Wonderful World!!   作:ワイバーン

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一か月の間放置してしまい申し訳ありません。
更新スピードは亀のように遅いです。

また次の話は初の戦闘回でその都合で今回の話は短めです。


第4話「使命」

 

 俺は今絶賛大混乱中だった。

 魔族を倒そうと意気込み村を出て船でテンブリス大陸を目指そうとしたところ、船は嵐で全壊し極寒の地フリギディッジ大陸に漂流。ホワイトサーペントに襲われ死んだと思ったら絶世の美女に囲まれハーレムを形成していた。そして、そこに氷雪族の女王と名乗る【ニクス】が現れ俺を旦那様と呼んだ。

 

 今までの状況整理をしたがまるで意味が分からない。何なのだコレは。夢であってくれ。

 

「うふふ、レシスト。レシストー」

 

 ニクスは俺の腕に抱き付き、しきりに俺の名を呼ぶ。幸せを噛み締めているようで、先程までの威厳のあった顔が見る影もないほどだらけきっている。

 

「ニクスさん?あの私全く状況が掴めていないのですが」

 

「そないな他人行儀なんてイヤやわ。レシストもウチんこと呼び捨てで呼んでや」

 

「…あの、ニクス?」

 

「はーい」

 

 デレデレとニクスは顔を擦り付けてくる。

 

「状況説明をお願いしたいのですが」

 

「んー?状況?ウチがレシストのお嫁はんで、レシストはウチの旦那様や」

 

 わーい、俺いつの間にか結婚してたんだ。

 

「じゃなくて、いつの間に結婚してることになってるの?」

 

「えー、言わせるん?知りたかったらレシストはうちに好きって言うて」

 

「……」

 

 駄目だ、まるで話が通じない。

 

「言うてくれへんの?」

 

 うっ、涙目になりながらの上目遣いはヤバい。元々が美少女なだけにその破壊力は計り知れない。

 現に俺はそれぐらい言ってもいいんじゃないかと思ったほどだ。

 

「ちょっと待ったぁぁ!!」

 

 その時、入り口のから物凄い形相のミューリが飛び込んできた。

 助かった。

 

「レシストッ!あんたこんな小さい子に手を出すなんて犯罪よ!!」

 

 あ、これ全然助かってない。

 

「今すぐあんたを去勢してやる!」

 

「ちょ、ちょっと待て!落ち着け、俺の話を聞け!」

 

「問答無用!天罰覿面!悪・即・斬!」

 

 駄目だ、目がイッてる。既にミューリは人差し指と中指から伸びる魔力メスを作り上げている。

 完全に俺のモノを切り落とす気だ。

 

「待ちいや、部外者は引っ込んどきや」

 

 ニクスは突っ込んでくるミューリを制止し、親の仇を見るような目で睨み付ける。

 先程までの可愛い表情から一変したその様相に、ミューリはおろか俺まで気圧された。

 

「私はあなたのことを思って──」

 

「余計なお世話や。ウチはレシストに操を捧げるって決めたんや」

 

「なっ!」

 

 その発言にミューリはかなり動揺していた。それもそうだろう、見た目は10歳ぐらいの少女が操を捧げるなんて言葉が飛び出してきたのだ。

 

「そんなの駄目よ、そんなのおかしいわ。だってあなたは子供なのよ?」

 

「ウチらとエルフを一緒にしいひんでくれる?ウチらは初潮が来て大人になる。ほんで殿方にお種を恵んでいただいて子孫を残し育て死んでいく。それがウチら氷雪族の一生なんよ!部外者は黙っていなさい!!」

 

 有無を言わせぬ空気が辺りに充満している。10歳の少女がこの空間を支配しているとは信じがたい。

 だが、ニクスは女王。氷雪族という種族の頂点に立つ王なのだ。

 

「…貴女たち氷雪族を意図せず侮辱してしまったのは謝るわ。だけど私とレシストは魔王を倒す旅の途中なのよ。悪いけどこの大陸にずっと居ることは出来ないの」

 

