STRIKEWITCHES ZERO THE ORIGIN 作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将
「〇〇、君は正気か?こんな法案可決させたら君は英雄になれる。だがそれは後世での話だ。今の生きている君は英雄どころかその真逆の扱いを受けることになる。」
「忠告ありがとう親友。だが、やらねばならん。より多くの日本国国民が救われるように、そして幸せに生きられるように。」
「だが・・・なら君はどうするつもりだ?確かにこうすれば多くの者が救われる。だが、今まで血の滲む努力をしてごみ溜めから這い上がってきた君の今までの苦労は報われないじゃないか!!」
「いや、報われるとも。多くの者が救われる。僕はその為に今まで戦ってきたのだよ?」
「・・・。」
「忠告は感謝する。だが、僕が政治家、ひいては内閣総理大臣まで上り詰めたのはこの法案の為だ。それを今更取り下げる事はできんよ。政治家一筋、嫁も取らず、増して子供も無く、ずっと戦い続けてきた意味が此処にある。これが僕の正義の在り処。もう止められはせんよ。だが、君には散々迷惑を掛けてきたのも事実。この預金通帳を君に託そう。タックスヘイブンの銀行の物だから合法だし安全だ。君の可愛い孫の進学資金と家の3つや4つ建てるには足りるはずだ。この程度で君に償えるとは思ってはいないがこれで許してくれ。」
パサッ
「・・・。」
「僕は結構人を救ってきた。だが、その過程において出した犠牲も少なからずあった。秘書を何人も潰したし、各省で大臣・副大臣をしてた時だって言わずもがな。蹴落とした人間も数えればキリがない。僕のせいで一体何人死んだだろうね。その罪の精算も兼ねて僕はこの法案を可決させるのだよ。僕には惨たらしい死こそ相応しい。僕はそれだけの罪を犯した。まぁ・・・欲を言わせてもらうなら・・・僕が大好きなあのアニメで出てくる僕がファンだったあの子達に僕の罪を弾劾してほしいがね。」
「こんな時でも調子が変わらんのは君らしい。わかった。もうこれ以上は言わん。君が頑固なのはいつものことだしね。」
「最後の最後まですまんね・・・ありがとう親友。後は頼む。」
「あぁ。」 握手
「「さらばだ!!」」
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「大・・・・・起き・・もう朝・・・。」
「うーん?」
「大佐、もう朝です。起きて下さい。」
「あぁ。ありがとうアンジェラ。よく眠れたかね?」
「そういう大佐は何か悲しい夢でも見てたのですか?涙が流れてますが。」
「!・・・うん、懐かしい・・・過去の私を見ていたよ。久しぶりに親友を見たから、思わず涙してしまった。」
「・・・。」
「すまんね。8歳児が言う言葉ではない事を言った。忘れてくれたまえ。」
「・・・銀行通帳を投げ渡していた方が大佐なのか?」
「!?」
「大佐、細かい事は聞かない。だが・・・頼むから私の下から消えないでくれ。私は大佐が好きだ。何がどうあっても・・・大佐の過去に何があったとしても、大佐は私の憧れであり、初めて恋した男なのだから。」 抱き付く
「 こんな私に恋するとはね・・・世の中にはもっと良い男がいると思うよアンジェラ。」
「私は大佐が良い。」 ギュッ
こんなことを言われたのは久しぶりだ。前世においても、私にそう言ってくれた女性がいたが振ってしまった。彼女を面倒事に巻き込まない為に。今回もそうしたい。そうせねば・・・。
「 アンジェラ、私の事を好いてくれていることはわかった。だが、応えてあげる事はできんよ。理由は今日戦闘があるからその際に話す。」
