インフィニット・ストラトス〜欲望の王、降臨〜   作:proto

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第35話 黒い雨とVTSと時間稼ぎと

前回の3つの出来事。

1つ、初戦から目当の相手であるボーデヴィッヒとぶつかる。

2つ、メダルチェンジを阻止されかけるが、無事にメダルを受け取る。

そして3つ、赤のコンボを発動。オーズは大空を舞い始める!

 

 

 

 

タジャドルコンボへと変身し、アリーナ内を駆る。円軌道を描きながら飛び、タジャスピナーからの火炎で攻撃する。が、火炎はワイヤーブレードで掻き消されてしまう。だが、目的は目眩しであって本攻撃ではない。大きめの火炎を放ち、完全に目を眩ませる。その間に、ベルトの【タカ】【クジャク】【コンドル】とセルを4枚タジャスピナーにセットし、スキャナーでスキャンする。

『タカ!クジャク!コンドル!ギン!ギン!ギン!ギガスキャン!』

マグナブレイズを発動し、シュヴァルツェア・レーゲンに突撃する。が、もちろんAICで防がれてしまう。

「バカめ!」

「いや、計算通りさ。」

左手を突き出した突撃状態のオーズから虹色のクジャクの羽が展開。クジャクフェザーでシュヴァルツェア・レーゲンの背後に攻撃を仕掛ける。

 

AICの欠点はこれだ。何かを止める時は、その止める対象を意識し続けなければならない。つまり、自身が囮、奇襲をやる事でこの問題点を突くことができる。そして、オーズならそれができる。

 

クジャクフェザーは全弾クリティカルヒットした。それに伴い、AICも解けマグナブレイズがそのまま当たる。

 

シュヴァルツェア・レーゲンはボロボロになっていた。早く決着を付ける事にしたオーズはスキャナーに手を伸ばす。

その瞬間だった。ボーデヴィッヒのIS が泥のように解け別の姿を形成し始める。

「アレは!」

「VTSか。ドイツもアホなもん積んだなぁ。」

モンド・グロッソ入賞者の動きを再現するそれは、操縦者の体に多大な負荷をかけるため禁止されていた。しかも、今回は織斑先生と来た。負荷は通常より大きいだろう。

 

ボーデヴィッヒがISに取り込まれそうになる。その最後の瞬間までボーデヴィッヒは、「チカラァ、チカラァ、チカラァ!」と叫んでいた。

完全に取り込まれた。まさにその時、そのISをセルメダルが覆った。

「まさか、ISごと取り込むなんてなぁ。」

オーズはタカアイを使い、中の様子を探る。

「パイロットは無事だけど、早く助けないと死ぬ。」

「でもどうする?ガタキリバを使えば、中のやつは死ぬぞ!」

「わかってる!だから、必要なんだ。織斑の力が。」

「何?あぁ、なるほど。零落白夜か。」

「そう。あれがISのままならヤミー下のISを停止させられる。」

「その前にお前がセルを削り出す。」

「あぁ、織斑を連れて来てくれ。俺は時間を稼ぐ、チーター。」

【チーター】を受け取り、コンドルを返す。

『タカ!クジャク!チーター!』

織斑が来るまでの時間稼ぎ開始。


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