日本一のエースと天才バッター 作:四つ葉
合宿7日目
大阪桐生との練習試合の日になった
「……本当にやるんですか?」
「あぁ。沢村はとにかく降谷にはコントロールの大切さを教えさせるには丁度いいだろ。」
試合前に珍しく御幸先輩に呼び出された俺は今日の試合方針について話されていた
「まぁ。そうですね。今のままじゃただの速い球を投げる一年投手ですから。」
「お前も言ってること相当だぞ。」
「事実ですし。」
俺は顔色一つ変えずに言うと御幸先輩は笑う
「それにコントロールも高いですし毎バッターごとに全力投球。正直全員を三振に抑える気しかないんでしょうが。大阪桐生相手にそんなことは通用しませんしね。元々ストレート系に強いですし。外野ノック状態になりますね。何発かスタンドに運ばれるんじゃないですか?まぁ、沢村の相性は悪いとは思いますが。なんか最近美帆が沢村のことで隠しているんですよね。」
「……前田のことだよな。マネージャーの?」
「はい。クリス先輩に監督の許可のもと合宿中は沢村の面倒は美帆が見てたらしいですが。多分チェンジアップでも教えているんじゃないですか?」
「は?チェンジアップ?」
「前に沢村が覚えさせるべき変化球に俺と美帆はチェンジアップって答えたんです。沢村の投球スタイル的に直球中心になりますから緩急を織り交ぜると変則フォームでタイミングが取りづらいのにさらに緩急で相手バッターの打ち気をそらすことができますから。」
「……」
すると目を見開く御幸先輩
「それと送球の送り方のためにフォーシームの握りだけ教えてあげました。」
「あっ。それは助かる。」
「まぁ全部の基本となる握り方ですし。フォーシームもムービングの一つですからね曲がらない速球として。」
俺は少し笑ってしまう
「まぁ、沢村は正直低めに集まればいいんですが、甘いとすぐやられるでしょうね。一回打席に立った時に球威は感じませんでしたから。できればインコースかアウトローで仕留めたいですね。」
「……へぇ〜よく考えているじゃないか。」
「まぁ、あんな面白いピッチャーが同級生に二人もいるんですよ。さすがに気になりますって。正直受けている御幸先輩が羨ましいって感じます。」
俺もキャッチャーの適正があれば受けてみたかったし
「それで本題に戻りますけど、かなりハードですね。降谷はスタミナ面でも少し心配ですから。」
「だから二人で1試合投げ抜いてもらうんだよ。でもそうなってくると。」
「……まぁ、怪我ですよね。分かりました。降谷がランナーに出たらなるべく無理はさせないようにします。」
「悪い。助かる。最悪代走で出てもらうことになるから。」
「まぁ、大阪桐生戦に出れないのは残念ですけど明日の2試合出してもらえるのでそれで妥協します。」
まぁ、監督からも昨日から言われてきたことだしな。
昨日俺は監督に呼び出しをくらい今日の試合のことについて話されていた
俺は控えで疲れを抜くことを優先にすること
それで明後日の稲実との試合でプレッシャーをかけること
………無茶なことをいうなあの人
まぁ、確かに隠す意味はないけどさ
「後少しだけいいですか?」
俺は御幸先輩にあることをいうと驚いているようにしているが頷く
そして俺は試合前にあいつの元に向かっていった
一回の表
「健斗もう一球。」
「はいはい。三回までな。」
キャッチャー用のプロテクトを着けた俺が沢村に返球する。
こいつ分かりやすいな。
俺はただキャッチャーミットを構える
子供のようにはしゃぐようにボールを投げ込む
なんで普通のストレートが投げられるようになっただけで驚くんだよ
俺が構えているのは右バッターからみて胸元のインコースのみ
俺が教えたのはフォーシームの投げ方とスピンをのったボールを投げかた
そしてそれを身につけているっていうかスピンののった伸びのある綺麗なストレート投げれるじゃねーか
「次。ストレート。」
と俺がいうと
カキィィィンと金属バットの音がきこえセンター前にボールが弾き返される
あらら。やっぱそうなるか。
全国区の学校で速球一つで戦うことは難しい
それは軟式も硬式もだ
「…えっ?」
流石に驚く沢村に
「……沢村みとけ。これが昨年甲子園準優勝校大阪桐生だ。」
俺は立ち上がり沢村に呼びかける
「……一旦ベンチに戻るぞ。後は投げたくなったら宮内先輩に受けてもらえ。でもお前も終盤あの人たちに投げるんだからな。」
俺はベンチへと戻る
大阪桐生高校
去年の夏準優勝今年の選抜出場の強豪校
……沢村と降谷が今年使えるかのテストには持ってこいの学校
てか贅沢すぎるともいうけど
「春市。一応降谷にドリンクだけ用意してやってくれ。あいつ体力ねぇし。」
「あ、うん分かった。」
俺はキャッチャーのプロテクターを外していると
「沢村の球はどうだった?」
監督が話しかけてくる
「そうですね。相変わらず気持ち悪かったです。なんで今日初めてフォーシーム投げるやつがあんなにスピンの掛かったボールを投げれるのか本当に不思議で。ただムービングが少し疲れのせいか曲がりが少なかったような気がします。」
