Phantasy Star Contractors   作:FatherBear

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おはようorこんにちはorこんばんは!
くまです。
今回も楽しんでいってください!


前兆

 

「はぁ…こっちは問題無しか。全く、試験監督官というのも面倒だな…。」

 

あの事件から、約10年。俺は名前と容姿を偽り、現在アークスとして活動している。

こちらでの名前は、『Elizabeth』。種族はキャストとして、【蒼鬼】ではなく、ただただ普通のアークスとして活動している。

容姿は、全身赤い鋼で覆われた擬体である。

今日はアークス入隊試験の試験監督官として、会場の監視を行っている。

 

『エリザベスさん、少しよろしいですか?』

 

「…何だ?ブリギッタ。」

 

オペレーターからの通信。少し声色が焦って聞こえる。

 

「先程から、大気中のフォトン濃度が上昇し続けています。これは、はっきり言って…異常です。」

 

「なんだと…?」

 

フォトン濃度の上昇。それが意味するもの…

 

「…『ダーカー』か?」

 

『断定はできませんが、恐らく…。』

 

ダーカー因子とフォトンは、性質は違えども元は同じ。という事は、ダーカーが現れる=フォトン濃度が上昇する、という訳だ。

 

「了解した。一番濃度が高い場所の座標を送れ。」

 

『了解しました。……座標送信完了。ただちに目標地点に向かって下さい。』

 

 

「ここか…。」

脚部のローラーと足腰のスラスターをフルに動かし、現場に到着した。

一見普通の草原に見える。が、実際に計測してみると、基準値の5倍以上のフォトン濃度が検出された。

 

『何か異常はありましたか?』

 

「…見た感じは特に…。」

 

『了解しました。引き続き調査を行ってください。』

 

心地の良い風、心地の良い空気。環境としては非常に良かった。ダーカー因子が無ければ。

刹那

 

「…。」

 

(なっ…!?)

 

何もない空間から突如として人(?)が現れた。アークスなのか…?

黒いコート。ワンポイントに紫。髪が黒と紫のグラデーション。そして一番の特徴とも言える黒い仮面。手に持っているのは…コートエッジか…?

俺は咄嗟に隠れ、様子を伺った。

 

「…ここではない…。」

 

(何かを探している…?)

 

…待て、あいつに気を取られて気が付かなかったが、フォトン濃度計測機の数値が先程の比にならない程上昇している。まさか…あいつが…?

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「やめろ…!やめてくれぇぇぇぇぇ!!!!」

 

突然の事だった。

(くっ…!最悪だ…!)

「ブリギッタ!状況は!」

 

『はい!周辺地域に大量のダーカーの出現を確認しました!既に死傷者も出ている模様!現在の任務を放棄の後、ただちに救援に向かって下さい!』

 

「了解した、ただちに向かう。」

 

 

状況は最悪だった。地面にはダーカーが受験生達に与えたであろう傷から出た血がそこら中に散らばっていた。

 

「これは…、酷いな…。」

 

周辺地域のダーカーをある程度掃討した後、辺りを見回した。

「あ!おい!アンタ!大丈夫か?」

 

「お前は…ゼノか。」

 

赤髪の勇敢な青年、ゼノが現れた。彼とは先輩と後輩の関係で、まぁまぁ仲がいい、と認識している。

 

「おいエリザベス、そっちはどうだった?」

 

「…虫型ダーカーと、血痕と死体…しか見ていない。」

 

敢えてあの仮面の男(?)の事は言わなかった。こういった不確実な情報は現場を混乱に陥れるだけだからだ。

 

「そうか…。俺もそんな感じだ。しっかしどうなってんだ?この惑星ナベリウスにはダーカーは出ないんじゃなかったのか?」

 

「…わからん。だが今はそんな事を考えている時ではない。そういうのは上の連中が解明してくれるだろう。」

 

「そうだな…!よし!じゃあまだ逃げ遅れたやつがいないか探しに行くぞ‼」

 

 

 

「はぁっ…!はぁっ…!くそっ、どうなってんだよ!何でダーカーなんか…!」

 

「落ち着けアフィン。」

 

「けどよ…!仲間が…!あぁくそ!!!」

 

今回の試験の受験生、アフィンとアッシュは物陰に隠れ、脱出の機会を伺っていた。

 

「大丈夫だ、必ず助けは来る!」

 

「…けどよ…!」

 

「……。」

 

互いに疲弊した体では、もはや言い争う気力も起きなかった。

 

(早く…!来ないのか助けは…!)

 

ー助けてー

 

 

頭の中に女の子の声が流れてきた。

 

「…!?」

 

「…?どうしたんだよ相棒?」

 

「いや、女の子の声が…。」

 

「女の子の声…?そんなの聞こえなかったぞ?」

 

…おかしい。俺が聞こえてアフィンが聞こえない訳がない…。と、いうことは…。

 

「気のせい、なのか?」

 

 

ー助けてー

 

 

まただ。

 

「…!」

 

「おい、まさか声の正体を確かめに行く、とか言わないよな?」

 

「けどもし、本当に女の子がいたらどうするんだ?見捨てるのか?」

 

「それは……。」

 

「じゃあ俺は行く。アフィンは先に脱出してくれ。」

 

「あ、おい!まだ何も言ってないだろ!わかったよ行くよ!」

 

 

 

「どうだ?誰かいたか?」

 

「生命反応は出なかっt…いや、『3つ』確認した。」

 

「3人か…。了解!すぐに行くぞ‼」

 

おかしい、いきなり3つだと?そんないきなり出てくるものでは無いのだが…。

 

「おい、どうしたエリザベス。早く行くぞ。」

 

「あ、あぁ。すまない。行くぞ。」

 

この時の俺達にはわからなかった。いや、わかる術などありはしなかった。

そう、この全ては『前兆だということを』。




お疲れ様でした!
次回をお楽しみに!
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