Phantasy Star Contractors   作:FatherBear

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どうもくまです!
今回はあの人が…?


ずっとこの日を待っていた

 

 

日も暮れかけ、周りの木々がオレンジ色に輝いて見える。そんな美しい風景とは不釣り合いな二人が3つの生命反応を探して動き回っていた。

 

「ゼノ、そろそろ日が落ちてきた。これではもし敵に遭遇した場合我々も危険に陥ってしまう。一旦引き上げて、明日から捜索することを推奨する。」

 

「日が落ちてきたからって仲間を見捨てんのか?駄目だ。それはできない。」

 

だが、そういうゼノも疲労が溜まっているように見える。

ダーカーが突如大量発生してからおよそ12時間。最後に3つの生命反応を捉えたのはおよそ5時前。それ以降その反応は途絶えたままになってしまっている。流石にこれ以上の活動は厳しい。

 

「…。」

 

ゼノの意見も否定は出来なかった。俺も悪魔ではない。仲間を見捨てる、という事はしない。俺の言ったことは、『一旦引き上げて万全な状態で捜索を再開する。』という事だ。決して『見捨てる』という意味ではない。

 

「…わかった…視界モード、暗視に切り替え。捜索を続行する。」

 

「サンキュー!エリザベス!」

 

 

 

声の主を探すこと数時間、俺とアフィンは十字路でダーカーと遭遇。それを何とか撃退した。

「はぁっ…!はぁっ…!これで、終わり…なのか?」

 

「た、多分な…。」

 

小型とはいえ数が数だった。それに慣れない実地での試験だ。もうすぐ日も暮れる。正直に言えばこの状況は誰が何と言おうと最悪だった。

 

「結局、見つからなかったか…。その女の子。」

 

「くそっ…!」

 

ー助けてー

 

「!?」

 

まただ。それに、あの時より声が大きくなっているように聞こえる。

 

「近いぞアフィン!」

 

「ほ、本当かよ!?よくわかるな…。」

 

「こっちだ!」

 

こうして俺達は十字路をに北に向かった。

 

 

「…北に向かっている。」

 

生命反応が北に向かっているのが視界モニターに映し出される。俺達は現在生命反応がする場所から見て南の辺りにいる。

 

「北か?その辺にゃ何もない気がするんだが…。」

 

「だが現に向かっている。しかも何かに引き寄せられる様に。」

 

「なんだそりゃ…。とにかく北に向かうぞ。もうこれ以上犠牲者を出させる訳にはいかねぇ。」

 

「そうだな。ブリギッタ、こちらエリザベス。応答せよ。」

 

『…!エリザベスさん!ご無事だったのですね!』

 

「これからゼノを連れて残りの3人を救助しに向かう。キャンプシップには、この座標まで向かうよう通達してくれ。」

 

『了解しました。ご武運を。』

 

だが、それは誤りだった。何故俺は『この座標にセットした』?俺がしたんじゃないか?違う。無意識だった。まるで何かに体を乗っ取られたかの様な感覚だった。

 

「…?」

 

「どうしたよエリザベス。お前今日様子が変だぜ?」

 

「あぁ…冷蔵庫に入れておいた甘味がうちの阿呆共に食われていないか不意に思ってな…。」

 

「おいおい…しっかりしてくれよ?」

 

こうして俺達は北に向かった。

 

 

「こっちか…?」

 

女の子の声を辿っていく。次第に声は大きくなっていく。

 

「ここだ…!」

 

声が今までで一番鮮明になった。間違いないここだ。

 

「…ッ!」

 

そこには長い銀髪をツインテールにし、白い服を纏った小柄な女の子が倒れていた。

 

「助けて…」

 

その声は非常に弱く、かなり衰弱しているのが見て取れる。

 

「お、おい。その子なのか…?」

 

「あぁ、この子だ。」

 

「ダーカーに襲われたのか…?でも、目立った外傷とかは無いし…。」

 

「たしかに…。」

 

その時だった。

 

【シャアァ…】

 

