去年発売した「マリオ3Dコレクション」みたいな感じで、「マリオRPG
」「マリオストーリー」「ペーパーマリオRPG」がひとつになった「マリオRPGコレクション」みたいなのでないかなー
真っ先に敵の懐に飛び込んでいったのはデイジーだった。先程の攻撃を食らったことで敵の動きや能力はある程度把握していた。
「動きは早くてもパンチとキックなら簡単に避けられる!」
地面を蹴り拳を握る。
『甘い!』
眠気を振り切った合体ブロスは大きさに似合わない動きでお腹を狙ってきたデイジーを払おうとする。
「把握したって言ったでしょ?」
デイジーは足元に防御壁を出し、それを足場に飛び上がる。合体ブロスの攻撃は空をきったものの、空中のデイジーは隙が生まれてしまった。
『捕まえる』
もう片方の手でデイジーをつかまえようとする。その手があと少しでデイジーを包み込もうとするがデイジーはニヤリと笑った。
「私ばかり見てたらダメよ♥️」
『なに?ぎゃふん!!』
合体ブロスの後頭部に衝撃が走る。そのまま前のめりに倒れる合体ブロス。デイジーは飛び退いて避けた。倒れた合体ブロスの上に桃色の影が降り立った。
「動きはよくなったけど注意力が足りてないわ」
フライパンを肩に乗せたピーチ姫が合体ブロスの甲羅の上であくびをした。
『ぐぬぬ…どけぇぃ!』
「おっと」
手足を甲羅に入れて回転を始めた合体ブロスから飛び降りるピーチ姫。合体ブロスは二人から離れて立ち上がった。そこを狙ってデイジーが合体ブロスの真上に現れる。
「ないのは注意力だけじゃなくて学習能力もじゃない?」
『あ?』
「にっ⭐」
デイジーの手に握られていたのは巨大な金属製の“ウルトラハンマー”、それを確認した合体ブロスは青ざめた。
『やめっ…』
「とりゃあ!」
合体ブロスの言葉を聞くまでもなくウルトラハンマーが容赦なく頭に振り下ろされた。
『うぎゃあ!』
悲鳴をあげる合体ブロス。しかし…
『ん?あれ?』
ピョコンと立ち上がり不思議そうに頭を触る。
『痛みはあるけど、外傷はない…』
先程よりも確実に合体後の能力が上がっているのを確信し合体ブロスは俄然自信を取り戻した。
『わははー!これからが本番だ!!もう怒ったぞ!二人とも取っ捕まえてやる!』
「あらあら」
「へぇ」
イキる合体ブロスを前にピーチ姫とデイジー姫は顔をほころばせた。
「まだ勝つ気でいるよあいつら、どうしよっか?」
「聞くまでもないんじゃない?」
「ふふ、そうだね」
ピーチとデイジーは目をつむり爪先を二回ならす。すると桃色と橙色の光がそれぞれを包み二人の衣装が変化した。
ピーチ姫はピンク色を基調とし、白と金色のラインが入ったチャイナ服に近いデザインの服に白のタイツ、髪は頭の高い位置でポニーテールになっている。
デイジーは布面積を最低限にした黄色のバトルスーツで所々にトレードマークのデイジーの花柄が白色で描かれている。髪はツインテールに結ばれている。
「さてそれじゃあ」
「始めましょうか」
二人同時に合体ブロスに向かって突進していく。合体ブロスは立ち上がりお腹を二人に見せるように構えた。するとお腹が開き三門の大砲が現れた。
『発射!』
掛け声と同時にキラーが乱射される。
「足場をありがとう♪」
飛び乗ろうとしたデイジーをピーチが止める。手に持ったボールを投げて当てると当たった瞬間キラーが爆発した。
「あらま」
「追尾機能はないけど、触ると即爆発するようね少し距離をとりましょうか」
「てしたらお任せくださいまし」
どこからともなくレサレサが姿を現し二人の肩に触れる。そしてすぐに姿を消した。消えた三人を見て合体ブロスは笑った。
『わっはははは!無駄だぁ!』
合体ブロスの目がキラリと輝く。すると合体ブロスの目にレサレサの能力で隠れた三人が浮かび上がった。
『隠れてもすぐに見つけてやるぞぉ!!』
再びキラーを乱射する合体ブロス。今度のキラーの色は青色だった。
『このキラーはお化けにも当たるように改良された特別なキラーだ!今のお前たちにも当てることが出きるぞぉ!!』
