どちらもにわか程度の知識しか無いのですが、書いてみたい、と思ったので書いてみました。どちらのキャラクターにも解釈違いや、キャラの暴走などがあるかもしれませんが、ご指摘頂ければ、原作を鑑みて自分が全くもって間違っているかどうか確かめてから、改善していきたいと思っております。
イメージでは、このすば一巻の爆裂散歩の後、カズマがほっつき歩いていたらラビットハウスを見つけたという感じです。一話は導入としてカズマがある程度ラビットハウスい行きなれた後という感じで書いて、二話からカズマとチノの出会いを書きたいと思っています。
需要があるかは全く分かりませんが頑張りたいと思います!
父さん、母さん。お元気ですか? ご無沙汰してます。 カズマです!
俺がこの世界に送られて、早数か月。今は冒険者をやっています。仲間もできました。まだ、俺の冒険はチュートリアル。何も成してはいないけど、今日も元気に頑張っています。そうそう、そういえば一つ変わった事もあります。
俺、行きつけの店、できました。毎日とは言いませんが、週に二、三回は通っています。そこの喫茶店の娘さんなんか、通いすぎて俺の事を『お兄ちゃん』なんて呼んでくれるんですよ。辛いとき、疲れた時なんかは、その店で一杯飲むと、次の日の活力が湧いてきます。だから、大丈夫。あなたたちの息子は一生懸命、今を生きています。
それでは、今日もその店に行ってきますね!
俺はそんな事を考えながら店の扉を開いた_____
「いらっしゃいませ。ラビットハウスへようこそ」
*
「チノ、いつもので」
「カズマさん、また来たんですか」
おっと、客に対してそんな言い草はないんじゃないか。
この子は喫茶店、『ラビットハウス』の看板娘であるチノ。少し白みがかった水色の髪をした、頭の上にのせた白い毛玉がトレードマークの女の子だ。将来の夢はバリスタになる事らしい。俺はこの世界にもバリスタがある事を知って少し驚いた。
軽くため息をつくチノにウィンクをして俺の特等席、カウンターのチノの前に座る。チノは照れているからあんなことを言っていると分かっているので、ため息なんて全く気にもならない。
「どうぞ」
「ありがとう、チノ」
出されたコーヒーを受け取り、しっかりと味わう。
この世界に来てカエルだの空飛ぶキャベツだの変なものばかり食べている俺ではあるが、これでも世界のあらゆるものを食べることのできる日本出身。
そこそこ味覚には自信がある。このコーヒーの銘柄なんて容易く当てて見せよう。
「うん、この芳しい香りと調和のとれた味わい、軽い口当たりにこののどごしの良さ。間違いない! これはブルーマウンテンだろ? チノ」
「ブレンドです」
ふっ。
「おい、チノ。俺が『いつもの』って言ったら、ブルーマウンテンを出してくれって言っただろ?」
「いえ、カズマさんが最初に来た時に一番自信のあるものを出してくれって言って、ブルーマウンテンを出したら、この店の一番自信のあるものはメニューに書いてあるオリジナルブレンドだろ? って言いながら間違えていたじゃありませんか」
あ、そうでしたっけ。軽くむくれたような顔をして否定するチノ。かわいい。
「そうか。ごめんな、チノ。お兄ちゃん勘違いしていたよ」
「お兄ちゃんじゃないです」
「……おい、チノ照れなくてもいいんだぞ。ほら、いつも二人でいるとき呼んでいるみたいに『お兄ちゃん』って呼べばいいんだ。リゼなんかに気を遣う事なんてないんだよ」
「呼んだことないです……」
「おい、カズマ。お前はいつもいつもチノを困らせるな。というか、営業妨害しに来ているのか?」
今、俺に声をかけてきた女の子はリゼ。濃い紫色の髪の毛をツインテールにしたこの喫茶店のアルバイターだ。
「そんなことしてねえよ。自分の妹が頑張っているのを見に来るのは当然だろ?」
