まず、デレマスを楽しみにしてくれていた方、申し訳ありません。突然に、この話が思いついてしまいいてもたってといられなくなりました。
お許しください。
では、どうぞ。
……世の中クソッタレだ。
喧嘩しても、年上に歯向かっても、授業サボっても、家に帰らなくても。
誰も、何も言いやしない。結局手のかかるやつは最後はほっておくのだろう。いい子だけ気にして、面倒なやつは触れない。
……合理的だ。実に合理的だ。だからクソッタレなんだよ。この世の中では。
俺はそう思っていた。
あいつと出会うまでは。
あいつと会ったのは雨の降る夜だったか、晴天な日中だったか。俺は1人喧嘩で受けた傷を庇いながら歩いていた。
その時はさぞや痛かったのだろう。周りなど気にしている余裕はなかった。
だから気づかなかったのだ。
迫り来るトラックに。
死んだ。
そう思った。
死ぬ瞬間というのは面白いもので、頭がこれ以上ない程に冷静になる。
ああ、死ぬのか。
痛いのか?どのぐらい飛ぶのか、潰されるのか?
なんてこと考えいるうちにもう目の前だ。
ドンッ!
どこも痛くない。いや、傷は痛い。後、背中も痛い。
死んだ?いや、死んでない。トラックがブレーキをかけながら通り過ぎて行った。
なぜ生きている?
俺は痛む体に鞭を打ちあたりを見渡す。
何も無い。
目線を下に下ろす。
……誰だ、この女は。
俺の腹に女がいた。高校生だろうか、セミロングの髪がバッサバッサになっている。
助けられた?こいつに?
いや、なぜ……
「おい、何して……」
「バッカじゃないの!!!!???」
「……は?」
これがあいつとの出会いだった。
その後、警察が来て取り調べを行った。
結果は運転手の居眠り運転。
俺は咎められることなく、解放された。
この女以外からは。
こいつは警察が来るまで俺の首根っこ掴み逃がさまいとしていた。
力ずくで振り払うことは出来た。が、それを許さないとばかりに睨んでくるのだ。
喧嘩でさえ恐怖を感じたことはないというのに、この目には勝てなかった。
女はこわい。……実感した。
警察から解放されたあとも着いてくる。
なぜ着いてくる?と、聞いたところ……
「あたしの家がこっちなの」
だ、そうだ。
実際本当だった。
ご近所さん、と言うよりはお隣さん。
全然知らなかった。
その日はそのまま別れて、終わり。
やっと解放された。
……訳もなく。
翌日なにを考えたのか、あいつは俺の家の前で待っていたのだ。
流石に俺は問いただした。
なぜ付き纏う?
「あんたあのサボり魔でしょ?昨日の今日だから面倒見てあげようと思って。」
よくお分かりで。
いや、違う。その考えは理解できない。何が昨日の今日だ?意味がわからない。
「あら?命の恩人に逆らう気?」
……そう言われると弱る。
俺は素行は悪いが、受けた恩は忘れないのだ。
「と、言うわけでアンタはこれからあたしと行動するの!」
……世の中クソッタレだ。
それから俺とあいつの奇妙な生活が始まった。
昼飯。
「屋上いくよ!」
授業
「ここ教えて!」
「……あんた以外と頭いいのね?」
「ペア組ない?」
下校
「一緒に帰りましょ!」
「あ!なんで逃げるの!?」
「ちょっと!こらーー!!!」
休日
「おはよう!」
「出かけるわよ!」
「え?どこって……どこかよ!」
長期休み
「旅行よ!」
「誰とって……あんたとあたしで!」
「え?そりゃ2人でだけど……!?なななな、何考えてのよ!そんなわけないでしょ!」
「と、とにかく旅行に行くの!」
「どこって……そんなの分かってるでしょ?」
「どこかよ!」
学園祭
「ぶはっ!あんた似合ってる(笑)!」
「あたし?ふふーんでしょう?」
「え?馬子にも衣装?でしょうでしょう!」
「なんでため息?あ、ちょっと!?」
クリスマス
「メリークリスマース!!遊ぶわよ!」
「え?寒い?いいから来い!」
「どこにって?そりゃあ……あ!あたしのセリフ!」
正月
「あけおめ!ことよろ!」
「さ!行くわよ!初……ちょっなんで分かるの!」
「何お願いしたの?内緒?何ぃそれ……?」
