クール系魔女っ娘師匠を愛でたり、愛でられたり   作:まさきたま(サンキューカッス)

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第二話「ほろ苦い恋の歌」

 僕が、師匠と愛を交わしてから一年の月日が経った頃。

 

 僕と師匠の関係は激変し、今までとは全く違う日常が訪れるようになった。中でも、恋人になった前後で一番の変化は、魔法の修行時間が激増したことだろう。

 

 それ以前は、日中師匠の申し付ける雑用を全てこなした後、その報酬として稽古をつけて貰う形だった。それも、夜に1、2時間程の魔法学講義をするである。

 

 魔法のド素人だった僕にとっては、値千金の内容だったが。師匠の恋人として、魔法という技術を極めることが目標となった今、そんな短時間の修行で間に合うわけがない。

 

 僕は死ぬまでに、師匠の待つ魔道の頂に到達せねばならない。そして宣言通り不老不死となって、彼女と永遠の愛を交わすのだ。

 

 師匠は、四六時中僕に付き添って、あれやこれやと修行を課すようになった。無言での魔法行使から始まり、魔力を強める修行、術をコントロールする修行、自分で術を改造する技術、魔法陣の書き方などなど。

 

 この1年で、僕は魔法が随分と得意になっていた。生涯をかけて鍛えてきた体術よりも、ずっとずっと練度が高い自信がある。いつしか僕は、戦士から魔法使いにジョブチェンジを果たしていたらしい。

 

 師匠曰く、そこまで魔法の筋は悪くないとのこと。このままサボらなければ、いつかは不老不死に至れると断言してくれた。

 

 できれば師匠のように、若い間に不老不死に至りたいものだ。僕がヨボヨボのお爺ちゃんになってようやく不老不死に至ったとして、果たして師匠はそんな僕を恋人として見てくれるだろうか。若くて格好の良いうちに、師匠の隣に並び立ちたいものだ。

 

 ……そもそも現状、師匠は僕を恋人として扱ってくれてはいるが、何と言うか『形だけの恋人』に近い。そんなことはないと思いたいが、師匠は僕を『男』として見ていない節がある。

 

 キスをせがめば許してくれるし、ムラムラとして辛抱たまらず襲ってみれば笑ってベットに誘ってくれる。恋人だから遠慮する必要ないと、そう言ってくれる。

 

 

 

 

 

 

 

「それってさ!! なんか違うと思わないか!? なぁ、お前ら!!」

「……いや、スゲーよ。永明の魔女と恋人になった、その時点でスゲーよ」

「しかも恋人との仲も良好じゃないですか。何が不満なんですか?」

「あっはっはっは!! マジで魔女様と付き合うとか、コイツ頭おかしいんだけど!! ウケるし!!」

 

 ここは、郊外の酒場。僕は旧知の友人達と、共に酒の席を囲んでいた。

 

 幼い頃から師匠をつけ回し、転々と旅をしてきた僕にとって友人と呼べるのは彼等くらいだろう。

 

 ここは、師匠のアジトがある街なのだ。そして、とある魔法薬の材料の原産地でもある。師匠は、薬の材料補充を目的に定期的にこの街に立ち寄っていた。

 

 僕にとっては、この町はもはや故郷の一つだ。人生で一番長い時間を過ごした町なのである。僕は最低でも、年に1度はここにやってきて、この酒場に顔を出していた。

 

 ここの酒場の面々は、師匠に復讐する気満々だったころからのつきあいだ。元々このメンバーは、師匠を倒す為の同志として5歳頃に僕が組織した。当時僕と同い年だった彼らは、『魔女を倒すごっこ遊び』だと思って付き合ってくれていたらしいけれど。

 

 この集まりは、僕の師匠に対する憎悪が薄れていくにつれ、いつしか僕の師匠への恋愛相談室になった。去年『師匠に勝ったその日に、僕は師匠を抱く!』と酒の勢いで宣言して別れていたのは、ここのメンバーである。

