遊戯王の世界でソリッドビジョンに吹き飛ばされダメージを受けるデュエリスト達
デュエリスト達はモンスターに一方的にボコられるだけなのか!?
いいえ、真っ当なデュエリストはモンスターの攻撃を避けたりなんかしないだけなのです
真っ当じゃないデュエリストがとってしまった行動、その結末をどうぞ

1 / 1
遊戯王のダイレクトアタックって怖いデスヨネ
あんな魔獣だの剣持った人だのが襲い掛かってくるんですよ
アニメでもよく「うわー!」とか叫んで吹っ飛んでますし、リアルダメージありますよね
私なら、デュエル中で怪我しないとしても、おとなしく攻撃されたくはありません
そんな事を考えていたら思い浮かんだ話がこれです
どうぞ気楽に読んでいただけると嬉しいです


遊戯王リアルファイターズ!

問題:遊戯王の世界で、ソリッドビジョンの相手モンスターの攻撃を物理的に回避したらどうなるのか?

答え:ダメージが発生しません

 

問題:遊戯王の世界で、ソリッドビジョンの相手モンスターを殴り倒したらどうなるのか?

答え:モンスターは破壊されます

 

ファッ!?

 

 思わず変な声が出たんだ。デュエル中にあまりにリアルなモンスターが襲い掛かってきたんだが、痛そうだったので攻撃を避けてみたんだ。その上にいい具合に入りそうだったので、カウンターで急所を殴りつけたらモンスターが砕けて墓地送りになった。

 そんな状況になったら誰だって変な声が出るに違いないよ。

 

 正直そんなつもりはなかったんだが、ソリッドビジョンのバグっぽい。デュエル相手にちょっと中断を申し出たところ、相手も動揺していたので受けいれてもらえた。

 

「これ、バグっぽいし、このままデュエルすると深刻な不具合が発生するかもしれない。下手するとカードやデュエルディスク自体が破損する恐れがあるし、一旦中断してメーカーに問い合わせの電話をしようと思うんだけど構わないかな? 構わないよね? カードやディスクが破損する危険を無視してまで続ける意味はないし、いいよね?」

 

 かなり強引な交渉であった。が、まぁ相手だってこれだけ脅されたら同意せざるを得ない。そのままメーカーである海馬コーポレーションに連絡。事情を話して緊急対応してもらう事に。

 なぜかわからないが、スタッフがヘリで来て本社に連れていかれる事になった。当然一人で行くのは嫌だったので、デュエル相手も道連れだ。ふはははは、死なばもろともよー!

 

 それから、海馬コーポレーション本社に併設されているデュエルディスク開発研究所とやらで、再現実験。とりあえず相手にダイレクトアタックしてもらって、カウンター。エルフの剣士は顔面に拳が突き刺さって破壊された。剣で切りかかるなよ、怖いだろうが。

 

「なっ!?」

 

 研究員が全員絶句。俺と対戦相手は乾いた笑みと言うか、やっぱりなー、またかーって表情で顔を見合わせる。

 

「訳の分からない状況になったよなぁ。これ、たぶんバグだと思うし、修正に協力しますかね?」

「だよなぁ……下手したらリアルファイターがデュエル技術ゼロで優勝する世の中になっちまうよな。デュエリストとしてそれはつらい。」

 

 凍り付いたままの研究員を余所にデュエルを中断して対戦相手と雑談を始める俺達。だって、再現性が確認された以上、原理やら解明やらは研究員の仕事。俺達の手に負えないし、仕方ないじゃないの。

 それから数時間の検証により、ソリッドビジョンの表示出力、実体化率? を落とすことにより、物理破壊されなくなることが分かった。実際、通常起動のソリッドビジョンの場合では風が巻き起こったり、炎の熱気を感じたり、ダイレクトアタックでの衝撃を体感したりとあったのだ。もともと過剰出力だった可能性がある。でも、モンスターの物理破壊が発生しない出力まで下げると、モンスターは半透明で透けてしまうし、ダイレクトアタックの衝撃も素通りで興奮度は80%減少って感じだ。

 ちなみにリアルファイトでモンスターを破壊できるのは、バトルフェイズで攻撃宣言後、ダメージ計算終了時までと言う事も判明したよ。

 

 そして、最後にモンスターに物理攻撃して破壊しまくりながらデュエルを続けたらどうなるかと言う実験。

 

 これ、予想通りでした。

 

 自分のカードとディスクが壊れたら嫌なので、テスト用にフルモンデッキとテスト用ディスクを借りて試す。最初の方は殴り倒しても問題なく? 進んだ。と言うかモンスターが破壊されてる時点で問題だらけだし、ライフが減らないのでデュエルにならないんだけども! まぁ、デュエルを続けること自体はできた。

 でもモンスターの物理破壊が3体目になると、破壊されたカードが破れた。それもカードの攻撃守備の数値が高いヤツ程派手に破れる。攻撃2000、守備0のヤツよりも、攻守1500の奴の方が派手に裂けてバラバラになったので、おそらく合計値が高い程影響を受けるのだろう。その上破壊が一定量を超えると、ディスクまで爆発した。

 ただ、気になったのが最後に殴り倒した翻弄するエルフの剣士が、攻撃宣言をされた時に一回対戦相手のデュエリストを見てから死んだ魚のような目で切りかかって来たのがなんか怖かった。

 

「予想してたけど、あの時デュエル中断してよかったなぁ。そう思わね?」

「続行してたら危なかったなぁ。助かったよ。」

 

 その後、しばらく研究所の協力者としてテストプレイヤーする事になった。おかしいなぁ、デュエルしてるハズなのに、俺だけデュエル中にモンハンしてる気分だよ。人型ならまだいいんだけどさ、攻撃よけてカウンターで簡単に倒せるから。でも、ドラゴンとかどうやって倒すのよ。モンスターには魚や鯨とかもいるんだぜ? と言うかロボットもキツイ。でも、一応テストだから、デュエル中に格闘してぶっ壊してますけど。

 

 暫くそんな生活しているうちに、俺はなぜか研究員にリアルファイターとか呼ばれるようになってしまうのでした。

 

 

 

追伸:先日、装備カードのデーモンの斧を自分で持って、マグネット・バルキリオンとかレッドアイズブラックドラゴンのカードと殴り合えるようになりました。俺は元気です。



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。