チートなアメリカ合衆国&日本皇国召喚   作:名無之助

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第2話・開戦

日本皇国とアメリカ合衆国が転移してきて二ヶ月がたった中央暦1639年3月22日

 

 

日本皇国とアメリカ合衆国の二か国と国交を結んでから約二ヶ月、日本からの莫大な食料受注量にも応えることができたし、アメリカ合衆国からの資源開発の要望にも応えることができた。

 

クワ・トイネ公国は食料を日本に輸出し、アメリカにも一部輸出しており、見返りに、日米共同でのインフラ整備や、技術支援が行われており、クイラ王国は、大量の資源を日本とアメリカに輸出、こちらも見返りにクワ・トイネ公国と同様の支援を受けていた。

 

日本皇国とアメリカ合衆国は、技術支援に関わり、技術の過剰な流出を防ぐべくそれぞれで法律が作られ、それに基づき支援することとなる。

 

日本皇国は、新世界技術流出抑制法が制定、これにより、技術の移転は現代技術ではなく、現在の技術から最低でも40年前の技術を基準として、それ以前の技術に留めることが決められ、アメリカ合衆国と協議し、二か国で同じ条文で新世界に対する日米新世界技術移転協定が締結される。

 

なお、これに関して日米政府はクワ・トイネ公国、クイラ王国に対し説明し理解を得ている。

 

日米から支援を受けているクワ・トイネ公国とクイラ王国だが、それまででは考えられない程の変化を遂げていた。

 

まず挙げられるのは各種の動力となる電気技術、日米共同支援のため、瞬く間にクワ・トイネ公国とクイラ王国に電気技術が浸透、僅か二ヶ月であるにもかかわらず既に風力発電所が四箇所、太陽光発電施設も二箇所が稼動を開始し、火力発電所も一箇所だけだが完成し、運転を始めていたのだ。

 

これにより、両国では既に3割以上に電気技術が浸透し、国民生活に広がり始めていた。

 

この電気技術を始め、プロパンガス、水道技術、道路技術、鉄道技術が支援され、特に道路と鉄道により大規模流通システムが構築されつつあった。

 

 

そんな二か国だが、日米からの支援はそれだけではなく、軍事技術に関しても支援を認められており、既に着手されていた。

 

陸ではアメリカ陸軍の旧式戦車M4が輸出され、工場も建設中で、日本皇国からは旧式の三八式歩兵銃が保存されていたものを整備して輸出、工場も弾薬工場込みで建設中である。

 

空に関してはアメリカ合衆国が殆ど全て担い、クワ・トイネ公国とクイラ王国にP51マスタング戦闘機が輸出されている。ただ、練習機が無いため、日本から提供された旧式のレシプロ機で練習してからムスタングでの教育となる。

 

海軍に関しては、アメリカ合衆国が大量の旧式駆逐艦と巡洋艦を押し付け……無償で譲渡する形で支援し、教育も施している。

 

戦艦に関しては、日本の旧式戦艦である薩摩(解体待ち)が譲渡された。

 

 

これらの支援を受け、経済部門の担当者始め、両国上層部は確信した。

 

国がとてつもなく発展すると……。

 

「すごいものだな、日本とアメリカ合衆国という国は・・・。明らかに3大文明圏を超えている。もしかしたら、我が国も生活水準において、3大文明圏を超えるやもしれぬぞ」

 

クワ・トイネ公国首相カナタは、秘書に語りかける。

まだ見ぬ国の劇的発展を、彼は見据えていた。

 

「はっ。しかし、彼らが平和主義で助かりました。彼らの技術で覇を唱えられたらと思うと、ぞっとします」

 

カナタは秘書の言葉に頷く。

 

「そうだな…だが、彼らが軍事支援もしてくれたことは有難い…これでロウリアに対抗できるだろう…」

 

カナタは夕日を眺めながらそう語るのだった。

 

ロウリア王国 王都 ジン・ハーク ハーク城 御前会議

月の綺麗な夜、秋になり、少し涼しくなったこの日の夕方、城では松明が集れ、薄暗い部屋の中、王の御前でこの国の行く末を決める会議が行われていた。

 

「ロウリア王、準備はすべて整いました」

 

白銀の鎧に身を包み、筋肉が鎧の上からでも確認出来るほどのマッチョで黒髭を生やした30代くらいの男が王に跪き、報告する。

 

