ピーチ姫は臆せず巨大ロボに突っ込んでいった。巨大ロボは両手を広げた。そこには無数の穴が空いていて穴の奥には大量のキラーが仕込まれていた。
『ふっとべぇ!』
ルドウィックが発射ボタンを押すとキラーが一斉に発射された。キラーはピーチ姫を狙って真っ直ぐに飛んできた。さすがに間を抜けてかわすのは難しい、だからといってキラー同士の接触を狙えばいつもと違って爆発してしまう。今はパワードスーツを着ているのでダメージは軽減されるだろうがあまりいい策とは思えない。
「それなら、私の所に届く前に破壊すればいいのよね」
ピーチ姫は姿勢を低くし床に手をおいた。すると手が床に沈み引き抜くとその手にはメタリックな野菜が握られていた。
「あ、あら?この状態だと野菜に影響が出るのね?でも結果オーライね!硬いほうが投げやすいわ!」
ピーチ姫は30kgくらいあるメタル野菜を 軽々と持ち上げ思い切りキラーに向かって投げつけた。メタル野菜はすごい勢いでキラーにぶち当たり爆発させた。その爆発に巻き込まれ周囲のキラーも巻き込まれるがまだまだ数は多い。
「それそれそれぇ!」
ピーチ姫は休みなく連続でメタル野菜を投げまくる。キラーは真っ直ぐにしか飛ばない、なので最低限排除し自分の位置さえ間違わなければ当たることはない。後ろに飛んでいったキラーもいくつかあったがM・キノピオとレサレサなら問題ない。キラーが飛んでこなくなり、ピーチ姫は巨大ロボを見上げてニヤリと笑う。
「弾切れかしらぁ?」
『次はこれだ!!』
ロボが新しい砲台を出してきた。そこからまたキラーが放たれた。
「またキラー?いえ、少し色が違うわね…」
『自動追尾が追加されたギラーだ!!』
ギラーはキラーの強化版でターゲットをどこまでも追いかけるようになっている。ピーチ姫はすぐに動く、それに合わせてギラーも動いてくる。ピーチ姫はメタル野菜を引き抜き投げる。一番近いギラーに当たり爆発するが後ろのギラーはそれを感知し爆炎を避けてピーチ姫を執念深く追いかける。
「そんな簡単にはいかないか、でも一つわかったわ、着弾から爆発まで少し時間があるみたい」
何を思ったかピーチ姫はギラーの群れに突っ込んでいった。
『血迷ったか!くらえぇ!!』
さらにギラーを撃ちまくってくる。ピーチ姫は飛び上がりそのうちの一発に足をかけた。そして爆発するより先に別のギラーを足場に飛び続ける。避けられない物に関しては長めのゴルフクラブで叩き潰す。ピーチ姫のあり得ないレベルの身体能力がなせる技である。そしてロボットの上を飛び越え背後を取る。ロボットは体を反転させすぐに対応してきた。
『後ろを取れたと思ったかぁ!?ざーんねーん!!』
「そうかしら?」
ピーチ姫はロボットに近づき手を触れた。
『近くにいれば攻撃できないと思ったな?そうはいかないのさ!』
ルドウィックがボタンを押すとピーチ姫が触れている足の部分から色んな武器が出てきた。
『くらえー!』
出てきた武器がピーチ姫を襲う寸前、何かがロボットの足に命中し爆発が起こった。衝撃でバランスを崩したロボは倒れてしまった。
『な、なんだぁ!?』
状況がつかめないルドウィックら三人にピーチ姫は“波動”を練りながら解説する。
「ギラーの自動追尾ってね?あまり正確じゃないのよ」
その言葉をきっかけに残っていたギラーが少しずつ位置を変えながら着弾していった。
『うわわわわ!?』
着弾の振動と崩れるバランスにパニックにぬるロイ、モートンそしてルドウィック。ピーチ姫は動じず波動を練り終わった手をロボットの表面につける。
「“はっけい”」
ロボットの中に波動が流れ右肩が吹き飛ぶ、その衝撃で完全にバランスを失ったロボットは倒れてしまう。
『うぎゃああああ!』
