日本一のエースと天才バッター   作:四つ葉

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青道へ行く仲間

「え〜青道から声掛かったの?」

帝東と青道戦を見るために俺と美帆は神宮球場にきていた

「あぁ、昨日な。」

「ちょっとなんで言ってくれなかったの?」

「お前昨日言おうと思ったら夜間バスで爆睡してただろうが。」

話しながら試合二時間前にくるとすでにチケット売り場では長蛇の列が並んでいた。チケットを買って席を確保してるするとほとんど満席になっている席を見て

「うわぁ。さすが強豪校同士人はいってるな。」

「うん。でも青道の秋の大会ってどうなの?」

「今年も同じ投手力不足って感じ。全試合コールド決めてるものの失点も多いな。」

「…へぇ〜。」

「……でもエラーの数がかなり少ない。特に二遊間のコンビプレーはアライバを思い出すな。」

本当に守備は硬い。青道ベンチもそこまで悪い雰囲気じゃなさそうだしな。

「……そういやお前が言ってた沢村ってピッチャー青道入りするらしいぞ。」

「……えっ?本当。」

「あぁ、決め手はやっぱり最後のあの一球だったらしい。綺麗なスピンをかけたストレート。あんなもん初見で打てるわけないだろうが。」

あんな伸びがあるボールなんて俺も見たことがなかった

長野の今年廃校になる赤城中の沢村

俺たちはその試合で名前を覚えるほどのインパクトを持っていた

「そういや。そっちは受験勉強捗ってるのか?」

「もちろん。ってかそうしなきゃ帝東戦なんかみにこないわよ。」

「……さすが学年次席ってとこか。」

俺はただ苦笑してしまう

「……それでどうするの?」

「まぁ、俺は練習が良ければ青道にするつもり。」

「……それ本当?」

「あぁせっかくの第一志望校なのに。逃すはずがないだろ。」

俺はあの時から青道野球について色々調べてきたんだ

「ってかもう他の高校には断りの電話入れたし。」

「……もう何も言わないわよ。」

呆れたように俺を見る美帆

「それにやっぱり結構有名どころの選手も来てるぞ。」

俺は青道側に座っている選手を指差して

「松方シニアの東条と金丸、三島シニアの高津。南西中学の金田。帝東にも花北シニアの向井とかな。」

と俺は美帆の隣を指差して

「陽光中学の小湊だろ。」

「えっ?」

俺が指差す先に赤髪の髪で目が隠れている特徴的な目

中学二年で遠征で戦った小湊春市がいた

「中学打率6割越え。出塁率も8割を超える天才バッター。軟式で全国大会に出たことはないが木製バット使っているせいか一部のマニアで有名なんだよ。」

「そうなんだ。」

「お前本当他人には興味ないな。」

息を吐き俺はため息をつく

「えっと。」

すると小湊が俺たちを見て少し戸惑ったようにしている。

「あぁ、悪い。自己紹介が遅れた。大門中学の砂田健斗。こっちは同じく大門中の前田美帆だ。」

「……えっ?」

すると驚いたようにこっちを見る小湊。

「それって今年の全国優勝校の。」

「あれ?知ってたんだ。」

「お前、結構今俺たち有名なんだぞ。お前が推薦受けないって聞いて先生も大混乱してるんだから。」

俺たちの10人で全国制覇したなんて初の快挙だ

「えっと、もしかして砂田くんも青道に?」

「あぁ。その予定だな。後こいつもな。」

「えっ?」

「私はマネージャーとしてだけどね。」

すると苦笑する美帆に俺は少しだけ息を吐いてしまう

「こいつ、硬式だったら130km投げるのに両親の願いで野球は軟式で終えるらしい。」

「えっ?130km。」

「あぁ、しかもスライダーとスクリューを覚えるしコントロールはいいし、俺硬式結構苦労してるのになぁ。未だ少し指が引っかかる感じがなれないし。」

「でも、健斗は私の球簡単にセンター前に弾くじゃない。」

「……お前の球どんだけヒットにするの難しいと思ってるんだよ。」

「……あはは。」

なんか突っ込みどころが多いって顔されているけど

「でも、本当美帆が甲子園予選に投げられたのならエース問題は解決なのにな。小湊は対戦した時は3−1だったよな。」

「……覚えてたんだ。」

「唯一こいつがホームラン打たれた奴だからな。しかも1打席を犠牲にしてまで。」

小湊は誘いうちが得意なバッターだった。1打席目をセカンドゴロに打ち取った後2打席目アウトロー難しいコースを攻め三振。これでアウトローを苦手だと思った3打席目2−2と追い込んでからの5球目完全に流し打ちでライトスタンドへ運ばれた

「……もしかしてあの時のバッターなの?」

「あぁ。お前くやしくてあの後グラウンド50周してたしな。覚えてたと思ったけど」

「……忘れないわよ。」

すると美帆は思いっ切り小湊を睨む。

「忘れるわけないじゃない。私のベストボールを運ばれたのよ。」

「……まぁ、あの時以来だもんなお前。」

変化球を磨きはじめたのは

「……悪いな。こいつもピッチャーなんだ。負けん気が強くてさ。」

「……あぁ。うん気にしないで。」

「んで、そういう小湊も青道にはいるのか?」

「うん。兄貴もここで野球をやっているから。」

すると思い出す。青道不動の二番バッターであり守備の名手小湊亮介

「……なるほど、バッティングセンスも守備も兄貴譲りか。」

俺は苦笑してしまう

「整列」

すると小湊と話している隙に試合開始時刻まで来たらしい。

さてお手並み拝見といきますか

 

