日本一のエースと天才バッター   作:四つ葉

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青道高校副部長高島さん

「健斗お客さんよ。」

「……またか。」

俺はため息を吐く。全国大会決勝から二ヶ月。

俺はうんざりするほどの勧誘を受けていた。

俺と美帆はあの後青道高校に見学に行きたいと監督に言うとその時はスカウトマンに紹介すると言われたが

しかしある通知が来てそのことは叶わなくなった

その理由とはU15の世界選抜メンバーに俺と美帆そして羽島が選ばれたのだ

そしてキャプテンに俺が指名され世界を相手に一ヶ月の間戦ってきた

その結果が俺は一番バッターとして39打席15安打2打点5四死球10盗塁

盗塁成功率100%で大会MVPを獲得した

国際大会初の女子のピッチャーで美帆は中継ぎとして5試合を投げ1失点という無難な結果だった。

しかし唯一の心残りといえば決勝で5回5失点をきっした羽島だろう

唯一の二年生投手でこれまでも大きく崩れたことは滅多になかったのだが

今年はもう試合はできないし少し不安だな

今年の大門中は三年生は俺と美帆そして小柴に大島だったのでたった6人の野球部は新入生が入るまでは試合はできない。

まぁ、守備に関しては鉄壁なのでそこはなんとかなるだろう

まぁ身内話はそれくらいにして世界大会の影響は大きかった

まずは多くの有名名門校から声が掛かるようになった

郁栄、山守学院 更科総合 清正社 浦島学院など多くの声がかかっている

もうそろそろ決めないとまずいんだけどなぁ

俺はため息を吐く

期限は十一月には出さないといけないのでもうそろそろ絞る先を考えないといけない

「……さてと。」

俺は下に降りるとするとカーンという音が聞こえる。

ウチは昔からバッティングセンターを経営しており、俺と美帆の練習場所となっていた。

最近では俺専用の硬式ボールのバッティングコーナーができている

そして客間に入ると女性が一人座っていた

……?スカウトじゃないのか?

メガネをかけたクール系の女性でどちらかというと美人の類にはいるだろう

「んっと失礼ですがどちら様ですか。」

全く見覚えのない人に俺はただ不思議に思う

「えっと遅れました。私はこういうものです。」

と名刺を渡される。どうやらスカウトの方らしい。内心少しイラつきながら俺はその高校

「……青道高校。」

思わず声がでてしまう

「はい。私は青道高校副部長の高島礼と言います。砂田くんをぜひ我が校の野球部へと思いまして。」

俺はただ声を失ってしまう。ずっと志望していた高校。

「……あのひとついいですか?」

「はい。なんでしょう。」

「見学することって可能ですか?」

すると青道の副部長は驚いている。それもそのはず。俺はこのスカウトが始まってから一度も見学など全てを断ってきていたからだ。

「それはもしかして。」

「一応第一希望は青道高校だったんです。一応コーチに頼んで見に行く約束を取り付けていたんですが、世界大会の影響で見学を断ってしまった時は本当にすいませんでした。」

「……っ」

すると少し顔色が変わる

「あれ?」

「まさかね。」

すると高島さんは俺の方を向き

「それで見学することは可能ですが……しかし。」

「まぁ秋季大会ですよね。」

十月になり明日は都大会準々決勝。

俺はそのカードを美帆と見に行くことになっていたので知っていた

帝東と青道

甲子園出場経験のある2カードに俺は少し楽しみにしていた

「いえ。俺が知りたいのは冬休みの基礎練習、体作りのためのトレーニングを見る。いやできれば参加できないかと思いまして。」

すると高島さんはこっちを見る

「正直に言うと俺は冬のこの時期トレーニングする場所が取れなくて少し困ってるんですね。長野の雪の量じゃノックは受けられないし、さすがに硬式のバッティングセンターも雪じゃ使い物になりませんから。それに見学と言っても実際ボールに触りたくなるので。」

ただ見るだけじゃ誰にだってできるそれよりも

その練習が自分とあって尚且つそこで上を目指せるか

そこが一番重要視したいところだった。

「あと青道って投手不足で困ってましたよね?」

「えぇ、確かに今は投手が不足してるけど…」

「それじゃあ赤城中の沢村っていうピッチャーって知ってますか?」

「えっ?」

「いいムービングボールを投げてましたよ。肩の関節が柔らかく野球は初心者ってところですがピンチでのピッチング、ちょっとうざいくらいの掛け声。変化球型のピッチャーだと思いますが最後の一球。美帆以上にスピンがかかって伸び上がりましたからね。あいつは育て方次第で怪物になりますよ。」

俺たちが3回戦を勝ち進んだ後次の相手になる中学の試合を見てたのだが

俺は全く気付かなかったのだが美帆が沢村をみて

赤城中に化け物がいる

と言っていた。どうやらビデオで見直すとチョコマカ動く多分天然物のムービング使い。

俺たちと当たっていたらどうなるか分からなかった。

「……まぁ、美帆が気づいたことなんですけど。」

「美帆っていうのは前田美帆さんのことよね。」

「はい。あいつ選手の目利きはチーム一でしたから。」

そこが俺が天才とあいつを天才と言える場所だった

選手に関しては過小評価も過大評価もしない

ただ的確に才能を見抜く。

「……その必要はないわ。沢村栄純くんは青道高校に入学することが決まりました。」

「……あいつ本当見る目あるなぁ。」

青道が注目する選手を見抜くとかやっぱお前は天才だよ

だからこそもったいなかった

美帆を敵に回したくない

的確にチームを見抜き失点しても明るく振る舞うエース

そんな姿に俺たちの心は一つだった

美帆を全国の舞台へ

努力を怠らず基礎練もしっかり行いプレーでは俺たちを頼って打たせるピッチングをしていた

そんな選手と一緒にプレーできたのは本当に嬉しい事だった

エースの大切さは俺は分かっている

「とりあえず冬場のトレーニングを見て怪我しない体作りができてるか知りたいですね。俺たちのチームでも冬場の練習はかなり重要視してたので。それと学校のカリキュラムや授業も見ておきたいです。」

「……えっ?授業ですか?」

「はい。もし、俺は自分でもいうのはなんですがユーティリティープレイヤーを武器に野球をしている分、練習量や怪我をする可能性は他の人より多いんですよ。それに俺は美帆をみてきましたから。」

日頃の態度は正直プレーに大きくかかわりがある

そのことを認めさせてくれたのは美帆だった

「……あいつには見習う点がよくありましたから。」

シンプルに俺は美帆ほどエースという言葉ふさわしい選手を見たことがない

あいつは俺たちにとっての誇りであり、目指すべき選手だ

「……えぇ。分かったわ。じゃあ授業見学の案内も出しておくわ。」

「はい。お願いします。後青道行きの件は前向きに考えさせてもらいます。」

「えぇ。そういえば一人の野球人として聞きたいのだけれど。前田さんの進学先についてしらないかしら?」

するとずっと聞きたかったのだろう高島さんが少し前のめりで聞いてくる

「……多分すぐにわかることになると思いますよ。」

と少しだけ俺は笑う。そして今度の週末を楽しみにするのであった。

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