インフィニット・ストラトス〜欲望の王、降臨〜 作:proto
前回の3つの出来事。
1つ、凰が自らの欲望を見つめ直す。
2つ、凰鈴音が新たに彼女となる。
そして3つ、空港に降り立つ1つの影があった。
学年別トーナメントは中止になった。アリーナの修復が間に合わず、半年間のフリーパスも逃してしまう結果となった。
そんな通達の翌々日。HRで山田先生から、
「えーと、本日は転校生が来ます。」
との知らせが入った。もちろん、新しいクラスメイトにクラスはワクワクしている。
「そ、それでは入って来てください。」
入って来たのは、金と銀の髪少女。
「あ、栄司!久しぶり。」
「シャルちゃん!学園に来たの?」
「うん!今日からよろしくね、栄司!」
本音が浮かない顔をしているのは、見なかったことにしよう。
「あ、あのー。とりあえず自己紹介お願いします。」
「あ、はい。えー、フランスから来ましたシャルロット・デュノアです。栄司との関係は……恋人です。皆さん、よろしくお願いします。」
クラス全体がぽかんとしている。が、ポツリポツリと「まさか、恋人がいたとは!」や「えー、狙ってたのにぃ!」とか「イケメンで彼女持ちなのね!嫌いじゃないわ!」と言った声が聞こえてくる。
「え、えっと!では、もう1人の方もお願いします。」
山田先生が軌道修正をかける。
「ラウラ・ボーデヴィッヒ、ドイツ軍人だ。」
「それだけですか?」
「以上だ。」
堂々とした態度で自己紹介?を終わらせた。
「全く、私に近しいもの達は、まともに自己紹介も出来んのか。」
教室に入って来た織斑先生は呆れていた。
「ご無沙汰しております、織斑教官!」
「ここでは織斑先生だ。」
「はい!」
「では、授業に遅れないように。」
そう言って教室から退出した。
織斑先生が退出した直後のことだ。
「お前が織斑一夏か?」
「?あぁ、よろしくな。」
そう尋ね、確証を得ると早々にビンタをかまそうとしたので、止めた。
「何をする!こいつが居なければ、教官はモンド・グロッソ2連覇という栄光を得たのだ!」
「だとしてもだよ!人を傷つけようとするなら、俺は手を伸ばす。傷つけないように、傷つけさせないように。」
若干舌打ちをしながらも、席に戻った。
「サンキュー栄司。」
「ライダーは助け合い、もとい人間は助け合いでしょ。って!次移動じゃん!早く行かなきゃ!」
「うぉ!やっべ!」
「あ、栄司!」
「シャルちゃん、また後で!」
そう言い残し、更衣室へと駆け出す。
「あ、行っちゃった。」
シャルロットは、伸ばして居た手を引っ込めた。それを見る本音の目は、ちょっとハイライトが消えかけてた。
更衣室に着くと、制服からジャージに着替える。すると、織斑が訪ねてきた。
「なぁ、あの娘フランスから来たんだろ?どこで知り合ったんだ?」
「え?あぁ、日本だよ。それじゃ、急いだ方がいいよ。」
そう言って織斑を更衣室に置いてった。
とりあえず、あと2話したらシャルとの
邂逅話をやりたいな。