僕らの艦これ 作:い艦これ
つづくかどーか分かりません。
多くの艦載機が1隻の船を目標に飛行していた。艦載機は近づくにつれてすこしづつ小さくなってゆく。
「おっ、終わったか。はぁー、いよいよだなぁ。
って向こうではもう始まっていると思うけど…。」一人の男がため息を吐きながらそうごちる。
「あぁ、やっぱ不安だなぁぁーー。」
次々と艦載機が着艦していく。コクピットの中にいた一匹の妖精が男に話しかける。
「これでおっけいですか?」
「バッチし。今回もだけど、頼めるの君たちしかいなくて…」と苦笑いする男。
「ほんとに今まで付き合ってくれてありがとう。」
「急にかしこまりすぎですよ。私たちの仲ではないですか。」
「それはー、これでたぶん最後になるから、かな?」少し言いづらそうにけれどとても軽い口調で話す男。
「あまり面白い冗談ではありませんよ。とくに私たちには」
確かに軍に所属している者。命のやりとりが日常的なここではブラックジョークといえるだろう。
しかし、彼女は気付いてしまった。真剣な表情で自分を見つめてくる彼の目で。
「分かりました。けどタダ働きは許せませんので生きてしっかりと返してください。ずっと気になってた間宮食堂のフルコース以外許しませんから。」
彼女たち妖精は彼を死なせたくなかった。初めて自分達妖精と話し合うことが出来たのは彼しかいなかったからである。
彼は艦娘にはお世話でも好かれているとは言えないだろう。なぜなら彼は艦娘と全くといっていいほど関わりを絶っていたから。
しかし、彼女たちは知っていた。誰よりも艦娘たちのことを真剣に考え、行動していたかを。
「ははっ、そうだな。」
「よしっと、それじゃ鎮守府に急いで戻ってくれ。もちろん艦載機に乗ってな。」
「この船は使わないのですか」
「あぁ使わない。こいつと俺はここに残るから。もう時間はないから詳しくは説明出来ないけど、向こうでは苦戦してるはずだからあいつらを助けてやってくれ。」
「はいっ?」
「まぁなるようになるさ。ほれ、乗って乗って。」
「ちょっ、急かし過ぎです。もう。では別れる前に一言。」
「死なないでくださいね。死んだら話し相手がまた居なくなりますから。」
「はいよ。そっちもな。」微かに笑い声が周りに広がり、霧散した。それと同時に小さかった艦載機が少しづつ大きくなり、空を飛んだ。
「いよーし。行ったな。あとは俺とこの船だけだ。」
男が乗っている艦。それは艦娘と同じような特性を持つ、男が作った特殊な艦だった。艦娘とは違い意思はないが大きさをある程度調節出来るようにされていた。
「鶸(ひわ)とあいつんとこの明石にもお礼全然言えてなかったなぁ。まっ、あいつだからいっか。」
「それでは私も覚悟を決めますかな。お前さんには申し訳ねぇが、俺と一緒に来てもらおう。」それを聞いていたのは男が乗っている航空巡洋艦『天飆』だけだった。