re:死んだら始まった!?喰種の異世界生活   作:リョー

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〈白幻〉クインケ初の分離構造。これまでのクインケはアタッシュケースが壊れてしまうとクインケ自体が使えなくなると言う問題が有ったが、分離構造によって解決した。試作型では有るのでこれから扱い易く改良して量産型にしていく予定だ。

〈白幻:ギミック〉
1:超回復
2:崩壊、再帰
3:?????
   


執事兼騎士

 レグルスと戦ってから2日が経過した。レグルスを食い漁ったお陰で少しは楽になった。クルシュ様と俺は進展無し。そもそも付き合っているのか?他の人が見たらそう言うだろう。多分俺達は付き合っているのだろう。これって自意識過剰??

 そう言えば俺の中で一つ決めたことがあった。俺の空腹についての問題だ。初めクルシュ様にこれを相談したところクルシュ様が、自分の肉を食べさせて傷はフェリスが治療すると言うのはどうだろう、、、、いや傷なんて治す必要は無い!!って感じの事を言われたが流石にそれは申し訳ないし、クルシュ様の身体に傷は付けたくないと言うことで却下させてもらった。結局はレグルス等の魔女教徒やその他の犯罪者、まぁ生きる価値の無い奴を喰うと言うことで決定。今まで通り定期的に血は頂くと言うことだ。

 近況報告はこの辺にしといて、今日は大切な日だ。俺のクルシュ様の執事兼騎士が承認される日なのだ。それに加えクルシュ様の王選絡みのことも、、、だから何時もより頭髪や服装を綺麗にする。常時着ている執事服ではなく近衛騎士団の制服に身を包む。滅多に着ない服だから違和感が凄いけど。あと、近況報告で言い忘れたことが!!今の悩み何だが、白幻のアタッシュケースが破損。実は白幻のアタッシュケースはただのケースで、白幻自体に鞘はついているからケースは無くても大丈夫何だが、日本では刀なんて腰に差して歩いていたらただのキチガイだ。直ぐに職質される。だからケースをつけていたんだが必要無いか?まぁケースが無い今、腰に差す他無いから無地も白い帯を腰に巻いて白幻を差す。逸その事、短めの黒現を脇差として差そうと言うことで<aria>のケースを開けると太刀より少し長い、白幻の3/2位の長さの真っ黒い武器が出てきた。銃剣としても使えるが持って切るのが本来の使い方だ。此方も鞘があるので態々アタッシュケースに入れる必要は無い。黒現を白幻の上に重ねる様に差すことにした。そうしていると扉が勢いよく開いた。

「チカゲ殿。時間です。」時間を告げに来たヴィルヘイムに返事をする。必要は多分、いや絶対無いが、白幻と黒現を腰に、リボルバーとハンドガンを胸元に入れて竜車に乗り込んだ。

 

 

 

 会場に行ったらラインハルトとスバル、エミリア、それとユリウスと会った。エミリアやスバルは元気にしているようだ。そして王選が始まった。そしてクルシュ様の所信表明が始まった。

「準備はいいかい?」ラインハルトがこそりと聞いてくる。それに対し頷きで返す。会場にマーコフの声が響いた。

「ではまずクルシュ様から、クルシュ様は所信表明の後、新しい騎士候補の承認が有りますので下がらずに。騎士フェリックス・アーガイル!ここに。」

「うむ。」

「はーい。」

フェリスとクルシュ様が前にでて話しているのを見る。途中、クルシュ様から宜しく無い発言が有りざわついたが。それに俺の番になった。またもやマーコフの声が響く。

「騎士候補、チカゲ・シワス!ここに。」

「はい。」軽く一礼をして前に出る。スバルがあからさまに驚いているのが見える。

「この者の承認をとる。異論のある者は挙手を。」マーコフがそう言うと陰険な男が手を挙げた。

「同じ人物に騎士は二人もいるのかね?」答えようとするとフェリスが此方をみてアイコンタクトを取って口を開く。

「フェリちゃんは、回復とかは得意にゃんだけど、戦闘が苦手でネー。その点チカちゃんはとっても強いから問題無し。そもそも騎士は主人を守るものにゃんだから、この場合主人を完璧に守れているヨ。」フェリスに論破された男は渋々手を下げた。

「では承認をとる。賛成するものは挙手を。」全員の手が挙がった。

「では、チカゲ・シワスはクルシュ様の騎士であることを承認する!!」有難う御座います、と一礼した後賢人会の席を向くいて挨拶をする。

「賢人会の皆様、騎士と成りましたチカゲ・シワスです。」また一礼をする。立っているクルシュ様の前に行き、苦笑混じりの微笑を浮かべた後跪く。

「貴女に忠誠を誓う。いつまでも貴女の元に」クルシュは顔を紅くしたあと、直って良いぞ、という声が聞こえたので直る。そしてクルシュの後ろにいるフェリスの横に並んだ。

 

 

 

 それから無事?(スバルが途中で騎士宣言をして追い出されたり、、、)な王選が進んだ。そして今、闘技場へと来ている。目的はスバルvsユリウスの観戦だ。フェリスが審判をしている。予想通り、面白いくらいボコボコにされている。やがてスバルは気を失う。見終わって帰ろうとしている俺にユリウスが声を掛けた。

