Phantasy Star Contractors   作:FatherBear

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どうもくまです!
更新遅れて申し訳ない!


急変

 

 

アラート音が耳を貫く様な高音で突き抜ける。下は、空からでもはっきり見える程の大量のマグマが地面で燃え盛っていた。

 

 

《主電源起動、油圧良好電圧良好、システム標準値クリア、稼働域確認…正常、システムオールクリア。ムラサメ、発進どうぞ。》

 

《了解。ムラクモ、発進します。》

 

僕、アレックスとムラクモは惑星アムドゥスキアに来ている。なんでも、ここ最近龍族が見境無しにアークスを襲っている。挙げ句の果てに同じ龍族まで襲う様になっているらしい。今回はその原因究明の為調査に来ている。

 

《続いて、アルバトロス・ルプス。発進シーケンス開始します。》

 

「…了解!さーて、いよいよか…。」

 

僕はこの緊張感が好きだ。何故なら…

 

《…システムオールクリア。アルバトロス・ルプス、発進どうぞ。》

 

「了解!アルバトロス・ルプス、アレックス・レームフェザー!目標へ…飛翔する!」

 

自分でも自覚がある程の『戦闘狂』だからだ。

 

 

「うーん…。やっぱりいいなぁ戦場って。この高揚感が堪らないよぉ。」

 

大空を舞う戦場狂が黒い鋼を操作しながら呟く。

アルバトロス・ルプス。アレックスの操縦する人型起動兵器。黒い装甲板が特徴で、両手には大型対物ライフルが装備されている。

 

《警告。アレックスの心拍数上昇を確認。》

 

「ん?大丈夫だって!緊張してるだけだよ!」

 

適当な嘘を付く。が、

 

《声色の変化を確認。アレックスの発言が虚偽の可能性有り。。回答を求む。》

 

「だぁっ~!?面倒くさいな!」

 

嘘発見器なんて開発したやつ誰だよ!すると、ポッドが不穏な事を言い出した。

 

《警告。未確認飛行物体が高速でこちらに接近中。7時の方向、距離300m、速度200km。》

 

ふーん…。って

 

「すぐじゃねぇかバカ野郎!」

 

すぐさまライフルを構え直し、その方向に照準を向ける。

 

(どこだ…?あの速度ならすぐに見えてもおかしくないのに…?)

 

そう、現れなかった。コースを変えた…?あるいは速すぎて捉えられなかったのか…?

 

《報告。未確認飛行物体は間反対に方向転換し、そのまま高速で飛行。反応、ロスト。》

 

「…は?何でいきなり?襲ってくるんじゃないのか?」

 

《不明。ですが、これで脅威は去りました。このまま地上へと向かいます。》

 

「…了解。」

 

最初から謎だな全く…。

 

 

《着地シーケンス開始。スラスター一斉噴射開始。》

 

「よっと…。」

 

途中トラブルもあったものの、無事に地上へと降りる事が出来た。そこは灼熱の火山地帯だった。全く…、フォトンに守られているとはいえ、それでもかなーり暑い。冷たい飲み物が異常に恋しくなるな…。

 

「にしてもいいよなぁ…。ポッドって、気温とか感じないんだろう?羨ましい限りだよ全く…。」

 

《否定。熱を排出しきれずにオーバーヒートを起こす可能性有り。》

 

「なんだそりゃ…。人体で言う熱中症みたいなモンか?」

 

《肯定。》

 

機械も機械で楽じゃないって事か…。お互い大変だな…。にしても…、

 

「あづうううううううう。」

 

《報告。現在気温60℃を観測。長期間滞在すると全滅の可能性有り。ただちに任務を完了させるべきと進言します。》

 

「おいおい…。あれか?上は僕らをキンッキンの冷凍食品と勘違いしてんじゃないのか?」

 

《肯定。》

 

ジョーク通じんのか…。AIなのに…。

 

「さてと、んじゃ。進言通りさっさと済ませますか…。」

 

《了解。》

 

僕は機体をテレバイブでラボに送り、ポッドと一緒に奥地へと脚を踏み入れた。

 

 

火山の奥地に進む事数十分。僕達はある光景を目にした。

 

「おいおいマジかよ…。」

 

状況は最悪だった。龍族は殴り殺されたり斬り殺されたりして、滅茶苦茶だった。

 

「うえっ…。嫌な匂いだ…。」

 