彼の名は、将軍、パタジン

 

「2国を同時に敵に回して、勝てるか?」

 

威厳を持ち、34代ロウリア王国、大王、ハーク・ロウリア34世はその男に尋ねる。

 

「一国は、農民の集まりであり、もう一国は不毛の地に住まう者、どちらも亜人比率が多い国などに、負けることはありませぬ。」

 

「宰相よ、1ヶ月ほど前接触してきた日本とアメリカという国の情報はあるか」

 

日本皇国とアメリカ合衆国は、ロウリア王国にも接触してきたが、事前にクワ・トイネ公国と、クイラ王国と国交を結んでいたため、敵性勢力と判断され、ロウリアには門前払いを受けていた。

この時、アメリカ合衆国はロウリアを敵性勢力の可能性ありと判断して情報収集を開始、日本皇国も同様

 

「ロデニウス大陸のクワ・トイネ公国から北東に約1000kmの所にある、新興国家です。1000kmも離れていること、また、アメリカ合衆国は更に離れているため軍事的に影響があるとは考えられません。

また、奴らは我が部隊のワイバーンを見て、初めて見たと驚いていました。竜騎士の存在しない蛮族の国と思われます。情報はあまりありませんが」

 

ワイバーンの無い軍隊は、ワイバーンの火力支援が受けられない分、弱い。

空爆だけで、騎士団は壊滅しないが、常に火炎弾の驚異にさらされ続けるため、精神力が持たない。

 

「そうか・・・。しかし、ついにこのロデニウス大陸が統一され、忌々しい亜人どもが、根絶やしにされると思うと、私は嬉しいぞ」

 

「大王様、統一の暁には、あの約束も、お忘れ無く、 クックック」

 

真っ黒のローブをかぶった男が王に向かってささやく。気持ちの悪い声だ。

 

「解っておるわ!!」

 

王は、怒気をはらんだ声で、言い返す。

 

(ちっ、3大文明圏外の蛮地と思ってバカにしおって。ロデニウスを統一したら、フィルアデス大陸にも攻め込んでやるわ)

 

「将軍、今回の概要を説明せよ」

 

「はっ!説明致します。今回の作戦用総兵力は50万人、本作戦では、クワ・トイネ公国に差し向ける兵力は、40万、残りは本土防衛用兵力となります。

 

クワ・トイネについては、国境から近い人口10万人の都市、ギムを強襲制圧します。なお、兵站については、あの国は、どこもかしこも畑であり、家畜でさえ旨い飯をたべております。現地調達いたします。

 

ギム制圧後、その東方250kmの位置にある首都クワ・トイネを一気に物量をもって制圧します。

 

彼らは、我が国のような、町ごと壁で覆うといった城壁を持ちません。

 

せいぜい町の中に建てられた城程度です。籠城されたとしても、包囲するだけで干上がります。

 

かれらの航空兵力は、我が方のワイバーンで数的にも十分対応可能です。

 

それと平行して、海からは、艦船4400隻の大艦隊にて、北方向を迂回、マイハーク北岸に上陸し、経済都市を制圧します。

 

なお、食料を完全に輸入に頼っているクイラ王国は、クワ・トイネからの輸出を止めるだけで、干上がります。」

 

「次に、クワ・トイネの兵力ですが、彼らは全部で5万人程度しか兵力がありません。即応兵力は1万にも満たないと考えられます。今回準備してきた我が方の兵力を一気にぶつけると、小賢しい作戦も、圧倒的物量の前では意味をなしません。

 

6年間の準備が実を結ぶことでしょう。」

 

「そうか・・・ふっふっふ・はっはっはっはあーっはっはっは!!!今宵は我が人生で一番良い日だ!!世は、クワ・トイネ公国とクイラ王国に対する戦争を許可する!!!」

 

ううぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーー!!

