書いているうちにあれがしたい、コレもしたいと色々でてきてちょっと長くなってしまいました。
星が描かれたドアを開けると少し階段があり、その先は三つに別れている。真ん中の廊下はそのまま中庭に続き、両側には階段が地下に降りている。先程の地下牢ではなく地下の隠し部屋や通路に繋がっている。先程の音や声は中庭の方から聞こえてきていた。
「中庭から聞こえるわ」
ずんずん進んでいくピーチ姫。それに必死についていくM・キノピオ。
「ちょっ、姫!少しは警戒してください!」
「うるさいですわよ、なにか来ても問題ありません」
聞く耳持たずといった感じでどんどん進み中庭への扉を開けた。
「あら?あれは…」
開けてすぐに目に飛び込んできたのは、五匹ほどのカロンに囲まれたテレサだった。
「ええぃ、鬱陶しいですわね!倒しても倒してももとに戻って邪魔ですわ~~~!」
そのテレサはピンクのセンスを振り回しカロンを叩き壊している。その度にがしゃあぁぁん!という音が中庭に響き渡った。M・キノピオはポカンとその光景を見ていた。
「えと…?仲間割れ?ですかね」
「違うわ…」
ピーチ姫はアイテムBOXからテニスラケットを取り出しながらそのテレサのもとに向かっていった。
「あっひ、姫!」
慌てて後を追うM・キノピオ。
「あのテレサは、いえ、あの御方は…」
ピーチ姫のラケットが淡いピンク色に光始める。ピーチ姫は足を早めそして飛んだ。
「ふっ」
ラケットを一閃、カロンが二匹バラバラになって吹き飛ぶ、残りのカロンがピーチ姫の方を向きかけたところにラケットをさらに一閃、また二匹がバラバラに吹き飛ぶ。ここでテレサと目が合う。
「あら?」
テレサは完全に自分に背を向けているカロンをセンスで吹き飛ばした。カロンはバラバラにバラパラな場所に飛び散った。
ピーチ姫はラケットをしまいテレサに挨拶をした。
「ごきげんよう、レサレサ嬢」
短いスカートを指先でつまみ会釈する。テレサも挨拶を返す。
「ごきげんよう、ピーチ姫」
そのテレサーレサレサは宙に浮かびながらコロンと会釈を返す。普通のテレサと違って体の色はエメラルドグリーンで頭の両側に可愛らしいリボンをつけている。キリッとした目付きで予想できるようにその性格はきつめだ。
レサレサはキノコ王国のそばにある『迷いの森』の奥のお屋敷に住むテレサの令嬢で、以前マリオと共にピーチ姫を助けにいったこともある。と、あとから来たM・キノピオに説明する。
「でもそのご令嬢がなぜここに?」
「姫にご招待されていたのですわ。そしてちょうどクッパが現れてわたくしも巻き添えを食らってしまったというわけです」
「ごめんなさいレサレサ嬢」
「姫は悪くありませんことよ!悪いのはあの諦めの悪い亀です!」
レサレサがセンスを振り回す。その時、カチャカチャという音がし始めた。
「あ~~!またですわ!」
先程吹き飛ばされたカロンがもとの姿に再生した。カロンの数は五体。一匹一匹は強くないが完全に倒す方法がなく厄介な相手だった。しかしピーチ姫は何かを閃いたようでM・キノピオに指示を出す。
「マッスル!今すぐ城の中に戻って大きめで頑丈な壺を3つ用意しなさい!」
「え?なぜです?」
「いいから!どのみちあなたにどれほど力があってもカロンは倒せませんわ!だからその腕力を有効に使えるように動きなさい!」
「わかりました!」
M・キノピオはすぐに城内に戻っていった。残ったピーチ姫とレサレサはカロンを壊しまくる。
「姫?なにか考えがありますの?」
壊しては再生するカロンをセンスで叩き飛ばしながらレサレサがピーチ姫に問う。ピーチ姫はゴルフクラブでカロンの頭をナイスショット!すると残った体を蹴り飛ばした。体はバラバラに吹き飛んだがすぐに再生を始める。それを見てピーチ姫は満足そうに頷いた。
「ええもちろん!」
ピーチ姫は笑みさえ浮かべてレサレサに応える。
「あの再生力を利用するのですわ!」
ピーチ姫が高らかにいい放ったその時、ナイスタイミングでM・キノピオが三つの壺を抱えて戻ってきた。
「姫~!これでいいですか~?」
M・キノピオが持ってきたのはクッパの顔くらいの大きさがある赤茶色の壺だった。ピーチ姫はその壺をM・キノピオとレサレサに一つずつ持たせ自分も一つ持った。
「さぁ!バラバラになったカロンをこの壺にいれましょう!」
「どういうことですの?」
レサレサが壺を覗きながらピーチ姫に聞く。
「再生する前にここにいれてしまうことでパーツが揃わないようにしますの。この壺はとある魔神さんからいただいたかなり頑丈な壺ですので割れる心配はありませんわ」
説明しているとカロンがまた再生を始める。