MSは非常に強力なストライカーユニットだがいかんせん数が少ない。〈戦いは数だよ兄貴!〉とはよく言ったものだと私は思う。私は未来の来るべき戦いに備えて陸軍航空本部・海軍航空本部と協議した結果、現在三菱重工が製作中の十二試艦戦(零戦)中島飛行機のキ43(隼)の設計初期段階からの操作系へのバイオセンサー導入、武装の強化を早急に行おうと決した。 防御力向上のための新装甲導入も行いたかったが『ガンダム』で登場するいずれの合金も地上では製造できないし、PS・ラミネート装甲も言わずもがなである。 じゃあ MS の装甲はどうしているのかだって? アデスが月に建てたクルーゼ・エレクトロニクス第二分工場“メイド・イン・ヘヴン”から本社に向けて定期的にほんのわずかだが送られてくる装甲の原材料を利用している(隕石に隠蔽して)。 故に MS は量産できないのである。まぁもっとも、量産しても適正があるウィッチがいないのでどうしようもないが。だが、その分武器は滅茶苦茶進化した。 今後我々が手を焼くであろう大型・中型ネウロイ共を一撃で吹き飛ばし、MS・一般ストライカーユニット問わず使える銃という設計思想の下、ASR- 78対艦ライフルを参考に45 mm の大型銃を作り九六式対艦銃としてクルーゼ・エレクトロニクスで大量に生産、全国への配備が何とか1937年5月までに完了した。慣熟訓練も当然終わっている。 同時にミニミ機関銃の導入も試みたが、生産が追いつかないため大陸駐留軍・特務実験航空団への優先配備でもって扶桑海事変への備えとした。そして高高度・夜間戦闘用にギャプラン・Zプラス(A1型)を試作した。その他手回しも住んでいる。抜かりはない。
コンコン
「どうぞ。」
「失礼します。」
「江藤中佐、いかがされました?」
「 小官の部下から新たに MS 適性検査に引っかかったものが出ましたので報告に参りました。入れ。」
ガチャ
「失礼します。樫田勇美少尉であります。」
「 初めまして樫田少尉。ラウ・ル・クルーゼです。ちょうど良かった。少尉には新型MSを貸与します。テストパイロットをお願いする。」
「九七式重装ストライカー(ジェガン)ではないのですか?」
「 汎用性・旋回性能以外の全てがジェガンを凌ぐ高性能機です。しかし高高度・夜間戦闘を主眼に置いたために癖の多い機体です。使いこなせるかどうかはあなた次第だ。アンジェラ。」
「 樫田少尉、これがその機体 ORX- 005ギャプランだ。この説明書を読んだら本日中に慣熟訓練に入ってもらうからそのつもりで。」
相模艦内 休憩室
「あ~ 朝の走り込みは毎度毎度きついぜ。 腹が減ってしょうがねぇ。」
「 今日の朝ごはんは何かな?」
「 しかし皆は不思議に思わないのかい?」
「何がですか先生?」
「 私たちの身の周りを見てごらん。この相模艦内には炊事兵や整備兵みたいな従来なら私たちにつくべきサポート役がいないにもかかわらず、私たちはここに来る前と変わらず空へ上がることができている。なぜだろうね?」
「あー考えてみれば確かに。」
「・・・ 簡単なことだ。その全てを大佐がやっているからだ。」
「 うわびっくりした!?脅かすなよ仮面野郎の腰巾着。」
「 上官をあだ名で呼ぶとは感心しないな若本一飛曹。」
「それは良いとしてよぉ・・・さっき言った事ってマジ?」
「マジだ。」
「うそーん。」
「 マジだと言っている。我が実験航空団はネウロイとの戦闘の最前線に近々送られるだろう。あなた方をそのような運命に引きずり込んだことに罪悪感を抱いた大佐は償いとして予定されていたサポート役の兵の編入を上層部に取り止めさせ、自分がその役を担うようになったのだ。今この瞬間も君たちの朝食を作っている。」
「・・・ララサーバル中尉。」
「なんだ新藤一飛曹?」
「 大佐は一体何者なんです?とても8歳とは思えない。」
「 その質問はアンジェラではなくこの私自身に問い直してはもらえんかね新藤君?」
「「「!?」」」
「大佐、朝食の仕込みは終わったのか?」
「ギリギリだったがね。」
「クルーゼ大佐!」
「 あーそうだった質問に答えないとね新藤君。」
「・・・。」
どうせ答えるならオリジナルらしく答えよう。せっかく関俊彦さんボイスなんだ、使わんでどうする?