 

 1年ぶりの再会、僕は彼らに師匠への恋愛事情の結果報告も兼ねて飲み会を開いた。

 

「お前、変なところでアクティブだよな……。いや、とりあえずおめでとう」

「ありがとう。だけどさ……」

「話聞いてると惚気にしか聞こえなかったんですが。何をそんなに悩んでるんです」

「さっき言った通りなんだよ。師匠が僕を男扱いしてくれない」

「じゃあ何、アンタ女と思われてんの!? それウケる!!」

 

 僕は本気の悩みを盛大に愚痴っているのだが、こいつらは誰も分かってくれない。実際に、僕と師匠の関係を知らないから分からないのだろう。

 

 分かりやすく、説明してみるとするか。

 

「……これは、たとえ話なんだが。僕が師匠以外の誰かにコロっと惚れて、浮気をしたとする」

「うわ、最低ですね」

「たとえ話だ。それでミカ。お前が師匠の立場だったらどうする?」

「え? そんなの最後の一本のケツ毛まで火で炙って殺しますけど」

「うわ、愛重たっ。ミカ、そういうキャラだっけ? 引くんだけど!!」

「いやいや、お願いだから生きてくれって言われて、それで恋人になって魔法教えてあげてるのに、浮気とかされたらそりゃ殺すでしょ」

「一理あるな。お前、死ぬより惨いことになるから浮気とかは絶対しちゃいかんぞ」

 

 ミカから返ってきたのは、少し過激だが常識的な解答だった。やはり、こいつらは僕と師匠の関係を何も理解していない。

 

「僕の師匠は、多分怒んないんだよ」

「……ほう?」

「悲しそうな顔をして、『私より好きな人が出来ちゃったんならしょうがないな』みたいなこと言って、その言葉を最後に僕の前から姿を消して、誰も知らないウチにひっそりと自殺する。きっと、そんな結末になる」

「それはそれで、キツイなぁ」

「僕の言いたいこと、分かってくれた? ……つまり、師匠にとって僕は、息子の領域を出てないんだよ」

「あー、なんとなく言いたいことが分かってきたような」

「師匠は僕のことを大事に思ってくれている、それは間違いない。でも、その愛情は恋人に向ける愛情じゃなくて、家族へ向ける愛情なの! 僕が師匠と対等になろうと分不相応な背伸びをしたら、可愛いものを見る目で付き合ってくれてる感じなの! チキショー!!」

「子ども扱いされてるだけじゃん!! ウケる!!」

 

 子ども扱い。

 

 その言葉が、グサリと僕のチッポケな尊厳に突き刺さった。

 

 まさに正鵠を射た言葉だ。師匠は、オルメアは僕を子ども扱いしている。建前上は恋人として扱ってくれているけれど、その実は僕の恋人ごっこに付き合ってくれているだけだ。

 

「なぁ。どうすれば師匠は僕を男として見てくれるかな」

「またいつもの相談が始まったぞ」

「年に一度、面倒な相談を持ち込みに来るのを恒例行事にしないでくれません?」

「あっはっはっはっはっは!! 今までで一番面白い相談だから、これはこれであり!! ウケる!!」

 

 あのオルメアと恋人になれたのだ。僕だって意気揚々と彼らに報告したかった。 

 

 だけど、こんなふがいない形だけの恋人では、格好がつかない。だから何とかして、師匠を意識させようと一年かけてあれやこれやとアピールしてきたが、彼女はニコニコとそんな僕を微笑ましく眺めるだけ。

 

「でもよ、解決策なんぞ一つしかないだろ。お前が強くなって、実力でオルメア様に勝てるようになれば、子ども扱いはされんと思うぞ」

「というか、オルメア様のご年齢を考えれば子ども扱いされて当然でしょう。高望みが過ぎますよ」

「ぐ、ぐぬぬ。それじゃあ、しばらく僕は子ども扱いされっぱなしという事に……」

「あきらめろ。というか、オルメア様を口説き落とした時点で望外の幸運だ。それ以上は欲張りすぎ」

「同意ですね。何もかも貴方が弱っちいのが悪いんです。オルメア様に認められるほど強くなるまでは、甘んじてその扱いを受け入れなさい」

 