青色キラーの説明と同時にレサレサの能力を解除するピーチとデイジー。その手にはテニスのラケットが握られていた。
「わざわざご説明ありがとう」
「キラーでもギラーでも何でも構わないけど」
「では二人ともいきますわよ?」
二人の前に移動したレサレサの周りには大量のテニスボールが入ったかごがいくつも並べられていた。レサレサはポルターガイスト能力でそれらを浮かび上がらせた。
「そぉれ!」
そして浮かび上がらせたそれらを二人に向かって投げつけた。
「ふっはっ!」
「せりゃああぁぁ!」
各々それぞれの掛け声とともにピーチとデイジーは向かってくる玉をすべて打ち返す。レサレサは半透明の状態なので玉は当たらずすり抜け背後のキラーに飛んでいく。そして玉はすべて見事にキラーにぶち当たり爆散させていった。
『うええ!?』
「さて、これで最後の一発ですわ」
レサレサが二人に普通のテニスボールよりも一回り大きい黒いボールを投げた。二人は同時にそのボールを打った。打たれたボールはかなりのスピードで真っ直ぐに合体ブロスの砲台に入り爆発した。
『うぎゃあ!』
煙をあげながら痛がる合体ブロス。
「痛い、ですむのね」
「丈夫さはすごいね」
ピーチとデイジーはラケットをアイテムBOXにしまいピーチ姫は表情を消し、デイジーはニカッと笑いスイッチが入った。
「いきましょう」
「オッケー」
二人は左右に別れ敵に突っ込んでいく。合体ブロスは砲台をしまいそこで二人の接近に気づいた。
『近づかせない!』
狙いを定めて両腕を二人に向ける。
「同時に狙うのかしら?」
『食らえ!』
合体ブロスの右手からロケットパンチ、左手からマシンガンが発射された。ピーチ姫はパラソルを取り出し開けた。ロケットパンチを蹴り落とし、爆発した爆風に乗って上昇した。
「やり方がワンパターンね」
一方のデイジーはデイジーの花の形の障壁で防ぐ、先ほど以上の乱射ではあったがデイジーの顔は涼しげな笑顔があった。
「一気にいくよぉ!」
デイジーは相手が銃弾のリロードのために一瞬動きを止める瞬間に障壁を球状に変化させ、アイテムBOXからバットを取り出した。
「おりゃあ!!」
勢いよく振り抜いたバットは球状の障壁をとらえた。球状の障壁は左手のマシンガンの中にすっぽりと入っていった。地面に降りたデイジーは流れるような動きで指パッチンの構えをとる。
「ばん⭐」
指を鳴らした瞬間マシンガンの中の障壁が膨張し破裂。左腕にダメージを与えた。
『あぎゃあ!?』
驚き慌てる合体ブロスに隙が生じた。その隙にピーチは合体ブロスの頭の上に飛び降りた。合体ブロスは気づかない。
「すうぅぅぅぅ」
呼吸を整え右の拳を握りしめ狙いを定める。
「せい!」
合体ブロスの脳天に拳を叩きつけた。攻撃は合体ブロスの頭のちょうど真ん中に叩き込まれ脳みそを揺らせた。
『…!?……!』
言葉を出せず、ふらつく合体ブロスから飛び降りたピーチに向かってデイジーが走り出した。ピーチ姫はバレーのレシーブの体制で構える。
「いっくわよー!それ!」
「ふっ!」
二人は息ピッタリの連携でデイジーは空高く飛び上がった。それを見ながらピーチも合体ブロスの下に向かう。
「倒れろぉぉぉ!」
デイジーが右手に魔力を込める。右手は金色に輝く光をまとい始めた。そしてそのままふらついている合体ブロスの顔の真正面に飛んでいき
「チェスト-!!」
デイジーの拳が合体ブロスの顔にめり込んだ。
『むっ…が、…』
白目を剥きながら後ろに倒れ始めたがギリギリ踏みとどまる。だがその足元にはピーチが構えていた。
「いきます」
足に波動を込めるピーチ、そしてそのまま足の後ろを蹴り飛ばした。
『うわわっ!』
デイジーの攻撃で上半身は後ろに傾き、下半身はピーチが蹴ったことで前に傾く。そしてそのまま腹を上にして倒れてしまう。ピーチとデイジーは真上に跳んだ。
「亀の弱点は…」
「だいたいお腹!!」