「 私は人の欲望のなれの果て。人の夢、人の望み、人の業、それを体現した男さ。」
ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ
「敵か!」
「飯食ってねぇのに!」
「 アンジェラ、そこの電話を全艦放送に。」
「はっ。」 ガチャ
「 艦長より相模全乗組員に告ぐ。訓練通り順次発艦せよ。ただし、戦闘してはならない。私だけで良い。以上だ。」
「 アンジェラは相模のブリッジで情報をまとめてくれ。」
「はっ。」
「大佐、今の命令はどういうことです?」
「 今回の戦闘で以て私の役目を教えてあげよう北郷少佐。」
「アンジェラ、状況は?」
「 目標本艦に向かって急速に近づく。中型2、小型200以上。 MS隊には大佐に追いつけるよう進路プログラムを送りました。あと7分で大佐を視認するはずです。」
「ありがとう。君も私の言葉を聞いてくれ。」
「了解。」
「 ラウ・ル・クルーゼより私の指揮下にある全てのウィッチ達に告げる。これから話す私の独り言を一字一句漏らさず聞くように。無論ただの独り言ではない。扶桑のみならず世界の未来を、君たちのこれからの生き様に大きすぎる影響を与えるであろう独り言だ。どう思い何を成すかは君たちの自由だ。」
「「「・・・。」」」
「 僕は僕の秘密を今明かそう。僕は人の自然そのままにナチュラルに生まれたものではない。受精卵の段階で人為的な遺伝子操作を受けて生まれたもの。 あがりを迎えることもなく、たとえ純潔を失おうとも・・・僕の場合は男だから貞操と言うべきかな?それを失おうとも高い魔法力を維持し続けることができる。魔法力を展開せずとも常人を遥かにしのぐ強靭な肉体と、何者にも負けない優秀な頭脳をも遺伝子操作によって獲得した。 僕の母メイ・ダ・クルーゼは、自らと己が母が築いたクルーゼ工業の軍需以外の分野への進出による利益拡大を狙い、自分と同等かあるいはそれ以上に有能な存在を遺伝子操作によって作ることを企図し、某政治家のパーティーを通じて知り合った遺伝学の権威であったユーレン・ヒビキ博士と協力し、 彼と自分との間にできた受精卵の遺伝子をいじりウィッチの因子をついでに加えて200個の受精卵を試作製造し、ただ一例だけしかも男なのに魔法力を発現して生まれ、しかもちゃんと成長した個体が存在した。No.105、名をラウ・ル・クルーゼという。」
「「「!?」」」
「 思惑通り駒を手に入れた彼女だったが、残る199の命を潰したことに関して何の罪悪感も抱いてはいなかった。 だがユーレン・ヒビキの方はそうはならなかった。僕の兄弟を含めて動物植物を問わず何千何万の命を研究の為人類の進歩の為と称して潰してきた彼の心は罪悪感でボロボロになっていた。 彼は死の直前僕にこう言った。【私は人類最高のウィッチ、コーディネイター、すなわちラウルクルーゼ、君のことを作ることができた。私の目的は達した。私は君のお母さん共々散々命を潰してきた代償を払ってくるよ。君は幸せに生きてくれ】と言い残し、わざと自動車事故を起こして母と無理心中した。」
「「「・・・。」」」
「 彼は僕を生まれた本来の意味もとい役割からはずし、幸せに生きるという役割を与えた 。僕のこの独り言を聞いている者たちは幸せを何と定義するだろう?その定義が何であれそれは人間の答えにすぎないことは容易に想像できる。人間としてではなく、人形・・・すなわち人に使役され不要になったら捨てられる道具として生まれた僕にとっての幸せとは何だ?ユーレン・ヒビキによる徹底した遺伝子操作により、シールドを張れないというウィッチにとって致命的な代償を払わされた代わりに、過去・現在・未来のウィッチが持つ全ての固有魔法の上位互換を僕は使うことができる。そう、その固有魔法の中に最大20年先の未来を見ることができる代物があってもおかしくはない。」
「「「!?」」」