ロボットの中で逃げられずがっちゃんがちゃんになるルドウィックら三人。当然ピーチ姫は華麗にロボットから飛び降り着地した。
『ぐっくく…おのれえぇ…!』
起き上がろうとするが右腕と右足は完全にスクラップになってしまい立つことができない。ピーチ姫はパワードスーツを解除した。首を降り汗をふく。
「もう諦めたらいかが?私としてもあなたたちには愛着が少しあるから倒しちゃうのも気が引けるのよね」
『うるさい!おい起きろ!ロイ!モートン!』
『『………』』
ロイとモートンの反応がない、どうやら気絶しているようだった。
『くうぅ~かくなる上は!ポチっとな!!』
ボタンを押すと左右の腕足が外れ元のルドウィック単体のロボットに戻った。
『さらに~!!』
ルドウィックロボは懐(?)から緑色のブロックを取り出した。
「あら?あれは」
『いくぞー!!!』
ルドウィックロボが緑色のブロックを割ると一気にロボットがメタル化した。
「やっぱり!メタルブロック!」
メタルブロックは割ることでメタル化できるアイテムだ。メタルになれば重量が倍増し防御力がかなり増すが、その代わりジャンプなどの高さが致命的に低くなり落下スピードもかなり増すという乙女的には複雑なアイテムだ。
『これで勝てるぅ!!』
腕をブンブン振り回し雄叫びをあげるルドウィックをかわいそうなものを見る目で見るピーチ姫。
(うーん、今さら物理を強化したところで私には波動があるのよね。ルドウィックも初見じゃないはずなんだけど疲れて判断ができないのかしら?)
ピーチ姫の推測の通り今のルドウィックは疲れはててハイになっており持ち味の頭脳が致命的に欠如していた。
『うわああぁぁ!!』
めちゃくちゃに腕を振り回して向かってくる。ピーチ姫にとっては願ってもない状況だ。
「早く終わらせてあげるわ」
ロボットの右ストレートを飛びかわし、そこに乗った所に左腕のパンチが飛んでくる。避けてもよかったが波動を込めた右手で打ち払った。するとメタル化しているはずの腕は簡単に弾きとんだ。普通の状態ならちぎれとんでいくのだがメタル化しているせいでちぎれ飛ばず半円を描くように吹き飛びその勢いでコマのように回り始めてしまった。
『うわわわわ!?』
コックピットのルドウィックは目を回している。ピーチ姫はすでに飛び降り離れていた。
「次でフィナーレね」
アイテムBOXからゴルフクラブを取り出し手に持つ。ルドウィックの回転は収まったが完全に目を回し右も左もわからなくなっていた。
『あうふぅ…はらほれ…』
フラフラしているルドウィックロボの真下に移動しゴルフクラブを構える。タイミングをとりスイングの構えを取る。
「最近はゴルフをやってなかったからちゃんとできるかしら?」
狙いを定めて一気にゴルフクラブを振り抜いた。すると見事なヒット音と共にロボの体が吹き飛んだ。
『わ~~~~!!』
壁を突き破り何処かへ飛んでいくルドウィックロボを見送りながらピーチ姫は爽やかな笑顔を見せた。
「ナイスショット!!」
満足げにそう声をあげゴルフクラブをしまうと先へ続く階段が現れた。
「あら、どうやらクリアみたいね」
「さすがですわねピーチ姫」
「うふふ、ありがとう。でも、今回はレサレサやマッスルのおかげだわ」
「えへへ、ありがとうございます」
照れて笑うM・キノピオ。ピーチ姫は軽く手足をぶらつかせクールダウンを行った。
「よし!じゃあ次に行くわよ!」
ピーチ姫を先頭に三人は階段を降り次の階層に進んだ。
これを書いているときにスーパーマリオが発売35周年を迎えました。色々な記念商品がでるなか、ピーチ、デイジー、ロレッタなどのマリオヒロインにフォーカスを当てた「スーパーマリオプリンセスズ」みたいなゲームを妄想したりしています