「魔王?」

 

「ええ、そうよ」

 

 そこでようやく俺達の目的を話すことが出来た。しかし、─

 

「へえ、外ではそんなんになっとったのね。やけど、ウチらには関係あらへんわ」

 

「なっ!」

 

 ニクスは笑いながら一蹴した。

 

「貴方たちの目的はえらい立派やわ。せやけどね、ウチは氷雪族の女王。貴方たちの目的と同様にウチには種の繁栄ちゅう目的があるの。その目的に必要な殿方がやって来たなら力ずくでも奪うたる」

 

 ニクスは種の頂点に立つ者であるからこそ、種を残していくという使命がある。

 少女の様相で勘違いしていたがこの子は立派な王だ。

 

「ニクス?」

 

「はーい、なんどすか?」

 

 先程までの威厳が嘘のように可愛らしい少女の顔がそこにあった。さっきまでの殺伐とした空気が嘘のようだった。

 

「すまなかった。俺はニクスが子供だからワガママを言っているだけだと思っていた。でも、違った。ニクスは立派な王だ」

 

「い、いきなりどないしたん?」

 

 ニクスはその真っ白な顔を真っ赤にさせ照れる。

 

「そ、そんなん言うたってレシストはもう逃がさへんよ」

 

「俺はニクスにただ謝りたかっただけだ。それとこれとは別だ」

 

「もう、調子狂うてまうで。なら条件があるわ」

 

 

 

「本当に大丈夫か?」

 

「ええ、任せて。絶対に勝ってくるから」

 

 俺は心配でミューリに声をかける。外面は気丈に振る舞っているが小刻みに震えているのが分かる。

 

 ニクスが出した条件。それはミューリとニクスの一対一による勝負をすること。

 ミューリは争い事が嫌いなため俺が代わりに出ると言ってもニクスは聞かなかった。何でも氷雪族は男性に対して絶対に攻撃してはいけないという掟があるためだ。

 

「ここで負けたら一生出られないからね」

 

「わかった。頼むぞ、ミューリ!」

 

「ええ、任せなさい!」

 

 そしてミューリは目の前で待ち構えているニクスに立ち向かう。

 

 

 

 ニクスは亡き母の言葉を思い返していた。

 

『もし、ニクスが添い遂げたい殿方現れたらなら──』

 

 母様、ウチ本気であの方と一生を過ごしたい。

 

『命を懸けてでも奪うたらええ。我ら氷雪族の寿命は40もあらへん。その短い命を燃やしんさい。そうしたらきっと貴女は後悔なんてしいひんさかい』

 

 母様、それが今この時なのですね。

 

 

 

「貴女、医者なんやろう?戦うことなんて出来るん?」

 

「こっちこそ、ニクスは女王様なんでしょう?降参するなら今のうちよ」

 

「…後悔するとええわ」

 

 ニクスはそう言うと両手に持っていた扇子を開き膨大な魔力を練り上げる。

 

「悪いけど女王として、一人の女として、あの人は渡さへん!

 【コキダイン】!」

 

 氷結系魔術の上級魔術を発動した。

 




読まなくても大丈夫なコーナー

Q.何で氷雪族は-70℃でも平気なのか?

A.氷雪族のみが扱える【断熱魔術】のおかげです。この魔術は常時展開型の魔術でありながらも消費魔力は極端に少ないです。ていうかこの魔術が使えなかったら氷雪族だとしても死にます。
効果は自分に適した温度を保てるとかそんな感じです。


Q.氷雪族に助けられた後、何でレシストとミューリは-70℃でも普通に動けるの?

A.氷雪族の村には村を覆い尽くすように先ほどの【断熱魔術】が展開しているからです。密集した所で【断熱魔術】が多数展開するとドーム状に【断熱魔術】がかかるようになります。
なぜこうなるのか氷雪族でも分かっていない。勿論作者も良く分かってない。
こんな適当で本当に申し訳ない。
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