日本一のエースと天才バッター 作:四つ葉
「春市。」
「健斗くん。」
バックトスで渡されたボールに俺は取りセカンドベースを踏みそして一塁に転送する。
「ナイスプレー。」
「そっちも。」
とグローブを軽くぶつける
俺は息を吐きショートからライトへと移動する
「お願いします。」
相変わらずのユーティリティープレイヤーとしてほぼ全ポジションのノックを受けていた
俺の1番の武器は守備
どこでも思い通りの守備をできること
……まぁ、調整期間だから今は意図的に調子を落としているんだけど
俺が調子悪い時はバッティングではなく走塁と守備にでる。
あまり変わらないように見えるがスタートが少しだけ遅れてしまうのだ。
今は正直調子が悪いけどそれでも大体のボールは撮ることができる。
大会まで後一週間
最後の追い上げに俺は息を吐いた
「ウォォォ!!奇跡だ。金丸、健斗見てくれ、見事な赤点回避。」
「……」
俺と信二は沢村のテストの点数を見て少しだけ絶句していた
全部赤点から10点以内で赤点回避をしている沢村にため息を吐く
「やま張らして正解だったな。」
「あぁ。」
物覚えの悪い沢村に先輩から過去のテスト傾向を聞いてそれだけを重点的にやらせたのだ
「ついでに健斗は?」
「全教科95点以上だけど。」
俺は総合三位と言う高得点で期末を終えていた。
ついでに学年一位は美帆だったらしい
……あいついつ勉強しているんだよ。
物覚えがいいのは知っていたがマネージャーの仕事に勉強もできるとか
「……はぁ、問題は降谷だけど。」
「……大丈夫だろ。美帆が見てたし。」
「そういえば姉御と健斗っていつ勉強してんだ?」
「……姉御?」
沢村の言葉に首をかしげる
「あぁ、そういや健斗は知らないのか。前田のことを沢村は姉御と呼んでいるんだよ。師匠はクリス先輩だから。」
「……へぇ〜。美帆に姉御って今度呼んでみようかな。絶対嫌がるだろうけど。」
「やめたほうがいいと思うよ。美帆ちゃん怒ると怖いから。」
「そんなもん幼馴染だから知ってるって。」
笑ってしまう
「まぁ、冗談だけど降谷が赤点なければ一安心なんだが。」
するとポケットからスマホのバイブが一回なる
多分美帆からだろう
「信二ちょっと壁になってくれ。」
「お、おう。」
一応校則違反だし周りを見回してからスマホを素早く操作する
そして結果を見ると英語とたった一言書かれていただけだった。
「……うわぁ。美帆かなりキレてる。」
「……どうしたんだ。」
「降谷英語赤点だって。」
すると全員が固まる
「……降谷死んだな。あいつ追試クリアするまでかなり勉強漬けにされるぞ。」
「……美帆ちゃん教える時スパルタだもんね。」
苦笑している吉川さんにため息をつく
その後追試合格まで部活動終了後に屍になった降谷が見かけられたのはまた別の話。
そして期末が終わり7月半ば
「今から背番号を渡す。呼ばれた者から順に取りに来い。」
監督の言葉に緊張感が増す。呼ばれるとわかっていてもやっぱりこの瞬間だけは本当に緊張するな
「まずは背番号1。丹波光一郎。」
すると驚いているのか少しの間動かない丹波さん。
「……どうした。取りに来い。」
「は、はい。」
まぁ意外だろうけど当たり前の結果だろう
そして一言添えてから背番号を渡される
そして背番号が順に渡されていく
背番号2 御幸一也
背番号3 結城哲也
背番号4 小湊亮介
背番号5 増子透
背番号6 倉持洋一
内野手の言った後に俺は緊張感が増す
これで俺と坂井先輩のスタメン争いが決着するのだ
白州先輩だったら俺は多分9番になる
そして監督の言葉を待つ。そして淡々と告げた
「7番白州健二郎。」
その一言に全員が空気を飲む
監督の一言に全員がわかってしまった
この夏の外野手の主力メンバーが
「8番伊佐敷純。」
「しゃー。」
と呼び終え背番号を渡されるとそして次ラストの背番号
「9番砂田健斗。」
「はい。」
と監督の元へ向かう
そして背番号を受け取ると監督が笑う
「……任せたぞ。」
「……はい。」
そうしてガッツポーズを決めたがったが俺は我慢する
さすがに嬉しかった
そして背番号はどんどん呼ばれていく
背番号10 川上憲史
背番号11 降谷暁
背番号12 坂井一郎
背番号13 宮内啓介
背番号14 門田将明
背番号15 樟木文哉
背番号16 樋笠昭二
背番号17 田中晋
背番号18 山崎邦夫
背番号19 小湊春市
背番号20 沢村英純
この二十名がこの夏の青道高校野球部のメンバーだった
「記録員はクリス。お前に頼む。」
「はい。」
とクリス先輩は記録員。そして終わるかと思いきや
「それからマネージャー。お前たちも本当によく手伝ってくれたな。」
と言って監督が取り出したのは試合用のユニフォーム。
「お前らもチームの一員としてスタンドから応援してくれるな。」
すると三年生の先輩は涙を堪えられないでいる。すると美帆と目が合うと笑顔になっている
「皆もわかってると思うが高校野球に次はない。日々の努力も流してきた汗も涙も全てはこの夏のために。」
すると全員が緊張感のあるいい顔になっている。士気も高い。これなら大丈夫だろう
「よしいつものやついけ。」
「はい。」
と自然と円陣を組み右手を左胸に持ってくる
「俺達は誰だ?」
『王者青道!!』
「誰よりも汗を流したのは?」
『青道!!』
「誰よりも涙を流したのは?」
『青道!!』
「戦う準備はできているか?」
『おおおおおおおおおおお!!』
「我が校の誇りを胸に、狙うはただ一つ、全国制覇のみ!!」
「行くぞォォォォ!!!!」
『おおおおおおおおおおお!!』
あの時とは違い一年やマネージャー含め全員が一致団結し声を揃えている
……なんやかんや色々トラブルは起こったがなんとか間に合うことができた。
そして青道の夏が今始まる