re:死んだら始まった!?喰種の異世界生活   作:リョー

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〈aria〉赫子:羽赫
    形状:対物ライフル
  ギミック:変形機構、黒現を取り付けた状態だと銃状態と刀状態に変形可能。黒現に取り付けた状態だと、大半が刀身になり、その他の部分は柄になる。  
 
〈黒現〉赫子:甲赫
    形状:銃剣(80cm)
  ギミック:ariaに取り付けた状態だと刀状態の刀身になる。       
   


恋と悩み

 不思議な男だ。第一印象はそれだけ。いきなり血塗れで倒れていた男をまともな人間だと考えること自体、無理があるだろうが。私が言っているのはそう言うことではない。私はある能力が使えた。だが彼に対してだと能力が使えなかった。私の能力とは、それは嘘を見破る能力だ。だから彼が嘘をついているのかどうかが分からない。それでも信頼出来ないというわけではない。私自身、信頼以上の感情を抱いているし。何故か分からないが、彼と一緒にいるとき、彼と話したとき、彼の話をしたとき胸が苦しい。同時にフェリスや他の女が彼と親しげに話しているときは胸がモヤモヤしたり違った苦しさを感じる。この苦しさはなんだろう。いや、なんだろうと言うが本当は気付いていたんだ。

 

 

 

 この邸で働き始めてから2ヶ月が過ぎた。仕事はすべて覚えて最早マスターしたし、訓練も欠かさず行っている。この世界には魔獣っていうのがいていい訓練にもなる。まぁ雑魚だけど。ただ、今一つだけ悩みがある。。クルシュ様がおかしい。なんか避けられている気がするし、かといって他の人と話している俺に殺気を向けてみたり、、、まじで俺何かしたか?これまで2ヶ月の記憶を辿ったが何一つ問題は起こしていなかった。寧ろ予知夢すら見てない。まじでどういうことなんだろう。あとでフェリスにでも相談して見ようかな。朝食の皿を洗いながらそんなことを考えていた。でも食事は残さず食べるんだよなぁ。嫌いな人の料理食べるか?普通。手元の皿を見てそうも考えた。

 「で、悩みってなにかなー?恋の悩みかなぁ~?」今は夜、仕事を終えてちょうど部屋へ帰るころにフェリスと会い、今は俺の部屋で話している。

「いあ、最近クルシュ様に避けられている気がする。クルシュ様なにか言っていた?俺なにかしたかな?クルシュ様には嫌われたくないし、なにかしたなら謝りたい。でも謎なのは俺の作った料理はしっかり残さず食べるし、血も3日に一回提供してくれる。俺のこと嫌いなら普通料理も食べないし、血なんて渡さないでしょう?だから余計分からないと言うか。あと俺の料理って美味しく出来てる?味見できないから分からない。」そんな悩みにフェリスは溜め息をはいた後ニヤニヤしながらいった。

「なんだそんな悩みかぁ。ほんとこれだから天然鈍感は。一つだけ言うとクルシュ様はチカゲのこと嫌いだと思ってないよ。ここからは気付いてあげて。クルシュ様の気持ちに。あとチカゲの料理は滅茶苦茶美味しいよ。お世辞抜きで。それじゃあね。コーヒーご馳走様。」フェリスは足早に部屋から出ていった。一人だけ残された部屋で考える。

「クルシュ様の気持ちってなんだ?敵意?それはないか。嫌いだと思ってないって言っていたし。好意?まさかないよな。こんな俺に好意寄せることなんてないよな。」一人で橙色の柔らかい灯で満たされた部屋の中でボソボソと独り言を言う。ああー。考えても無駄だ。胸から黒い丈夫な紙箱を抜き、葉巻を一本取り出す。葉巻の中でもとびきり大きいサイズのそれはそこそこ値を張った。この世界に葉巻が有ること自体驚きだが。銀色に輝くお気に入りのシガーカッターでキャップを切り取り、お気に入りのオイルライターで炙るように火をつける。どちらとも元の世界からたまたま持ってきたものだ。手に馴染んだ形は異世界で不安な気持ちを安心させてくれる。吸った煙を口からはきだす。そしてまた吸う。時を忘れてしまうよな至福の時間にただ体を心を委ねていた。

