インフィニット・ストラトス〜欲望の王、降臨〜 作:proto
前回の3つの出来事。
1つ、夏休みが終わる。
2つ、過酷なウォーミングアップから修行が始まる。
そして3つ、オーズは織斑千冬と実践練習を行った。
前話で話したような修行を、月曜タトバ・火曜ガタキリバ・水曜シャウタ・木曜サゴーゾ・金曜ラトラーター・土曜タジャドルの順に変身して行う。
日曜日は、栄司も千冬も休む日となっている。
これが一週間の修行サイクルだ。
そんなわけで学園の二学期が始まってから最初の日曜日。
昨晩、簪から山に行こうと言われていたので、ライドベンダーに乗り山へ。決して、芝刈りに行くわけではない。
山に着くと、簪は深呼吸している。山の綺麗な空気を味わっているようだ。
「上の方に登る?」
「うん、そうしよ。」
ライドベンダーに鍵を掛け、山頂を目指す。
山腹まで登った辺りで、異変が起きる。
「キャァァァァ!」という、悲鳴が2人の耳に届く。
「行ってみよう!」
「うん!」
悲鳴が聞こえた方へ2人は向かう。人を探し続けると水辺に出る。そこに居たのは…
「デカイ……蟹?」
「……みたいだね。」
デカイ蟹の後ろ姿……もちろん、デカイというのは16m位あるという意味だ。
その蟹は………バケガニ。魔化魍と呼ばれる怪物だ。
バケガニが2人の方へ向き直る。すると、すぐにその巨大なハサミで刺突攻撃……というか、もう潰されるだろう。
2人は既に対処に入っていた。
「「変身!」」
『サイ!ゴリラ!ゾウ!サ・ゴーゾ!サ・ゴーゾォッ!』
オーズ サゴーゾコンボとバースに変身。オーズがその腕で巨大ハサミを止めようとする。が、あまりにもデカイそれに押し潰されそうになる。
「ブレストキャノンシュート!」
今にもオーズを押しつぶす勢いのハサミに横からブレストキャノンを放つ。すると、ハサミはズレて、オーズの右2mほどに大きなクレーターを作る。
パワーで完全に負けたので、オーズはタトバコンボになる。そのタイミングで複数のタカカンドロイドがメダジャリバーを運んで来た。
そして、さらにもう1つ。
澄んだ反響音が聞こえる。少ししてそれが消え、「ハァァッ、ハァ!」という声が聞こえる。
その声がした方にいたのは………鬼だっ
た。
ヒビキは巨大バケガニを討伐に来た『猛士』の鬼。しかも、関東支部の特別遊撃班という肩書きの鬼である、
「こりゃデカイな。通常の2倍近くか。お?新しい鬼……ってわけじゃあなさそうだな。」
バケガニと先に戦闘を開始している栄司たちを見る。明らかに鬼らしくないので、先に来ていた鬼だという考えを排除した。
「さて、こりゃ骨が折れるな。」
そう言って変身音叉『音角』の角を展開し、手の甲にそれを当て音を鳴らし、額に向ける。特殊な音波を浴び、鬼面が浮かび上がると体から紫色の炎が上がる。それを振り払うとそこには紫色の鬼がいたのだった。