死体から出たガスが洞窟を充満し、辺りを覆う。

 

「…これは調査しなきゃダメだよな…?」

 

《肯定。周辺地域の龍族の死体を調べる事を推奨します。》

 

…え?死体を調べるってまさか…。

 

「体表だけじゃなくて、体液とか内臓とか…?」

 

《肯定。》

 

「うげぇえええ…。はぁ…、仕方ないか…。」

 

そう言って僕は一番近場にあった龍族の死体を調べる事にした。ダーカーの侵食が激しく、体の部位はかなり欠損していたが…。僕は体表、体液、内臓。くまなく調べた。

 

「黒い斑点…?なんだこれ?」

 

肌の上から見える程黒い物が埋まっていた。

 

「とりあえず、ほじくりだしてみるか…?」

 

肉を裂きながら指を黒い物に近づける。すると、ビー玉の様な丸い物が出てきた。なんだこれは?

 

「おーいポッド!何か黒いビー玉みたいなの出てきたんだけど!」

 

《確認。こちらでも同じ物を数個発見しています。》

 

そう言ったポッドが操るムラクモの足元には、無惨にも龍族の内臓だった物やら肉塊やらが大量に転がっていた。エグい事すんなぁ…。というか待て。同じ物があるのか。

 

「ポッド、そいつが入ってた体に何か共通点とかなかったか?」

 

何か手がかりがある筈だ。

 

《映像データ分析中…。どの死体も他の物より比べダーカーの侵食が著しい事が判明。これが共通点と思われる

。》

 

「同じだ…。じゃあ、これは…。」

 

僕の読みが正しければこれは…!

 

《推測。この物質はダーカー因子の結晶と思われます。》

 

やっぱりな…。コイツら、ダーカーを倒し過ぎてダーカー因子を身体に溜め込んでやがったのか…。

 

「なるほど見えたぞポッド。今回の犯人が。」

 

《断定。》

 

そう、これは紛れもなく…。

 

「ダーカーだろ。」

 

《ダーカーと思われる。》

 

ついにこの惑星まで来たか…。ダーカー。ん…。待てよ。

 

「ポッド、ナベリウスにダーカーが出たのは何日前だ?」

 

《5日前です。》

 

「それより前に最後にアムドゥスキアにダーカーが出たのは?」

 

《データベース解析中…。10年前です。》

 

「やっぱりか…。」

 

ナベリウスに出たダーカーとアムドゥスキアに出たダーカーは連動してる。何故だ。

 

「…まさかな…。」

 

俺は信じたくなかった。アイツが関係してるなんて事は…。

 

《警告。フォトン濃度の上昇を確認。警戒してください。》

 

「おいおいおいおい。マジかよ…。」

 

そこに出現したのはナベリウスなどで確認されている虫型のダーカーではなかった。それは、俺がよく知ってるアイツに似ていた。

 

【グルゥゥゥゥゥゥ…】

 

魚介型ダーカー。ダークファルス【巨躯】の劵族だった。

 

「クソが…。やっぱりアイツかよ…!」

 

その時の僕には一番ショッキングだった。【巨躯】が復活したなんて事は。

 

 

 

「エリザベスの旦那!待ってくれよ!プリンの事まだそんなに根に持ってたのかよ!」

 

「食い物の恨みは強い。ほら、少し遅くしてやろう。」

 

まぁローラーとスラスターの組み合わせに駆け出しのやつが追い付ける訳は無いのだが…。

 

現在俺はプリン泥棒ことヨシと共にナベリウスの凍土区域に調査に来ている。気温-10℃の厳しい環境であった。まぁキャストにはあんまり関係ないがな…。問題は…。

 

「ところでヨシ。お前何か身体に違和感は感じていないか?」

 

「強いて言えば走り過ぎて脚痛い事かなぁ!?あとさっむぅぅぅぅぅぅい!」

 

「そうかそのまま凍死しろ。」

 

「扱い酷くねぇ!?」

 

コイツはヘラヘラしているが、実際身体にはこの寒さの影響で何かしらのトラブルが起こっている筈だ。

 

「とりあえず、ここでボーリングをするぞ。」

 

「おいおい無茶言っちゃいけないね相棒。まさかこんなとこでやる訳じゃねぇだろうな?ピンもボールも持って来てないぞ?」

 

「馬鹿か、そっちじゃない。ここら一帯の地盤を調べるんだ。ほら、そこで雪だるま作ってないで早く手伝え。」

 

「へいへーい…。けどよ、何で今更地盤を調べるんだ?そんなのナベリウス発見してすぐに終わってるだろ。」

 

確かに…。俺もよく聞かされていないが、何故だ?

