第2文明圏 列強国 ム―
晴天、雲は遠くに少し浮かんでいるのが見えるのみであり、視界は極めて良好である。
気候はあたたかくなってきている季節であった。
ムーは先日行われた日本とアメリカの戦艦による砲撃訓練や、その前に行われた観艦式の情報を受け、観艦式の参加艦艇、特に日米の戦艦、空母の能力分析に全力を上げていた。
そんな中、技術士官マイラスは軍を通じて伝えられた外務省からの急な呼び出しに困惑していた。
内心では、分析作業の時間を削られたことに対する憤りもあったが、態度には出さないように気をつけていた。
外務省からの呼び出しは、空軍のアイナンク空港だった。
列強ムーには、民間空港が存在する。まだ富裕層でしか飛行機の使用は無く、晴天の昼間しか飛ぶ事は出来ないが、民間航空会社が成り立っている。
民間の航空輸送は私の知りうる限り、神聖ミリシアル帝国とムーでのみ成り立つ列強上位国の証である。
機械超文明ムーの発明した車と呼ばれる内燃機関に乗り、技術士官マイラスは空軍基地アイナンク空港に到着した。
わざわざ急遽空軍基地に呼び出すとは、いったい何だろうか?とマイラスは疑問に思いながらも20分ほど待った。
軍服を着た者と、外交用礼服を着た者2名が部屋に入ってくる。
「彼が技術士官のマイラス君です」
軍服を着た者が外交用の礼服を着た者に紹介する。
「我が軍1の、技術士官であり、この若さにして第1種総合技将の資格を持っています」
「技術士官のマイラスです」
マイラスはニッコリと笑い、外交官に答える。
「かけたまえ」
一同は椅子に腰掛け、話が始まる。
「何と説明しようか・・・。」
外交官がゆっくりと口を開く
「今回君を呼び出したのは、正体不明の国の技術レベルを探ってほしいのだよ」
マイラスは最近噂に聞いた第八帝国の事かと思い、問う。
「グラ・バルカス帝国の事ですか?」
すると、思わぬ答えが返ってくる。
「いや、違う……本日ムーの東側海上に数隻の超大型艦が現れた。海軍が臨検すると、日本皇国とアメリカ合衆国という国の特使がおり、我が国と新たに国交を開きたいと言ってきたのだ。
我が国と国交を開きたいと言ってくる国は珍しい事では無いが、問題は、彼らが、我が国が必死に分析している例の艦艇群を運用している国家であり、現れた艦艇もあの写真に載っていた超巨大艦だと言うことだ」
「まさか・・・」
「そして魔力感知器にも反応が無いので、魔導船でもない。機械による動力船であると思われる」
「やはり、そうですか・・・・。」
「そして、さらに問題なのが、我が国の外務次官が我が国の技術的優位を見せるためにと外務大臣たる私に確認もせずに会談場所をアイナンク空港に指定したら、飛行許可を願い出て来たのだよ」
「当初は、外交官がワイバーンで来るのか、なんて現場主義な国かと話題になった。飛行許可を出してみたら、飛行機械を使用して飛んで来たのだよ」
「まさか!」
「先導した空軍機によれば、相手は時速380km程度の飛行速度であり、速度を合わせるのが大変だったと言っていた。
むしろ向こうがこちらに合わせてくれていたようだともな。
試しに、空戦したら勝てそうか聞いてみたが、あれが武器を積んでいたら分からないとのことだった。
見た目には武装は見当たらない様だったしな。
まあ、飛行機械を持っていると言うことと、この証言から、脅威であることには間違いはない」
「また、飛行原理が我々の知っている航空機とはちょっと違うようなのだよ。見たことが無い飛行機械だった。そこで、マイラス君、君の出番となった訳だ」
「彼らの言い分によれば、日本は第3文明圏フィルアデス大陸のさらに東に位置する文明圏外国家だ。更にアメリカはその同盟国で、こちらも本来海であった筈の場所にある国だ。
あと持ってきた飛行機械の技術は凄まじく進んでいそうだとの事だ。我が国との会談は1週間後に行われるが、その間に彼らを観光案内し、侮られない様に我が国の技術を知らしめると共に、相手の技術レベルを探ってくれ」
「解りました」
技術士官のマイラスは、久々に技術者魂の震えを感じた。未知の飛行機械とはいかなるものだろうか?
