機動戦士ガンダムSEED ~新たなるイノベイター~ 作:メカ好き
気が付けば戦闘は終わっていた。気を失っていた間に大分流されていたようで、あれほどの戦闘があった宙域ならば視界の至るところにMSやELSの残骸が見える筈なのにそれが全く見当たらない。
「ここは一体?」
《気が付いたか》
「っ!?脳量子波か!?」
《その通り。私は君たち人類がELSと呼ぶ存在だ》
「な!」
ELSだと!?
《心配しなくても君に危害を与えるつもりはない》
「・・・・・・」
普段なら信用しないところだが脳量子波からは嘘は感じられない。いや、それ以前に何故俺はここまで脳量子波に敏感なレベルまで
《色々と説明しなければならないが先ずは現状を説明する》
「ああ、頼む」
《今私達は元の世界とは違う平行世界にいる》
「・・・は?」
《どういうわけか奇跡としか言い様のない偶然の連続に加えあの中型ELSの爆発で時空に歪みが出来てしまい私達はそれに飲み込まれたのだ。その後歪みは一時間存在したが私達がこの世界に放り出された後に小さくなってしまっていてね、向こうにいる私の仲間と情報を共有するしか出来なかった。その後ある一人の人間が私達と対話を成功させ私達の母星に旅立った後に時空の歪みは消失した。ここまでで質問はあるかね?》
「・・・お前達は何故あのようなことを?」
《私達は対話の前はああするしか他の生物とコミュニケーションを取れなかったのだよ。しかし私達と対話を成功させた人間の強い脳量子波とあの粒子によって私達は人間と脳量子波で交信する事が出来るようになった》
「そうか・・・」
《・・・君は私達を憎まないのか?》
「俺もお前の仲間を殺した。それに俺は軍人だ。被害にあった市民を守れなかったのは俺達の力不足だ。それにお前達を恨むのなら死んでいった仲間を侮辱する行為だ。彼等は、アイツは市民を守って死んだんだ。アイツの死を汚したくない」
《そうか》
俺は気を取り直して話を変える事にした。
「そう言えばお前の本体は?」
《一部は勝手ながらGN-Xと融合させて貰っている。生命維持関係の機能に不具合が生じていたのでな。両足も私の身体で代用している。他は拠点の開発と情報収集を行っている》
「ああ、何から何まで感謝する」
《それで、これからどうするつもりだ?》
「・・・」
帰還は絶望的、となれば
「・・・この世界で生きていく事になるだろうな。生き方はこれから世界を見て知って考える」
俺はこの世界に来て完全にイノベイターとして覚醒した。だが俺は軍人として生きたい。養父やアンドレイが目指した市民を守る軍人として。