ピーチ姫の脱出大作戦   作:長星浪漫

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最近鬼のような忙しさでなかなか続きが進まない…


W5-1「スペースゾーン」

 ボーナスステージを抜けた先には宇宙が広がっていた。

 

「…クッパの科学力と魔法はどうなっているのかしら?」

 

 そこには壁がなく無限に空間が広がっていた。重力も小さく体がフワフワしている。

 

「ところでピーチ姫、宇宙というところは人が生きられない空間だと聞きましたが大丈夫なんですの?わたくしはお化けですから大丈夫ですが」

「それは大丈夫よ、温度も空気もあるし見えないけどちゃんと壁もあるわ」

 

 ピーチ姫が小石を拾って投げると遠くで壁に当たる音がした。

 

「あくまで見た目と重力だけを表現しただけのようね。でも少し動きづらいから…」

 

 ピーチ姫はパワードスーツを展開した。パワードスーツにはいくつか小さなスラスターがついているので細かな空中移動ができる。

 

「うん!サムスに感謝ね!」

 

 ご機嫌で宇宙(仮)を進みはじめると早速敵が飛んできた。

 

「早速来たわね!」

 

 飛んできたのは丸めの胴体に細い足が二本はえた簡単な構造のロボットだった。

 

「ロボットなら遠慮なしでいけるわね!!」

 

 まるで今までの敵には手加減していたかのような言葉と共に攻撃体制になったときどこからともなく声が聞こえてきた。

 

「うおりゃああぁぁぁぁ!!」

「なんですの?」

 

 レサレサが声の方向を見た。それは上から聞こえてきていて、なにやら黄色と茶色の何かが降ってきた。

 

「チェストオォォォォ!!」

 

 その何かはピーチ姫に迫っていたロボットを踏みつける…いや、踏み砕く勢いで地面に着地した。同時にロボットが爆発し粉塵が辺りを満たす。

 

「きゃっ!?」

 

 ピーチ姫とレサレサはは目をおおって粉塵をかわす。粉塵がおさまり目を開けるとそこには黄色のドレスをなびかせ佇む一人の少女がいた。

 

「デイジー!?」

 

 その少女を見たピーチ姫は驚きの声をあげた。その声を聞いた少女、デイジーはパッと顔をほころばせピーチ姫のもとに駆け寄ると思い切り抱きついた。

 

「ピーチー!!無事だったのね~!」

「ちょ、ちょっとデイジー!くすぐったいわ」

 

 少し迷惑そうにしながらもピーチ姫の表情は嬉しそうだった。デイジーはピーチ姫から離れると後ろに浮いているレサレサに気づいた。

 

「む!テレサ!?」

「な、なんですの?」

 

 身構えるデイジーに困惑するレサレサ。ピーチ姫はデイジーの頭を軽く小突いた。

 

「淑女に対していきなり身構えるなんて、一国のお姫様としてダメじゃない?」

「あいてっ!?え?このテレサは仲間なの?」

 

 目をぱちくりしながらレサレサを見る。レサレサは体を少し揺らして挨拶をした。

 

「迷いの森の館に住むレサレサと申しますわ、お見知りおきを」

「おぉー…」

 

 挨拶をされると思っていなかったデイジーは一瞬呆けた顔になったがすぐに挨拶を返した。

 

「は!!私はサラサランドの王女のデイジーよ!さっきは敵と思い込んでごめんなさい!」

 

 首がとれそうな勢いで頭を下げるデイジーにピーチ姫とレサレサは笑った。

 

「おきになさらないでくださいまし」

「うん!ありがとう!」

「さてデイジー?なぜあなたがここにいるのかしら?」

「ピーチ姫がさらわれたって聞いたから助けようってパキオンに乗って急いできたんだ!」

 

 パキオンとは昔サラサランドにやってきたタタンガという宇宙人の子分だった雲のボスだ。今はデイジー姫専用のタクシーみたいな働きをしている。

 

「ありがとう嬉しいわ。でも結構時間がかかったんじゃない?」

「ううん!3日くらいでここまで来れたわ!」

「3日…え?3日?」

 

 マリオはさらわれて数ヶ月経った今も助けに来ていない。それをどうとは言わないが…

 

(でもよく考えたらマリオって潜水艦やら戦闘機やらもっているわよね?)