 

 

 

 心地よい鳥の鳴き声が聞こえて起きる。外は明るくなってカーテンを開けて、眩しさに目を瞑る。歯を磨いて顔を洗い執事服に着替える。朝の準備が全て終わったあと引き出しから鍵を取りだし部屋を出る。まだ皆寝てる時間だから足音に気を付けて厨房へと向かい朝御飯を作る。もう馴れた動きで一切の無駄なく朝御飯を作り出す。良い匂いに釣られたのかフェリスが厨房を覗いている。

「おはようございます。フェリス。」この2ヶ月でフェリスとは随分仲良くなった。呼び捨てで呼び合う程に。

「おはよー。チカちゃん。今日の朝御飯なにー?」チカちゃんはやめてほしい。この女っぽい顔は俺のコンプレックスなんだ。 

「焼きベーコンにスクランブルエッグ、パンにコーンスープです。」

「良いネー。どんな感じで作るのか見せてよー。」あれ、良いねと言う割に反応薄い!?

「てゆーか、なんで喰種なのにそんなに料理上手いの?」それは意外にも誰にも聞かれたことが無かった。

「えーと、喰種って人から追われて殺される種族だって話しましたよね?」

「うん。」

「喰種には三つの喰種がいます。一つは人を食べると言う理由ではなく娯楽で大量に殺す喰種。まぁこう言う喰種は大抵共食いもするんですが。二つ目は人を恐れて地下へ逃げる喰種。喰種は飢えに強い種族なので彼らは一ヶ月に一回程、地上に来て人を殺して食べる、若しくは自殺した人の死体を拾って食べます。三つ目は人と関わりをもち人の社会に溶け込んで生きる喰種。喫茶店を経営したりする喰種もいます。彼らは同じ喰種どうし集団を築いて暮らします。つまり、三番目の喰種は人と関わりが有るため人の真似を暮らして過ごさなければいけません。隣の人にお裾分けを貰ったとしたら料理して渡してみたり、、色々な場面で料理は人の真似をするのに使えます。僕は三番目の喰種で必要だったので料理を覚えました。」

「ねぇ、チカちゃんはさ、人を食べたことが有るの?」

「ありますよ。喰種だったら当たり前のことですね。まぁ僕は人より共食い、則ち喰種を食べてましたが。」フェリスの顔が歪む。まぁ顔を歪めるのも普通だと思うがこっちとしても生きる為だからしょうがない。

そうやってフェリスと話しているうちに朝食が出来上がる。

「出来たので席に着いててください。」フェリスにそう言うと元気に返事をして食卓についた。手際よく料理を盛り付けていると今度はクルシュが厨房へ来る。ちょうど良い。二人だけの時に聞きたいことがあった。

「おはようございます。クルシュ様。」

「ああ、おはよう。」

「起きたばかりの所申し訳有りませんが、クルシュ様は俺のこと嫌いでしょうか。」

「!!!」一瞬慌てたクルシュ様だったが直ぐに答えた。

「嫌いじゃ、ないぞ。と言うか好き

「??」

「ああ、何でも無い!!と言うか何故こんなことを」

「最近避けられている気がしてましたから。嫌いじゃないなら良いですけど。ああ、朝食が出来上がったので席に着いてください。」そう言うとクルシュは食卓へ向かっていった。何故か肩を落としている気がしたが。

「ああ、変な勘違いをさせてしまった。私はチカゲが大好きだ、愛している、何て言えないよな。」乙女(クルシュ)は何もない空間にそう呟いた。




 今日も読んだ頂き有難うございました。恋愛表現難しいーーー!!
すいません、タイトル直しました。

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