 そう言って彼らは、僕を煽るかのように酒を飲み干した。

 

 彼らの言う通り、なのかもしれない。まだまだ修行不足で発展途上の僕が、オルメアと対等に接しようと考えること自体思い上がっていたのだろうか。

 

 意気消沈。どうしようもない虚しさがこみあげてきて、そして、

 

「あっはっはっはっはっは!! いや、それはチゲーし!!」

 

 一人のバカ女に、笑い飛ばされた。

 

「魔女様に勝てるようにとか、一生無理かもしれんじゃん? 勝たなくていいんだよ、支えればいいんだよ」

「……支える?」

「そ。アンタにしかできないことを出来るようになれば、オルメア様はアンタを子ども扱いしなくなる筈よん」

 

 ……僕にしかできない事? 彼女は、何を言いたいのだろうか。

 

「例えば、アンタが魔女様の見てないところで超旨い飯作れるようになってさ、それで魔女様の胃袋を掴んじゃえば? その超旨い飯を作れるアンタを、魔女様は尊敬するはずさ」

「え、僕は料理苦手で」

「例えば、つってんじゃん。料理じゃなくても、何かあんたが得意なことを一つ、魔女様に見せなよ。人間ってのは、自分に出来ないことが出来る奴をスゲーって尊敬する生き物なんだから」

「あ、ああ。成程」

「それが魔女様の役に立つことなら、なおよし。魔女様がアンタを頼りにし始めたら、しめたもんさ。戦って勝つ必要なんかない、何かで魔女様を感服させればソレで良いんだよ」

 

 僕の目の前の酔っぱらいは、そう言い切るとゲヘゲヘと笑ってジョッキを飲み干した。

 

「恋人の長所に追いつこうと必死な奴より、恋人の短所を補ってくれる奴の方がモテると思うよ? これ、マジで」

 

 僕を含め、残り三人はそんな彼女を呆然と見つめている。

 

「アンジェが、一番まともなこと言った……」

「納得した自分が悔しいです。ただの酔っぱらいのくせに……」

「酒が足りないし!! お前が奢れ、相談料だ!!」

「あ、ああ。店主、今日は僕がアンジェの分を支払うから、じゃんじゃん酒を持ってきてくれ」

「ヘイ毎度」

 

 そうか。僕は視野が狭くなっていた。

 

 魔法とか強さとか、そんな一分野だけでオルメアに認めてもらう必要はない。オルメアは万能ではないんだ、できない事だっていくつかある。

 

 そんなオルメアが手が届かないところを、オルメアの隣に立って支えてあげられる人間。それが、僕の目指す先だ。

 

「アンジェ、ありがとう。僕は、自分が何を目指せばいいのかよくわかった」

「お礼は別にいいし、奢ってくれるなら。タダ酒より旨いモンはねぇ、吐くまで飲んでやるし」

「好きにしてくれ」

 

 ここのメンバーには、世話になりっぱなしだ。特に今日は、アンジェになら僕の全財産つかって奢ってやってもいい気分である。

 

 アンジェは基本バカなのだが、時折こういう鋭いことを言ってのけるのだ。

 

「ねぇ、因みにさ、アンタ何して魔女様の気を引くつもりなの」

「てか、貴方何が出来ましたっけ」

「……それは、これから考える。師匠、長い間生きてるだけあって出来ない事少ないしなぁ。料理も得意だし」

「んじゃあ、提案!! エロ関連でよくね?」

 

 エロ関連、というアンジェのいきなりな下ネタ発言にミカがゲフンとむせる。

 

 やっぱりアンジェはバカだった。

 