 

王城は喧噪に包まれた。

 

そして、その様子が既にアメリカ合衆国の情報部(CIA)に監視されているのを、この時点で知る者は居ない。

 

 クワ・トイネ公国日本皇国大使館

 

「と、言うわけでロウリア王国と戦闘が始まったら、貴国に対して約束された量の食料品の輸出が出来ません」

 

クワ・トイネとロウリア国境にて、ロウリア王国の兵力が集結しており、戦闘が近いと判断したクワ・トイネ側は、日本皇国大使館に説明に来ていた。

 

外務省キャリアの田中は、その言葉を聞いてやはりか…と顔をしかめる。

 

アメリカ合衆国からの情報提供があったとは言え、半信半疑だったのだ。

 

突然の国ごとの転移、地球から遮断され、外務省に科せられた使命、それは国民を飢えさせないことだった。

 

大穀倉地帯で、肥沃な土地を持つクワ,トイネ公国と友好関係を結べ、かつ日本国民に必要量の食料が確保出来たのは、まさに奇跡であった。

 

さらに、日本皇国の幸運は続いた。

 

クイラ王国は日本やアメリカ合衆国で必要な資源はほぼこの一国でまかなえるほどの埋蔵量が確認されている。

 

資源の面でも、日本にとっては奇跡的に転移後いきなり解決できた。(これはアメリカ合衆国も同じ)

 

まあ、採掘が始まるまでは、国内の備蓄でなんとかやっていかなければならないが、それでも国民生活に支障の無い程度には出来る。

 

それが、ここに来ていきなり、絶対に守らなければならない食料の輸入が途絶える可能性がある事を知らされる。

 

もしも、クワトイネからの輸入が途絶えたら、日本皇国は現在食料自給率が70%あるとはいえ、日本国民の生活に大きな影響が出る事は確実で、アメリカ合衆国に支援を頼んでもアメリカ合衆国とて現在は食料にそれほど余裕など無く、支援を受けれたとしても困窮する者が出てくるのは容易に想像できた。

 

「なんとかなりませんか?我が国は、輸入が途絶えると、非常に困るのです」

 

「我が国としても、心苦しいのですが、ロウリア王国は、強大な軍事力を持っています。彼らは、国境付近で、どんどん兵を増員している模様です。数が多すぎるため、戦闘が始まったら、いくら貴国やアメリカ合衆国に軍事支援して頂いてるとはいえ多勢に無勢、都市を何個か放棄しなければならない事態も考えられます。その状況下で、流通を確保し続ける事は、非常に困難なのです」

 

「援軍があると助かるのですが・・・」

 

その言葉に田中は少し考え、そして口を開く。

 

「ご存知かと思いますが、我が国は憲法において、自衛戦争以外…つまりは[自国民の保護又は自国防衛並びに特定の条約を結んだ密接な関係にある同盟国が他国の侵略的攻撃を受けた場合]以外での武力行使は禁じております。

貴国やクイラにおいては…この特定の条約をまだ結んで居ないため…難しいかも知れません…」

 

「それでは…食料輸出は困難になる可能性が高い…貴方方の事情はよく分かりました…」

 

室内の空気は重く、沈痛な雰囲気が室内を満たす。

そんな中、田中はなにかを思い出したかのようにクワ・トイネ側の人物に話しかる。

 

「確か我が国と貴国は私が先程言った特定の条約は結んで居ませんが、協議中の条約、又は協議開始予定の条約にその特定の条約があったはずですが、わかりますか?」

 

「……へ?」

 

田中の突然の言葉にクワ・トイネ側は困惑した。

 

そして、日本皇国は田中からの報告に基づき、クワ・トイネ公国、クイラ王国両国とアメリカを交え新たに締結予定の条約を、具体的内容は後に協議するとした上で前倒しで締結するという事をやった上で、僅か一週間で部隊の派遣を決定したのである。

 

 

日本皇国大使館にクワ・トイネ公国が説明を行っている頃、アメリカ合衆国の大使館でも同様のやり取りがされて居たが、アメリカ合衆国も日本皇国に同調、ただ、こちらは日本より行動が早く、大使館保護の名目で海兵隊一個連隊が5日後にはクワ・トイネ公国に展開するのである。

 

 

 

 




日本もアメリカも、現実とは違う歴史のため強化されてます。

今後登場させたい兵器第一弾 空中戦艦又は空母でどれを登場させれば良いですか?上位2つを登場させたいと思います。

  • ラピュタのゴリアテ
  • エースコンバット重巡航管制機
  • エースコンバットアークバード
  • エースコンバット空中要塞グレイブニル
  • 未来少年コナンのギカント
  • ガンダムからガルダ級大型輸送機
  • ラピュタからタイガーモス号

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