第一試合はレサレサvsノコヤン(弟子)。二人が戦いの場に上がる。審判はジャッキーが努める。
「では双方準備はいいか?」
「ちょっとよろしいかしら?」
レサレサか手を上げた。
「なんだい?」
「この試合は正式な格闘技の試合ではないのですわよね?」
「うむ」
「では、わたくしは
「もちろんだ、先程のルールさえ守れば基本的にはなんでもありだ」
「それを聞いて安心しましたわ。では始めてくださいまし」
「わかった。では、試合開始!」
試合開始と共に先に動いたのはノコヤン(弟子)だ。
「いくっすよー」
ひゅうひゅうと回した拳が風を切る音がする。そして
「ぱんっ!」
一瞬で距離をつめレサレサのお腹(?)のあたりに拳がめり込んだ…と思ったのだがレサレサは涼しい顔だ。よく見るとノコヤン(弟子)の拳はレサレサに貫通し、レサレサは少し薄くなって攻撃はすり抜けていた。レサレサはクスクスと笑う。
「オバケですもの、物理攻撃は当たりませんわ~ 」
「くっ!」
いったん距離を取ろうとするノコヤン(弟子)、しかしレサレサは見逃さない。
「あ~ら、そうはいきませんわよ~」
ポルターガイストを使いノコヤン(弟子)の背後の板をはがし壁を作る、ノコヤン(弟子)はその板に阻まれ動きを止める。
「しまったっす!」
「さっさと終わらせますわ」
レサレサがノコヤン(弟子に)真正面から突っ込んでくる。途中、ドロンと煙が覆う。
「なんすか!?」
迎えうとうとしたノコヤン(弟子)はレサレサを見失い攻撃をためらってしまう。その一瞬、煙から人間の腕が伸びてきてノコヤン(弟子)を掴まえる。
「むぐぅ!?」
「幽霊屋敷からの貯金とさっきの遺跡のフロアの霊気を吸いましたのでわたくし今」
煙が晴れて人間状態になったレサレサが現れた。その顔にはいたずらっぽい笑みを浮かべていた。
「絶好調ですのよ」
そのまま振りかぶって放り投げた。といっても“腕力”ではなくポルターガイストの力を使って放り投げた。ノコヤン(弟子)はノコノコ系統にしては珍しく機敏な動きで空中反転し着地、構え直してレサレサと向かい合う。レサレサは少し浮きながら取り出したセンスで口許を隠している。
「わたくしはテレサ、おばけとして本気で戦いますわ」
「こちらもそのつもり…だ!」
さっきよりも早いスピードで繰り出されたパンチは空をきった。レサレサは消えていた。
「目を離さなかったのに!」
「わたくし、あの冒険以来戦うことがあまりなかったんですの」
「!!」
背後から声がして振り返った瞬間ビンタがノコヤン(弟子)の頬を打った。人間の姿で放たれたのでダメージは結構入ったがのけぞるほどではなかった。
「これくらいなら効かないぞ!」
「わかってますわ」
「ひゅっ!」
ノコヤン(弟子)の素早いカウンターが人間形態のレサレサの頭をとらえた瞬間
『ゴキメキボキ…ブチリ』
と、めちゃくちゃな音をたててレサレサの首がふきとんだ。
「え?」
「は?」
「ほ?」
予期せぬ出来事にその場の空気が凍りつく。一拍おいてノコヤン(弟子)の顔から汗が吹き出した。
「うわああぉぉぁ!?」
ノコヤン(弟子)はパニックになった。まさか自分の一撃でレサレサの首がふきとぶとは思ってもいなかったからだ。周りも見ずにレサレサの首に近づく。ちなみに体の方はだらりとなって動かなくなった。ノコヤン(弟子)は首の前にしゃがみこんだ。
「ごごごごめんっすぅ!まさか殺してしまうなんてぇ!!」
今にも泣きそうなノコヤン(弟子)、それを見てジャッキーはため息をつき頭をふった。
「馬鹿者め」
それはレサレサの首をふきとばしたことにではなく、引っ掛かってしまった弟子への憐れみだった。ノコヤン(弟子)がレサレサの首に気を取られているその隙に背後のレサレサの体が動きだしノコヤン(弟子)の両脇をロックした。これにはノコヤン(弟子)はさらに驚いた。
「え?なんすか!?」
またまたパニックになるノコヤン(弟子)、先程抱えた首を落としてしまう。しかし首は落ちず宙に浮き振り返ったノコヤン(弟子)と目があった。
「ひぎゃあ!?ククク首が浮いてるっす!」
「先程も申し上げたましたが…」
ノコヤン(弟子)をつかんでいた体がパッと消えレサレサの首の下に現れくっつく。
「へ?」
「『おばけは死なない~♪』ですのよ?」
取り出したセンスで思い切りノコヤン(弟子)を弾き飛ばした。ノコヤン(弟子)は何とか体勢を立て直し戦闘不能を免れた。
「ゆ、油断してはいなかったっす…でも予想以上の実力っす!」
「あらあら、さすがにしぶといですわね」
レサレサは小首を傾げニヤリと笑う。
「先にフォローしておきますが、これが普通の格闘の試合ならわたくしは勝てませんでしたわ。でもこれは何でもアリの団体戦、それなら話しは違いますわ」
「うおおおお!」
ノコヤン(弟子)はすかさず攻撃を放つ、レサレサは動かない。ノコヤン(弟子)の攻撃はレサレサの腹部を貫通したがレサレサは無反応、ノーダメージだ。レサレサはノコヤン(弟子)の顔に触れ自身の顔を近づける。
「ですから、いまわたくしに負けても何も恥じることはありませんわ」
レサレサの体から黒いもやが放出されレサレサとノコヤン(弟子)を包み込む。
「あっわっ…」
完全に包まれた二人、黒いもやの中からは何も聞こえなくなり、数分後黒いもやが晴れた時にはノコヤン(弟子)はぐったりと倒れており、レサレサは元の姿に戻ってセンスでパタパタと顔を扇いでいた。ジャッキーがノコヤン(弟子)に近づき顔を覗き込むと何やらぶつぶつと呟いていた。
「許して…ダメっす…許して…ダメっす…」
カクカクと震えながら同じ言葉を繰り返していた。意識はあるが戦闘続行は明らかに不可能だった。
「勝者レサレサ!」
「やったわ!」
ピーチたちの歓声に会釈をし、レサレサはピーチたちのところにフワフワと飛んできた。
「お疲れさまレサレサ」
「勝ちましたわ」
レサレサは息一つ上がっていない、お化けなので呼吸はしていないのだが、それでも余裕なのが伺える。デイジーはレサレサに聞いてみる。
「最後のあれ何をやったの?」
「あれ?…あぁ、黒いもやのことですの?」
「うん!あれが晴れた瞬間にノコヤン(弟子)だ倒れてたからさ」
興味津々のデイジーにレサレサは答えた。
「あの中でノコヤン(弟子)には悪夢を見ていただいたのですわ」
「悪夢を?」
「はい、“自分が一番見たくない過去”をさらにわたくしの霊力で誇張して見ていただいたのですわ、クスクス、物凄くおもしろかったですわ」
本当に楽しそうに笑うレサレサ、その様子にピーチとデイジーは「この娘は敵にまわしちゃいけないな」と心に誓った。
レサレサの圧倒的優勢を書きたかったのでなるべく短めに書きました。