「チカゲ、君は僕の尊敬する友であるラインハルトが尊敬する程強いらしいな。折角闘技場へ来たんだ。手合わせ、しないか?無論、手加減無しで。」唐突な誘いだが、正直やりたい。強い人と戦うのは楽しい。

「良いですよ、ただ木刀では本気が出せません。なので僕は此でいきますが良いですか?」鞘つきの白幻と黒現を持つ。

「良いだろう。フェリス、審判、頼めるか?」

「良いよー。」お互い、円形の闘技場で向かい合って立つ。フェリスがその間に入るとユリウスと俺とアイコンタクトを取る。

「それじゃあ、開始だヨ!」

 正眼の構えで白幻を構えたあと、同じく構えているユリウスを見据える。先手を打ったのはユリウスだ。ユリウスの激しい攻撃をかわしたり受けたりして防ぐ。ヴィルヘイムのときは分析出来たが、ユリウスの場合分析している暇は無さそうだ。今のところ剣が休まったことは無い。未だに続いている連撃を終わらすためにわざと強く受けて、衝撃をユリウスへと返す。衝撃を食らったユリウスは仰け反るが無理矢理構え直した。千景も正眼の構えへと構え直して不安定なユリウスの木刀の先端を切先で弾き、がら空きの腹に一回、さらに出来た隙を使い袈裟斬り、逆袈裟斬りと攻撃を重ねる。最後に上段の構えで、心の中で面!!と叫びながら頭へ振り降ろした。硬い鞘を頭から食らったユリウスは気絶した。フェリスは予想通りと言った顔で、クルシュ様も予想通りなようで苦笑を浮かべながら此方を見る。目の前で気絶しているユリウスに美女じゃなくて御免なさいと謝りながらも担いで看病(?)することにした。

 ベッドで寝ていたユリウスは目覚める。

「チカゲが看病してくれていたのか。済まない。」深々と頭を下げたユリウスに対して少し焦りながら自分も謝る。

「いえ、気絶させてしまったのは俺なので謝るのも俺の方です。申し訳ありませんでした。お互い謝ったということで手打ちにしましょう。」

「ああ、そうだね。チカゲは強いんだな。多分、ラインハルトと互角いや、それ以上だね。」そう言うユリウスにお礼を言う。

「光栄です。ただ俺はまだまだですね。今日は有難う御座いました。久々に楽しかったですよ。」

「ああ。此方こそ。チカゲは珍しいタイプだね。誉められたことではないが近衛騎士団は剣んl腕とプライドの高さは折り紙付きなんだ。チカゲのように人に頭を下げられるひとは余り居ない。」少し意外だ。

「そうなんですか?ユリウスさんやラインハルトさん、フェリスは人に頭を下げることなどは出来ていると思いますが。」そう言うとユリウスは少し笑った。

「そう言えば、お身体は大丈夫でしょうか。」

「ああ、問題ないよ。」自分の体を動かしながらユリウスはそう返事をした。

「それでは大変申し訳ありませんが予定が有りますので失礼します。また会いましょう。」

「ああ。またな。」礼をして部屋から出た。先程クルシュ様から聞いたが、今日からスバルが治療の為に泊まるようだ。客人をもてなす準備をしなければ。朝、乗ってきた竜車に乗る。するとドランが話しかけてきた。

「そう言えばチカゲ、君凄い変な属性の魔法使えるんだね?」

「、、、?」

「?」

「にゃんの属性?」俺に続きフェリスとクルシュ様も耳を傾ける。

「チカゲが使える属性は無属性だよ。」は?無属性?

「それって全属性使えるってこと?」フェリスが聞くが、ドランは首を横に振った。

「どの属性でもないってことだよ。言っちゃえばマナが必要なとんでもない能力。いまからその能力を言うから。えーと、肉体変化、物体操作、重力操作、衝撃操作、時空操作、時間操作、生体操作、空中移動、顕現、だよ。細かい説明はあとで。」何て反応していいか分からない。フェリスとクルシュ様も同様だ。

「それってどうなのですか?」

「こんな属性見たことないや。やっぱチカゲといると退屈しないね。純粋に強いと思うよ。あー、そう言えば僕も能力を使えるようになったんだよね。竜車に一人分の空きはある?」確認する。ちょうどあと一人座れる。

「はい。」

「それじゃあいくよー。胸の宝石から粒子が出てきて空席にそれが集まる。やがて人の形になった後、光った。」眩しさに目を閉じる。閉じた目を開くとそこには灰色の髪の美少女が座っていた。

「どう?僕の能力。スペース削減でしょ?」ていうかドランって女だったんだ。

「ドランって女だったのですね。」

「え?知らなかったの?」まさかの僕っ娘。真精霊は女だったか!

「ドランちゃん可愛い!!」

「でしょでしょー?」フェリスがドランに抱き付く。っていうかいつの間に仲良くなったんだよ!?

「まぁ。これからはこの格好でいることが多くなると思うからー。改めて宜しくねー。」

「あ。はい。宜しくお願いします。」未だに驚きが抜けきらねぇ。それは邸に着くまで続くのであった。




読んで頂きありがとうございました!!

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