日本一のエースと天才バッター 作:四つ葉
「ここが青道高校よ。」
「……すげぇ。」
俺が青道高校について発言した言葉がそれだった
「……室内練習場完備にバッティングマシンや寮もついているって聞いてたからかなりの広さだと思ってたけど。想像以上だな。」
「えぇ。でもしっかりパンフレットには書いてあったと思うけど。」
「……美帆に貸してたんですよ。」
「あぁ、なるほど。」
俺は少しだけ見てまわる。室内練習場にウエイトルームなど多くのトレーニング施設が充実している
「すいません。寮に案内してもらってもいいですか?」
「……えっ?」
「自分で案内頼んでおいて悪いんですけど……早く体を動かしたいんですよ。長野じゃまだ雪が残っててノックも雪上ノックしかして来ませんでしたから。」
俺は大規模な施設を見てすぐに体を動かしたいと思ってしまった。
「……えぇ。わかったわ。君の部屋は207号室よ。」
「うす。」
と俺は寮へ駆け足気味に向かう
……やべぇ。超楽しみ。
俺は少し笑ってしまう。
俺たちは全国大会出場したとはいえグランドにはサッカー部と陸上部と場所が割り当てられたせいでバッティング練習はいつもティーバッティングとうちのバッティングセンターのみとなっていた。
どんな練習するんだろう。
あんだけの攻撃型チームの打撃練習が気になっていた
そして階段を急いで上がると207という文字が見える。
「ここか。」
俺は一度息を吐きノックを二回する
するとドアが開きメガネをかけた人がいた。
おいおい、マジかよ。
俺は少しだけたじろいでしまう
俺はその人を帝東戦を見て知っていた
御幸一也かよ
思わず苦笑してしまう
「えっと、今日からお世話になる。砂田健斗です。」
「あぁ。話は聞いてる入れよ。」
俺は頷く。部屋に入ると2人掛けベッド二つと机が3つそして小さな家具が数点おいてある。そしてもう一人のルームメイトらしき人がいた。
「えっと、俺は御幸一也。ポジションはキャッチャーをやってる。それでこっちは宮内先輩。俺と同じくキャッチャーをやっている。」
「ふす。よろしく。」
「はい。よろしくお願いします。」
と手を握ると肉刺だらけで硬くなった手だとすぐに分かる。
やべぇ。この人もかなりの実力者だ。
つい笑みがこぼれてしまう
「…えっと。それでなんだけどとりあえず寮のルールはパンフレットにまとめてあるからそれ読んどいてくれ。」
「はい。分かりました。」
「まぁ、他は説明するより慣れた方が早いからな。分からないことがあったら俺に聞いてきてくれ。」
「……なら。素振りできる最適な場所って分かりますか?」
「……は?」
「いや。少し施設見てたら体動かしたくなってしまって。」
「それなら俺も今から素振りをするつもりだが。一緒に来るか?」
「はい。お願いします。」
俺は頷く。俺は少ない荷物の中からジャージに着替え家から持ってきたマスコットバットを持ち出す。
そして宮内先輩の後ろをついていくと室内練習場の少し奥に行った先に
素振りを行なっている明日からのチームメイトがいた。
「……よう宮内。お前も素振りをしにきたのか?」
「あぁ。いつまでも御幸の奴にスタメンの座を取られてばかりじゃいられないからな。」
俺はその面子を見て
「アハハ。」
笑うしかなかった。
「あれ?宮内その子誰?」
「ルームメイトの砂田だ。」
「……へぇ〜その子が?」
なんでこんなところに集まってるんだよ。
「ほう。」
すると一人の体格のいいこの学校にいる人なら誰もが知っている選手
「キャプテンの結城哲也だ。よろしく。」
と手を出される
宮内先輩に案内された場所は三年生がいつも素振りをしている場所かよ。
いきなりのエンカウントに少し驚いてしまうが少したって笑いに変わってしまった
面白すぎるだろ青道高校
「……大門中出身砂田健斗です。よろしくお願いします。」
俺は出された手を握り返す。
すると握った瞬間分かった
この人がどれだけ努力してきたのかを
かなり固い手は毎日何百回もの素振りをかかさずに行なってきた証拠だった。
「……すげぇ。」
声が漏れてしまう
……すげぇよ青道。
ここならもっと俺は上手くなれる
施設、環境、人材
