インフィニット・ストラトス〜欲望の王、降臨〜 作:proto
前回の3つの出来事。
1つ、チーム白式にグリード達が参入。
2つ、アンクが解説役を務める。桐生戦兎がチームオーズに、織斑千冬がチーム白式に助っ人として参加。
そして3つ。主審篠ノ之束のプレイボールコールが会場に響いた。
『さぁ、始まりました。第1回IS学園 真夏の野球大会!実況は私 黛薫子。解説はアンクさんで行なっていきます。』
『まず、一回表だ。攻撃側はチームオーズ。守備側がチーム白式だ。』
『先発投手は、織斑一夏くんです。』
マウンドに上がった織斑一夏。
(ふぅ、放送席がうるさいけど、集中しなきゃ。千冬姉に恥は欠かせれねぇ!)
炎の如く燃える織斑一夏。それに対するは…
『バッターは、3年の虚さんですね。纏っているISはフランスのラファールですね。』
『まぁ、打鉄だとスピードがラファールに劣っているからな。当然の判断だ。』
バッターボックスに入った虚。
(栄司さんのためにも、ここは塁に出なくては!……放送席の方が少々うるさいですが、冷静にいきましょう。)
水のような穏やかさを保つ虚。
この正反対な2人が向かい合う。
「頼むぜ、白式!」
『さぁ、織斑選手の第一球!投げました!』
白式から投げられた球は、まっすぐキャッチャーミットに向かう。
球をしっかり見据えている虚は、その球めがけて、バットを………
叩きつけた。
予想外だったのか、守備陣の行動が遅れた。捕手が、前に転がったボールを取った頃には、塁にかなり近づいていた。が、捕手…ウヴァは諦めなかった。全力でボールをぶん投げた。一塁の篠ノ之はその球を取ったはいいものの、塁に乗せていた足が離れてしまう。
その瞬間、虚が塁を踏んだ。
『さぁ、チームオーズは早速塁に出ました。』
『まさか、初っ端から叩きつけてくるなんて思いもしなかったんだろうなぁ。』
『さぁ、次のバッターは……お、学園最強の更識楯無選手です!』
「フフン♪おねーさんに、任せなさい!」
そう言うと、バットの先端をピッチャーに向ける。
その行動に少々ビクついた一夏。だが、すぐに戦意を取り戻す。
再び全力投球で、キャッチーミットめがけて投げる。
楯無は再び叩きつけ打ちをしようとした。だが、失敗した。
「よっしゃ!ストライクだ!」
「フフ、まだよ!」
楯無の機体が急に加速して、一回転。そのまま、球を打った。
「な、何!?」
ボールは場外に向かって飛距離を伸ばしている。が、それに飛びつこうとしている影が1つ。篠ノ之箒だ。
「うぉぉぉ、絶対に取るぞ!」
まるでトラの如くボールを追いかけ、グローブを伸ばす。が、風によって向きが逸れ、ボールはスタンドに入った。
『おぉっとぉ!チームオーズ、はやくも2点先取!』
が、次の本音が三振したのだった。
ISで野球やると、ホームランが出づらい!