「 まあもっとも北郷少佐や醇子さん、アンジェラには既に言っていたが、この見た未来の内容を他人に話すことはできない。(ティターンズを除く。そして彼女らも他人に話すことはできない)ヒントのような形で口に出すのが精一杯なのだ。言おうとするとなぜか口が勝手に塞がる。もっともそれは些細な問題だ。今後20年の間にウィッチが著しい進化を遂げ、5人の今までのウィッチとは比べ物にならない存在・・・ニュータイプが生まれると知った。彼女らはことごとくネウロイを駆逐し、人類を新たな領域へと導いていくことも知った。なら僕は彼女たちに仕えよう。彼女たちの道具となって人類の革新を後押しし、僕のようなあってはならない存在が生まれないよう祈りを捧げよう・・・それが僕にとっての幸せなのだろう、そう思い MS を作り裏で政治工作をし、ニュータイプがその翼を存分に羽ばたかせることができるよう事実上の僕の私兵部隊である特務実験航空団を組織したりもした。」
「「「・・・。」」」
「 僕は神に等しい力を持った存在だ。だがそれほどの力代償なしに使えるはずもない。いかなる固有魔法の上位互換を使うにしても僕は命を差し出さなければならない。何を使うにしても最低1ヶ月、最大で10年分の自らの寿命を削る必要に迫られる。一部例外があるが。今回の戦闘10年分の寿命を贅沢に使い、魔眼固有魔法の上位互換“直死の魔眼”を見せてあげよう。ヨーロッパに伝わるケルト神話の死の神バロールの魔眼。有効射程は3000。僕の視界に入っただけで死を迎える我が力をとくと見せてあげよう。」
「「「!!」」」
「 独り言は終わった。質問は戦闘が終わったら受け付けるから待っていてくれたまえ。死にたくなければ私の半径3 km に絶対に立ち入らないように。以上。」
「「「・・・。」」」
呆気にとられて物も言えんか・・・まぁ当然の結果だな。
「 見えた。すごい数だが・・・皮肉なものだなネウロイ諸君。たちがいたならいたで君たちの駆逐のために私のようなコーディネイターや強化人間が生み出され、いないならいないで人同士の競い合いのためにコーディネイターや強化人間が作られる。君たちもそうだが、最高だな人は。」
「直死!!」
ネウロイたちにはせいぜい人類の糾合のために暴れてもらうとしよう。彼らの価値はまあその程度のものなのだから。前世今世問わず価値のなかった私と同じように。
「大佐、質問よろしいでしょうか?」
「どうぞ江藤中佐。」
「 大佐は先の戦闘で自らを、あってはならない存在と言いましたがそれはどういう意味でそんなことを?」
「 私の遺伝子はいわば設計図だ。あがりを一生迎えないウィッチのね。しかもそれだけではない。どう遺伝子を操作すれば従来より優れた人間が生まれるかの設計図でもある。だがユーレン・ヒビキは考えた。【これでは人と人との間に新たな争いを生むだけだ。違いは不安を呼びやがて憎しみとなって対立する。これでは人の進化には程遠いものが誕生するだけだ】とね。国、言葉、価値観、生まれ、信ずる物、様々な違いがあり、ただ違うだけで新たなネウロイが現れるまで人は互いに競い妬み憎んでその身を喰い合ってきた。そこに新たな違いをわざわざ放り込む必要はないとでも彼は考えたのだろう。彼は死ぬ前に私を作るまでに溜め込んだデータを全て焼き払った。だが詰めが甘い。私を消さなかったのだから。私の体には焼き払ったデータの全てが遺伝子という形で書き込まれているというのに。」
「 要は人同士の新たな争いの火種になりかねないから自分はあってはならないとお考えなのですね?」
「 然り。私は人の飽くなき欲望の突き進む先にある結果だよ。何やら難しい顔をしているが大丈夫かね若本くん?」
「てめぇの話が難しすぎて理解できねぇんだよ!」
「 ・・・なら私の行動一つで今までの説明を一気に要約できる方法があるにはあるが、やってみるかね?」
「はぁ?そんな方法があるなら最初っからやれよ!」
「・・・。」 カチッ
「「「(仮面を外す気か?)」」」
「 私のこの顔こそ人類の行き着く先と言える。君達も記憶に焼き付けたまえ。そして忘れるな。なぜ知りたがり欲しがるのか。目的を忘れて分不相応の力を蓄え過ぎると、私のようになる。」
「「「(シワだらけじゃん。これでは老人と変わらない)」」」
「大佐、今顔を晒す必要は無かったのでは?」
「 いや、今だからこそだよアンジェラ。諸君、私の秘密をどうするか・・・公開するもよし心に秘めておくもよし君たちの自由だ。どちらにせよ私にとって損はない。自分たちの都合と欲望のために私を含め命を弄びネウロイがいなければ互いに殺し合う愚かな人間共を私は憎んでいる。違いと欲によって人は殺し合う。知れば誰もが望むだろう!私のようになりたいと!私のようでありたいと!その欲のもとに人と人との間に新たな違いがもたらされ、ネウロイが駆逐されればまた人は殺し合いそれによって生まれた涙と悲鳴は新たなる殺し合いの狼煙となる!公開されようがされまいが新たな違いがもたらされるのも時間の問題だ。遺伝学は 日々進歩している。既に我が祖母の祖国であるガリアの王党派の愚か者共がその手の研究を始めているという情報も入っている。コーディネイターを量産し各地に配備し政府を乗っ取り王政を復活させしまいには世界を支配せんがためにね。」