「「!?」」

 

ダーカーだ。それも5匹。ダガンと呼ばれる四足歩行の虫型ダーカー。主に群れて行動する。そんな奴が今現れた。

 

「おい!どうする相棒!流石に怪我人を抱えたままは…!」

 

「くそっ!」

 

1匹が飛びかかってきた。

 

ー刹那ー

 

「うおおおおおおッッッ!!!!!!!!!!」

 

【!?!?】

 

フォトンの銃弾がダガンのコアを貫いた。

 

「な、なんだ!?」

 

「フォトンブラストォ!!!」

 

赤髪の男がそう叫ぶと、白色の美しい一角獣が飛び出し、ダガンの群れを一掃した。

 

「おいアンタら!大丈夫か?」

 

「は、はい!良かった…!助けが来た!」

 

「あぁ…!本当にな!」

 

男が周りを見渡す。

 

「んっと…?3人って聞いたんだが?」

 

「3人…?あぁ!多分この子です!」

 

「多分?アンタらの連れじゃないのか?」

 

「いえ、そこに倒れているのを発見して、ダガンに襲われていた所でした。」

 

「そこに俺が助けに入った…と。」

 

なるほど、と頷く。

 

「とりあえず、エリザベスに連絡っと…。」

 

だが安心するのが早かった。青年の背後にどこか潜んでいたダガンがその鋭い爪で切りかかろうとしていた。

 

「…!危ない!」

 

「何!?」

 

だがその爪は届く事はなかった。爪が青年に届く寸前にダガンが頭から真っ二つにされたのだ。背後に立っていた深紅のキャストによって。

 

「大丈夫か?3人共。そしてゼノ、油断するな。」

 

その姿はまるで、『鬼』のようだった。

 

 

 

「きゃ、キャンプシップだ…!助かったんだ俺達!やったな相棒!」

 

「あぁ!本当に良かったよ!」

 

「あんだけ疲れてたってのに、随分と元気に喜ぶなぁ。」

 

あの後俺達は指定の座標に待機するよう通達したキャンプシップに回収され、『第八番艦ウィン』に帰路を辿っていた。そして例の女性は今俺の腕の中で寝息を立てている。その隙に彼女が一体何者なのか確認した。もし別シップの住人だった場合元のシップに送り返す為だ。しかし。

 

「…?どういう事だ?」

 

何も出てこなかった。検索ワードに何も引っ掛からなかった。どういう事だ…?まさか原住民?いや、今までナベリウスでそんな文明は確認されていない。

 

「ちょっ~と!ゼノ!あなたに何回も通信入れたのに何で出てくれないのよ!心配するでしょ!?」

 

「だぁ~、悪かった!悪かったって!」

 

「悪かったって言うけどそれ何回目よ!大体ゼノは…」

 

「…夫婦漫才の途中すまない。」

 

「夫婦じゃない!!!」

 

ゼノの相方、エコー。どうやら『そういう仲』らしいが、エコーはまだその事に恥じらいを覚えている様だった。

 

「俺はウィンに着いたらこの子をメディカルセンターまで運ぶ。どうせ二人で報告に行くのだろう?なら迷惑ついでに一つ頼まれてくれ。『この女の子の事を上に報告するな』。いいな?」

 

「あぁ。」

 

「うん…。けど、何で?その子アークスじゃないの?」

 

「そう思って検索にかけてみた。結果、何も引っ掛からなかった。」

 

「「!?」」

 

「そういう事だ。いいな?」

 

「「了解。」」

 

『そろそろ到着しますよ~!準備はよろしいですか?』

 

 

ウィンに到着し、ゼノとエコーは報告に、俺はアフィンとアッシュ、例の女の子を連れメディカルセンターへと向かった。アフィンとアッシュは運良く軽症で済んだらしかった。それはそれで喜ばしい事だが…問題は…。

 

「…フィリア。どうだ?容態は。」

 

メディカルセンター職員、フィリアの力を借り、別室で極秘に彼女を調べてもらった。外傷、内傷等々、身体的な事については勿論だが、俺の目的は別にあった。

 