「ピーチ姫?」

 

 急に黙りこんだピーチ姫の顔を心配そうなや下から覗き込むデイジー。そのまだ幼さが残る顔を見てピーチ姫は考えることをやめた。

 

「まあ、考えても仕方ないわね。で?デイジーはどこから来たの?」

「え?う~ん…?」

 

 何故か考えはじめるデイジーを不思議そうに見守るピーチ姫とレサレサ。少ししてデイジーは宣言する。

 

「わからないわ!!」

「え?どういうことですの?」

 

 頭にはてなマークが乱立するレサレサにデイジーは説明した。

 

「いやー、ここまで来れたのはよかったんだけどパキオンに乗って入り口を探していたら急に目の前に空間の裂け目みたいのが現れてさ、そこに私だけ入ったらこの場所に来ちゃったの」

「…」

 

 デイジーのあまりの無鉄砲ぶりに言葉を失う二人。そんな思いを知ってか知らずかデイジーはピーチ姫のてを引く。

 

「とにかく出口を目指しましょ!」

 

 キラキラした目ですごく楽しそうにしているデイジーに困ったように笑いながらピーチ姫とレサレサは先に進んだ。

 一時間程歩いた三人だが景色が変わらず壁にもぶつかることもなかった。

 

「もぉ~!何でどこにも当たらないの!?」

「魔法の気配を感じるわね」

「魔法のことはよくわかりませんが、空間が歪んでいるのは感じますわ」

「空間が歪む?」

「多分クッパの魔法ね。忘れがちだけどクッパって結構強力な魔法を使えるのよね」

 

 初めてクッパがキノコ王国に侵略に来た日、国中のほとんどのキノピオはブロックなどに変えられてしまった。このことからわかるようにクッパには王国全土に広がるレベルの魔法が使えるのだ。

 

「しかも最近では科学力もかなりのものになってきてるから“平衡感覚を狂わせる魔法”とか“部屋全体を宇宙見たいに変える装置”とか作ったんじゃない?」

「う~~なんにせよ飽きてきたよ~」

 

 文句を言いながら歩いているとレサレサが二人の肩に手を置いた。

 

「レサレサ?どうかした?」

「少しじっとしていてくださいまし」

 

 一言そう言うとレサレサは特技の“すきとおる”を使い自分を含め二人の体を透き通らせた。するとその体をすり抜けて四つの影が通り抜けた。三人の後ろにその四つの影が落ちた音がしたので振り替返ると四色の甲羅がそこにあった。

 

『よくよけたな、さすがピーチ姫!』

 

 赤い甲羅から声が聞こえてきたかと思うと四つの甲羅かわくるくる回転し飛び上がると六つの穴から顔、両手両足、しっぽが出てきた。その顔には赤、緑、黄、黒の穴開きバンダナを巻いている。四匹のかめは着地するとビシッ!っとポーズを決めた。

 

「ピーチ姫!お久しぶりですね。我々は…グフゥッ!?」

 

 赤バンダナの亀がしゃべっている途中にデイジーがその腹を蹴り飛ばした。赤バンダナの亀は縦に周りながら飛んでいく、デイジーは飛んでいく先に先回りしタイミングを見計らってその首にひじうちをぶちこんだ。

 

「やばい!」

 

 赤バンダナは慌てて首を引っ込めなんとかかわし着地した。

 

「リーダー!」

 

 他の三匹が赤バンダナの亀に駆け寄る。赤バンダナの亀の無事を確認するとデイジーを睨んだ。

 

「口上の途中で攻撃するなんて非常識だ!」

「ちゃんと順序を守れぇ!」

 

 口々に文句を言う亀たちにメンチをきる。

 

「うるさいわねぇ!だってら早く名乗りなさいよ!!」

「は、はいぃ」

 

