中央歴1639年4月30日 マイハーク港
ついに、ロウリア王国が、4000隻以上の大艦隊を出向させたという情報が伝えられ、マイハーク港に基地を置く、クワトイネ公国海軍第2艦隊は艦船を集結させていた。
ロウリア海軍に関しては日本皇国海軍が対応することになっていたが、敵の数の多さから、いくら日本皇国海軍でも突破されるのではとの危惧がクワ・トイネ皇国海軍にはあった為だ。
クワ・トイネ第2艦隊は、アメリカから譲渡された巡洋艦を旗艦とし、巡洋艦、駆逐艦合わせて40隻の陣容となっていた。
彼らは港に集結し、きたるべき決戦の準備をしていた。
水兵たちは、未だに慣れない装備に若干の戸惑いは見られながらも、アメリカ海軍の教官に教わった通りに武装や装備の確認作業を行なっている。
「壮観な風景だな」
提督パンカーレは、新生クワ・トイネ第二艦隊の停泊する海を眺めながら、ささやく。
「しかし、敵は4000隻を超える大艦隊、彼らは何人生き残る事ができるだろうか」
側近に本音を漏らす。圧倒的な物量の前にどうしようもない気持ちがこみ上げる。
「提督、海軍本部から、魔伝が届いています」
側近であり、若き幹部、ブルーアイが報告する。
「読め」
「はっ!本日夕刻、日本皇国海軍第二艦隊の戦艦と巡洋艦合わせて4隻がマイハーク沖合いに到着する。彼らは、到着後ロウリア艦隊に攻撃を行うため、観戦武官1名を彼らの旗艦に搭乗させるように指令する…とのことです」
「何!?たった4隻だと!!??400隻か40隻の間違いではないのか?」
「間違いではありません」
「やる気はあるのか、彼らは・・・。しかも観戦武官だと?いくら戦艦がいるとは言え、4隻しか来ないなら、無謀すぎる!観戦武官に死ねと言っているようなものではないか!!明らかに死地と解っていて、部下を送るようなまねは出来ないぞ!」
沈黙が流れる。
「・・・私が行きます」
ブルーアイが発言する。
「しかし・・・。」
「一番生存率が高いのは私です。それに、あの日本皇国の事です。もしかしたら勝算があるのかもしれません」
「すまない・・・。たのんだ」
「はっっっ!」
その日の夕刻
ブルーアイは、目を疑っていた。
その船は、彼の常識からすれば、とてつもなく大きかった。
日本との接触の際に、第一艦隊が、300メートルクラスの船を臨検したという話を聞いていたが、自分たちの仕事の成果を誇張するために、嘘をついていると思っていた。
しかし、今彼が見ている船たちは、遠くの沖合いに停泊しているにも関わらず、とてつもなく大きく、そして猛々しい艦である。
やがて、一際大きな船から、竹とんぼのような金属で出来た物が飛んできた。
アメリカの教官から教えられていた為、それが乗り物であると言うのは知っていたので、不安は少なかった。
それが近づくにつれ、大きな風を受ける。
その乗り物に乗り、沖合いへ移動した。
フワフワのシートに座り、ほとんど揺れずに「それ」は進んだ。ワイバーンよりも遅いが、遥かに快適で、何人も人が乗れそうなほど広い。
やがて、巨大艦が見えてくる。
その大きさに驚愕する。
(いったいなんだ!この大きさは。アメリカ海軍から提供された艦にもこんな巨大艦は居なかった!そうか、これだけ大きければ巨大な大砲も大量に詰める、それなら1隻あたりの戦力は大きいだろう)
彼は、自分の知る、アメリカから提供された艦船を基準に理解できる範疇で、日本皇国の巨大艦を理解しようとした。
日本皇国海軍第二艦隊第二打撃戦隊
そこに属する尾張型戦艦2隻の姿に、そしてその美しさに、ブルーアイは若干見とれてしまった。
そして、ついに巨大艦へと降り立つ…
日本皇国海軍第二艦隊旗艦 戦艦 尾張
全長 324m
全幅 48.9m
基準排水量 8万t以上
機関 ロ型14式核融合炉(日米共同開発)
速力 30kt(公試)
武装
50口径46cm三連装砲3基9門
120mm 速射砲2基
40mm 高性能自動対空機関砲6基
VLS対空ミサイル(20セル)
VLS対艦ミサイル(12セル)
対潜ミサイル発射機2基
搭載機
ヘリ1機搭載可能
照明で照らされた艦内を歩くブルーアイは、驚愕する。
アメリカから提供された巡洋艦の中より明るい…だと…
これだけの巨艦の電力を、どうやって賄っているのだ?
