ピーチ姫の脱出大作戦   作:長星浪漫

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w8-2a「ギガクッパ」

 ギガクッパへと変身したクッパは攻撃を開始する。ピーチは対応しようとしたが先ほどのクッパよりスピードが上がっているためガードが少し遅れた。

 

「!」

 

 一瞬早くそれに気付き後ろに飛び退き威力を少しでも押さえようとする。思惑は成功し直撃は避けられた。しかし衝撃波が発生し後方に吹き飛ばされる。想定外の威力、しかしピーチにとっては目覚めの一撃になった。

 

「ふっ」

 

 息を吐きながら着地し頭を切り替えギガクッパの情報を頭の中で更新する。

 

「ガハハ!それ!もう一撃!」

 

 ギガクッパは今度は右手を大きく振りかぶり爪での攻撃をくりだしてきた。先ほどまでなら振りかぶった右腕のあたりに隙ができていたのだが、今のクッパはその部分も装甲のような鱗が密集しており攻撃は不可能と見えた。加えてスピードも上がり反応速度も上がっているので懐に走り込んで攻撃するのも恐らく無理がありそうだ。

 

(それなら!)

 

 ピーチは勢いよくジャンプした。

 

「むむっ!だがまだ追えるぞ!」

 

 ピーチの動きに合わせてギガクッパも跳躍し距離をつめる。

 

「ガハハ!まずはその衣装を引き裂いてやるわ!」

「そうはいかないわ」

 

 ピーチは素早くアイテムBOXからパラソルを取り出すと勢いよく開く。するとピーチの体は一気に上昇した。

 

「なぁ!?」

 

 ギガクッパは完全に意表を突かれ攻撃は空振りする。そしてちょうどピーチの真下にクッパの後頭部が来るのを見計らってパラソルをメタルブロックと取り替える。

 

「いくわよ!」

 

 ピーチは勢いよくメタルブロックを割りピンクゴールドピーチに変身した。メタルになった分当然重量も上がり落下速度も段違いに上がる。いくら強化された状態のギガクッパとはいえ避けるのは不可能だった。ピーチの狙いどおりにクッパの後頭部にクリーンヒットする。

 

「がっ、あっっ」

 

 一瞬意識が薄らぎ体が揺らぐギガクッパ。ピーチはメタル化を解除し手にフライパンを持ちギガクッパの真ん前に飛び降りがてらフライパンを思い切り叩きつける。

 

「うぐぅ!?」

 

 地面に着地すると同時に今度は顎を狙ってフライパンを振り上げた。フライパンの側面がギガクッパをとらえた。

 

「せりゃあ!」

「あがぎ!」

 

 少しの間に連続で頭を揺らされギガクッパはとうとう後ろに…倒れなかった。気絶すらしておらず頭をブンブンと振り意識を戻す。

 

「むぐぐ、容赦がないな…」

「やっ、はっ!」

 

 話している間にもピーチは攻撃の手を緩めない。

 

「はあああああ!」

 

 猛烈なビンタを繰り返す。一発一発を寸分狂わず全く同じ位置に連打しダメージを蓄積させていく。

 

(このまま倒れるまで…)

「そうはいかんぞ」

 

 ギガクッパはピーチの腕を掴んだ。

 

「!放して…」

「そう言うな、そぉら!」

 

 ギガクッパはピーチを思い切り地面に叩きつけた。

 

「ぐぅあっ…」

 

 あまりの威力にピーチの息が詰まる。しかしギガクッパはピーチの腕を離さずワンワンを投げるように振り回す。

 

「ガハハハハ!どうだあ!」

(くっ、うぅ)

 

 大きなGがかかりピーチの意識が飛びそうになる。しかしそれを必死にこらえながらピーチは反撃のタイミングを見逃さない。

 

(私も少しダメージを受けるけど仕方ない)

 

 ピーチは掴まれた手のひらにプチボムを出現させた。そして握りしめる。

 

ドゴォ!

 

「むぉぉ!?」

 

 1つだけだったので威力は控えめだがその爆風でギガクッパの拘束が少し緩んでピーチはすっぽぬける形で解放された。

 かなり振り回されたが三半規管もかなり鍛えているピーチはよろめくこともなく着地し自分の手を確認する。

 

(火傷はしているけどそこまでダメージはないわね)

 

 すぐさま回復魔法で回復しアイテムBOXをさぐる。ギガクッパはすでに体勢を整えこちらに向かおうとしていた。

 

「もっと工夫して戦う必要がありそうね」

 

 ピーチはファイヤフラワーとアイスフラワーを取り出した。

 

「やったことはないけれどいくしかない!」

 

 ピーチは二種類のフラワーを同時に取り込む。すると体を赤と青の光が包み込み水色とピンク色を基調としたバトルドレスに変身した。

 