「エロ関連て」

「だって、魔女様って恋人とか作ったことないんじゃね? 男慣れしてなさそうな」

「……その辺は聞いてない。昔、師匠に恋人がいたとか聞いたら僕は吐くし」

「うわっ童貞くさっ……」

「とっくに卒業しとるわ!!」

 

 まぁ、こんなバカ話もアンジェの言葉なら乗ってやろう。今日はアンジェ感謝デーだ。

 

「でも、確かに魔女様の恋人の逸話とか聞いたことないよな」

「んでさ、ベット上で優位に立てれば間違いなく魔女様の目線も変わってくるって。今まではあれでしょ、どーせ魔女様の言いなりに動いてたんでしょ」

「うっ……、だって、やり方とか知らないし」

「はっははは、女の抱き方くらい知っとけし!! まぁ、気持ちよくする方法は色々あるんよ。教えよーか?」

「……むむむ。そっか、師匠に逆襲するのに、そんな手段があるのか。いや、バカにできないぞこの方法」

「乗り気になってるぞこのバカ」

「アンジェと同じレベルのバカですね」

 

 うるさい。ベット上で師匠を追いつめられるとか、想像するだけでワクワクするだろうが。今までは僕が弱すぎたのだ、ここは男の強さというものを見せつけてやるべきかもしれない。

 

「お願いだアンジェ! 僕に女の抱き方を教えてくれ!!」

「おーけー!! 貴様を最強のプレーボーイに育て上げてやんよ! あーはっはっはっは!!」

「恩に着る!! 一生、アンジェに酒を奢り続けるぜ!!」

「よっしゃー!! 今夜は寝かせねーからな、ヤってヤってヤりまくるぞぉ!」

「アンジェー!! お前は僕の第二の師匠だ!」

 

 それは、酒のテンションも入っていたのだろう。

 

 僕はその他二人に冷たい目で見られていることも気にせず、僕はアンジェと肩を組んで馬鹿笑いしながら、フラフラと酒場の主人に個室を借りれるか聞こうと立ち上がって、

 

「それは浮気だ、この馬鹿弟子……」

 

 直後頭部に、鋭い衝撃が下った。

 

 その聞き覚えのある不機嫌な声に、僕は頬を硬直させて振り返ると。

 

「修行の時間だから、迎えに来てやったぞ。馬鹿弟子」

 

 眠たい瞳がチャームポイント、とんがり帽子に黒いローブの我が最愛の師匠が、杖を手に頬を膨らませ立っていた。

 

 

 

 

 

 

「違うんです師匠、本当にアレはそういうのでなくて」

「つーん」

「うわ師匠、怒ってもかわいいヤバい」

「……いや、反省してよ」

 

 酔っていた。どう考えても僕は酔っぱらって正気を失っていた。

 

 いくら勢いとはいえ、アンジェ(このバカ)を抱きに行くとか何考えてるんだ。言い訳できない完璧な浮気じゃないか。

 

「あ、ヤバい立ったら気持ち悪くなってきた、おろろろろろ」

「あ、アンジェーーー!!」

 

 僕は、反省する。立ち上がった瞬間に口元を押さえて、四つん這いでゲロゲロしているアンジェから、何を教わるつもりだったのか。

 

 ベッドインしたとして、ゲロ掃除が待っていただけだろう。ミカの言う通り、僕はアンジェレベルのバカかもしれない。

 

「あまり弟子の交遊関係に口を出すつもりはないけれど、私は恋人としてこれだけは言わせてもらう。本気じゃないとはいえ、他の女と寝るな」

「はい、ごめんなさい」

「む、よろしい。今回は経緯を聞いてたから許してあげる。……なぁ弟子、たまには逆襲させてあげようか?」

「……聞かれてたんですか。えっと、それはその」

「盛り上がっていたし少し様子を見させてもらったよ。そうか、そんな不満があったとは気付かなかった。言われてみれば確かに、子供扱いしていたかもしれん」

 

 うんうん、と頷いて目を瞑る師匠。

 

