日本一のエースと天才バッター   作:四つ葉

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狙い打ち

「お前な。酷すぎたぞ。牽制は失敗するは甘い球多すぎるし、あのゲッツーだってほとんど運がよかっただけだぞ。」

「本当砂田の言う通りだぞ。全く。」

「ぐぬぬ。」

と俺と御幸先輩が沢村を攻め立てると悔しそうな表情で俺を睨む

「……まぁ。インコースに決まった最後の球と初球は良かったけどさ。最初のデッドボール。攻めた結果としても先頭打者の四死球は絶対にダメだっていったろ。」

「でも。御幸先輩がインコースにしか構えてねぇじゃん。」

「お前今日俺が受けたアウトローが全部高かったから言ってるんだろ?せめて後ボール一個分は低くないと使えない。降谷の速球でさえあそこまで運ばれてるんだぞ。お前だったら最悪場外まで持っていかれるぞ。」

「じょ、場外?」

「それほど強いチームなんだよ大阪桐生ってチームは。だから今一番通用できるインコースを投げさせているんだ。」

大阪桐生のことを知らないのか知らないけど沢村は気づいた方がいい

これは沢村自身が夏の戦力になるかというテストなんだと

「……まぁ。大阪桐生のピッチャーを見とけよ。初回のツーベースの後は結城先輩は勝負を避けられてる。でも見とけほとんどインコースにしか投げないから。」

「えっ?」

「お前なんかリード詳しくないか?」

「俺追い込まれるまで狙い打ちしているんで。」

元々当てるのはファールボールだけで精一杯だし、追い込まれてからはヒットを狙わない。

「あぁだからか。」

「ついでに降谷のスローボールの後のスプリットも読めましたよ。」

「まじで?」

「マジです。それに一応元ピッチャーなんで俺。リードについてはよくキャッチャーと話してましたし」

「へ?」

と御幸先輩たちと話していると

「ファーボール。」

「結局インコース4つか。徹底してますね。」

徹底的なインコース攻め

「あぁ。この打席の増子さんアウトコースの球を打たされるな。」

「はい。多分インコースから外に逃げるスライダーってところですか?二打席凡退して力んでますし。」

「えっ?」

それも初球からな

そして思った通り初球低めにインコースから外に逃げるスライダーを打ち上げてしまう。

「な。いったろ?キャッチャーっていうのはどうやってアウトにとるか。どうやったらピッチャーを一番生かしてくれるかを考えてくれるんだよ。……ピッチングとリードって奥が深いだろ。御幸先輩はお前の持ち味を一番生かすリードをしてくれているんだ。お前はそれを信じて投げればいいんだよ。」

「……それ俺のセリフ。」

御幸先輩が苦笑しているが

「まぁ。御幸先輩は打席に集中ってことで。」

今日ノーヒットだしもうそろそろ打って欲しい

「砂田。一点足りないがバット振って準備してろ。御幸がでたら代打だすぞ。」

「はい。ってことで俺のチャンスのためにも頑張ってください。」

「うっせ。」

そう言ってバッターボックスへ向かっていく御幸先輩

「……砂田って御幸と似てるよな。人付き合い以外」

「……聞こえてますよ。倉持先輩。」

俺そんなに性格悪いかな?

「どちらかというと腹黒いと思うんだけどなぁ。」

「……自覚はあるのかよ。」

とバッティンググローブをつける瞬間

「館、ランナー走って。」

「あぁ。完全盗んだな。結城先輩。」

相手ピッチャー完全に見てなかったし

「……ランナー二塁か。」

御幸先輩チャンスだと一気に出塁率上がるしなぁ。

俺もチャンスには強いけど(中学時代19−8)