そんな疑問を抱きながら艦橋へと案内される。
そこで彼はこの艦隊の長と出会うことになる。
「私が日本皇国海軍第二艦隊司令長官、徳田 新之助中将です。そしてこっちが…」
「艦長の山本大佐です」
「クワトイネ公国第二海軍観戦武官のブルーアイです。このたびは、援軍感謝いたします」
「さっそくですが、我々は、武装勢力の船の位置をすでに把握しており、ここより西側500kmの位置に彼らはおります。船足は、5ノット程度と非常に遅くはありますが、こちらに向かってきております。我々は明日の朝出航し、武装勢力に引き返すように警告を発し、従わなければすべて徹底的に排除する予定ですので、明日までは、ゆっくりとされてください。」
ブルーアイは驚く。彼らは、自分たちだけで、クワトイネ海軍の協力を得ずに、4400隻の大艦隊に挑むつもりなのだ。
確かに艦は大きく、大砲も大量あり、破壊力はあるだろう…しかし、たったの4隻で、4400隻に挑んでいくのは、やはり自殺行為を思われた。
翌日早朝―――――――――――
第二艦隊第二打撃戦隊は出航した。
ブルーアイは驚愕する。
(いったい何回驚愕すればいいんだ、驚愕のしっぱなしだ)
速い!我が軍の最大速力を遥かに凌駕している。そして・・・他の艦との距離が遠すぎる。密集する必要はないのか?
艦隊は約20ノットで西へ向かう。やがて、水平線の向こう側に、ロウリア王国軍が、姿を現した。
ロウリア王国東方討伐海軍 海将 シャークン
「いい景色だ。美しい」
大海原を美しい帆船が風をいっぱいに受け、進む。その数4400隻、大量の水夫と、揚陸軍を乗せ、彼らはこれから何が起こるかも知らずに、クワトイネ公国経済都市、マイハークに向かっていた。
見渡す限り船ばかりである。
海が見えない。そう表現したほうが正しいのかもしれないその光景に、海将シャークンはどこか誇らしげだ。
これから起こる惨劇を知っていたらそんな顔はできないだろうが…。
6年をかけた準備期間、パーパルディア皇国からの軍事援助を経て、ようやく完成した大艦隊。これだけの大艦隊を防ぐ手立ては、ロデニウス大陸には無い。
いや、もしかしたら、パーパルディア皇国でさえ制圧できそうな気がする。
野心が燃える
いや、パーパルディア皇国には、砲艦という船ごと破壊可能な兵器があるらしいな・・・。
彼は、一瞬出てきた野心の炎を理性で打ち消す。第3文明圏の列強国に挑むのは、やはり危険が大きい。
彼は東の海を見据えると…何かがこちらに飛んでくる。
まさか、飛龍か?(空母の方ではない)・・・いや、違う。何だ!あれは!?
虫のような形をした無機質な物体が、1つ、バタバタバタ、と音をたて、こちらに飛んでくる。
見たことの無い物体が、飛んでくる様は、異様な光景であり、わずかに恐怖の心が芽生える。
「こちらは日本皇国海軍である!貴官らはクワトイネの町ギムの周辺にて、その周辺の村落に対して略奪及び虐殺を行った。よってこれ以上の虐殺を認めるわけにはいかない、直ちに引き返し、母港へ帰れ!さもなくば攻撃する!繰り返すーーー」
飛行物体の中には、人が乗って話している。
やがて、「それ」に向かって、弓矢が射られる。「それ」は、しばらく上空で旋回し、東の空へ立ち去っていった。
しばらくすると、海の向こうに1つ小島が見えてきた。
島が動いている・・・・。まさか、船か!?
小島と思われた船は、すさまじい速度で艦隊最前列の帆船の横に回りこみ、同船と平行に走り始めた。その距離300m
「直ちに転回して引き返せ!さもなくば、貴船に対し、発砲する!