「うん…。目立った外傷は無し、打撲や骨折も無し。だけど、あなたの言っていた通りアークスのデータベースにアクセスしても何も出てこなかったわ。一体どうなっているの?」

 

「それが分かっていれば今この子は普通に入院だ。本当に何も出てこなかったのか?特別権限持ちしか見れないデータベースでもか?」

 

おかしい、アークスであればどんな奴でも検索すれば出てくる。先程のデータベースも同じだ。なのに何も出てこない。すると考えられるのは…。

 

「やはり原住民…なのか…?」

 

「それは無いわ。だって彼女が纏っているこの服、こちらの技術が無ければ作れないわよ?」

 

じゃあ何なんだ、この子は…?

 

 

 

数時間後、彼女が目を覚ましたとの連絡を受け、メディカルセンター前へと集合した。そこには何故かアッシュの姿があった。

 

「あ!お疲れ様です!エリザベス先輩!」

 

「…あぁ、お前も来ていたのか。で?お前も彼女関係で呼ばれたのだろう?」

 

「はい。何でも、彼女について何か知っている事を話して欲しい、との事でした。」

 

「わかる事、なぁ…。」

 

すると、

 

「あ!時間取らせてごめんなさいね。来てくれてありがとう。早速本題に入るけど、彼女が目を覚ましました。それはそれで喜ばしいんだけど、彼女の事は何も分かっていないの。アッシュ君、何か知らない?第一発見者である君は、何か見ていない?」

 

軽く尋問の様な語り口でアッシュに問う。

 

「…声が聞こえました。それも、頭の中に…。」

 

「脳内に直接響く様な感じ?」

 

「そんな感じです…。」

 

それだけ聞くとまるで…

 

「まるで龍族だな。」

 

俺がそう言うとフィリアは大きく頷いた。

 

「たしかにそうね。でも、彼女のDNAを採取してみた結果、龍族のDNAらしき物は何もなかった。」

 

そんな話をしていると、センターの役員用の限界から長い銀髪をツインテールにした少女が弱々しく歩いてきた。

 

「…。」

 

「…!どうしたの?もう大丈夫なの?」

 

これはフィリアも予想外の様で、慌てふためいている。

 

「…一旦落ち着けフィリア。彼女も怯えている。」

 

銀髪の少女も小動物の様にプルプル震えながら怯えていた。

 

 

「…ゴホン。さてと落ち着いた所で。」

 

フィリアが少女の正面に屈む。

 

「あなた、お名前は?」

 

少女が放った言葉は弱々しかったが、どこか凛々しさを含む言葉だった。

 

「…マトイ、私の名前は…マトイ。」

 

「マトイちゃん、ね。どこから来たの?」

 

「…わからない。」

 

「う~ん…。困ったわね…。最後の頼みの綱だったんだけど…。」

 

するとマトイは、アッシュと俺の顔を見て、目を大きく見開いていた。

 

「…アッシュ…エリザベス。」

 

「「「え?」」」

 

「ひっ…!」

 

今何と言った?

 

「ねぇ、アッシュ君。エリザベスさん。マトイちゃんに名前教えた?」

 

「いえ、そもそも話すのも初めてですよ!」

 

そんな会話をしていると、マトイはアッシュの陰に隠れてしまった。

 

「…アッシュ君にエリザベスさん。もう一度聞くわ。『彼女に面識は?』」

 

「無いです。」

 

「無い。」

 

「そう…。わかったわ。ありがとう。他に何か分かったら連絡するわ。」

 

「はい。」

 

「了解。」

 

「あ、そうそう。たまに来てあげてね。マトイちゃん、あなた達になついてるみたいだからね。」

 

だがこの時は誰も予想出来なかった。このマトイという少女が俺達の運命を左右する事になるなんて。

 




お疲れ様でした!
今回は少し長かったかな?
ついにマトイちゃんが登場しました。
いやぁマトイちゃんかわいいよマトイ
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