日本一のエースと天才バッター   作:四つ葉

18 / 31
一球

カキィィィンと大きな音がなり弾丸ライナーでライトフェンスに吸い込まれるボール

「……おいおい。マジかよ。」

「すいません。もう少しお願いできますか?」

合宿一日目俺はフリーバッティングに参加することになっていた

「おいおい。砂田気合入っているな。」

「……てかこいつ一年だろ?どうしてあんなにボールが飛んでいくんだよ。」

そんな声が聞こえてくる

昨日のあいつの投球

もし打つとなったとしたら

ギリギリまで引き寄せてそこをコンパクトに振り抜く

するとライト線に速い打球が飛んでいく

そして何十球か打ち終えてから

「ありがとうございました。杉下先輩。」

「あぁ。別にいいさ。」

俺は一回タオルで汗をぬぐい俺は息を吐く

「……どうした。やけに気合入っているな。」

結城先輩がバットを持って話してくる

「いや、沢村の球を身近に見たら少しだけ気合入りまして。」

「ほう?」

「沢村のフォームあれ沢村以外投げれませんよ。あんな無茶苦茶なフォーム全国にもいません。ってかあんなフォームでストライクゾーンに入る方がおかしいですよ。」

少しだけ笑ってしまう

「全国で通用する武器を作った同級生がいるんですよ。これで気合が入らない訳が無いじゃないですか。」

沢村の努力は分かっていてそれを結果にしたのだ

「それに俺はスタメン争いも佳境ですから今週の大阪桐生、稲実、修北との試合で俺の背番号は決まりますからね。俺は一年からスタメンこれを未だに狙ってますから。」

スタメンで試合に出ることは本当にいい経験になる。先輩たちには多くのことを学ばせてもらったしな。

……それに少しでも恩返しがしたいし

入学してすぐに自分を一軍に受け入れてくれたこと

それは本当にいい経験になったから

この人たちにプレーで恩返しをしたい

少しでも長い夏にしたいんだ

「さて次は内野ノック受ける時間なんで行ってきます。」

「……あぁ。」

俺はBグラウンドへ向かう

せっかくグラウンド広く使えるんだからのびのびやらねぇと

 

「春市。」

その一言で俺にバックトスをする春市。そのボールを素手でとり一塁へ送球する。

「ナイス春市。」

「うんそっちこそ。」

冬休み中俺と春市はノック時にコンビを組んでいた。最初は送球に遠慮しがちな面があったのだが遠慮されるとやりずらいからやめろときっぱりいった後春市に積極性が生まれ元々守備にこだわりのある俺たちだったので自然と合うようになったのだ。

「お前守備でも化け物かよ。」

倉持先輩が驚いているけど

「俺中学のときは本職こっちですよ。でも自分の持ち味が一番活かせるのが外野なので外野希望しただけなので。」

「……お前本気で洒落になってねぇぞ。」

正直のところファーストは少し苦手だが基本どこでも守れる。

「でも少し春市飛ばしすぎですかね。よくて3日悪くて明日あたりから小湊先輩と差が出てくるんじゃないですか?」

「……それをいうならお前も飛ばしすぎなんじゃないんか?」

「いや。俺少数精鋭の中学校だったのでこれくらい中学校の合宿に比べたら問題ないですよ。まぁさすがに3日目辺りからプレーは落ちると思いますけど。それでもちょっとだけ地獄をみたら元通りになるので。」

今年も合宿のたびにあれを受けないといけないとなると少しだけげんなりする

「お前大丈夫か?」

「いや。少しどころかちょっとあれを思い出すと」

体が恐怖で震えてくる

「まぁ、今はノックに集中しないと」

俺は首を振り忘れようとする。

そしてショート前にボテボテに転がったグローブでとったら間に合わないと思い素手で取りそのままノーステップのサイドスローでファーストに送球する。

「……本当可愛げのないやつ。」

その言葉に俺は苦笑してしまう。でも守備だけは誰にも負けたくないしな

そうしながら時間だけがすぎていった。

 