「当然なわけあるか!! というか、お前冒険者だろ? もっとこう、自分より強いモンスターと戦ったり、クエストをうけて市民を守ろうとしたり、冒険に備えて自らを高めるとかしないのか!?」
「しない。自分より強いやつとかほとんどだし。身の丈にあったクエストはクエストボードには無かったし、そもそもお金は割とあるからわざわざクエストなんざ受ける必要も無い。自らを高めるとかよりはゴロゴロしていたい」
「お前ってやつは……全く、冒険者の風上にも置けないやつだな……」
おっと、リゼがゴミを見る目ですね。心なしかチノも俺をがっかりしたような目で見てくる。お兄ちゃん、妹にはそんな目で見られたく無かったよ……
何でか知らないが、このリゼという少女、冒険者に憧れを抱いているらしく、冒険者は清く正しく強くあるべきと思っているらしい。
ホントはただのゴロツキ集団だってのに、騎士かなんかと間違っているのではないだろうか。
まあ、俺も昔想像していたのはそんなもんだったし、人の事は言えないのかもしれない。しかし、現実を知った今そんなことは全く思わない。
アルバイトで酒を飲むために作った借金を返す宴会芸の女神。毎日毎日爆裂魔法を打たなきゃ気が済まない頭のおかしい一発屋芸人。全く攻撃の当たらないドMクルセイダー。そんな奴らと冒険しているこっちの身にもなってみろっていう話だ。
「それに、俺には妹に会いに来るっていう使命があるからな。そっちの方が大切だ」
「そんなのあるかっ!! はぁ……お前といい、ココアといい、どうしてそんなに妹を欲しがるんだ?」
「おい、あいつと一緒にするのはやめてもらおうか。俺はあんなにアホじゃない。なあ、チノ、あいつよりは俺と兄妹になりたいだろう?」
「どっちもどっちです……」
「なんだって!? 俺とあいつがトントンだと……アクアと同レベルの知力しか持ってなさそうなあいつと? 屈辱だ……ん? そういえば、あいつ、今日はどうしたんだ? いつもなら俺とチノが話している時はすぐ出しゃばってきて、『チノちゃんのお姉ちゃんは私だよ!』とか言ってくるのに、今日は全然だ、居ないのか?」
「いや、お前が来る丁度前に出て行った」
「はい、なんだか最近ココアさん、仕事中抜け出してどこか行くんです。どこに行ってるんでしょうか」
へえ、ココアが。元々、喫茶店の仕事をめちゃくちゃ真面目にしているっていうタイプではないが、意味もなく仕事をサボるやつでもない。ホントに何かあるんだろう。
「ただいまー、チノちゃんごめんねー!! ちょっと用事が長引いちゃってー」
騒々しく、バタンと扉を開けて大きな声を出しながら入ってくる。こんな奴はここには一人しかありえない。ココアだ。
「悪いと思っているなら、働いている途中で用事を作るのは止めてください」
えへへ、と頭を掻きながら謝るココアに、ちょっと厳しめの言葉をぶつけるチノ。お兄ちゃん、しっかりした妹が持ててうれしいです。
「あ、カズマくん! いらっしゃいませ! 朝焼いたパンも食べる?」
これが、さっきの話に出ていたココアだ。赤みがかった茶色の髪の毛をしていて、花を半分に切ったような髪飾りが特徴のリゼと同様にこの喫茶店のアルバイターだ。実家がパン屋らしく、パン作りが趣味で、この喫茶店ではトーストなどのパンを担当したりしている。
「よう、ココア。仕事中に抜け出して油売っているなんて、姉失格じゃないか? まさか自分からチノの姉を辞退するとはな。まあいい心がけだ。今度からは、俺がしっかりチノの兄として世話していくから安心してくれ。あと、パンはただなら食べる」
「む、チノちゃんのお姉ちゃんは私だよ! それにたださぼっていたわけじゃないんだから! あとパンは500エリスだよ!」
「いらない。絶対ぼったくってるだろ」
ていうか、メニューに200エリスって書いてあるし。エリスはこの世界の通貨で、この世界の一番信仰されている女神様の名前がとられているらしい。1エリス1円とほぼ同じらしい。……ん? たださぼっていたわけじゃない?