「……そうか。通用はすると思うか?」
「今の降谷よりはすると思います。さっき受けてたらインコースに投げられたので後はアウトローは少し甘かったですね。それに多分マシンで打ち込んでるぶん沢村のフォーシームもムービングもそこそこは通用するかと。まぁ問題は金属バットってところですかね。」
芯じゃなくても飛んでいく金属バットは沢村にとって天敵と言っていいだろう
「でも、低めか沢村が強気の姿勢で一球でもインコースに投げこめたなら夏の本線でも使えると思います。」
あの打線は見れば見るほど恐ろしい打線だ。コンパクトスイングなのにスタンドに運ぶバッターまでいるし、
そんな高校相手にインコースをつけたのならばそれだけでも大きな収穫だろう
「そうか。分かった。」
といい試合に戻る片岡監督。俺も試合の方に目線を戻す
すると次のバッターがセンター方向への打球を打つでもそこは
小湊先輩がダイビングキャッチをしショートの倉持先輩に送るそして一塁転送してアウト
センター前がゲッツーにしちゃったよあの先輩
まぁ俺もできないってわけじゃないけどでもあれは信頼関係が成り立ってなければできないプレーだ
すると下を向く春市まぁ言いたいことはわかるけど
「ピッチャーを助けたいからあぁいうプレーができるんだよ春市。」
「えっ?」
「…合宿のつかれで疲れてるのは誰も同じだ。でも、今打ち込まれている降谷はもっと精神的にも疲れているんだよ。それをバックが助けてあげたいって思うことは当たり前だからな。それだからこそいつもと同じようなプレーを出来る。……まぁ、バックには俺たちがいるからもっと思いっきり投げろって言っているんだよ。プレーで語るっていうのはこういうことだろ。」
疲れている時こそ守備は投手を助けようとする
「…だからこそプレーに気遣われると嫌なんだよ。自分だけがピッチャーを助けようとしているのかって考えてしまうから。」
「……」
「お前も小湊先輩と倉持先輩のプレーをよく見とけ。もし小湊先輩が怪我をした時出場するのはお前なんだから。」
俺はそう言ってヘルメットをかぶる
さて俺は俺の仕事をしようか
4回の表
……開くとは思ってたけど流石にここまでくると流石に手を出したくなるな。
俺は試合展開を見ながらそう思う
11対2
ほぼ四球のランナーがたまりそれをちゃくちゃくと返される
……こいつにコントロールのファーボールについてもう少し口すっぱく言っておくべきだったか。
俺はため息を吐く。
てかこいつ都合のいいこと以外は無視するしもう少し話を聞いてくれればいいんだけど
まぁ、エースとしてはいいことなんだが
球数も100球を超えてるし
「監督。一応アップしてきます。」
「あぁ。」
昨日言われたことを思い出す
10点差ついた時に限り白州先輩と交代する
…正直このまま引きずってほしくはないけどな。
俺は試合には出たいがさすがに立ち直って欲しいって気持ちが強かった
しかしどうしようもないので俺はブルペンへ行く
「春市悪い変わってくれ。」
「えっ?うんいいけど。」
「沢村アップするぞ。」
すると悔しそうにマウンドを見つめる沢村。どうやら降谷の実力は認めていたらしい。」
「……うぅ。う。」
とプルペンに去る沢村にため息を吐く、本当俺の話聞いてくれよ
「悪い。春市。」
「あっ。うんいいよ。」
そうしてキャッチボールを始める。
そうしてアップしていると
「タイム。」
ランナー一、三塁になったところで
すると御幸先輩が慌てたように駆け出す
「どうしたんだろ?」
「降谷の気持ちが切れたか?でも置きにいったボールなかったしその前兆はなかったはずだけど。」
「……?」
そうして一度アップを切り上げて見ていると
急に御幸先輩が笑い出す。
……何話しているんだ?
そうしてしばらく経った後キャッチャーの位置へと戻って行く御幸先輩
そして初めてど真ん中ではなく外角に構えた
……課題クリアか。
どうやらどうやったら打たれないかかどうやったら点を取られないかのどちらかだろう
でも結局気持ちが切れなかったのは評価対象だな
そして初球
外角に勢いのあるボールにバッターが出てセンター定位置に飛んで行く
そしてとった瞬間サードランナーがスタートを切る
「う〜死ねコラぁー」
と取ってから素早い動きでホームに早い送球が送られる
「……すげぇ。」
それはまさに矢のように一直線に御幸先輩のミットに吸い込まれ
「アウト!!」
サードランナーを刺した
さすが元ピッチャーだけあって肩が強い。
俺も元ピッチャーだけどコントロール重視してる分あそこまで早い球は投げれないし
それに。
「どうしたの?」
「あっ?いや何でもない。続けようぜ。」
俺はキャッチボールをするけど、
これ出番なさそうだな
多分もう崩れないだろうし
まぁ、サポートに回ろうか
「……てか沢村肩作らないでいいのか?」
「……さぁ?」
あいつブルペンに入れよ