インフィニット・ストラトス〜欲望の王、降臨〜 作:proto
前回の3つの出来事。
1つ、軍用IS『銀の福音』の暴走。
2つ、束が時間差で到着。
そして3つ、篠ノ之箒が専用機を手にした。
篠ノ之箒は自身が手に入れたISに乗っていた。
「紅椿……私だけの機体。私の第4世代型専用機。」
フィッティングとフォーマットを篠ノ之束が終わらせると、すぐに飛び立つ。
「箒ちゃ〜ん!絶対に前線に出ないでねぇ〜!」
その声が聞こえたかどうかは定かではなかった。
アンクは怪人体に、栄司はタジャドルコンボに、簪はカッターウイングを展開して、空を駆けていた。3人ともスピードを落としてはいた。オーズやアンクは視覚で何とかなるが、バースはセンサー頼りになる。もちろん接近すれば視認できるが。
ポイントを過ぎないように移動していると、後ろから高速で移動する何かが確認された。
「まさか、ゴスペルが後ろから!?」
「ありえねぇ!」
「うん、現に今接近してるのをタカアイで確認した。」
「なら、何が……アレは、篠ノ之箒!」
第4世代型の展開装甲をしようして、高速飛行して来たのだ。
「これがあれば、どんな奴にも負けない!お前たちも必要ない。私が、一夏を守る!」
そう言い放つと、栄司に刀の切っ先を向ける。
「コイツも馬鹿か!」
「栄司、私が相手するから。ゴスペルをお願い。」
「あぁ、危なくったらこっちに。」
「うん。」
「セルが欲しくなったら言え。すぐに渡す。」
「ありがとう、アンク。」
「どけぇ!」
刀から空気の刃が襲う。まるでカマイタチのようにバースのアーマーを傷付ける。
「アハ、アハハ。弱い、弱過ぎる!」
「まだ、全然問題ない。」
メダルをベルトに入れつつ、カッターウイングで接近する。
「ヤケクソか!そんなの避けれないわけがない!」
余裕を見せつけるように、スレスレで避けてみせる。そう、それが狙いだった。
『クレーンアーム!』
避けられるギリギリに生成されたクレーンアームに気付かなかったのだ。結果、クレーンアームが引っかかり、ワイヤーが巻きつけられる。
しっかりと巻きついた事を確認した簪は、セルバーストを発動。カッターウイングを上手く使い、横方向に回転を始めた。
遠心力もあり徐々に早くなっていく。そして、クレーンアームを収納し、そのまま吹き飛ばす。
吹き飛ばした先は、もちろん計算済み。
その頃
海岸には1つ異形の影。人型ではあるものの、人間でないことはわかる。
「私もそろそろ、動くとしましょう。この世界を完成させなければなりません。」
何か、恐竜的なものを模したシルエットから、正真正銘人の姿へと変わる。左腕には、白い服を着た人形が載っている。
「この世界に良き終末を。」