「ぶっつけ本番上等!」

 

 ピーチは巨大な火の玉を作り出した。ギガクッパは炎の攻撃なら耐えられると構わず向かってきた。ピーチは作った火の玉を真上に打ち上げた。同時に目の前に氷の玉を作り出す。さらに温度を調節し氷の玉は水の玉へと変化した。さらに

 

「何をする気だ?」

 

 ギガクッパはさすがに警戒し動きを止めた。ピーチは水の玉を変形させて平らなお皿のような形に変えた。そこに先程打ち上げた火の玉が落ちてくる。ギガクッパはピーチの目的がわからずとりあえず火の玉を狙ってブレスをはいた。しかし炎と炎、さらにピーチは同属性の攻撃を吸収するように魔法を調整していたので落ちてくる炎は大きさを増している。だがそれがギガクッパに向かうわけでもなくただただ下に落ちていく。ピーチはタイミングを見計らいメタルブロックを使用しメタルピーチになった。低温の水に高温の炎が触れる。

 

(さぁ、起爆よ)

 

 水と炎が接触する。その瞬間一気に水が気化する。

 

(“すいじょうきばくはつ”)

「そういうことか!!」

 

 ギガクッパもピーチの狙いに気がついたが時すでに遅し、凄まじい爆風が辺りを包み込む。ギガクッパはもろに爆風を受け吹き飛んだ。ピーチはメタル化に加えてドレスの耐性効果でダメージを受けなかった。いくらギガクッパといえど至近距離で高威力の爆発を受けてしまいその防御力を上回り大ダメージと共に吹き飛ばされる。クッパ城は外壁の一部を破損する程度ですんだがギガクッパはうつ伏せに倒れて動かない。

 

「今が好機ね!」

 

 ピーチに容赦はなかった。メタル化を解除しギガクッパの真上に向かって投げキッスを飛ばす。投げキッスはギガクッパの上で大きなハートの形になりピーチはそれに向かって魔力の弓を向ける。

 

「“ハートレイン”!」

 

 掛け声と共に放たれた弓矢は大きなハートを貫き貫かれたハートは四散し小さなハート型になりギガクッパに降り注ぐ。見た目はかわいいが一つ一つはかなりヤバイもので爆発するものやめちゃくちゃ固いものがある。それらがギガクッパに降り注ぐ。ギガクッパは即座に反応し甲羅にこもった。それによりダメージはほとんどなかったが爆音などが甲羅のなかで響きまくり頭がくらくらしていた。顔をだしたがすぐには立ち上がれないでいるとピーチがゴルフクラブを振り上げて待っていた。

 

「イエァ!」

 

 ギガクッパの脳天めがけて思い切り振り抜いた。

 

「ぎゃあ!!」

 

 高威力の爆発をくらい、大量の矢の雨を食らった後で脳天に思い切り容赦ない一撃を食らったギガクッパは痛みの衝撃で立ち上がったものの、すぐに仰向けに倒れてしまった。

 ピーチは容赦しない。残り少ないアイテムからスーパーキノコを取り出しスーパーピーチにパワーアップしさらにスターを取る。スターの輝きと共にピーチの力が高まっていく。

 

「さぁ!本当にこれで最後よ!」

 

 ピーチはギガクッパのしっぽをつかんで力を込める。

 

「せええぇぇえぇい!!」

 

 ピーチが掛け声をあげると少しずつギガクッパの体が動いてきた。ギガクッパは抵抗するがダメージの蓄積もあって抵抗できない。ピーチはギガクッパを持ち上げ地面に叩きつける。

 

「やあぁ!」

「グハッ」

「そおおおりゃああぁぁぁ!!!」

「ぶべっ!グフッ!いギャ!」

 

 ビタンビタンとなんども叩きつけられてだんだん意識が遠のいていくギガクッパ。その過程で変身も解けてもとのクッパに戻っていく。クッパの変身が解けていくにつれてピーチの攻撃に勢いがついてくる。

 

「はああああ!」

 

 ピーチは今度はジャイアントスイングでクッパを振り回す。そして近くの尖塔に投げ飛ばした。

 

「やあああぁぁぁ!」

「ぐわあぁぁぁ!?」

 

 投げられたクッパは見事に狙った尖塔にぶち当たり尖塔を破壊しながら落ちた。

 

「がふっ」

 

 クッパはそのまま気絶した。

 

「ふぅ!」

 

 ピーチはその場に座り込んだ。

 

「さすがにきつかったわ…でもこれでクッパを倒せた。あとはデイジーとレサレサを待つだけよね」

 

 安堵し気を抜いたピーチ。しかしクッパの体にはとある変化が起きていた。

 

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