「・・・ 人間を憎んでんなら何でてめえはネウロイと戦うんだ?俺たちウィッチは大切なやつをネウロイから守るために戦ってんだぞ!てめえに戦う理由はないはずだ!」
「 声を荒げないで若本君。話はまだ終わってないよ?」
「・・・。」
素直に引き下がってくれたか。ありがたい。
「 私は人類がネウロイによって滅ぼされてほしくないのだよ。人類には私のようなものを生み出した代償を払ってもらわなければ困る。私が満足するに足る代償をね。」
「 じゃあてめぇはどんぐらいで満足するんだ?」
「 ・・・そうだね、はっきり言うのは難しいが・・・人類がお互いに殺しあって絶滅すれば私は確実に満足するだろうね。」
「「「!!」」」
「 諸君、私は結果だよ何度も言うがね。だから知る!自ら育てた闇に喰われて人は滅びるとね!」
「 だが私とて人類に完全に絶望し憎んでいるわけではない。人類を殺し合いの連鎖から解放し、新たな領域へと導くウィッチ・・・そうさっきの独り言で言及したニュータイプと私は呼んでいる者たち。私を使役し場合によっては人類の希望の体現者として絶望を司る私を討つことのできる5人のウィッチ達が世界を導いて行ってくれるなら、私は今後殺し合いをさせるために蒔くつもりだった争いの種を蒔かないことを諸君に確約しよう。アンジェラ、醇子さん、そして残る3人のニュータイプ達。楽しみだ。果たして私を止められるかどうか・・・ねぇ若本君?」
「・・・。」 ダンマリ
「 ついでに教えておこう若本君。何もウィッチ=何かを守るために戦う者という図式は必ずしも成り立つものではない。世界平和なる曖昧でなおかつ遥か遠き旅路を征く者、金が欲しい者、権力を欲する者、自らの正義に従う者、そして道具としての幸せを求めて戦っている者、ひとくくりにウィッチと言ってもその在り方は多種多様だ。今後戦場に立つにあたって君に足りないのは固定観念にとらわれない柔軟な思考と指揮能力だ。扶桑一のウィッチになりたいのならそこに気をつけたまえ若本君。世界一のウィッチである私では参考になる所など何一つないからそこは北郷小佐や兵学校から地道に学ぶと良い。努力も才能ある者には必要なものだ。私とて少なからず努力はしていた。」
このアドバイスを素直に受け入れた若本徹子は、後に兵学校で勉学に励み原作よりもずっと高い階級まで出世しエースとしても指揮官としても名を馳せるようになる。
コンコン
「どうぞ(なんだ?こんな遅い時間に。)」
「失礼します。坂本です。」
「 坂本くん、どうしたんだねこんな時間に?ひとまず麦茶を出すから飲みたまえ。」
「あ ありがとうございます!」
「・・・ では用件を聞かせてくれたまえ。」
「は はい。大佐にお聞きしたいことがありまして・・・その・・・。」
「 君は自分の固有魔法を使いこなせていない。適切な運用方法を教えてあげよう。聞きたいのはそのことで合ってるかね?」
「!?・・・は はい!合ってます。」
「 魔眼は数多ある固有魔法の中で最も思いが強く影響する固有魔法。あなたが思いを込めれば魔眼はあなたの望みを叶えてくれる。遠くを見たければそう願えば良いし、ネウロイの弱点を知りたいと願えばあなたはそれを透視できる。今度の戦闘でやってみると良い。北郷小佐にもあなたが魔眼の訓練に集中できるよう護衛を命じておくからね。」
そして何日か後、坂本美緒は大型ネウロイ(原作でのアホウドリ)のコアを特定し単騎でこれを撃破するという戦果を挙げ、クルーゼの推薦で功五級金鵄勲章が授与(戦時中なのでクルーゼから手渡された)され、飛曹長に特進した。竹井醇子も50機もの敵をラケルタ・ビームサーベル、バッセル・ビームブーメランで斬り殺し、“切り裂き竹井”と相模乗組の陸軍ウィッチの面々から呼ばれるようになった。彼女も同様に受勲、特進した。
次回、STRIKEWITCHES THEORIGIN 第7話 「準備」 君は刻の涙を見る。