インフィニット・ストラトス〜欲望の王、降臨〜   作:proto

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第149話 巨大化と加速とトライアル

ダブルがエターナルと激戦を繰り広げている時、バース、ポセイドン、アクアは恐竜ドーパントと連携を用いて上手く戦っていた。前衛、中衛、後衛に役割を分担し、ダメージを最小限に抑えていた。

攻撃も最小で最大のダメージになるよう、確実にセルメダルを削っていく。

が、あまりダメージを感じている様子が見られない。

「そろそろ戦況を変えましょうか。」

そう言うと、恐竜ドーパントは巨大化していく。頭はT-REX、肩に当たる部分からトライセラトップスのツノが、肩甲骨に当たる部分からはケツァルコアトルスの翼がある。さらには巨大な尻尾を備えていた。

「さぁ、皆さんに良き終末を。」

そう言い放つと、その尻尾で近づいてきたアクア、中距離で様子を伺っていたポセイドン、遠距離で前、中衛を援護していたバース、彼女らをいっぺんに吹き飛ばす。

「たわい無い。」

恐竜ドーパントはケツァルコアトルスの翼で宙へ。トライセラトップスのツノ部に紫のエネルギーが充填されていく。

そしてそれは無慈悲にも発射される。

 

バースらは、自身に向けて放たれたそれから目を背けた。もうすぐに死が待ち構えていると考えると目を閉じ、現実逃避したくもなる。が、それは現実にはならなかった。

恐る恐る目を開くと、彼女らの目の前には一台の大型特殊装甲車『リボルギャリー』が停車していた。

リボルギャリーが開く。そこにはタービュラーユニットに接続されたアクセルが居た。

「さぁ、振り切るぜ!」

リボルギャリーからアクセルが発進する。

空に居る恐竜ドーパントに急速接近し、エンジンブレードで斬りつける。が、コアメダルとメモリ3本というのはやはり硬いらしく、なかなか決定打にかける。

だが、長年の経験を持つアクセルはそれを軽く攻略してみせる。

恐竜ドーパントから少し距離を取り、すぐにUターン。エンジンブレードを両手で握り前方に配置し、一点突破を狙おうとする。

「無駄ですよ。」

そう言いながらその巨大な口を開く。

 

 

……それがアクセルの狙いだった。

タービュラーユニットを切り離す。向こうから突っ込んできてくれているので、落下しかけているが問題ない。あと慣性の法則とか諸々を計算している。

そのまま恐竜ドーパントの口の中に入る。

そして、『アクセル!マキシマムドライブ!』でアクセルグランツァーを放つ。

口の中で何度も蹴りを放ちメモリ諸共セルメダルを削り取り、T-REXメモリを砕く。その影響か、恐竜ドーパントにも変化が起こる。巨大な体を維持できておらず地面に落ちていく。アクセルはそこから離脱し、空中でメモリを変える。

『トライアル!』

「全て、振り切る!」

『トライアル!…プッ…プッ…プッ…プッー!』

ボディが赤から黄色へ。そこから地面につくジャストなタイミングで青く変化し、アクセルトライアルへ。

地面に落ちた恐竜ドーパントへ向けて、猛スピードで接近、高速で蹴りを放つ。どんどんセルメダルが削れていく。

「そろそろ決めるぞ、準備しろ!」

そう言いながらアクセルトライアルはトライアルメモリを引き抜き、天高く放り投げた。

それを見聞きした他の3人は、すぐに必殺技待機状態に入る。バースはバース・デイを展開、ポセイドンはディープスパウダーの構えを、アクアはオーシャニックブレイクを放つ準備を済ませる。

アクセルが蹴りを開始した瞬間に「ブレストキャノンシュート!」「ディープスパウダー!」「オーシャニックブレイク!」で必殺技を連続で叩き込む。

そして、宙に投げたトライアルメモリを取り、ボタンを押し時間を止める。

『トライアル!マキシマムドライブ!』

「9.8秒、それがお前の絶望までのタイムだ!」

恐竜ドーパントは恐竜グリードへと戻り、残りの二本のメモリもブレイクされた。


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