立ち去ろうとした外交官が足を止め、振り返る。
「あ!そうそう、日本とアメリカが使用してきた飛行機械は、今空港東側に駐機してあるので、まずは見ておいてくれたまえ」
外交官は立ち去った。
5分後――
マイラスは駐機場にある日本という国の乗ってきた飛行機械を眺め、唖然としていた。
・・・プロペラが二つ翼に対して上向きに付いている。これを回転させて飛んで来たらしいが・・・。
良く見ると、プロペラのエンジンの所に何らかの可動機構があるのがわかる。
どの様に飛び立つのか、飛行時はどうなるのか、また、それに必要なエンジン出力を考えマイラスから出た言葉は…
「なんという技術!!!!」
マイラスは、この飛行機械…V-22Jオスプレイ(日本皇国機動連隊仕様)の前で、冷や汗をかき、立ち尽くしていた。
応接室へ向かうマイラスの足取りは重い。
オスプレイと呼ばれる飛行機械は、おそらく我が国では、エンジン出力不足どころか全てにおける技術力の不足から作る事が出来ないだろう。
少なくとも、エンジンについては彼らは我々よりも優位であることは否定する要素がない。
しかし、我が国には、如何に技術的に負けていようともそれに対抗できるレベルだと考えられる最新鋭戦艦ラ・カサミがある。
マイラスは自分にそう言い聞かせて気持ちを奮い立たせる。
「どうなる事やら・・・。」
マイラスは日本とアメリカの使者が滞在する部屋の扉をノックした。
「どうぞ」
扉をゆっくりと開ける。
中には、4名の男がソファーに座っていた。
「こんにちは、今回会議までの一週間ムーの事をご紹介させていただきます、マイラスと申します」
日本の使者は立ち上がり、挨拶をする
「外務省の御園です。今回ムー国をご紹介いただけるとのことで、ありがとうございます。感謝いたします。
こちらにいるのが、補佐の佐伯です。」
続いてアメリカの使者も挨拶をする
「始めまして、私はアメリカ合衆国国務省のハーリングです。
そしてこちらが補佐のマッカーサー、よろしくお願いします」
丁重な言葉使いだ。
そして日本とアメリカの使者は、すでに出発準備を整えていた。
「では、具体的にご案内するのは、明日からとします。長旅でお疲れでしょうから、今日はこの空港をご案内の後に、都内のホテルにお連れします」
マイラスは空港出口へ行く前に、空港格納庫内に使者を連れて行く。
格納庫に入ると、白く塗られた機体に青のストライプが入り、前部にプロペラが付き、その横に機銃が2機配置され、車輪は固定式であるが、空気抵抗を減らすためにカバーが付いている複葉機が1機、駐機してあった。
ピカピカに磨かれており、整備が行き届いた機体だと推測される。
マイラスは説明を始めた。
しかしながら半ば自棄になっていた。
と言うか、仕事と割り切らなければやってられないと言う心情である。
言うなれば、数千万の車に乗ってる人物に、十万位の中古車を買った自慢をする様なものである。
オスプレイによりマイラスは打ちのめされていた。
ただ、技術者としての好奇心は鰻登りであり、それを抑えることも意識して説明を始めた。
「この鉄龍は、我が国では航空機と呼んでいる飛行機械です。
これは我が国最新鋭戦闘機「マリン」です。最大速度は、ワイバーンロードよりも速い380km/h、前部に機銃・・・ええと、火薬の爆発力で金属を飛ばす武器ですね。それを付け1人で操縦出来ます。
メリットとしては、ワイバーンロードみたいに、ストレスで飛べなくなる事も無く、大量の糞の処理や未稼働時に食料をとらせ続ける必要も事もありません。
空戦能力もワイバーンロードよりも上です。」
自信満々にみえる様に説明する。
日本人とアメリカ人は、口をあけて、「はー」とか、間抜けな言葉を発している。
「は―・・・複葉機なのですね―」
御園とかいう外交官が驚いて見ている。
「レシプロエンジンを積んでますね。このレトロな感じがたまらなく良いですね」
佐伯とかいう人物は、我が国の最新鋭戦闘機を見て「レトロ」という言葉を発した。
また、マッカーサーという人物は正直なのだろう…「博物館で見た様な…い、いや…素晴らしいですな…うん………」とその様な反応だった。
その反応でわかる。
彼らにとってこの機体は…数世代は昔の機体……
マイラスは折れそうだった。
「内燃式レシプロエンジン以外にどういった選択肢がありますか?蒸気機関もレシプロといいますよね?まあ、蒸気機関は重くて出力が弱く飛行には適さないのですが、是非、教えていただきたい!」