「おい、じゃあ何してたんだ?」
「ええ!? いや、それは……ちょっと……言えないかな……って……お姉ちゃんは秘密を守るものなんだよ!」
なんだこいつ。歯切れ悪いな。つーか、お姉ちゃん推しがうぜえ。秘密を作ってまでサボるなよ。まあ、別にこいつの用事なんてどうでもいいか。
「まあ、いいです。とりあえず仕事して下さい」
チノもどうでもよくなってきたのだろう。呆れた顔をしている。しかし____
「仕事って……する必要あるのか?」
__そう、客なんて居ないのだ。俺以外
「まあ、いつも通り人がいないな」
「リゼさん、いつも通りとか言わないでください」
「私のいないうちにカズマ君くらいしか居なくてよかったよー」
「なんでこんなに客がいないんだろうな? もうちょっと人がいてもいいと思うんだけどな」
実際、美人な店員が居る訳だし、男の冒険者なんてほとんどが女好きだし、来てもおかしくないというわけではない。
「父が夜やっているバータイムでは結構人気があるんですが」
「なるほど。その時間に儲けを得ているってことか」
「そうだな、女性冒険者の方にかなり人気があるらしい」
「タカヒロさんダンディーだもんね」
「この前、街を歩いていたら女性冒険者の方に『チノちゃん、新しいお母さん欲しくない?』って聞かれました……」
「「「えっ」」」
ちょっと悲しそうな顔をしながら言うチノに、俺たちは何も言えなくなる。
タカヒロさんはチノのお父さんで、この店のマスターだ。チノが幼い頃に奥さんを、数年前に父親、つまりチノにとってのお爺さんを亡くし、そこから自分一人でチノを育ててきた。チノにとっては最後の家族。それはたとえ冗談だとしてもちょっと辛いだろう。いや、冗談じゃないかもしれないが。冒険者にはろくな男がいないってよく言われるしな。女性冒険者は早く結婚して、こんな不安定な仕事を辞めたいという気持ちはわからなくもない。っていうか、俺も辞めたい。
しかし、これは配慮が足らなさすぎる。俺はその冒険者が分かったら、すんごい事をしてやると決めた。いや、勿論、その冒険者が女性だということは全く関係はない。ただ、俺は兄としてチノが悲しんでいる事に対して許せないだけだ。
俺がそっとチノを慰めるような事を言おうとすると、
「大丈夫だからね! チノちゃん! その冒険者さんにはお姉ちゃんが後でチノちゃんに謝らせるし、タカヒロさんもどこにも行かないから! それにね、私はいつもチノちゃんの隣にいるから!」
ココアがチノを抱きしめる。全く……こういう時だけ、割とお姉ちゃんするな。こいつは。
「勿論、俺もな」
便乗する俺に、
「ああ! 私だっているぞ! いつでも頼りにしてくれ!」
リゼも乗っかってきた。
「な、あ……」
抱きしめられたチノは顔を真っ赤にしてあわあわしながらココアを引きはがそうとする。
そして照れ隠しに、
「大丈夫です。そんなこと冒険者さんの冗談だってわかってますし、そもそもお父さんは再婚くらいするべきなんです。私はもうすぐ成人するんですから、そのくらい理解できます。ココアさんもそうですが、子ども扱いしないでほしいです」
と、心にもないことを言った。
きっと、タカヒロさんが再婚すると言ったらチノは相当傷つくだろう。自分の好きな喫茶店に出ることを止めて部屋に引きこもってしまうくらいには。まだ短い付き合いだがそれくらいは俺にもわかる。
この子はきっととっても優しい女の子だ。亡くなったお母さんやお爺さんの思い出をすごく大切にしている。夢がバリスタっていうのも、ただ憧れただけじゃなくて、バリスタだったお爺さんを継ぎたいっていう気持ちもあるんだろう。
でも、そんなこと表には出さず、寂しがりのクセに強がりを言う。そんなチノだから俺は、ココアは。
お兄ちゃんに、お姉ちゃんに、なってやりたいと思ったんだろう。
そんな気持ちが顔に出ていたのか、
「皆さんニヤニヤしないでください」
チノに注意されてしまった。やはり、ニヤニヤしていたようだ。リゼとココアをみても同じような顔をしている。
「強がらなくてもいいんだよ?」
「強がりなんかじゃないです……嘘じゃないです」
そっぽを向いていじけるチノ。それがちょっとおかしくて、
「ああ、そうだな」
「うんうん、チノちゃんは正直だもんね」
「ああ強がってなんかないよな」
まだニヤニヤしながら、からかってしまう。
チノは顔を真っ赤にして、
「ホントですから~~~!!!」
その言葉に皆吹き出してしまった。
皆でチノに平謝りしながら、ふと思う。
このほのぼのさ。こみ上げる安心感。
アクアやめぐみん、ダクネス、あいつらといるのも問題ばっかりだけれども悪くはない。
それでも、こういうのも欲しくなる時もある。
いや、それはちがうな。俺も悔しいけど、あいつらがいるから。ここで安心できたりするんだろう。俺はきっとこの世界で一人だったら、それはもうあっけなく死んでいただろうし、もし死んでいなくても寂しさや辛さのあまり泣いてばっかりの日々だったかもしれない。
それはチノもきっと同じで。
ココアやリゼがいるから彼女は色々な表情を見せてくれる。
ほら今、こんな風に。
俺たちの謝っている姿がちょっとおかしいらしく、滅多に見せてくれないチノの笑顔。
その顔を見れたことが嬉しくて。
俺は明るくて、笑いの絶えないこの素晴らしい喫茶店に祝福をした!
稚拙な文章を読んで頂きありがとうございました。最終回っぽくなってしまいましたがまだまだ続きます。一週間に一回投稿出来たらいいな……と思っています。もしかしたらそれより、長くなるかも……
早く、ラビットハウス以外のごちうさメンバー、このすばメンバーも出したいなあ……と思っています。
この世界では魔法少女チノが本当に爆☆誕するという展開もアリかも……と思うとドキドキしてきますね!
ごちうさの可愛らしさ、ほのぼのさ、このすばの面白さに少しでも近づけたらなあ……