そして館さんが二球目を投げるとまぁ多分アウトコースで勝負かな

そして予想通りにアウトコースにストレートが来る。俺ならこの球を流すのだけれど

するとやっぱりよんでいたのか思いっきり足を踏み込み

外角のボールを無理やり引っ張った

「……マジかよあの人。」

力を力で押し切りやがった。俺には絶対に無理な方法だ

ライン線に引っ張って御幸先輩は二塁に到達していた

おっ?ラッキー。

次の狙い目の球がちょうどインコースだったので俺は少しだけ笑う

「すいません。代打砂田で。」

主審に告げると相手チームにその名前が伝わる

……実は大阪桐生からもスカウト来てたんだよなぁ

俺は少しだけ苦笑してしまう。もし青道にいかなかったら行こうと思っていた高校の一つでもあった。

俺はサインを見るすると

監督はノーサイン。

……まぁ信じてくれているってことでいいのかな

俺は少しだけ息を吐き集中力を高める

代打とは流れをひきよせたり、チャンスをものにする役割を持つ

今回はピッチャーの心を折ることだろう

それならもちろん一番ピッチャーが自信を持っている球を打つしかないよね

そして館さんが振りかぶる

さっきの御幸先輩のタイムリーでアウトコースは投げにくくなっているはずそれなら

インコースにストレート

それを俺は合宿中何度も同じように打ったポイントで捉えるように強振する

俺は思いっきりボールがバットに触れた瞬間だけ力を加えボールをはじき返す

やっぱり早いし重い

少しだけポイントが外れたし。

でも弾き返されたボールはライトの頭上を越えていきライトスタンドに突き刺さった

「……」

俺は片手を上げる

「「入った!!」」

「おいおい。マジかよ。」

そんな声が聞こえてくる

てか

気持ちいい

正直試合で初ホームランを打った感触は最高だった

ダイヤモンドを一周まわりホームベースを踏む

「ナイバッチ。お前狙ってたな。」

「はい。さっき御幸先輩はアウトコースの球を引っ張ってくれたおかげでインコース狙いやすかったです。でも結構しびれました。」

手を振り軽く笑う

「それにピッチャーは動揺してなさそうでしたけどキャッチャーは動揺してたらしいですね。普通は一球外しますし正直初球から入ってくるとは思わなくて少しだけポイントずれました。」

「十分だよ。」

とハイタッチで一回叩く。

「よっしゃ!!俺も続くぞ!!」

すると沢村が勢いよくバッターボックスに向かう。

「そういや、降谷はバッティングいいですけど沢村ってどうなんですか?俺沢村とバッティング一度も重なってないから知らないんですが。」

「ん?あいつ?見たら。」

「ストライクバッターアウト。」

「……早すぎません。」

と苦笑してしまう。

どうやら守備には門田先輩が付くらしく準備をしていた。

すると降谷のところで相手の監督が出てくる。ピッチャー交代らしい。

まぁとどめさせたし十分だろう

でも昨年全国準優勝投手から打ったホームラン

手応えがまだ手に残っていた

 

「今日はありがとうな。」

「はい。ありがとうございました。」

と相手チームのキャッチャーの小早川さんと握手する

「まさかわいの配球がよまれてるとは思わんかったわ。」

「いや。得意球をピッチャーは投げたいだろうと思ってたましたから。御幸先輩は外角綺麗に打ち返してたんで狙いが絞られましたから。それに大阪桐生の高校の練習に参加させてもらっていい刺激になりました。」

「しかしまさか青道におるとは思わんかったわ。スカウトが監督に愚痴漏らしてたからな。」

「それっていいんでしょうか。それに結局うちの負けですしね。」

あの後沢村はあの後もムービングだけで4回を投げ2失点の好投。降谷も課題はしっかりとしていて今後の活躍に期待できる

「しかしええなぁ。今日投げたピッチャー二人とも一年やろ?形の違うピッチャーがふたりおって砂田がいたら甲子園優勝狙えるんとちゃう?」

「あの二人に比べれば俺はまだまだですよ。今の所狙い球を絞って追い込まれたら俺は当てることが精一杯ですし。」

「謙遜せんでええで。」

「違いますって。……でも三年に上がるまでには一回は甲子園でお会いしたいですね。今度は館さんの縦スラ見せてくださいね。俺去年の夏の優勝投手の決め球楽しみにしてたんですから。」

「おぉ。それじゃあ次は甲子園でまた会おうな。」

「はい。お手柔らかに。」

ともう一度握手をしてから小早川さんはバスに乗る

「……すげぇ。硬かったな。」

俺はさっき握られた手を思い出す

素振りとピッチャーの管理は大変だろうけど

それでもあの人たちはやっているんだよな

やっぱりキャッチャーってすげぇよ

俺には到底できそうにないポジションを御幸先輩は一年の頃からスタメンを守ってきたと思うと

大変で面白いポジションなんだろな

「……甲子園か。」

夏の予選まで後1ヶ月

俺たちの夏はどうなるのか分からないな

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