食い気味なマイラスの問いに、佐伯という人間が答える。
「日本やアメリカには、ジェットエンジンと呼ばれる航空機に適した小型高出力エンジンがありますので・・・。もちろん、レシプロエンジンもありますよ」
!!!!!日本とアメリカはやはり、高性能エンジンを所有している。
どの様な種類があるかまで聞けたのは良かった。
「ほう・・・日本やアメリカにも航空機に適したエンジンがあるのですね。是非構造を教えてもらいたいものです」
「簡単な設計図や原理であれば、日本と国交を結んでいただけたら、書店でいくらでも購入できます。しかし、高出力化や、エンジンの燃焼温度に耐えうる素材の具体的造り方については、協定がありますので、公開は出来ませんが・・・」
「簡単な設計図が手に入るのですね。それは面白い。個人的には是非日本やアメリカと国交を結べる事を願いますよ」
何が何でも手に入れる。
マイラスは決めた。
日本とアメリカは航空機技術についても我が国を凌駕しているのは確実だ。
マイラスは、一応確認のため、探りを入れる。
「日本とアメリカの航空機はどのくらい速度が出るのですか?」
航空機は速度が重要だ。速度が上がれば、一撃離脱戦法により、速い方が圧倒的に有利である。
御園と佐伯は目を合わせる。
そして、ハーリングとマッカーサーとも目を合わせ頷き合う。
ヒソヒソと話をしている。
(ま・・まあ現代戦の速度は戦闘性能にあまり関係ないし、国内の市販本には色々性能も記載してあるから、国交が結ばれたら判明するから隠すこともないか・・・)
4人の判断は概ね同じであった。
「戦闘機であれば、我が軍の最新鋭戦闘機が最高速度マッハ3くらいです。音速の3倍程度ですね。旅客機であれば、対気速度で時速850kmくらいが巡航速度です」
アメリカのハーリングが続いて答える。
「今日我々が乗ってきた機体は開発したのは我が国で、速度は500㎞は出ます。
あとは日本と同じくらいですかね、マッハ1から3まで、幅広く我が国は航空機を運用してますのでね」
「!!!!!!」
絶句・・・。
ま、まさかの、お・・・お・・・音速超えだと!?そそそ・・そんな馬鹿な!!!!!
マイラスはなんとなく予測していたことであるが、それでも驚かずにはいられなかった。
「ははは・・・是非見てみたいものです・・・では、こちらへ・・・」
マイラスは、日本、アメリカの使者を、空港外へ案内する。ムーの誇る自動車に乗せてホテルへ向かおうとしたが、そこでマイラスに更なる追い討ちをかけられる。
空港外には、日米の使者を乗せる車が待機していた。馬を使わず、油を使用した内燃機関を車に積むまでに小型化した列強ムーの技術の結晶。
日米の使者は驚く事も無く、車に乗車する。
車は出発し、動き始める。特に驚いた様子はない。やはりそうか・・・。
「日本やアメリカにも、車は存在するのですか?」
マイラスは尋ねる。
「はい、乗用車であれば、3年前のデータですが、日本で約7千万台が走っています」
「我が国アメリカでも8千から9千万台後半ですかね」
「そ・・・そんなに走っていると、道が車で一杯になってしまいますね・・・」
「我が国は、前世界においても、信号システムが世界的に見て進んでいましたので・・。国交が樹立出来れば、是非信号システムについても輸出したいものです」
と佐伯
「いや、我が国のシステムを輸出したい」
とマッカーサーが言ったことで、佐伯とマッカーサーの間で日米どちらの信号システムが優れているかの言い合いになり、御園、ハーリングはそれを見て二人を一喝して止める。
マイラスは疲れていた。
マイラスは精神的に疲れてきた。(大事なことなので2回)
整地された道をホテルへ向かう。
車はホテルに横付けされ、皆はホテルへ入る。
「明日は、我が国の歴史と、我が国の海軍の一部をご案内いたします。今日はごゆっくりとお休み下さい」
マイラスは、日本とアメリカの使者にこう伝え、ホテルを後にした。
翌日、ムーが実は伝説のムー大陸だったという事実に日米は驚愕し、更にムーとかつての日本が友好国だった事実が判明し日本とムーが驚愕。
あと、戦艦ラ・カサミを紹介したあとで日米の艦艇の話を聞いたマイラスが突然笑い出し気絶したりしたのはコラテラルダメージである。
今後登場させたい兵器第一弾 空中戦艦又は空母でどれを登場させれば良いですか?上位2つを登場させたいと思います。
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