直ちに転回して引き返せ!さもなくば、貴船に対し、発砲する!!!」
いくら船が大きいとはいえ、こちらは4400隻、あちらは見える範囲で1隻、海将 シャークンは、その船の余りの大きさに唖然としたが、直ぐに我に帰り、攻撃を命じた。
帆船は、右に旋回し、戦艦との距離を詰める。
距離が200mを切ったところで、船から一斉に、火矢が、戦艦を襲う。
バリスタの射程距離は100m前後であったので、投射されなかった。
全く影響が無かったが、その戦艦は、火矢の有効射程距離から遠ざかる。
戦艦は船団を一瞬で引き離し、約3km距離を置き、旋廻した。
「ひゃっはっはっはははあはあぁぁぁぁ、うぇひひひうぇっぷ……奴ら逃げやがった!」
水夫たちが日本皇国の戦艦を馬鹿にし、相手には聞こえないが野次を放つ。
中には笑いすぎて吐きそうになるものもいる。
海将 シャークンはその光景を見て、不安がよぎる。
「逃げ出したか、まあ1隻では、いくら大きいとはいえ、どうしようもあるまい。しかし・・・・でかいくせに速いな。風を受けずに、あれほどの速度を出せるとは・・・」
「攻撃を受けた。これより敵船団に攻撃する。主砲打ち方始め!」
尾張型戦艦2番艦 駿河の前方に設置された、50口径46cm三連装砲2基が敵船に向かい旋廻する。目の良いシャークンは、そののわずかな変化に気が付く。
「あの巨大な棒はなんだ?」
次の瞬間、轟音と共に破壊が吐き出された。
距離は3km、46cm砲の至近距離射撃
「なんだ?勝手に燃え始めたのか?」
シャークンが疑問に思った瞬間、最前方を走る帆船が…いや、その周辺の船をも巻き込んで突然大爆発と水柱が起こる。
爆散した木や、船の部品、人間だった物があたりに撒き散らされ、密集隊形にあった見方の船上に、人間のパーツと共に降り注ぐ。
「!!なんだ!!あの威力は!それにあの距離から当てやがったのか?…そんなバカな!」
経験したことの無い凄まじい威力に、それを見ていた船団全員が驚愕する。
「まずい!!・・・しかし、まだここが、ワイバーンの届く距離でよかった。通信士!!ワイバーン部隊に上空支援を要請しろ!!敵主力船団と交戦中とな」
ワイバーンでも叶うかどうか…という不安をシャークンは顔には出さなかったが、内心では不安があった。
砲撃の直撃を受けた船は、跡形もなく砕け散り、その衝撃による被害を受けた船は無事だった乗員を乗せたまま、自重に耐え切れなくなり、沈んでいく。
砲弾は駿河に火矢を射掛けた船に直撃し、1発でその船は爆散、轟沈し、周辺の船もそれにより発生した巨大な水柱と衝撃により転覆する。
「これで、驚いて引き上げてくれると良いが・・・」
戦艦、駿河艦長、海原は無用の殺傷は避けたかった。こちらの戦力の一部を見せ、勝てないと理解させ、引き返させる。
平和ボケと言われても仕方ないが、彼は、帰ってくれることを願っていた。
現に、隊列は乱れ、船足も警戒して減速していたため、淡い期待を描く。
「ふ・・・。あれほどの威力の魔導、そう連射は出来ないようだな・・・。」
ロウリア王国、海将 シャークンは、駿河が2発目を撃ってこないため、このように判断していた。
「艦隊の速度落とせ、ワイバーンの航空支援と同時に、一気にたたみかけるぞ」
ロウリア王国 ワイバーン本陣
「ロウリア王国東方討伐海軍より魔伝入りました。敵主力艦隊と思われる船と現在交戦中、敵船は超巨大であり、航空支援を要請する」
「ほう、敵主力か・・・。よろしい。380騎全騎を差し向けよ」
「し・・しかし、先遣隊に150騎ほど分けてあるため、本隊からワイバーンがいなくなりますが・・・。」
「聞こえなかったか?全騎だ。敵主力なら、大戦果となろう。戦力の逐次投入はすべきではない」
「了解しました」
彼らはまだ、先遣隊が全滅したことを知らない…知っていたとしても、何が出来るわけではないが…。
ワイバーンは、次々と、大空に飛び上がった。
駿河のCICでは、すでに「それ」を捕らえていた。
「これは・・・まずいな、中途半端な攻撃は、こちらの命を危うくする」
レーダーに現れた飛行物体は350を超えており、敵は全く諦めていないということを痛感する。
「射程距離に入りしだい、全力で迎撃せよ!一騎も逃すな!」
