インフィニット・ストラトス〜欲望の王、降臨〜   作:proto

12 / 168
第11話 水棲と観察者と姉妹と。

前回の3つの出来事。

1つ、コンボ疲労から気絶した栄司は、自称オーズの間にて目覚める。

2つ、助けた通行人の少女は、暗部の当主だった。

そして3つ、その少女と栄司は戦っていた。

 

 

「やった!入った!これで!」

『シャチ!ウナギ!タコ!シャ・シャ・シャウタ・シャ・シャ・シャウタッ!』

ここでシャウタになった理由は簡単だ。あの機体が纏っているのは水。これだけ言えばもうわかるよな?

俺は体を液体化させ、水の鎧に突っ込んで行った。

「いやん、えっちぃ!」

と、言われたが気にしない気にしない。

「悪いけど早々に決めさせてもらうよ!」

「く、清き激情(クリアパッション)じゃ逆効果ぽいなぁ〜。」

「ん?まぁいいや!」

『スキャニングチャージ!』

水から出てきた、方向は楯無の上斜め前。そのまま足をタコの状態にかえ、一点に収束。ドリル回転を起こし相手を貫く『オクトバニッシュ』を放つ。

すると、向こうも一点に水を収束させる。

「こっちも最大でお相手するわ!ミストルテインの槍!」

オクトバニッシュとミストルティンの槍がぶつかる。火花ではなく、激しい水しぶきが飛ぶ。表現こそ柔らかく感じるが、その水しぶきに触れれば最悪骨が折れそうな勢いだ。その証拠に、近くの壁は少しづつへこんでいる。

「はぁぁぁ、はぁ!」

「ん(んんんん)、セイヤー!!」

ぶつかり合い中心店が爆発を起こした。爆炎で周りが見えない。アンクは羽で爆炎を晴らした。そこには、倒れている楯無と膝をつきながらもまだ立ち上がろうとするオーズの姿があった。

 

 

模擬戦が終わり、医務室に楯無を運ぶ栄司。

「あ、アンク。これ、アイス2個分のお駄賃あげるから、パンツ買ってきて。」

「ったく、しょーがないな。」

アイスに吊られて、出て行ったアンク。

「さて、もう出てきていいんじゃない?」

医務室に1人入ってくる。

「どうしてわかったの?」

「え?あぁ、オーズに変身してるとき、能力のソナー機能で誰かいるなと思ってね。ところで、君は?」

「更識……かん…ざし。」

「俺は、火乃栄司。よろしく、簪ちゃん。」

「よ、よろしくお願い、します。」

「ところで、もう起きてるんでしょ?た・て・な・し・さん♪」

「わかってたの?」

「えぇ、そりゃもちろん。多分最初の……お姫様抱っこ辺りから起きてましたよね?」

「///わ、わかってたなら、声かけてよ。」

「ははは」

バタン!と、後ろで音がした。結構ビックリし、振り返って首痛めそうになった。

「妹さんですよね?何かあったんですか?」

「えぇ、まぁ色々とね。」

「ふぅ〜ん。早めに仲直りした方がいいですよ。俺の知り合い……というか、まぁうん。とある人が言ってました。『兄弟姉妹ってのは、親よりも長く付き合っていく、唯一の肉親だ。だから、大切にしてやらないとダメなんだよ。』って。」

「そうね、………。」

その時の顔は、どこか暗く感じた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。