血盟城に帰ってからのコンラッドは、よく1人で考え事をすることが多くなった。
時にはため息もよくついている。
「どうしたんですか、コンラッド」
「……別に、何でもないよ」
「そうですか…」
挙句の果てにはギュンターにまで心配されるほどだった。
それほど周りから見ても様子がおかしいと思えてしまうようになっているのだ。
「絶対、リアのこと考えているよな」
中庭でたたずむコンラッドを執務室の窓から見ながら有利は言った。
「リアですって!?」
有利が口に出した何ギュンターはひどく反応した。
「陛下っ!
リアに会ったのですか?!」
「ど、どうしたんだよ、ギュンター」
驚きそのまま有利に迫ってきたギュンターに有利は顔をひきつらせながら尋ねる。
「生きてたんですか・・・」
「何?
ギュンターも知ってるの?」
「もちろんです!!
リアは魔術も剣術も国一でした
この眞魔国を陰ながら支えてきたのは、リアです
いつしか彼女は影の魔王とさえ言われていました」
「え?!
じゃあなんで彼女が魔王にならなかったんだ?
魔力もすごかったんだろ?」
「えぇ
リアの魔力は上王陛下よりはるかに上でした
しかし、彼女は精霊の血が入っていたのです」
「へ?」
「彼女は、魔族と精霊の間に生まれた奇跡の子なのです」
「……精霊って子供産めるの?」
「いえ、そのようなこと聞いたことがありません」
「だから奇跡・・・か」
「その通りです、陛下」
いきなり知らされた新事実に有利は驚愕の気持ちだった。
ありえないことにはだんだん慣れてきてはいたがまだまだ耐性ができていなかったようだ。
しかしふとした疑問が浮かび上がる。
「でも、何で精霊の血が入ってたら魔王に慣れないんだ?」
有利は納得がいかないという顔をして、ギュンターを見た。
「くっ、・・・・そのように見つめないでぐだざい、べいが・・・・」
先程までの真剣な顔はどこへ行ったのか、いつも通りのギュンターに戻っていた。
ギュンターはギュン汁を出すのを抑えながら有利に言った。
「うわぁ!
何やってんだよ、ギュンター!!」
しかし長く抑えておくことはできずギュン汁をまき散らす。
有利はうまくギュン汁をよけながら、叫んだ。
「も、もうじわげございまぜん、べいが」
「……もういいよ」
有利は苦笑しながらギュンターにたまたま持っていたタオルを渡す。
「べ、べいががわだぐじにダオルを・・・・」
有利の優しさに感極まったギュンターはそのまま部屋を飛び出して行ってしまった。
「?
・・・変なギュンターだな」
コン コン
ガチャ
「ユーリ、今ギュンターが飛び出してきたようですが…」
「う、うん
どうしたんだろうね~」
ギュンターが飛び出していった後すぐにノックがしてコンラッドが入ってきた。
「なぁ」
「はい?」
「どうしてリアは、魔王にならなかったのかコンラッド知ってるか?
さっき聞いたけど俺よりずっとすごいじゃん」
リアという名前が出るとコンラッドは一瞬、顔をゆがめたがすぐにいつも通りの爽やかな笑顔に
戻った。
有利はその一瞬を見逃さず、「しまった」という顔になった。
「……リアは、精霊王になることは精霊たちより誘われていたしたから・・・」
「そ、そうなんだ
・・・コンラッド!俺そろそろ執務に飽きてきたからさ、走りに行こうぜ!!」
有利は自分の発言で傷つけてしまったと思い精一杯の慰め(というか、雰囲気に堪えられずに
話を変えたという方が正しいだろう)に外へ誘う。
「はい」
それをわかっているコンラッドはそのまま有利と一緒に部屋を後にした。