突如、3km先の巨大艦から煙が上がる。そして、何かが光の尾を引きながら、ロウリア艦隊上空を通過していく。
さらに、その巨大艦の後方にあり、なんとか見える範囲にいる船からも、何かが飛び出し、同じ方向を目指し、飛んでいく。
さらに、後方から、複数の何かがすさまじい速度で飛んでいくのが見える。
海将 シャークンにいやな予感が過ぎるが、彼の経験上最良の選択を命じる
「そろそろ、ワイバーン部隊がこの海域に到達する。全軍突撃せよ!」
ワイバーン部隊には、悲劇が襲いかかった。
いきなり仲間23騎が何かに当たり爆散し、バラバラになって海に落ちていく。何が起こったのか、全く解らないまま、十数秒後に15騎、さらに数秒後に20騎、と、次々と落ちていく。
こんなことは、歴史上1度も無い。
一通りの嵐が去ると、ワイバーンは数を380騎から190騎まで減らしていた。
部隊はパニック状態になったが、その時、船団が見える。
190騎のワイバーンがロウリア艦隊上空に到達する。
その先に見えるのが、一際大きい灰色の船。
彼らは、その船に襲い掛かろうとしたが、 不意に、巨大な艦が前方にある大きな大砲を彼らに向け放つ
凄まじいほど眩い閃光が彼らを襲う…そして、次の瞬間には、彼らは哀れな肉塊と化し、海上へとバラバラと落ちていくのみだった…。
生き残ったワイバーンを次に待ち受けたのは、光の嵐とでも言うような猛烈な対空射撃であり、彼らは何の見せ場もなく全滅するのだった…。
「・・・・・・・・う・・・・うそだろ・・・・」
だれもが信じられずに、声が出ない。
ワイバーンは、1騎落とすだけでも、船にとっては至難の技、それが見ている範囲だけでも200騎以上!!
200騎以上の数が、精鋭のワイバーンがあの閃光に包まれた一瞬で血の雨を降らせながら落ちていった。
夢?いや、違う。
「我々は、悪魔を相手に戦っているのか?」
海将シャークンは、悲壮な心境でつぶやく…なんと表現していいのか解らない。
しかし、悲劇は自分たちだけを見逃してくれるはずはなかった…。
やがて、4隻の灰色の艦が見えてくる。
その全てに、帆船をなぎ払った魔導兵器が付いている。
4隻は、破壊…いや絶望の嵐を打ち出した。
後にロデニウス沖大海戦と呼ばれる歴史を動かした海戦が始まろうとしていた。
ロデニウス大陸の歴史において、海戦を決するのは、水夫の切り込みである。
日米のお陰で、既にそれはロウリアだけの常識になっているのは、当のロウリアは知る由もないが…ロウリアの常識ではバリスタ(大型弩弓)等により、ある程度船にダメージを与えたり、火矢で燃え上がることも稀にあるが、船を根本的に破壊できない。
最後は、切り込みによるため、結局は水夫の数がものをいうのだが…それを4400隻そろえている。
三大文明圏の列強相手ならともかく、辺境で負ける訳がない。
いや、これほどの数があると、三大文明圏の列強相手でも、ある程度渡り合えると思っていた。
戦艦2隻、巡洋艦2隻の合わせて4隻の打ち出した砲弾は、1発あたり、数隻程を纏めて沈めていく。
完全なアウトレンジであり、射撃演習状態であった。
それでも4400隻は多い。
1400隻を海の藻屑に葬った時、巡洋艦の弾切れが近くなる。
「打ち方やめ」
巡洋艦は弾薬が無くなると、その場で待機して、戦艦部隊の突撃を見守る。
巡洋艦のとある艦長は、作戦前の司令長官の呟きを思い出す。
『戦艦で敵に恐怖を与えてやる……』
思い出した艦長は思った…恐怖とはこのことか…と心の中でロウリア兵に合掌した。
あたりには、昔船だった残骸が海を漂う。
戦艦2隻は船団への距離を詰める
距離が400mまで近づき、対空用の40mm 機関砲を船団に打ち込み、確実に1隻づつ沈めていく。
さらに悲劇…いや惨劇は続く。
戦艦尾張は排水量8万を超える、そのため、木造船など武装を使わなくても、つまり体当たり攻撃でも全く被害を受けることはないのだ……さらに言えば、ただ進むだけで波に煽られ敵船は転覆したりするので、ほぼ一方的な殺戮である。
「ちくしょう!!化け物どもめ、あんなのに勝てる訳がねえ!畜生!来るな!来るなってんだよぉ!ぐあぁぁぁぁ」
一隻、また一隻と、時間を追うごとに信じられない速さで味方の船が撃沈されていく。
さらに、戦艦による砲撃で数隻から十隻ほど纏めて吹き飛ばされる光景や、戦艦に衝突されバラバラに砕かれる船もいる。
