インフィニット・ストラトス〜欲望の王、降臨〜   作:proto

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第51話 緩む顔とチーフと全員分と。

前回の3つの出来事。

1つ、篠ノ之の停学解除、己が罪を数えた。

2つ、クラス内での衣装合わせが始まる。

そして3つ、1組主要キャラのコスが決まった。

 

 

 

 

 

 

 

遂に訪れた学園祭当日。

万が一に備えて大量のカンドロイド達に学園内を巡回してもらいながら、着替えを済ませる。

「まさか、俺がこの格好をする時がくるなんてな。ま、まぁ顔は渡部秀さんに似てるって言われてたし……デヘヘェ〜。」

「栄司、顔…キモいぞ。」

「黙らっしゃい!この格好できて浮かれんはず無かろう!」

そう言って、木の棒にパンツを吊り下る。

「よし、これで完璧。」

「いや、不衛生だからダメだろ。」

「……まさか、お前にそんなこと言われるなんて。」

「ん"ぁ"?喧嘩売ってんのか?」

「冗談だよ、ジョーダン。ってか、アンクは着替えないのか?」

「俺は、これでコスプレになるそうだ。」

と、右腕を突き出す。

「そうか、それでいいのか。」

「そろそろ時間だ、行くぞ。」

ドアを開け、教室前の廊下を確認する。すると、既に行列が出来上がっていた。

「もう少しで開店しますので、今しばらくお待ちください!」

そう言って教室に引っ込む。

 

その頃、中では最終確認が行われていた。

「料理班準備は?」

「大丈夫!イケるよー!」

「わかった!それじゃあ、接客班も…笑顔を忘れずに!これが基本だからね。」

「はい!一夏チーフ!」

バイト経験のある織斑がしっかりと纏め上げる。

「チーフ、そろそろ時間だよ。」

「わかった。それじゃあ気合い入れて、今日は一日頑張るぞい!」

そう言うと、全員揃って…

 

「頑張るぞい!」

 

と、息を合わせるのだった。

 

 

 

 

開店時間。

教室の扉を開け、看板をcross-z…ではなくcloseからopenに変える。

「お待たせしました。ようこそ、コスプレ喫茶『クスクシエ』へ。」

 

喫茶店の名前を発案したのは、意外にもアンクだった。

アンクも思い入れがあったのか、名前決めを始めたとき真っ先に案を出してきたのだ。クラスもそれに賛同。結果クスクシエという喫茶になった。

 

 

 

 

しばらくすると、

「ここがクスクシエね。」

「鈴ちゃん!来てくれたんだね。」

「アタシだけじゃないわよ。」

親指で後ろを指差すと、既に全員揃っていた。

「いらっしゃいませ。席にご案内いたします。」

案内するのは全員で5人。

「山田先生、どうしたんですか?」

「え?え、えーと、そのー。」

生徒からの質問に少々戸惑っていたところに、栄司が助け舟を出した。

「あ、新規のお客様だよ。」

「あ、いらっしゃいませ〜♪」

そう言って話をそらす。

「ありがとうございます、火乃くん。」

「いえ、それでご注文は?」

「この執事にご褒美セットって言うのは?」

「それは、払うだけ無駄なお金だよ。」

「なら、後でやってくれるのよね?」

と、小悪魔的笑みを浮かべる楯無。

「あぁ、うん。わかった、やるよ。」

「なら、栄司君お手製のチーズケーキを全員分ね。」

「畏まりました。」

そう言って厨房に入って行った。


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