転生!『ハロハピ』【ロメオ】のジュリエッタ!? 作:ちよVR
前回のまとめ
主人公:転生者、美容(人をかわいくする)チート持ち、特技常に女装しながら過ごすこと
「はじめまして!私は江藤樹里だよ!よろしくね!」
「………」
「私のことはジュリって呼んでほしいんだけど、ええと…お名前教えて欲しいなぁ…」
「………」
「き、今日はほらっ!こんなかわいいお着物持ってきたんだよ!ほら赤くてかわいいでしょ!別の色もあるよ!」
「………」
「赤きっと似合うよ、着てみようよ!」
「……やだ」
「えーと、いや、あはは…どうしよ」
外の天気は雲一つない快晴、絶好の七五三日和。だというのに女の子に拒否られまくっている俺。
俺は呉服家の祖父母に連れられ、美竹家という100年以上続く華道の家元に来ている。一人娘の7歳の七五三のために、着物の着付けを頼まれたのだ。しかし、本日の主役である娘ちゃんがなぜか七五三に積極的ではなくって、先ほど祖母が着付けをしようと試みたが拒否されてしまった。ちなみに娘ちゃんは黒髪ショートヘアで、着の強そうなツリ目の美少女である。両親も原因が分からず手を焼いている状況だ、そこで年が1つしか変わらない俺ならなんとかできるだろう、と娘ちゃんの着付けを任されたのだが…
「ええと…せっかくの日曜日が無駄になっちゃうよ!時間がもったいないとおもうなぁ、私めちゃめちゃ着付け上手なんだよ!すぐ終わるから着替えちゃおうよ」
「……やだ」
俺のなけなしのコミュニケーションスキルを総動員してもこのとおりである。女の子に嫌な顔されて、否定されてもう心が痛いよぉ、初対面で警戒されているのかな。いや年も近いし、女の子っぽい口調も板についてきたし(母のお墨付き)、女装しているし(チートのおかげでわれながらちょうかわいい)俺自体が拒否されているわけじゃないと信じたい。なにか別の理由があるのかも?なんて考えてると
「……にちようびはモカたちとあそぼうってやくそくしたのに」
ぼそっとそんな声が聞こえた。むむ…モカが何かはわからないが、たぶん人の名前だろう。おおかた友達との約束が七五三でつぶれてしまって反発しているのかも?それで七五三に乗り気ではないと。おーけーそうだとしてそれがわかっても詰んでね?友達連れてくるしかなくね?でも無理じゃね?こういうときってどう声かけるのが正解なんだ?
「……グスッみんなにきらわれちゃったらどうしよ」
そんなことを考えていると、娘ちゃんが眉間にしわを寄せて、いまでも泣き出しそうな表情をしていた。瞬間、それまでごちゃごちゃ考えていたことが吹き飛んだ。かわりに、この子にこんな顔をさせたくないな、笑顔がみたいなって思った。そうすると体と口が勝手に動いていた。
「ちょっとだけ待ってて、すぐに着替えてくるから、私めちゃめちゃ着付け上手なんだ、すぐ終わるから」
唐突な俺の言葉に、いぶかしげな顔をする娘ちゃん。それを尻目に俺は部屋を飛び出した。気の利いたことなんて言えない、俺は俺にできることを精一杯しようと思った。
祖父母のところに走って行き、一応持ってきていた自分用の着物セット一式をつかみ取り、鏡の前まで走ると、着付けを行った。チートフル動員、本気も本気だ。着物を着て帯をしめ、髪型を整え、かんざしを挿す。本気をだしたチートってすごい、一人でやったのに5分もかからないで終わった。着替え終えてすぐ娘ちゃんのいる部屋へ走った、
「おまたせ!」
「……っ!!!かわいい…」
俺の姿を見た娘ちゃんの顔がぱっと輝いた、さっきは目も合わせてくれなかったのに今度はこっちを見てくれた!それどころかこっちに詰め寄って来てくれた。
ふふふ、俺はかわいかろう、チートに子供の溢れんばかりの瑞々しさと和服の魅力が合わされば無敵なのじゃ。俺の和服姿は本気を出したこともあって、自分でいうのもなんだけど神々しいまでのかわいさを放っていた。そしてさすがは女の子というべきか、かわいいものに興味津々だ、さっきまでの悲しそうな表情から一転、興奮からか頬を染め、目を輝かせてこっちを見ている。魅力で何とか興味を持ってもらう作戦成功だ!
「美竹ちゃんも着てみる?着付け手伝うよ!」
「うんっ!」
あっ…かわいい。元気に返事をしてくれた娘ちゃんをみてそう思った。俺頑張っちゃうぞ!
~
(完璧だ…)
着付けが完了した娘ちゃんを見て心の中でそう呟く。めっちゃかわいいかわいすぎてお人形さん?いや天使?みたいになってるうわなにこの子家に持って帰って飾りたいめっちゃいい仕事した。
「わぁ!」
娘ちゃんも鏡の中の自分を見てめちゃめちゃ嬉しそうな笑顔だ。赤い着物に、サラサラの黒い髪が映えて超かわいい。俺も笑顔がみられてとても嬉しい。その笑顔を見ているとついつい俺の頬も緩んでしまう
「……!」
ん?なんか娘ちゃんからの視線を感じたがすぐにそらされてしまった、それに顔が真っ赤だ、俺そんなに変な顔してたかな?おっと、それよりも早く行かないとな
「美竹ちゃん、行こう!お父さんたち待ってるよ!」
「……らん」
「え?どうしたの美竹ちゃん?」
「みたけちゃんじゃなくて、らんってよんで!」
ううっかわいい、やっと名前教えてくれた、うれしくて泣きそう。らん、蘭ちゃんそれがこの子の名前か、この子にぴったりのいい名前だ
「うん!わかったよ、蘭ちゃん!さ、行こう!」
「うんっ!ジュリお姉ちゃん!」
蘭ちゃんは元気にそういうと、俺が差し出した手を握ってくれた。でも…『お姉ちゃん』か…そりゃそうだよな…後でお兄ちゃんであることを説明しないとな…。
その後、七五三の間中、蘭ちゃんが懐いてくれたのか俺にべったりでなかなか離れてくれなかったり(めっちゃかわいかった)、帰り道で偶然例のモカちゃん他3人の友達に会って和服姿をめっちゃ褒められて蘭ちゃんが照れながらも嬉しそうだったこととか(めっちゃかわいかった)、友達も含めた5人に俺が「お姉ちゃん」じゃなくて「お兄ちゃん」であることを説明したり(めっちゃたいへんだった)、蘭ちゃんが「ジュリお兄ちゃん」って呼んでくれたこととか(かわいすぎて死にそうだった)、とかなんやかんやいろいろあったけどなんとか美竹家の七五三を乗り切ることができた。
ちなみに主人公の髪の色は赤髪で短髪です。
某アイテム錬金ゲームの最新シリーズの、1作目の主人公をイメージして書いてます。
気になる人は キルヘン 主人公 で画像検索するとトップに出てくるはず。
主人公の第一人称、心中描写は「俺」、セリフは「私」