「……まじかよ。」

俺は青道高校対帝東の試合を見て息を呑む

試合は予想通り乱打戦になったのだが

9−3

青道の攻撃型野球が止まらなかった

隙目ない攻撃型打線

全ては初回の攻撃で決まったのであろう

一番倉持が出塁し盗塁を決め

二番小湊が粘って四球

三番伊佐敷がセカンドへのボテボテの進塁打でランナーを進め

四番結城のフェンス直撃の2点タイムリーツーベース

五番増子もライト前ヒットで出塁し

六番御幸のレフトへのスリーランホームラン

ここで相手のエースを引きずり下ろした

その後も点数を稼ぎ青道高校が勝利した

「……すごいね。」

「私もあの打線相手にどう抑えたらいいのか分からないんだけど。」

さすがに美帆も驚いているのかグラウンドを見て黙り込んでしまう

「あぁ。さすがにこんなワンサイドゲームになるとは思っても見なかったけど……それよりも俺が驚いたのは投手陣の酷さだよ。」

「……」

「あのピッチャーかなりピンチに弱いよな。丹羽っていう人。」

俺はただ冷静に分析する

「それに中継ぎの川上って人も少し甘いコースが多い。ボール2、3個ずれてるだろ。打者の打ち損じで助かってるけど。」

サイドスローのピッチャーはボールが甘い

おお振りしてくれてるから助かっているもののコンパクトにスイングされたらすぐ打たれるだろう

「……それに守備も私たちのチームからしたら少し物足りないよね。」

「えっ?」

小湊は驚くが

「あぁ、エラーにはなってないが細かな送球ミス。中継の縺れもあったしカバーの入り方は完全にうちの方が上だ。唯一優っているのはキャッチャーと二遊間ぐらいじゃないのか?」

「うん。それに一回のバントの処理私たちセカンドで刺してたよね。」

「サードのスタートが遅れたからな。このようじゃ多分青道は準決勝止まりだろう。次は市大だろ。今年の市大は打線のチームだから完全喰われるな。」

冷静に分析すると問題点はいくつも浮かんでくる

「……やっぱり投手不足に悩まれることになりそうだな。来年は。」

「守備も甲子園に行くチームだったらもう少し硬い方がいいよね。特にライトとレフトは。」

「……すごいね二人とも。」

すると小湊は俺たちを見てそういう

「ん?これくらい普通だろ。俺と美帆は守り勝つ野球をしてきたからな。」

「ううん。そうじゃなくて。本気で甲子園のこと考えているんだって思って。」

「……まぁ、俺は純粋にどこにも負けたくないってだけだし。」

俺は苦笑する

「それに俺はこいつを甲子園に連れて行くからな。」

美帆の頭を軽く叩く

「……絶対後悔させたくねーんだよ。こいつが選手を諦めてマネージャーの道を選んだのも後悔だけはさせたくねぇ。最低でも甲子園出場、いや甲子園優勝を本気で狙いたい。」

俺は両親の事を考えてマネージャーの道を選んだことは未だに納得できない。

でもそれならば俺が納得する理由を出したいのだ

甲子園優勝という最高の結果を美帆にプレゼントしたい

そのためだったらなんでもしてやる

「……本当バカね。」

「うっせ。正直いうと俺だってまだお前と野球がしたかったんだよ。同じチームで日本一を目指してな。」

でもそれができないなら同じ景色を最高の舞台で

「まぁ、まずは一年でスタメンになれるように冬場振り込まないとな。美帆トレーニング付き合ってくれないか?」

「もちろんいいわよ。」

「あの。それ僕も参加していいかな?」

すると小湊がそんなことを言い出す

「……僕も負けたくない人がいるから。」

すると小湊は目をギラつかせる

「……もちろんいいけど、俺長野だぞ家。」

「大丈夫。ぼくがそっちに行くから。ぼくも冬休みに僕も振り込もうと思ってたから。」

「……ううん。それなら私たちが行った方がいいわ。私たちの地区は冬休み中は雪が多いから。」

「お、おい。美帆」

「……いい機会じゃないかな?二人だけでできるメニューなんて限られてるじゃない。」

「……まぁそうだけどさ。」

「それに私が小湊くんともう一度勝負したいの。」

すると俺はこの時点であぁ止まらないなって判断する

「……それなら。ちょっと待ってろ。東条と金丸って奴も誘ってみるわ。硬式経験者いた方が守備面はいた方がいいだろ。」

「うん。そうね。」

「あはは。なんか大掛かりになってきたね。」

「ちょっと行ってくるから頼む。」

と俺は全速力でまだ席に残っている金丸と東条を目指して走っていった。

高島さんにまた謝罪の電話と青道に行くという結果をもって

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