やばい。
「早く野球がしてぇ。」
すると手を握っていた先輩が笑う。どうやら俺は試されていたらしい。
「すいません。素振りしたいんで手を離してもらっていいですか?」
「あぁ。でも冬休み中かなり振り込んできたな?」
「一応、俺は硬式は初めてなんで。でも一応家が室内バッティングセンターなんでボールを硬式に変えて打ち込みましたね。後はイメージトレーニングしながら素振りをしたらかなりはかどりました。」
「そういや、日本選抜チームに選ばれたんだろ?どうだった?」
「はい。かなり凄かったです。軟式とは思えないほどの早い球137kmって表示されてましたが体感速度がもっとはやかったり。ボテボテのピッチャーゴロを内野安打にしてしまう選手とかいました。正直でもそこまで肩が強い選手はいなかったのが助かりましたね。でもかなりのいい刺激になりました。」
俺は疼いてしまう
息を吐き想像する。
まずは東条の左バッターから逃げていくシンカーを逆らわずに打ち返す。
一度振るとイメージを崩さずに次のピッチャーへ切り替える
成宮さんなどの西東京のエースピッチャーに中学に対戦したピッチャー
海外遠征に出かけた時に対戦した世界選抜の選手など
どのように打砕くのか明確に
そして息を吐く約50人ほどのイメージトレーニングを終え最後の一人
……いつも真剣勝負をしてくれた美帆を思い浮かべ一番あいつのウイニングショットのチェンジアップを思い浮かべる
そしてアウトローに逆らわず流し打ちのイメージでバットを振り抜く
「ふぅ〜。」
イメージトレーニングが終わり息を吐くと
三年生と見知らぬサングラスを掛けた男性が高島さんと一緒に俺の方を見ていた。
「……あれ?」
俺なんかやらかした?
そんなことを考えていると
「……凄い集中力だな。」
サングラスを掛けた人が俺に向かっていう
「入寮日に素振りをする奴なんか六年監督をやってきたが貴様が初めてだ。」
「……」
俺はその一言で全て分かってしまう。この人が青道野球部監督の片岡鉄心だと。
「……大門中出身の砂田健斗です。」
バットを置き頭を下げる。
「素振りは毎日やってないと少し落ち着かないので。」
「手を出してみろ。」
俺は言われたとうりに手をだす
するとしばらく触った後
「……なるほどな。本当に毎日振っている手だな。」
「こんなことで嘘ついたって意味ないですから。」
「砂田、明日の体力測定終了後一軍の練習へ合流しろ。」
……は?
一瞬固まってしまう
「……ちょっと片岡監督さすがにそれは。」
もう一人の男性から声がする。それもそのはず。
テストもなしに俺は一軍行きを言い渡されたのだから
「結城から見て砂田はどう思う?」
「……正直一年とは思えないほどバットを振り込んでいます。正直レギュラー争いに加われば。俺たちにとっても刺激になるかと。」
「……結城!?」
「……砂田希望ポジションはあるか?」
「キャッチャーとピッチャー以外はどこでも守れます。」
「「「……」」」
すると全員が凍りつく。
「中学のころは二遊間とセンターを基本に守っていましたが、公式戦では全ポジションでの出場した経歴があります。海外遠征時はファーストとサードを守っていたので実力はあるかと。」
高島さんがメモ帳を開き読み上げる。でもキャッチャーなんて一年の秋に1試合だけでただけだぞ
「ただピッチャーとキャッチャーはもう二年近くやってないので一軍レベルに届いてないと思います。でもそのほかのポジションでは自分の全力を出すことができます。」
「……マジかよ。」
すると先輩の一人が声を上げる
「……分かった。それで希望ポジションは。」
少し考える守れるポジションではなく希望を聞いてるってことがわかった。
それなら
「それなら外野手を希望します。」
去年帝東戦で見た守備の弱点。
そこに俺がいればと何度も思ったことはない。
中継プレイの乱れを見ると俺がこのチームでできることは外野強化だ。
「分かった。それと宮内、砂田にサインを関東大会の始まるまでに教えてやれ。」
「は、はい。」
「……砂田。」
「はい。」
「……期待してるぞ。」
すると片岡監督は去っていく。
無言の三年生とただ少しの間呆然とする俺を残して