中央歴1639年5月3日 午前6時30分 ロウリア王国首都 ジン・ハーク攻略作戦が開始された。
最初に戦端を開いたのは日本皇国陸軍侵攻部隊であった。
首都ジン・ハークを防衛する為に迎撃に出てきたロウリア軍2万は、日本皇国陸軍機甲部隊の砲撃で大損害を受ける。
「な、なんだあの魔道は!あんなのに勝てるわけない!お、俺は逃げるぞ!!!」
「あ、おい逃げるな戦え!!!」
「側面より敵襲!!!」
「ば、バカな!」
側面より日本皇国陸軍歩兵部隊の強襲を受けたロウリア軍は混乱した。
「し、将軍!このままでは…」
副官は焦りを隠せず、将軍へどうするべきか聞こうとした。
「……やはり、勝てないか…撤退しよう」
将軍の言葉に副官は衝撃を受け、思わず声を上げる。
「し、しかし!」
「勝てない戦で兵を無駄死にさせてなんとする!それこそ陛下や国に対する裏切りではないか!撤退する!!!」
将軍の一喝に副官は言葉を続けることができずに、将軍の命令に従うのだった。
しかし、ロウリア軍は撤退を試みるが皇国陸軍歩兵部隊による執拗な追撃を前に壊滅、また、生き残りもロウリア軍が皇国陸軍歩兵部隊に気をとられている間に戦場を迂回して城門前に陣取る機甲部隊を目にした瞬間に戦意を喪失し降伏してしまう。
尚、この戦闘で指揮を執っていたロウリア王国軍三大将軍の一人、スマークは、配下の兵の安全を保障するという日本皇国陸軍の言葉を受け、降伏している。
そして、ロウリア軍2万と皇国陸軍が戦闘を開始した直後、ロウリア王国軍竜騎士団も襲撃を受ける。
彼等を襲ったのはアメリカ合衆国第七艦隊の艦載航空部隊並びに海兵隊航空部隊から成る混成部隊であった。
まず最初の一撃は、竜騎士団の屯営地を狙い海兵隊航空部隊 通称 ブラックナイツ大隊が放った空対地ミサイルの一斉射である。
これにより、竜騎士団の屯営地は壊滅、その光景を、新米竜騎士のターナケインは上空から眺めていたが、相棒の竜が急に降下を開始、ターナケインは必死に制御しようとするも相棒は聞かない。そして、地上に降り立つや否や、相棒は蹲るように身体を丸くし、ターナケインが仲間の敵討ちに行くと無理やり飛び立たせようとしても、頑として従わなかった。
そして、ロウリア王国の不幸は、迎撃に出た軍の壊滅や、竜騎士団の壊滅だけでは終わらない。
ロウリア王国の残存する海軍部隊も不幸に見舞われる。
アメリカ合衆国海軍第七艦隊 戦艦 ラングレー、メリーランド、及び、改タイコンデロガ級(タイコンデロガ級後期型とも呼ばれる)四隻と、アーレイバーク級四隻の計10隻からの砲撃により、軍港は船、人、物、ほぼ全てが灰燼に帰し、そこに海兵隊が上陸、少数の生き残りのロウリア兵など全く意に介さず瞬く間に周辺を確保した。
その後、海兵隊はロウリア首都制圧のため、行動を開始、皇国陸軍と協力して瞬く間に首都を制圧して行くのである。
尚、その際に、海兵隊の1部隊が機関砲を受けてもそれを弾くほどの強度を持つ盾を所持した兵に遭遇し、最終的に捕虜にしたのはまた別の話。
そして遂に、ロウリア王国の王城へと、皇国陸軍第三機動強襲連隊第一大隊がヘリボーンにて投入された。
第三機動強襲連隊第一大隊は、瞬く間に王城を制圧して行く。
王国防衛騎士団将軍バタジンは、精鋭の近衛騎士団の中でも最精鋭を謁見の間に潜ませ、国王を逃す時間を稼ごうとした。
すでに国王は謁見の間の隠し扉から避難させていたのだが、相手の進撃が予想よりも遥かに早く、もう少し時間を稼ぐ必要があったのだ。
そして、その時が来た。
謁見の間の扉が勢いよく開かれ、緑のまだら模様の格好をした屈強な兵らが雪崩れ込んでくる。
パタジンは一目見ただけで、その雰囲気からただの兵士ではなく、手練れの部隊だと悟り、部下に号令をかける。
しかし、飛び出した部下からタタタと複数回に渡る乾いた音が響くと同時に全員が倒れ、動かなく成る。
パタジンは指揮官と思われる男に剣を向ける。
「私はロウリア王国防衛騎士団将軍パタジン、名を聞かせてほしい」
パタジンの言葉に、指揮官の男も答える
「日本皇国陸軍第三機動強襲連隊隊長兼第一大隊長、斎藤 一大佐…降伏を勧告する」
その言葉に、パタジンは ふん、と鼻を鳴らす。
「笑止、降伏はせん…尋常に勝負しろ!」
パタジンに降伏を拒否されると、斎藤大佐は、自らも軍刀を抜き放ち、構えを取る。
「いくぞぉ!!!」
「……参る」
パタジンと大佐が同時に駆け出し、交錯する…そして…
「…グフっ!……見事だ…」
そう言ってパタジンは倒れる。
大佐は静かにパタジンに敬礼すると、すぐに国王を拘束するべく行動を指示、隠し通路が見つかると国王の追跡を開始した。
隠し通路から少数の護衛とともに避難する国王、ハーク・ロウリアは考えていた。
