ざわつく街、沢山の人、相変わらずこの雰囲気は嫌いだ。人当たりして疲れてベンチに腰掛けつつ、煙草を吸う。えっと、何を買ったんだっけ、、、
「朝食の材料と茶葉でしょ。」もう慣れきったドランのプライバシー侵害。宝石からドランは出てきた。ドランなど精霊は大きくなったり小さくなったり出来るらしい。今のドランの外見は子竜って感じだ。
「チカ相当疲れているね。大丈夫?」ドランの気遣いに感謝する。
「街とか五月蝿くて人の多い場所は嫌いだ。」
「あー。チカってそういう性格だもんね。へー。人見て食べたくなったりしないの?」
「どうせ、分かっているでしょ。」滅茶苦茶お腹すいている最中に人を見るとそりゃあ食べたくなる。今日は血を貰える日だ。早く帰って血を貰おう。ベンチでクルシュ様に頼まれた茶葉の存在を確認してから紙袋を持ち上げる。吸い終わった煙草を近くの吸殻入れに突っ込んで歩き出した。
「ぐあっ、やめて、くれ!!」路地裏を通って帰ろうと思って路地裏に入ったら三人の男が一人を蹴ったり殴ったりしていた。助けに入ろうと声を掛ける。
「大丈夫ですか?「そこまでよ。今なら許してあげる。だから盗んだものを返して!!」」急に銀髪の女の子が出てきて男を殴る蹴るしていた男性3人に言う。
「私の要求は一つ。私の徽章を返して。他のものなら諦めがつくけど荒れだけは駄目なの。」男と女の子がワーワーやっているところを傍観する。やがて女の子走り出した、と思ったら振り向いて四つの氷を放った。三つは男達に一つは俺の所に飛んできた。それを手でキャッチする。
「何の真似でしょうか。いきなりただの通りすがりに攻撃するなんて、止めた方がいいですよ。」女の子にほんの少しも殺気を放ちながら言う。そう言うと身構えた。
「それと、そこの後ろの精霊さん。出来れば貴方からも自分のご主人様に忠告して欲しいですね。これ以上攻撃したら危ないよ、って言ってもらえると無駄に体力使わないで済みますから」そう言っても尚、無言の精霊に呆れて溜め息を吐いたあと、羽赫を出そうとするがドランがそれを止める。そしてドランは宝石から普段の大きさ(デカイ)でこそっと笑わないでね?と言ったあと精霊に語りかけた。
「俺は精霊竜ドランだ。そちらの名を何と言う。罪なき我が主人に襲いかかった罪は大きい、だが今なら許してやろう。」銀髪の女の子はドランを見て大きさと外見にビックリしている。
「し、真精霊様!?申し訳ありません。僕はパックと言います。そちらのかたも共にそちらの少年を苛めているように見えてしまいました。」出てきたのは猫見たいな精霊。やたら謝っていてドランも動揺している。俺はそんな二人を放って、銀髪の女の子に近付く。
「先程は紛らわしくて済みません。殺気をほんの少し放って申し訳ありません、ドランが怖くて済みません。」
「最後の一言は余計だよ!!」ドランの鋭い突っ込みが決まった。すると女の子はフフッと笑った。お互い名乗ったとき
「んっーー!!」存在を忘れていた、先程苛めていた少年が唸る。まずそうなケガでもないけど放っておけないから精霊術を使って傷を治す。そして、目覚めた少年、スバルに挨拶した、女の子もといエミリアにさようなら、と言ったあとドランに乗って帰った。そして、ドランの背中でどうしようもなく眠くなって寝た。
スラムの盗品蔵で血だらけで死んでいる大男、血に伏せるエミリアに腹を抑えて苦しむスバル。それを見て笑う黒髪の女、、、
気持ち悪い夢を見て起きる。俺はもうドランの背中から降りていた。これが予知夢だろうか。だとしたら不味い。不意に辺りを見渡すがさっきと同じ光景。夕方だったのに昼になっている。
「チカ相当疲れているね。」さっきと同じドランのセリフ。まるで時間が戻ったみたいだ。確かめようと思って路地裏にいくと、スバルが苛められていた。その後、エミリアが来た。明らかにさっきと同じだ。
「君ってスバルっていう名前ですよね。俺達一回会ってますよね。」それからスバルと情報交換をした。自分達が先へ進むために必要なことを確認した。
「つまり自分はエルザという女性にエミリアさんの徽章を守れば良いわけですね。」
「ああ。そうだ。」
幸い、時間はまだあるし、今日は非番だ。口笛を吹くと一羽の鴉が飛んできた。羊皮紙の手帳を一枚破って、
