ジャッキーには当時本当に苦労しました。またマリオRPGがやりたい…
開けた先はこれまた変わった空間だった。広いフロアに道場が入っていた。
「今度は道場?」
「本当にクッパ城は摩訶不思議ね、誰が建築に関わっているのかしら?」
周りを見渡しても何もなさそうなのでピーチたちはとりあえず道場に入ることにした。入り口まで近づくと道場の扉が開いて一匹のノコヤンが現れた。
「お待ちしておりました、ピーチ姫」
「あなたは…モンスタウンにいたノコヤン?」
ピーチがそう聞くとノコヤンは嬉しそうに首を縦にふった。
「そうです!お久しぶりですピーチ姫!覚えていていただけて光栄です!」
モンスタウンはカジオーの一件で旅をしているときに訪れた改心したモンスターたちが暮らす小さな村だ。ノコヤンはその村にいたジャッキーという人物の弟子だった。
「ささ、とりあえず中にお入りください」
ノコヤン(弟子)に促されピーチたちは道場の中に入っていった。中もまさに道場といった感じでクッパ城にいることを忘れてしまいそうだ。案内されるがまま道場に入っていくと修練の間という所に先客がいた。それが誰かわかるとピーチとデイジーは警戒し臨戦態勢になる。
「なぜあなたがここにいるのかしら?」
先客はゆっくりと振り向く。
「それ、絶対あたいの台詞よね?ピーチ姫?」
頭には白い水玉模様のピンクのリボン、両耳には大きなイヤリング、背中の甲羅はかわいい赤色、つけまつ毛にもったりとした大きい唇、コクッパの紅一点ウェンディがそこにいた。
「ロイたちと同じで戻ってきてたのね」
「まぁね、負傷が治ったからここで修行をしていたのよ。あなたが脱走したのは知ってたけどまさかここまで来るなんてね」
「私を捕まえるのかしら?」
「それもいいわね」
今にもバトルが始まりそうな雰囲気になる。ノコヤン(弟子)は止めようと思うが自身の実力ではそれが不可能だとわかっているのでどうにもできずに慌てている。今にも戦いが始まりそうな雰囲気の中、その雰囲気を切り裂くかのような鋭い声が響いた。
「やめなさい」
「!!」
その場の全員が心臓を直接触られたかのような殺気を感じ各々声の主を探すがそれはどこにもいない。しばらくするとまた声が聞こえる。
「やれやれ、それではすぐに私に殺されるぞ、まぁピーチ姫は私を見つけたみたいだな」
ピーチ以外の四人はピーチの目線の先を探すとそこには赤いスカーフを首に巻いた緑色の刃物のようなとさか(?)を持った小さな人間(?)が立っていた。
「お久しぶりですジャッキーさん」
ピーチがお姫様として会釈するとジャッキーも返す。
「カジオーの一件以来かな?ずいぶんとたくましくなられた」
ジャッキーに進められ道場の中央あたりに座布団を敷き全員が座る。ノコヤン(弟子)が全員にお茶とお菓子を運んできた。お茶を一口飲みジャッキーから話し始める。
「いやしかしまさかピーチ姫の方がマリオよりも早くここに辿り着くとは思わなかったよ」
「そうですか?」
「姫の脱走の報告は受けていたがもう少しかかると思っていた」
「…ということはやはり今はクッパ軍団にくみしているの?」
ピーチはそれが気になっていた。ジャッキーはモンスタウンでも道場を開いていた。ジャッキーはかなりの実力者だが悪事に荷担するような人物ではない、なので現在のジャッキーの立場が気になっていた。しかしジャッキーは特に気にすることもなく答えてくれた。
「いや、少し違うな。私は姫の誘拐には関わっていないが、今回クッパに手を貸そうとしたのは自分の意思だ」
「なぜ?」
「マリオと戦うためさ」
「マリオと?」
「ああ、モンスタウンでは負けたからなリベンジというわけだ」
ピーチはモンスタウンでの戦いを思い出す。確かにあの時ジャッキーに勝利したがこちらは三人でしかもアイテムを使ってやっと勝ったのだ。
「はじめはもっと上の階を任される予定だったが、それだとさすがのマリオも疲れてしまうかもしれないからな、なるべく早めに戦いたいと思ったのでここにいる」
「なるほど」
マリオにとっては災難ね…と考えながらピーチはお茶をすすった。同時にピーチの中にはある思いが生まれていた。その気持ちをジャッキーが代弁した。
「だが私はピーチ姫とも戦ってみたい」
「!!」
ピーチをはじめその場の全員が反応する。レサレサはため息をつき、デイジーは鼻息荒く目を輝かせ、ノコヤン(弟子)も武者震いし、ウェンディは指を鳴らした。
「いいねぇ!あたいも体がなまっていたところだよ!」
「血沸き肉踊る!ウズウズしてきたぁ!」
「お二人とも…特にデイジーはお姫様なのですからもう少しわきまえた方がいいと思いますわ。ねぇピーチ姫」
「え?」
レサレサがピーチ姫を見るとストレッチをしていた。その様子にレサレサは改めてため息をついた。しかし話しはどんどん進んでいく。
「ふむ、では3vs3で試合をしようじゃないか」
「いいわね、メンバーは?」
「こちらは私、ノコヤン(弟子)、ウェンディでいこう」
「じゃあこっちは私、デイジー、レサレサね」
「しれっと私も人数に入っていますのね…まぁ構いませんが」
ジャッキーの提案した内容で話し合いが行われルールがある程度固まり戦う順番も決定した。
「では第一試合はレサレサvsノコヤン(弟子)」
「女だからって容赦しないっすよ!」
「やるからには勝ちますわ」
「第二試合デイジーvsウェンディ」
「戦うのはスマブラ以来ね、ワクワクするわ!」
「あたいが勝つ!」
「そして最後の第三試合はピーチvsジャッキーつまり私だ」
「1対1は初めてだわ」
「フフフ…怖じ気づいたかね?」
ジャッキーの明らかな挑発にピーチは笑顔で返す。
「まさか!むしろ楽しみだわ!」
スマブラで戦ったたくさんのファイター、カッサーと共にマリオを助けに行ったこともある。様々なスポーツにもチャレンジしたしレースも長年やっている。当時の自分より確実に強くなっている実感がある。
「絶対負けないわ」
「素晴らしい面構えだな。フフフ、久しぶりに本気が出せそうだ」
対戦相手が決まったところで改めて基本的なルールの確認を行った。
「勝負は1対1、いかなる助っ人も認めない。だがアイテムは回復アイテムや魔法攻撃アイテム以外は使っていい、まぁ基本的には武器だな。戦いの場所はこの道場内で、この部屋から出なければ基本的には相手を戦闘不能にしたほうの勝ちだ。ピーチ姫たちが勝てば完全回復をした上で先に進むことを許可しよう、といってもここをクリアすればすぐに出口だが、負けた場合はデイジー姫、レサレサ嬢 も合わせて最上階に戻ってもらう。これでいいかな?」
「えぇ、問題ないわ」
「えらくあっさり条件をのんだね」
「私たちが勝つから」
ピーチは不敵な笑顔をジャッキーに向ける。それを見たジャッキーもニヤリと笑う。
「君たちが初めてモンスタウンに来てから今日まで修行を重ねてきたが、君たち以上の相手には出会えなかった。正直楽しみだよ」
“強い相手と戦いたい”、そんな心を持った戦士たちの戦いが今始まる。