6年もの歳月をかけ、列強の支援と、服従と言っていいほどの屈辱的なまでの条件を飲み、ようやく実現したロデニウス大陸を統一するための軍隊、錬度も列強式兵隊教育により上げてきた。
資材も国力のギリギリまで投じ、数十年先まで借金をしてようやく作った軍、念には念を入れ、石橋を叩いて渡るかのごとく軍事力に差をつけた。
圧倒的勝利で勝つはずだったのだ。
それが、突然現れた日本皇国やらアメリカ合衆国等とかいうデタラメな強さを持つ化け物の様な国の参戦により、保有している軍事力のほとんどを失った。
当初、国交を結ぶために訪れた日本皇国やアメリカ合衆国の使者を、丁重に扱えば良かった。もっとあの二ヶ国を調べておくべきだった。
ワイバーンのいない蛮国だと?とんでもない。
ワイバーンが全く必要の無いほどの超文明を持った国家だったではないか…なぜあんな国らに勝てると思っていたのか。今更ながらに後悔した。
軍のほとんどを失った。残っていたはずの船団も、凄まじい威力の魔導の前に港ごと灰燼に帰した。
こちらの軍は壊滅的被害を受けているのに、相手は、日本人やアメリカ人は1人も死んでいない。
とてつもないキルレシオ、文明圏の列強国を相手にしても、ここまで酷い結果にはならないだろう。
信頼する臣下も失い、魔導師を率いるヤミレイも行方知らずとなった…多分生きていないだろう……何故こうなってしまったのか…今更遅いが後悔しても仕切れない。
もっと、最初にきちんとした対応をとるべきだったのだ…。
敵は、もうそこまで追って来ている。
首都上空を我が物顔で、羽虫のような機械が飛びまわり、ワイバーン部隊も全滅した。
もう、どうしようもない・・・。
タタタタ・・・タタタタ・・・。
連続した聞きなれない音が後ろから聞こえた。
護衛の近衛兵の悲鳴が聞こえ、兵らを見ると血だらけで床に倒れ伏していた。
緑色のマダラ模様の変な格好をした兵士が迫ってくる。
手には、魔法の杖のような物を持っており、剣は一人しか帯剣していない様だった。
どうやら他は全員魔術師のようだ。
王の脳裏に、古の魔法帝国軍、魔帝軍のおとぎ話が浮かぶ。
しかし、そうなら民はどうなるのかと…そう思った。
「ま・・・まさか・・・魔帝軍か!?」
ハーク・ロウリアは恐怖に慄き、尋ねる。
緑のまだら模様の兵が王に迫る。
「魔帝軍というのは、よく解りませんが・・・。日本皇国陸軍の斎藤といいます。あなたは、クワ・トイネ公国へ侵攻を指示し、戦争を起こした。その戦争を終わらせるため、貴方の身柄を拘束させていただく」
その言葉を聞き、ハーク・ロウリアは、彼らが古の魔法帝国ではないことを悟る。
古の魔法帝国なら、この様なやり取りをする前に自分は死んでいるだろうと考えたのだ。
彼は最後に兵に問う
「我が民はどうなる?」
兵は答えた
「我が国では民間人に危害を加えることは厳しく処罰される。よって民間人に危害を加えることはない」
その言葉に、ハーク・ロウリアは安心した。
そして、彼は素直に自身の身柄を緑のまだら模様の兵士に預けるのであった。
ここに、ロウリア王国は終焉を迎えたのである。
この後、日本皇国とアメリカ合衆国によりロウリアは民主主義化が図られ、ロウリア王家は、史実の日本における皇室の様な、いわば立憲君主制民主主義となるのであった。
前回のあとがきで書いた通り、イラストを募集します。
ちなみにオリキャラも募集することにしました。
活動報告に詳しく書いてます。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=202373&uid=78400
今後登場させたい兵器第一弾 空中戦艦又は空母でどれを登場させれば良いですか?上位2つを登場させたいと思います。
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ラピュタのゴリアテ
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エースコンバット重巡航管制機
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エースコンバットアークバード
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エースコンバット空中要塞グレイブニル
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未来少年コナンのギカント
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ガンダムからガルダ級大型輸送機
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ラピュタからタイガーモス号