そんな光景を目の当たりにし、シャークンの目は段々と死んだ魚の様に荒んでいく…。
「・・・・・・だめだ…こんなのに勝てるわけが無い…」
海将シャークンは、既に心が折れ、絶望していた。
どうやっても勝てない。
このままでは、部下の命をただいたずらに殺すだけである。しかし、降参して捕虜になった場合、ギムでの大虐殺をしているロウリア人が、許されるわけが無い。
彼に残された道は、撤退の二文字であった。
ロデニウス大陸の歴史上最大の大艦隊の5割以上を失っての大敗北、国に帰ったら、死刑は免れないだろうし、歴史書に、無能の将軍として名が残るだろう。
しかし、部下を全て死なす訳にはいかない。
「全軍撤退せよ、繰り返す、全軍撤退せよ」
魔法通信が各艦に流れる。
「敵超巨大船接近!!」
彼の旗艦も撤退を始めようとしたその時、彼の船に戦艦駿河が衝突、船は砕け、彼は海に投げ出される。
海上に浮かびながら見た光景、彼の乗っていた船は、戦艦駿河に押し潰され、バラバラに砕けながら海に沈んでいく。
「敵は撤退を開始しました。」
攻撃を控えるよう命令が飛ぶ。
「海に浮かんでいる仲間を見捨てて撤退したか・・・だが、出来るだけ減らすに越したことはない…悪く思うなよ……新三式弾装填、目標、撤退する敵船団…よーい………撃てーー!」
ワイバーンを襲ったのと同様の攻撃が撤退するロウリア船団を襲い、薙ぎ払う…。
結局、撤退できたのは僅か数百隻のみだった…。
そして、その蹂躙が終わると、今度は海に浮かぶロウリア兵らの救助命令が出されるのであった…。
こうして一つの
戦艦尾張に同乗していたクワ・トイネ公国の観戦武官ブルーアイは、実感が無かった。
彼は、艦橋でやりとりを聞いて実際、戦闘も見れていたが、いまひとつ実感がわかなかった。
しかし、救助者多数のため、海戦のあった海域を目にしたとき、じわじわと実感が出てくる。
海面に浮かぶ浮遊物の数は、海を覆いつくさんばかりであった。
海戦は見ていても理解の範疇ではなかったが、圧倒的攻撃力で一方的に蹂躙したのは理解出来た。
パーパルディア皇国の観戦武官ヴァルハルは恐怖に震えていた。
彼の乗る船はボロボロになりながらも運よく撃沈されなかった。
ロウリアの4400隻の艦隊がどのようにクワトイネ公国を消滅させるのかを記録することが彼の任務だった。
蛮族にふさわしいバリスタと、切り込みといった原始的戦法でこれだけの数をそろえたらどうなるのか、個人的興味もあり、彼はこの任務が楽しかった。
しかし、現れた船は、彼の常識をも遥かに超えたものだった。
帆船を増速させる「風神の涙」を使った形跡が無いのに、圧倒的に速い。
そもそも帆が無い。
100門級戦列艦よりも、大きい船であるにも関わらず、超巨大な大砲を9門しか積んでいないのを見て思う。
何かの冗談か?
蛮地に無いはずの大砲があったのには驚いたが、大砲はそう当たるものでは無い。
なかなか当たらないから、100門級の戦列艦が存在するのだ。
しかし、彼らの船は、3km放れているにも関わらず、1発で命中させる。しかも凄まじく巨大な大砲であるため、1撃で何隻もの船が撃沈する。
さらに驚くべきは、ワイバーンの波状攻撃を防いだ事、
我が軍であれば、竜母を使用し、ワイバーンにはワイバーンをもって対抗する。
蛮地よりも性能が遥かに良いため、同数なら確実に勝つ。
そもそも、大砲は、空を飛ぶ物に当たるはずが無い。
それがこの世界の常識だった。
しかし、彼らはワイバーンにさえ1発で命中させ、それがたった一発でワイバーンを全滅させるほどの威力だったなどとても人間業ではない。
彼らの存在を知らずに、事を進めると、パーパルディア皇国をも脅かすかもしれない…いや、彼らへの対応を誤ると、滅ぼされかねない…。
ヴァルハルは、魔伝により見たまま、ありのままを本国に報告したのだった…日本皇国と敵対するべきでないと…そう付け加えて……
巨大戦艦による轢き逃げって恐怖ですよね
今後登場させたい兵器第一弾 空中戦艦又は空母でどれを登場させれば良いですか?上位2つを登場させたいと思います。
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