Phantasy Star Contractors   作:FatherBear

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どうもクマです!
よろしくお願いします!


賛歌

 

 

 

投げつけたヴィタライフルがトランマイザーに直撃する。当たった箇所は若干ではあるものの凹んでいた。

 

「ちょっ!?先輩何を!?」

 

「…行け。わからんのか…?」

 

アッシュを睨み付ける。その目はいつもの白色ではなく身体の色より明るい、鮮明な赤色になっていた。

 

「ッ…!りょ、了解しました…。お気をつけて…!」

 

そう言うとアッシュは肩をフーリエの脇に入れ、担ぎながら移動し始めた。

 

「それでいい…。さて、始めるか…。」

 

その手には華奢な見た目に見えて、どこか圧倒的な存在感を感じさせる赤い刀身の『刀』が握られていた。

 

「少し力を借りるぞ…。【蒼鬼】!」

 

【蒼鬼】は半強制的に力を引き出され、暴走しない程度に開放された。エリザベスの目は真っ平な深紅から、黒目の中に線状の六角形の目に変わっていた。この状態は、エリザベスが最終手段として使う戦法。名を付けるとすれば、『蒼鬼半強制開放状態』だろうか。その状態になると何ができるか。それは…

 

「ふぅ…さて、まずは…」

 

右腕を大きく縦に振りかぶり、握っていた刀を構える。

 

「試運転と洒落こもう!」

 

半端ではない勢いで刀を振り下ろす。砂ぼこりが立ち上った。

 

《ギィィィィィィィンンンンンン!?!?!?!?》

 

装甲板をもろともせず、回避行動をとっていたトランマイザーの右脚の中の骨ごと切り裂いた。断面からは、電線…ではなく、液体化したダーカー因子が駄々流れていた。

 

「こんなものか…。ん…。美味いか、【蒼鬼】。」

 

【蒼鬼】の能力その1。産み出した刀、世果Ⅱでダーカー因子を吸収する事が出来る。ダーカー因子は【蒼鬼】の主食だ。エリザベスは普段は身体にダーカー因子を若干量注射している。何故か?そうしなければ、飢えた鬼に身体を乗っ取られ、見境無しに生命を貪り尽くすだろう。

 

「…何?まだ食わせろ、だと?無論。今日はご馳走だ。誰も横取りしやしない。ゆっくり食え。」

 

そう言うとエリザベスは刀についた残りカスを振り払い、料理を再開した。

 

 

 

 

「………。」

 

遠くで見ていたアッシュは絶句していた。自分たちがあれほど苦戦していた相手にエリザベスが何も苦戦する事なく、むしろ楽しんでいる様に見えた。

 

(まさか…エリザベス先輩…。)

 

アッシュは心の片隅でこう思った。自分たちが足手まといだったのではないか、と。だってそうだろう。あんなに圧倒出来るなら最初からやっている。なのに、先輩はそうしなかった。理由は…わからない。けど、自分たちがいなくなった瞬間にあぁなったのだ。そう言うしかなかったのだ。

 

(…力及ばずか…。すいません先輩…!)

 

アッシュはその後ろ姿を脳裏に焼き付けていた。

 

 

 

 

 




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