二人の姫は合体ブロスの腹を狙っていた。今までも狙ってはいたが立っている相手のお腹をうまく狙えずダメージを思うように与えられていなかった。だが無防備な状態で上から下に力をかけるのであれば効率的かつ最大限のダメージを与えられる。だが合体ブロスも黙っちゃいなかった。
『甘い!』
今の合体ブロスのお腹にはキラーの砲台が隠れている。それをすべて展開し二人の姫を狙う。
『ファイヤー!!』
一斉射撃。いくつものキラーが空中で逃げ場のない二人に襲いかかり爆煙に包まれた。
『ははははは!どうだ!これ…で?』
最後の声はかすれていた。煙の中から現れた二人は全くの無傷だった。それどころか、二人とも“メタル化”していた。ピーチはピンクゴールドにデイジーはイエローゴールドに変わっていた。
「メタルになれば基本的にダメージ無効、重量も数倍に」
「乙女としては複雑だけど、今は最善!」
メタル化し無敵&重量増加した二人が自由落下しながら降ってくる。このエリアは宇宙を再現しているが本当の宇宙空間にできているわけではない。スピードを増しながら二人は合体ブロスのお腹に降っていった。そしてそのお腹に思い切りめり込んだ。
『ぎゃあああぁぁ!』
凄まじい叫び声をあげながら合体ブロスはお腹を潰され破裂した。合体が解かれてブロスは四匹に別れた。ピーチとデイジーは少し離れた場所に降り立った。ブロスたちは体をなんとか動かして起き上がった。だがその目にはまだ諦めの色は見えなかった。その目を見てデイジーはため息をついた。
「まだやるのかしら?」
「さすがに諦めた方がいいわよ」
ピーチとデイジーは警戒を続けながらも戦闘態勢は解いていない。ブロスたちは悔しげに唸る。
「くっそぉ…動けない…」
「リーダー、ここまでなのか?」
「無念…」
「いや、まだだ!」
赤ブロスは仰向けの状態で叫んだ。
「カメックババ様が与えてくれた“もうひとつの力”を使うんだ!」
赤ブロスの言葉に他の三びきもハッとなった。
「そうか!あれか!」
「まだやれる!」
「いくぞ!」
四匹は懐から紫の結晶を取り出した。同時にそれらが光り四匹を包み込んだ。ピーチとデイジーはその光に目を細めた。
「なに!?」
「まだ奥の手があったのね」
驚きの声をあげながらも二人は動かない。その間に光がひとつにまとまり四匹は再びひとつになった。だが体の大きさは元のままで、戦隊ものみたいな衣装からローブをまとったカメックに近い姿になった。
『ふはははは!勝負はこれからだ!』
言うやいなや杖を構えた。
『“レインソード”!』
唱えた瞬間大量の短剣が雨のように降り注ぐ。レサレサがピーチとデイジーの後ろに現れた。
「わたくしがお二人を透けさせますわ」
「いや、この攻撃はだめよ。デイジー」
「オッケオッケ!」
デイジーは障壁を展開しピーチはそれに魔力を加えた。大量の短剣が連続であたる。数分間それが続いてようやく止まった。魔法が終了した後に障壁を見たデイジーは驚きの声をあげた。
「ヒビが入ってる!」
デイジーの障壁はかなり強固な上に今はピーチの魔力を乗せているので半端な魔法では傷ひとつつかない。それに傷をつけるほどの魔力を今回の合体ブロスは持っているということだ。
『どうだぁ!さっきは戦闘力を上げる合体だったが今回は魔法力をあげているのだ!“メガフレア”!』
今度は巨大な火球がピーチたちを襲う。ピーチとデイジーは今度は回避した。レサレサは姿を消しながら移動した。
『お前たち二人は近づきさえしなければどうということはない!!』
高笑いする合体ブロス魔法ver。かなりの威力を見せる敵の魔法にピーチとデイジーは…全くどうじていなかった。
「魔法も使えるのね」
「でもさ、あいつらの話を聞く限りじゃあくまでもらった力みたいじゃない?」
「ふふ、そうね、すでに勝てる気でいるわね」
「自信家なのはいいことではあるけど、ちゃんと力量は知っておかないとね」
「…魔法でも私たちに勝てないことを徹底的に教えてあげましょう」
「うん、そうね」
二人は体内の“リミッター”を外した。