すれちがい   作:蛍火

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第7話

 

 

 「母上」

 

 「何です?リューイ」

 

 「大丈夫ですか?」

 

 「何がです?」

 

 

 

 リアはリューイの問いに答えながら微笑む。

 しかし、その笑みが作られたものであることはずっと傍にいたリューイには簡単に分かった。

 

 

 

 「いえ・・・、何でもありません」

 

 「変なリューイですね」

 

 

 

 リアは普通に話し笑っているつもりだが、その笑顔は見ていて悲しくなるほど痛々しかった。

 そんな母を見て、リューイはある一つの決心をした。

 

 

 

 「母上、しばらく留守にしますがよろしいでしょうか?」

 

 「珍しいですね

  お前が自分から休みを望むなんて……」

 

 「少々気になることがありまして」

 

 「………いいですよ

  気を付けて行って来てください」

 

 

 

 リアはしばらく無言でリューイを見つめると、一つ瞬きした後に許可を出した。

 

 

 

 「ありがとうございます」

 

 

 

 その場で深く頭を下げるとリューイはすぐに部屋を後にした。

 目指す先は、魔王の、あの男のいる血盟城だ。

 

 

 

 (あの者を連れて来よう

  あれ以上母上の痛々しい姿を私は見たくない…)

 

 

 

 森を抜けるとリューイは姿を狼に変え、全速力で血盟城を目指した。

 

 

 

 

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