 完全にびびりながらも自分たちを“ノコブロス”と名乗った。色は赤、黄、黒、緑色の四色で赤がリーダーのようだ。

 

「あの時はマリオにしてやられたが、あれから俺たちは特訓に特訓にを重ね強くなったんだ!」

「行くぞ!」

 

 ノコブロスたちがフォーメーションを組もうとするところへ

 

「せいやあぁぁ!」

「うぎゃああぁ!?」

 

 デイジーが横やりを入れてノコブロスの邪魔をする。ピーチ姫も準備運動を始めた。

 

「合体攻撃はさせないわよ?」

「うぐぐ…」

「それならば!」

 

 緑色のノコブロスがなにやらスイッチを押した。するとノコブロス全員の体が輝き光が収まると四匹とも鎧や武器を装備していた。

 

「アーマード・ノコブロス!」

「あらあら」

「転送装着?すごいわね!」

 

 二人の姫は感嘆の声をあげた。それに気分をよくしたノコブロスはご丁寧に装備の説明をしてくれる。 

 

「わっはっは!すごいだろう?これはカメックババ様とクッパ軍の科学班が作ってくれたんだ!それぞれの色に合わせた装備が自動で提供されるんだ!」

 

 そんな感じで10分ほど説明を受けている間にピーチ姫たちは戦闘の打ち合わせをしていた。

 

「私は赤と黒を相手にするわね」

「えー!私も二人がいいなー」

「まだ来たばかりで本調子じゃないでしょう?」

「む~」

「ではわたくしと共に戦ってくださりませんか?わたくし戦闘には不向きですし」

 

 少し考えたあとデイジーは頷いた。

 

「うん!わかったわ!」

「あっちもちょうど終わったみたい」

「どうだ!すごいだろう?」

「うんすごいですね~」

 

 全く聞いていなかったが適当に相槌をうつピーチ姫。ノコブロスは気づかずさらに気を良くする。

 

「さあ!始めようぜ!…!?」

「フフ」

 

 一瞬でピーチ姫は赤ブロスに接近しアーマーの上から拳を叩き込む。

 

「むぐぅ!!」

 

 つぶれたような声をあげながら少し吹き飛ぶ。

 

「リーダー!?ぐえっ!」

「あなたもこっちよ?」

 

 黒ブロスの顔面を鷲掴み赤ブロスと同じ方向に投げ飛ばした。そしてデイジーとレサレサを振り返りにっこり笑う。

 

「じゃあそっちはよろしくね」

「オッケー」

「いやまて!」

 

 後を追おうとする残りのブロスたちの前にレサレサが立ちはだかる。

 

「どけぇ!」

「テレサ一匹が俺たちを止められるとおもってんのかぁ!」

「無作法な方々ですわねぇ」

 

 持っているセンスをバサッと開き口許を隠し、緑、黄ブロスと目を合わせる。するとブロス二匹から見たレサレサの姿が霞み始める。

 

「な、なんだ?」

「目が…?」

 

 すぐに霞みが消えたが、目の前にはデイジーが立っていた。

 

「あ、あれ?」

「すごいわね、レサレサの能力!」

 

 ニカッと笑いながら右手に魔力を込める。ブロス二匹の顔が真っ青になる。

 

「じゃあ、始めよっか♪」

 

 思い切り顔面にパンチを叩き込んだ。地面に叩きつけられる黄ブロス。緑ブロスは黄ブロスを助け起こしながら距離をとり今の出来事に混乱する。

 

「な、なんで!?確かにあのテレサの方向に向かっていたのに??」

 

 その質問にデイジーの背後にスゥーっとレサレサが現れた。

 

「わたくし、戦闘には向いていませんが、“化かす”といったことに関してはかなり自信がありますの」

 

 センスでパタパタとあおぐ。

 

「わたくしは“迷いの森”の館の主ですのよ?人を道に迷わせるなんて簡単な事ですわ」

 

 オーッホッホッホ!と高笑うレサレサ。デイジーも一緒に笑う。

 

「さて?そろそろ始めましょうか?」

 

 挑発的に微笑みながらデイジーは動き出した。

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