インフィニット・ストラトス〜欲望の王、降臨〜 作:proto
前回の3つの出来事。
1つ、カザリの代わりに織斑千冬がバッターボックスに。
2つ、ビルドがタンクタンクフォームに。
そして3つ、9回表ランナーが1塁と3塁に居るのだった。
鈴、シャルロットと来て、次のバッターはオーズ プトティラコンボ。
なぜ野球でそんなフォームやこんなコンボを出してくるのかはわからないが、オーズはバッターボックスに立った。
「タイム、ピッチャー交代だ。」
そう言ってマウンドに上がったのは織斑千冬だった。
織斑千冬の一投目。
そのボールは下の砂を巻き上げていく。
対してオーズもその球を正確に捉え、その強力な腕で打ち返そうとした。が、ここで物凄い音を立てて砂煙が舞った。
オーズは晴れる気配のないそれを、エクスターナルフィンで晴らす。
煙が晴れると、そこには衝撃が走る光景が待ち構えて居た。
無かったのだ。バットとボールが。
いや、ナイトローグの変身ボトルと連邦の丸い棺桶ではない。
そう、消滅したのだ。バットとボールがぶつかり合った衝撃で何も残らないレベルのパワーが生まれたのだ。
「織斑先生!いま、学園長から連絡がありました。すぐに野球を中止しろとのことです。」
「ちっ、これが最後の回だというのに。」
「いえ、バットとボールが消滅するのは野球では無いそうです!」
こうして、学園長直々に中止を命令され、この野球大会は幕を下ろした。
その日の夜。
栄司は、チームの仲間と温泉に行った。
といっても、すぐに混浴貸切なんて見つかるわけもなく、普通の温泉だ。
「ふぅ〜、やっぱり風呂はいいなぁ。」
「そうだなぁ〜。1人場違いな奴も居るけど。」
そう言って戦兎は、サウナの方を見る。いまサウナに入ろうとした人が居たが、中を確認すると、入るのをやめた。
理由は単純明快。
「でも、タンクタンクフォームの投球を打てる彼女は一体何者なんだ。」
「ハハ、織斑先生は軽く人間やめてますから。」
「そうだよなぁ。そうじゃないと説明つかないもん。普通の人間が、いくらISのハイパーセンサーがあろうと、タンクタンクでの投球を捉えられるわけがない。」
そうこう考えて居ると、サウナから万丈が出てきた。水で汗を流し、戦兎たちと合流。
「なぁ、なんでジーニアスにならなかったんだ?」
「まだ元に戻ってないの。それに、能ある鷹は爪を隠す。」
「ふぅ〜ん。」
温泉から上がってみんなでソフトクリームを食し、今日の日はさよならした。
本当は100話祭とかいうメタイ祭とかやりたかったんや。