「あら、少しおしゃべりしすぎましたわね。ではもう一度バラバラにしましょうか」
ピーチ姫はゴルフクラブをレサレサはセンスをM・キノピオは素手でカロンを叩き潰し始めた。
ピーチ姫はふわりとジャンプしカロンの後ろに着地する。カロンがガクガクと遅いながらも全力の早さで振り向こうとするが、それよりも遥かに早くピーチ姫が振り返りざまにゴルフクラブで胴体をとらえバラバラにする。
レサレサはセンスでビンタし破壊していく。二匹を相手にしていたので後ろをとられてしまった。カロンの手が降り下ろされる。しかしレサレサはすでに気づいており体を透明にして攻撃をかわす。
「全く、先程から何度も同じ方法で回避していますのに、学習できない骨ですわね!」
パァン!と気持ちのいい破裂音と共にカロンがバラバラになる。
M・キノピオが攻撃したカロンはバラバラというより、粉々に近くなってしまっていた。それでも再生してしまうの後カロンの厄介なところだ。
「ちょっとマッスル!あまり細かすぎると壺にいれにくいでしょう!?少し手加減なさい!」
「えぇ!?そんな無茶なぁ…」
といいつつ主の命令に従い破壊しすぎないように気を付けるM・キノピオ。そんなこんなでカロンが五匹すべてバラバラになったところで三人は壺にカロンをいれ始めた。
「なるべく同じパーツを一つの壺に入れすぎないように」
ピーチ姫に言われた通りなるべくバラバラにいれ中庭の真ん中に置いた。しばらくすると壺がカタカタと鳴り出した。中でカロンが再生を始めているようだ。
「ひ、姫?本当に大丈夫なんですか?」
「黙って見ていなさい」
「まったく、男なのに度胸がないですわね」
レサレサがセンスで自分をあおぎながらM・キノピオたしなめた。カロンが入った壺は少しずつ近づき始めやがて三つがぶつかった。
ガシャ!ばらばらばら…
中で何かが崩れる音がした。その音を聴いてピーチ姫はまんぞくそうに腕を組んだ。
「思惑通りですわ」
「え?なにがですか?」
「もぉ!見てわからないんですの?こうやって割れない壺にバラバラに入れてもおけば今のように再生を始めても壺と壺がぶつかった瞬間にまたバラバラになるんですの!まぁ無限ループというやつですわね」
ふふん♪と楽しそうに笑ってピーチ姫はレサレサの方を振り向く。
「レサレサ嬢、こうなってしまったこと改めて謝罪しますわ。その上で厚かましいとわかっていますが一つ頼みたいことがありますの」
「なんですの?」
レサレサはセンスをしまいピーチ姫に向き直る。ピーチ姫は両手をお腹の前で重ね恭しく頭を下げた。
「私のこの脱出に力をお貸しいただけませんか?」
「オッケーですわ」
即答だった。ピーチ姫はその返事を予想していたようで嬉しそうに頭を上げる。
「そうおっしゃってくださると思ってましたわ!さすがはレサレサ嬢!」
ピーチ姫がレサレサの両手をつかみ少女のように跳び跳ねる。レサレサもフワフワと跳び跳ねる。
「わたくしあの冒険以来ずっと暇でしたの。これはちょうどいい刺激になりますわ」
オーホッホッホ!といかにもお嬢様な笑いを発したあとM・キノピオの方を向いた。
「そちらのキノコの方もよろしくお願いしますわ」
と一応挨拶した。
「それでは皆さん一度中に戻りましょ…」
「待ちなぁ!」
ピーチ姫が場内へ戻ることを提案しようとしたまさに其のと、どこからともなく声が聞こえてきた。
「なんだ!?どこから声が…?」
三人がキョロキョロしているとその声がまた聞こえてきた。
「ギャ~ッハッハッハァ!かこだよ~ん」
下品な声と共に地面の下から大量の白い何かがわき出てきた。それらは口をバカッと開けてゲラゲラ笑いだした。
「ようこそ『テレサの中庭』へ!ここはおれたちのテリトリーなんだよ!」
頭に王冠をのせたキングテレサが舌をベロベロささせながらその姿を現した…ところにピーチ姫が魔力をのせたフライパン(謎の汚れつき)て思いきり殴り飛ばした。
「ぷぎゃ!」
カエルがつぶれたような悲鳴をあげてキングテレサは城の壁にぶつかった。
「ボス!?」
普通のテレサたちがビックリしてキングテレサのもとに飛んでいく。ピーチ姫はフライパン(謎の汚れつき)を手の上でポンポンと跳ねさせるとニコッと微笑んだ。
「ここはいつから『テレサの中庭』なんていう名前になったのかしら?」
「いてて…おばけにここまでのダメージを与えられるとは…」
腫れたほっぺをさすりながらキングテレサは体を起こす。部下たちがそれを支えた。
「聞いていましたか?ここはいつから『テレサの中庭』と…」
「うるせぇな!このピーチ城は今クッパ様の持ち物だろうが!そしておれはここの番人を任されている。すなわちここはおれの中庭だ!文句あるかぁ!?」
