指の柔らかさ

ピッチングフォームを見ただけで分かる

技巧派、本格派のエースになれる条件が揃ってることに

だから俺はそんなお前が本当羨ましくて嫌いだよ。沢村

 

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