グラブルオリジナルストーリー(主役:アンナ)   作:水郷アコホ

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42「いざ、図書館へ」

 ──図書館の前まで辿り着いた一行。全員に明らかな疲労の色が見える。

 ──団長達は、その後も幾人もの島民を助け出し、アジトの場所を教えあるいは聞き出し、避難を誘導した。

 ──右へ左へ寄り道を繰り返して行き着いた図書館では、覆われたグラスの下で針を刻む大時計が、もうしばらくで空が白む頃だと伝えていた。

 

 

 

ビィ

「うぅ~……ホントによぉ。団長(オマエ)のお人好しだけはムテキだよなぁ……」

 

団長(選択)

・「さすがにちょっと反省してる……」

・「冗談が言えるくらいなら大丈夫そうだね」

 

→「冗談が言えるくらいなら大丈夫そうだね」

 

ビィ

「うへぇ……もう色々と冗談じゃねぇよぉ……」

 

 

 

 ──団長が気丈に振る舞う一方、アンナがとうとう座り込んでしまった。

 ──口元を手で押さえている。体がついて行けなくなって来ているようだ。

 

 

 

ルリア

「アンナちゃん、本当に休んだ方が……!」

 

アンナ

「だい……じょ、うぶ……だから……」

 

カシマール

「コ、コンジョーダケデモ、ヤッテヤラァ……」

 

ビィ

「いや本当にヤベェって! マジで体がもたねぇぞ!」

 

 

 

 ──仲間の制止も聞かずフラフラと立ち上がるアンナだが、直立した瞬間に小枝のように体が傾いていく。

 ──すかさず団長が抱き止めるが、アンナの目は虚空を漂い、荒いがゆっくりとした呼吸を繰り返している。

 

 

 

ビィ

「だから言ってんじゃねぇか……なぁ、こんな状態じゃあ無茶するだけ損だぜ?」

「さっきの子供に怒鳴ってた時もそうだけど、今のアンナ、正直フツーじゃねぇって。悪い事言わねぇからさぁ……」

 

ルリア

「私も、あの時のアンナちゃんは……気持ちは解りますけど……」

 

アンナ

「はぁ……はぁ……だって……カレーニャ、は……」

 

 

 

 ──団長の腕を離れて、両足に気合を入れ直すアンナ。しかし上半身はだらりと項垂れ、頼りなく息を整えている。

 

 

 

アンナ

「カレーニャは……ボクの事……『凄い』って……」

「ボクに……『友達になって』って……言って、くれたんだ……」

「団長さん達の……お陰じゃない……団長さん達……以外の……初めての……」

 

ルリア

「アンナちゃん……」

 

 

 

 ──ずるずると歩き出し、図書館の正面玄関前に寄りかかるアンナ。

 ──入り口も分厚いグラスで覆われドアノブの輪郭にすら触れられない。

 ──そのままグラスに、気つけとばかりに頭突きを打ち込むアンナ。

 ──騒然となる一行に振り返ったアンナは、額を赤くし、まだ細かく体が震えているが、瞳に力が戻っていた。

 

 

 

アンナ

「だから……皆……まだ、やらせて」

「カレーニャは、図書館の”頂上”に居る……ボクが、ボク自身が確かめないと……絶対にイヤだから」

 

 

 

 ──決意の表情に団長が頷いて返す。

 

 

 

ビィ

「お、おいおい本当に良いのかよ。頑張るにしたって限度ってモンがあるぜぇ?」

 

団長(選択)

・「ここまで来たら進むしかない」

・「また倒れたら抱いて運ぶ」

 

→「ここまで来たら進むしかない」

 

ビィ

「そりゃぁ休んでる場所も時間も無ぇかもだけどよぉ……」

「ま、お前はそう言い出したらもう止まらねぇしな。よっしゃ、アンナがぶっ倒れねぇようにオイラ達でフォローするぞぉ!」

 

ルリア

「はい。がんばります!」

 

 

 

 ──ルリアにも既に火が点いていた。一行は決意を新たにして図書館と対峙する。

 

 

 

ビィ

「──って、意気込んだは良いけど……どうやって入りゃ良いんだ?」

「入り口からしてこんなじゃあ、窓だって入れそうにねぇしなぁ」

 

 

 

 ──玄関前はもとより、図書館は石棺のようにグラスに包まれてしまって、図書館だった部位が露出する隙もない。

 ──砕いて進もうにも、厚みはカタリナの剣の刃渡り程もある。ドリイと戦った時のグラス壁より分厚いのは間違いなく、一筋縄では行かない。

 

 

 

アンナ

「任せて……!」

 

ルリア

「やっぱり、アンナちゃんでないと──む、無理はしないでくださいね!」

 

 

 

 ──目を閉じ、胸元に手を添え、何か念じるアンナ。

 ──そっと人差し指を正面に伸ばすと、その指先に火の玉が灯る。

 ──火の玉は膨らみながら温度を高め、赤から白へ、白から青へと移ろい、プロミネンスさえ纏う光の塊となった。

 

 

 

アンナ

「必要な物だけ……残して……こんな、感じで……!」

 

 

 

 ──図書館地下での特訓を思い出しながら、目を開いて目標との距離を計り、火球を打ち出した。

 ──玄関を塞ぐグラスは、火球が迫るだけで触れる前から蒸発し、まるで火球から一斉に飛び退くように大穴を形成していく。

 ──光が失せた頃には、玄関までアーチ状の洞窟が形成されていた。団長達から完成が上がるが、アンナは少し残念そうにしている。

 

 

 

アンナ

「あぁぁ……やっちゃった……」

 

 

 

 ──玄関扉の半分以上が炎に巻き込まれ、煙を残して消え去っていた。

 ──グラスだけを溶かして扉を損壊しないのが理想だったようだと察する一行。

 

 

 

 

アンナ

「た、建物壊しちゃった……どうしよぅ……」

 

ビィ

「まあこんな時なんだし、通れるようになっちまえば結果オーライだって」

 

ルリア

「そうですよ、アンナちゃんはやっぱりすごいです!」

 

 

 

 ──フォローを入れる一行だったが、硝子にヒビが入るような鋭い音にハッとして玄関に向き直る。

 ──ドリイとの戦いでも聞いた、グラスが形成されていく音だ。

 ──先程の通りでショーウィンドウが変形した時には無音だったが、さっきと今との違いは解らない。

 ──とにかく、今しがた空けた穴の断面から、じわじわと新しいグラスが生み出されている。

 

 

 

ビィ

「のんびり話してる暇もなさそうだな。このままだと、きっとグラスが元通りになってまた塞がれちまうぞ」

 

アンナ

「み……皆、早く中に……」

 

ルリア

「あっ、でも、私達だけ中に入ったら、カタリナが入れなくなっちゃうんじゃあ……」

 

団長(選択)

・「図書館の中にもまだ人が居るかもしれない」

・「カタリナならきっと何とかしてくれる」

 

→「カタリナならきっと何とかしてくれる」

 

アンナ

「ボクも、急いだ方が良いと思う……」

「この島の人達を全部取り込んじゃったら、カレーニャが次に何をする気なのか、ボクにも解らないから……」

 

ルリア

「──解りました。私、カタリナを信じます」

 

 

 

 ──意思を固め直した一行は、飛び込むように玄関の穴を駆け抜けた。

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