「人助けをするので帰りが遅くなります。 チカゲ」と書くと鴉がそれをくわえて飛んでいった。
「転生特典もちは良いですね。というか文字ってどうやって身につけた?」鴉をみたスバルが皮肉混じりにいったあとおれに訪ねてくる。
「俺の主人様に習いました。6時間で身に付けましたよ。」クルシュ様の教え方は真戸さんっぽくてなんか懐かしかった。
「取り敢えず行きましょう。まずはエルザより先に盗品蔵へ向かいましょう。」スバルにそう言うとスバルは元気よく返事をした。
「下がっていろ。」盗品蔵は鋭い空気が漂う。ドランの営業時間も終わった今、戦うなら赫子を出すしかない。ただ今は最高に腹が減っている。昨日、赫子を使ったこともあって多分赫子を出したら100%暴走するだろう。この世界は有馬さんや真戸さん。平子さんに倉もっさん、排世もいないから俺の暴走を止めてくれる人はいないだろう。扉がギイッっと軋みながら開く。
「下がっていろなんて心外ね。」扉を開けて入ってきたのはエミリアだった。安心すつスバルだったが、、
「下がれ!!」おれは黒い影が飛んで来るのが見えて叫ぶ。
「あら、なかなか鋭いい人もいるじゃない。」黒髪の女、コイツがエルザだろう。
「あなたの腸も欲しいわね。」そう言いながらエルザは攻撃してくる。エルザは剣を振り回すがそれを全て避ける。
「あばた、相当強いわねぇ。益々欲しくなっちゃうわ。」ニタリ、と笑って攻撃してくる。クインケは置いてきてしまった。武器が無い今、赫子を使うしか無いだろう。エルザの剣をわざと手で受けて手を切り落とした。切り落とした手に喰らい付く。グロテスクな光景に顔をしかめるエミリアとスバルだった全部食べ終えてスバルに言う。
「スバル、悪いですね。俺は隠し事をしてました。」甲赫と羽赫を出す。
「俺は喰種です。」
「えっ」スバルの思考が停止する。自分の死に戻りを理解してくれる千景が、あんなに冷たくても優しさがあった千景が、人を喰らう怪物だったという事実に。
「あなたは怪物よね。」エルザは喰った筈の片手がもう再生していにことに気付く。
「余所見は止めた方がいいですよ。」エルザはその声を聞き取った瞬間、もう切られていた。それから足、腕、胴、色々な部分が切られている。エルザがよろめいたら隙に羽赫を撃ち込む。尋常じゃばいパワーにエルザは後ろへ吹き飛ぶ。その時扉が開く音が聞こえた。
「大丈夫か!?」声の主は昼間に会った騎士、ラインハルトだ。でもラインハルトは異様な光景に驚く。不思議な器官を体から出す千景に腹にデカイ結晶の様な物を撃ち込まれたエルザ。死にかけているエルザを千景はまるで別人のような、睨まれるだけで動けなくなりそうな冷たい眼で見ている。
「ラインハルトさん。こんにちは。」硬直している状態のラインハルトに挨拶をするとラインハルトは数秒間黙ってから慌てた様子で挨拶を返した。
「これは君がやったのかい?」ラインハルトは怪訝そうに訪ねてくる。
「はい。そうですけど。駄目でしたか?この際、襲ってきたのは彼女だし、襲ってきた理由も彼女が欲しがっていた盗品の受け取りを阻止した俺達に対する八つ当たりでしたので正当防衛の範疇ですよね。」
「ああ。悪い訳ではないんだ。この人は巷で腸狩りと呼ばれていた殺人者でね。相当な手練れだったんだけど、この人を君一人で倒したんだったら凄い話だ。君は近衛騎士団に入るつもりはないか?」急な勧誘に驚きつつ拒否。
「俺は自分を助けたクルシュ様の近くに居たいですのでその勧誘は拒否させていただきます。今は執事としての仕事を、、、」
「ああ!!君がフェリスの言っていた!?料理が美味しいと言うことと、とても強いという事はフェリスから聞いていたよ。別に騎士団に入ったらクルシュ様の執事の仕事が減ると言うわけでも無いしクルシュ陣営から離れる訳でもないんだ。騎士は一人だけと言うルールも無いし、君みたいな強い人には騎士団に入って貰いたいほどだよ。フェリスも君に騎士団に入って欲しいがっていたよ。」一世一代の出世のチャンス。しかもフェリスとラインハルトの推薦が有るんだったら確定だ。
「分かりました。俺の推薦、お願いします。」
それから推薦が承認されて騎士団入りを果たすのであった。