「あたし?あたしは……楽しく生きられますように、かな」
「あんたの願い叶うわよ。え?なんでって……」
「この世界は有り得ることしかないの。あんたの願いはありえないこと?……でしょ?」
「可能性はね可能だからあるのよ?覚えておきなさい?」
バレンタイン
「おらー!くれたるわー!!」
「え?何ってバレンタインチョコよ!!」
「多い?そりゃあ特売品だからね!」
「ホワイトデー期待してるわよ!」
あいつはいつも俺に構ってきては連れ回していた。
流石に俺も回数をかせねるうちに抵抗もせず自然と受け入れていくようになった。
いや、違うな。楽しくなっていった。
あんなにつまらない日常が、クソッタレだと考えていた世界が。
色がついたのだ。あいつは俺に、楽しさを与えてくれたのだ。
認めるのは悔しがあいつからは貰ってばかり、ならばせめてホワイトデーくらいは何か返そうか。
……そうだ。告白しよう。
あまりにも唐突な思いつき。しかし、俺にはあいつに与えてやれるものなどこれくらいしかない。
そうしよう。自意識過剰と言われてもいい。きっと断られることは無い。
これが一番いいはず。
……そう、思っていたのに。
「……元気ない?あー……まあね。」
「お返し?ああいいよ、あたしにはもう意味無いの。」
「なんでって……あ、そっか言ってなかったね。」
「……実は」
驚愕した。
彼女は病気だったのだ。病名は俺が聞いてもわからない。余命も宣告されていると。
それが3月いっぱい。今月が最後。
俺は問いつめた。
いつからだ?なぜ黙っていた?もう治らないのか?命の限りがあると知っていてなぜ俺に近づいた?お前はそれでいいのか?諦めるのか?
「宣告されたのはちょうど一年前。あんたをトラックから助けた時。」
「言ったらあんたは普通に接してくれないでしょ。あんただけよ、あたしの余命知らなかったの。」
「難しいって。ドナーっていうのがいれば僅かな可能性あり、だって。」
「あんたを助けた時、思ったの。なんであたしより生きられるなのに死にさそうな顔してるんだろうって。それがきっかけ。」
「いいわけないじゃない!でも、どうしよもないのよ!」
「じゅあどうすればいいの………!」
つらかった。
彼女が死ぬ。あまりにも唐突な別れ。
俺はこいつがいなくなった時どうなってしまうのだろうか。
泣いた。恐らく10年振りに。
「はは……あんたそうやって泣くんだ。」
「……ねえ死んだ人がどこに行くか知ってる?」
「……違うわよ。天国よ。もう、そこから帰ってくることはないの。あんたとも永遠にさようなら。」
「この際だからおしえてあげる。あたしがあんたのそばにいる理由。……ああ、さっきのはきっかけよ、きっかけ。理由もしっかりあるのよ。」
「……一目惚れしたのよ、あんたに。……いや、ホントだって。ふつー会って間もない惚れてもない男の家の前に待ち伏せなんてしないでしょ?……あの日、あんたをトラックから助けるために押し倒した時に見た顔に惚れたのよ。」
「さっき、あんたが死にそうな顔してたって言ったでしょ?それ見て思ったのよ、あたしより生れるはずなのになんて顔してるんだろう、ああそうだ、残りのあたしの1年全部この人のために使おう。この人をあたしの人生をかけて変えてやろう、ってね。」
「結果的にアンタは変わった。あたしの目的は達成されたの。だから、もうやることは無いし、生きてる理由もないわけ。おk?」
彼女淡々と言った。
それはわかった。
ならお前の本心は?
「………嫌だよ。嫌に決まってるでしょ!死にたくない!」
「あんたと離れたくない!あんたを1人にしたくない!あんたのそばにいたい!」
「なんで……なんであたしなの!?あたしじゃないといけなかったの!?」
「あんたを好きならなければこんな気持ちにはならなかったの!?」
「あの日たまたま帰り道を変えなければ何も感じずに死ねたの!?」
「わかんないよぉ……!」
悲痛、残酷、無念。
抱きしめることしか出来ない役ただず。
変わってやれたらどれほどいいか?
