インフィニット・ストラトス〜欲望の王、降臨〜   作:proto

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第31話 即落ちとAICと溺れと。

前回の3つの出来事。

1つ、大量の書類処理を終え、自室で自己紹介タイムに入る。

2つ、自己紹介翌日、アリーナで鈴とオルコット、ボーデヴィッヒが対峙する。

そして3つ、鈴・オルコットvsボーデヴィッヒの戦いの火蓋が落とされた。

 

 

 

 

鈴の青龍刀を握る手に力が入る。だが、先に仕掛けたのはオルコットだった。怒りに我を忘れ、本来であれば外すはずのない距離で、ライフルでの狙撃を外していく。

「あなたが一夏さんの何を知ってると言うのですの!」

「知ってるさ。教官の輝かしい栄光に泥を塗ったんだ!その罪、万死に値する!」

そうして、ワイヤーで拘束されて引きつけられ、プラズマ手刀で吹き飛ばされレールカノンを撃ち込まれ、SEが0…の状態を超えている。最早ボロボロだ。

そんな事を御構い無しに鈴は、

「それを擁護する事はしない!側から見ればそうなのだから否定はできない!でも!栄司を偽善者扱いするのは許されることじゃない!アイツは、栄司は悩んでた!力を正しく使えてるかどうか!憧れの人の夢を、汚してないか!この手は届いているのか!そう考えて誰一人として見捨てようとしないアイツを!誰も蔑むことはできない!」

心からの叫びを、栄司への思いをぶつけながらも、冷静に青龍刀でのラッシュを叩き込もうとするが、紙一重のところで避けられる。そして、二本の青龍刀でクロススラッシュを放とうとするが、見えない何かに止められた。

「これは!AIC!チッ!」

アクティブ・イナーシャル・キャンセラー。シュヴァルツェア・レーゲンが第3世代兵器として搭載しているものだ。端的に言えば敵の動きを止めるものだ。

「そこそこ楽しめた。死ね。」

肩部のレールカノンが火を吹く。高速で打ち出されるそれに対して龍砲をぶつけるが無意味に終わった。

 

もう終わりと目を閉じた時。

「ここからは、もう誰も傷付けさせない!」

その言葉が聞こえると、来るはずの衝撃が来ることはなかった。

「お待たせ、鈴ちゃん。」

そこに居たのはオーズ タトバコンボだった。

「……栄司。もう、遅い。」

「ごめん。これでも急いだんだよ?アンクからの連絡がなきゃもっと遅くなってた。」

「……アンクが。」

「あぁ、「ボーデヴィッヒが暴れてる。お前の事を言われた凰がキレて戦いそうだから早く来い」って。」

「後でアイス持っていかないとね。」

「喜ぶと思うよ。さぁ、立てる?」

「うん。後はお願いね。」

「任せて。しっかり休んで。力に溺れるのは良いことではないけど、自分を見直すきっかけをくれるだろう。だから、その手を掴む!」

「何をふざけた事を!その偽善!シュヴァルツェア・レーゲンが破壊してくれる!」

こうしてボーデヴィッヒとの初対戦が始まった。


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