 うわ、さっきのを聞かれてしまっていたか。凄い恥ずかしい、というか聞かないでいて欲しかった。もし聞いたとしても、聞いてない振りをしていて欲しかった。

 

「要するに、たまには優位にたってみたいと言う話だな? 構わんよ、遠慮することはない。男の子としては、それくらいの方が頼もしいもんさ」

「……」

「それで、私はどうすれば良いのかな?」

「……とこさ」

 

 師匠は笑顔で、優しく僕に微笑みかける。

 

 その顔には慈愛と親愛の情がはっきりと浮かんでいて。仮にもそれは、浮気しかけた恋人に対して向ける目ではない訳で。

 

「そう言うとこが子供扱いしてるって言ってるのさ!! 師匠の馬鹿ぁ!!」

「あ、あれっ?」

 

 悔しい、悔しい。

 

 恋人の浮気現場に居合わせたんだから、師匠はもっと怒って然るべきだ。

 

「そんな、優しくメッって怒るような感じじゃなくて、嫉妬心でメラメラして怒って欲しかったんだぁ!」

「……おおー。弟子の心は複雑だなぁ」

 

 涙目敗走、と言うやつだろうか。僕は、目を丸くしている師匠から、逃げるように涙を拭いって走り出した。

 

 どうせ、数秒で追い付かれるだろうけど。いつか、いつか本当に逆襲してやる。いつか、師匠をヒンヒン言わせてやる。

 

 そう、胸に誓って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会話は途絶え、四つん這いでうずくまるアンジェを男女が囲み、背をさすっていた。

 

「おい、アンジェ。行ったぞ、あの二人」

「……」

「おー、抜け殻のごとしですね」

 

 魔女の弟子となった少年は、涙を流し逃走して。

 

 そんな彼を見て苦笑した魔女は、懐から金貨を取り出して3人の座る机の上に置き、彼等に別れを告げ弟子を追った。

 

 酒場には、先ほどまで馬鹿騒ぎしていた3人が、一転して静かに席につく。

 

「マジで付き合っちゃった……」

「だから去年のうちに勝負掛けとけと言ったのに」

「傷心した奴を慰める作戦とか言ってましたけど、単にチキっただけですよねアンジェ」

「言うな。何も、言うな……」

「ベッドに誘う勇気が、去年に発揮されていればなぁ。今日誘って上手くいったとして、傷つくだけだろアンジェ」

「せめて思い出、欲しかったもん」

「うわ、乙女すぎて引きます」

 

 その3人の1人、一際大きく騒いでいたその少女は、少年が立ち去ったのを見てエグエグと嗚咽をこぼし始める。

 

「何年越しでしたっけ? 10年近いですよね」

「初恋はかなわないモンだって。俺も、ミカに手酷く振られたしな。悪魔かと思った」

「バッサリ振って脈がないと教えてあげるのがいい女なんですよ。……で、アンジェ、酒の追加は必要ですか?」

「うん、飲む……」

「潰れても今日は俺らが送っていくから、好きなだけ飲め。恋敵の置いてった金で傷心会だ」

 

 アンジェと呼ばれたその少女は、憎々しげにテーブルに置かれた金貨を見つめ。やがて、突っ伏して声をあげ泣き始めた。

 

 失恋である。

 

「アンジェは、やっぱり馬鹿ですねー。あんなマジのアドバイスなんかしちゃって」

「……だって。アイツには恩、あるし。それで、好きになったし」

「人は見かけによらんよなぁ。アンジェはこんなに一途で純情だし、ミカは悪魔だし」

「誰が悪魔ですか、私はこんなにも友達想いなのに。アンジェが口挟まなければ、私はあのまま思考誘導して破局に追い込むつもりだったんですよ?」

「やっぱり悪魔じゃねーか」

「それは可哀想だから、やめてあげて……。大丈夫、うん、失恋ぐらいのりごえるがらぁぁぁぁ」

「ガン泣きじゃないですか」

 

 こうして。仲良し3人組の、飲み直しが始まる。

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