神はいない。いるならこいつの、楽しく生きられますように。という願いも叶えてくれるはずだ。
神はいない。奇跡もない。
ゆえに
この世界は有り得ることしか有り得ない。
可能性は可能だから生まれるのだ。
「もう、ホントに……クソッタレな世界……」
「え?ドナー?いや、いないけど……。」
「……は?確かにいれば可能性はあるって……。」
「で、でもそんなの1%くらいで……」
「……本気?有り得るはずないのに?……いや、そうだけど……。」
「なんでそこまで……?」
そんなの決まってる。
「ぴっ!?なななな、なーー!?」
「あ、アンタそれホント!?慰めようとしてるとかじゃなくて!?」
当然だ。もとより今日はそれを伝えるつもりだった。
「は、ははは……余計に死にたくなくなっちゃた。」
「……だからドナーになろうって?あたしに手術を頑張れって?こんだけ辛い思いしてきて、やっと終わると思ったのに淡い期待をだかせるの?」
俺はお前と共にいたい。
「っ!?」
「ストレートね〜……顔あつっ……。」
「……成功率は低いし、何よりあんたがあたしのドナーとして適合するかも分からないのよ?」
「それでも?……そう。」
黙ってしまった。
少し待つと彼女は顔上げ俺に言った。
「あたしは……愛が重い方だと自負してる。」
「そんなに言うなら掛けてみるよ。あんたの考えに。」
「ただもし上手くいかなかったら……」
「あたしと一緒に死んでよ。」
了解した。
「軽いわねー……もう少し迷わないの?」
「っ……恥ずかしいセリフをポンポンと言っちゃって」
彼女は立ち上がり、俺を見た。
その顔に絶望はない。
あの笑顔だ。
「じゃあ行きますか!病院に!」
そして歩き出す。可能性を可能にするために。
立ち止まった。
「あ〜……やっぱりふあんだなーこわいなー」
「なんかこう……ゆーきがほしーなー」
……?
「ちょっと、察しなさいよ。」
「……はぁ。………んっ」
目を瞑り顔を上げてきた。
流石にわかる。なるほど。それをしろと。
ふむ。
「んむ!?んんん!ふ……はぁ、あっ!ちょっ……んむ……やっ……あっふっ……」
どうだろうか。
「……」
「じょ、情熱的ね……。これでも初なんですけど?」
俺もだ。
「あっそう……なら、生きないといけないわね。」
「初めてをいただいたわけだし、何よりあれだけ思いのこもった事されるとね〜。」
では、
「ええ」
「行きましょう。」
行こう。
俺とあいつはすぐに病院へと向かった。
主治医にこちらの考えを話すと驚いていた。
可能性は低いです。もし成功してもその後全てが解決するわけではありません。それでもやりますか?
俺とあいつはそれでもお願いした。
覚悟が伝わったか主治医はすぐに検査をするように言ってきた。
俺にドナーの適性があるかどうか、それが最重要とのこと。
これで適性がなければ元も子もない。
検査中、いつ呼んだのかあいつの両親が来た。勝手に決めてしまったことに腹を立てていると思っていたが、逆だった。
俺は人生で初めて謝罪以外の土下座を目の当たりにした。
あいつの父は泣きながら、ありがとう、可能性をくれてありがとう。希望をくれてありがとう。と何度も言ってきた。
母親も泣いている。この人も相当辛い思いをしたのだろう。余計にあいつを救わないといけなくなった。
あいつは検査室で安静にしている。付き添いはいるか、と聞いたが、本人は一人がいいと言っていた。覚悟を本当の意味で決めたいと。
適性はあった。
奇跡だと言っていた。
これについては俺も驚いたと思う。どこで不安に感じていたんだろう。
しかし、これで条件は整った。
あとは手術が成功するだけ。
そこからは速かった。
俺はドナーとしての部位摘出のため、あいつは移植されるためにベットに寝かされ、麻酔を打たれた。
麻酔で眠る直前あいつの顔は笑っていた。
今から大きな手術を受ける人間とは思えないような。
口パクか、声を発したかは分からないが彼女は、
「愛してる」
そういった気がした。
この世界はクソッタレだ。
何もうまくいかない、思いどおりにならない、神はいない。
それでも
足掻いて、もがいて、みっともなくても
すがりつくことが出来るなら
少しはマシになるかもしれない。
だから、言い方を変えよう。
この世界はあまりにも厳しい。
ありがとうございます。
この話はこれで終わりです。その後この2人がどうなったのかは、みなさんがそれぞれで結末を考えてみてください。
ただ、読んだくださった皆様の中で私の結末がどうであったのかが気になると思った方はコメントをください。
駄文で、文才がなく、不快感を感じてしまう文でも良ければ、書かせていただきます。
逆に、自分はこんな結末を考えました!という人もぜひ私に教えてください。私個人皆様がどのような結末にしたかが気になります。コメントお待ちしてます。
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