キングテレサが渾身の驚かし顔をきめるがピーチ姫は眉ひとつ動かさない。それどころか笑顔がさらに深くなっていく。
「ごたくはおしまいですか?」
フライパンをしまいセンスを取り出す。
「では、いきましょう」
この言葉が開戦の合図となった。テレサたちがぶわーっと下りてきた。ピーチ姫とレサレサはセンスを構えM・キノピオはファイティングポーズをとる。
「いけー!そいつらを捕まえろ!」
キングテレサは高いところで命令している。
「三人バラパラに別れましょ」
「そうですわね」
「わかりました」
三人がバラバラの位置に別れた。レサレサとM・キノピオの場所には同じくらいのテレサが向かったが、ピーチ姫のところにはあまりテレサが行かなかった。先程のキングテレサへの攻撃にビビったからだ。
レサレサは周りによってくるテレサをセンスで叩き落としている。
「もぉ!しつこいですわね!」
レサレサがイライラと言葉を荒げると上の方からキングテレサが声をかけてきた。
「お前、かわいいな。俺の好みだ」
「はぁ?」
レサレサが心底嫌な顔をした。しかしキングテレサは気にしない。
「おれの妃になるのならお前は見逃してやっても…」
「その無駄におしゃべりなお口を針で縫ってさしあげましょうか?ご自分の顔を鏡で見た方がよろしくてよ?愚かでしなびた大きなかぶさん?」
「なっ…」
一気に悪口を言われ怒りで体を真っ赤にするキングテレサ。それを見てレサレサはさらに嘲笑する。
「あらあら?あかかぶになりましたわ♪しかしお下品な赤色ですことです。そんな顔で求婚するなんて頭がそうとうお花畑なんですのね」
「そいつから倒せー!」
ついにキングテレサがキレた。号令に従いテレサがレサレサに飛び付いていく。レサレサはセンスで応戦するが数が多すぎる。レサレサはあっという間に隠れてしまった。
「レサレサ様ー!」
M・キノピオがテレサにまとわりつかれながらレサレサの名を叫ぶ。
レサレサは完全にテレサの中に埋もれてしまっている。キングテレサはゲラゲラと笑っている。
「おれに従わなかったからだバーカ!」
ピーチ姫は気絶させたテレサをヒールで踏みつけている。そしてレサレサの方を見た。
「大丈夫かしら?レサレサ嬢」
と少しバランスを心配したその時、レサレサの周りのテレサが吹き飛んだ。
「な、なんだ?」
キングテレサが目をぱちくりさせる。レサレサがいたはずの場所には一人の黒いドレスを着た少女が立っていた。
「あらぁ…!」
ピーチ姫はそれが誰かわかり感嘆の声をあげた。その少女は大きな緑の瞳にレサレサと同じエメラルドグリーンの肌。濃い緑の長い髪、その両端を赤いリボンで小さく結んでいる。その少女はぎろりとキングテレサを睨み付ける。
「笑い方と同じで低俗でお下品ですわね」
少女は
「まさか、レサレサなのか?」
「気安くわたくしの名前を呼ぶな、ですわ」
レサレサは近くでのびているテレサを鷲掴みキングテレサに投げつける。キングテレサは慌てて避ける。ピーチ姫はレサレサに近づきその手を握った。体温はなかった。
「すごいですわ!レサレサ嬢!いつの間にこんな技を?」
「マリオとあなたを助けにいった旅のあとに特訓しましたの、もとのテレサのままだとリーチが短かったりしますので、少しの間だけ人型に化けられるように特訓しました…の!?」
しゃべっている途中でレサレサはもとに戻った。
「まだうまく維持できませんわね」
「てもこれでキングテレサ以外はすべて倒せましたわ」
ピーチ姫があたりを見渡すとテレサが積み上がり一つの山になっていた。
「あら?M・キノピオさんがいませんわ?」
「ふふふ、大丈夫です。場所はわかってますから。それより」
ピーチ姫かキングテレサの方を見る。キングテレサは焦りと憤りが混じったような顔をしていた。ピーチ姫がセンスをぱちんと閉じる。
「人の城の庭を勝手に私物化した無作法さんにお仕置きのじかんですわ」
「ええ、そうですわね」
ピーチ姫とレサレサは上品に口元を隠しながら無慈悲な笑顔をキングテレサにむけた。
読んでいただきありがとうございます!
今回登場したキャラクター「レサレサ」について少し説明します。
レサレサはN64のソフト「マリオストーリー」に出てきたマリオの仲間のテレサです。大きなお屋敷のご令嬢です。
ただ人の姿にはなりません!これは私が今後のストーリーで少し書きやすくするために付け加えたオリジナルの設定です。
…といった感じです。今後はピーチ姫と共に行動するキャラクターは出さないつもりです(多分)。ただ、一時的に協力するキャラは書けたらなと思っています。
長々と失礼しました!次も楽しみにしてくださったら嬉しいです。