夕食の時間

「うぉぉ飯だ!!」

沢村が声を上げる。

「……そうだな。飯だな。」

俺は冷や汗をかく。どうやらマネージャーが作ったらしいってことは

「おい。美帆お前も作ったのか?」

「えっ?いや。私は沢村くんにコントロールのコツを教えてたから作ってないわよ。」

「あっなら大丈夫か。」

と俺はおにぎりを一つとる

「……どういうことよ。」

「そういうことだよ。」

料理下手なこいつはなぜか変なものをいれまくるのだ

前は肉じゃがにシーチキンだったり、昆布が入っていた時もあった

「てかいい加減に料理に無駄なもの入れんなよ。お前の無駄がなかった料理は普通に美味しいのに。」

「えっ?だって料理にもスリルっていうのを入れた方がよくない?」

「お前は料理に何を求めてるんだ。マネさんこいつにだけは絶対食材すら触れさせないでください。」

「……ちょ。なんでよ。」

「……えぇ。そうするわ。」

「ちょっと貴子先輩!!」

すると笑い声がおこる。

でも本当に触らせたら危ないし

「そういや沢村のフォームあれ見たってことだろ。どう思った?」

「……相当の化け物ね。あんなフォームできるなんて投手の私から見ても羨ましいわよ。あっ唐揚げもらうわね。」

「まぁ、確かにあの肩の柔軟さは羨ましいな。ってか唐揚げ奪うな。」

「いいじゃない。それでなんだけどある程度はコントロールできるとはおもうけど多分私がやっていた81分割はできなさそう。」

「当たり前だあんなもんできるお前がおかしいんだよ。」

こいつはストライクゾーンを普通は9分割するのを9分割の一つをさらに9分割するっていういかれた制球技術を持ったピッチャーだった

「せめて36分割じゃない?」

「……それでも十分だよ。それであいつに変化球覚えさせるんなら何がいいと思う?俺一つ思いついてるんだけど。」

「奇遇ね。私も一つ考えているわよ。」

「んじゃ同時で。せーの」

「「チェンジアップ。」」

てかその判断しか思いうかばない

あいつのフォーシーム及びムービング以外でリリースも腕の振りも変化しないのはムービング系の球とチェンジアップのみ

特にチェンジアップは沢村のフォームから放たれるストレートのタイミングをさらにずらすことができ

沢村のウイニングショットにはぴったりだからだ

「……いいなぁ。沢村くん。」

「お前な。なんでも欲しがるなよ。」

「いいじゃない。ピッチャーって案外欲張りなのよ。」

「今はマネージャーだろ?ってかなんでマネージャーのお前が沢村にアドバイスしてるんだよ。」

「クリス先輩に頼まれたのよ。コントロールを磨くにはどうすればいいって。」

「……お前のことだから死ぬ気で投げて体で覚えるしかないって答えたんじゃ。」

「なんでわかったのよ。」

……似た者同士だな

「それに沢村くんは下半身は安定してきてるけど野球知識については全く素人だったから少しだけ厳しく明日から指導するつもり。」

「お前の少しはかなりってことだろうが。あいつ明日死ぬんじゃねーか?」

「大丈夫。少しくらい死んでもお母さん仕込みのアレ使うから。」

「……お前本当鬼だな。」

笑顔でいうけどこいつ本気であいつのこと潰したりしないよな

「でもたった一球で去年の稲城実業みたいなこともあるんだよ。」

去年の稲城実業の敗退した試合は俺も美帆も何度も見た

だから確かに知っておくべきだろう。一球の怖さを

「たった一球の重みっていうのをこの合宿中には伝えるつもり。それを見てあの子がどう伸びるかはわからないけど。」

「それは降谷も同じことだろ。でもこれでコントロールの重要性をわかってくれたらいいけどな。四球の怖みも教えておいてくれ。俺たちの決勝戦、俺にだした四球以外は完全ピッチングだったんだぞ。それでも俺たちはその一人のランナーを返して勝ったんだ。」

「……全国は本当に一球の重みが違うわよね。」

全国制覇を成し遂げたもの同士俺たちは知っていた

一球の恐怖をそして一つのアウトにかかるプレッシャーを

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。