 

「…論文用の資料だったりしてな。」

 

「おいおい、そんなモンの為に俺ら命張ってここに来てんのか?堪んないねそれは…。」

 

「誰も『そうだ』とは言っていないだろう。まぁ俺も同感だが…。」

 

そして今の俺に出来る任務もこれくらいしか無いからな。

 

 

ボーリング作業用の機材を設置し、俺とヨシはその光景を見守る。

 

「…暇だな相棒…。」

 

「…否定はせん…。」

 

この真っ白い雪原に赤いキャストと黒コートを着込んだ男がポツンと佇む。端から見ればそれはただの不審物にしか見えなかった。

 

pppppppp

 

…?通信?

 

「何者だ。答えろ。」

 

『あ…!エリザベスさん…、ですね。覚えていらっしゃいますか?依頼人のロジオです。』

 

「…!あの学者か!」

 

「あの学者…って、まさか依頼人からか?」

 

「あぁ…。それで?何の用だ?」

 

ロジオ。今回の依頼のクライアントだ。天パ頭にメガネが特徴の学者だ。

 

「はい。その地盤を調べてみたのですが…、これは…。」

 

「何だよ?なんかあったのか?」

 

ヨシが急かす。

 

「それが…。おかしいんです。森林地帯と地層がまるっきり同じなのです。」

 

それにヨシが答える。

 

「それが何だってんだよ。別に変な事じゃねぇだろ?」

 

「それが普通じゃないんです。普通なら、森林地帯が何の前触れもなくいきなり凍土になるなんてありえないんです。プレートがずれた事で大陸がくっついた、と考える人もいるでしょう。けどそれなら全く別の地層になる筈なんです。これは明らかにおかしい…。」

 

「だが何故だ。何故40年以上前の調査では『何もめぼしい物は出なかった』と報告されている?おかしいだろう。」

 

「確かに…相棒の言う通りだ。」

 

『では何故上層部は隠していたのでしょう…?こんな情報隠しても何も無い筈なのに…。』

 

確かにそうだ。こんな情報隠した所で何になる?だが、俺はこんな情報を隠そうとする人物に心当たりがあった。

 

「アークス、か…。」

 

『…?何か言いましたか?エリザベスさん。』

 

おっと、声に出ていたか。

 

「何でもない。それ以外は?」

 

『現段階ではこれくらいしか…。じっくり調べてみないことには…。』

 

ということは、

 

「任務終了か?」

 

『はい!またお頼みするかもしれませんが…!』

 

「こんな怪しい事に他の野郎巻き込めるかよ。この案件はロジオ、お前と俺達の秘密って事にしようぜ。」

 

『…!ありがとうございます‼では、追って連絡します‼お疲れ様でした!』

 

だがこれが事態を大きく動かす手掛かりになるのは、今の俺達には知る由もなかった。

 

 

「うおらぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

片手に手にした大刃付きパイルバンカー、『ar-o700』を振るい、ダーカーを撃退していく。

 

「くたばれぇぇぇぇッッ!!!!!!!!」

 

ダーカーを次々に凪ぎ払う快感を俺は噛み締めていた。

 

「これで…最後だァァァァァッッ!!!!!!!!」

 

空に跳び、パイルバンカーを構える。そしてそのまま、

 

「死ねェェェェェェェッッ!!!!!!!!」

 

脳天からパイルバンカーの発射と同時に刺突を繰り出した。

 

【…!?!?】

 

ダーカーはそのまま倒れ、二度と起き上がる事はなかった。

 

「はぁっ…!はぁっ…!くそっ…!」

 

《警告。心拍数の異常上昇を確認。危険です。》

 

「…ありがとうポッド。けど、大丈夫だ。」

 

突如現れた【巨躯】の劵族と戦闘を開始して数分、瞬殺だった。

 

「とりあえず、これでわかった…!この騒動、ダーカーの仕業に間違いない。一体引き上げて、エリザベス達に報告しよう。『上は信用するな』とのお達しだしね。」

 

《賛成。ただちにキャンプシップに回収要請を行います。》

 

「助かるよ…。」

 

これで僕達二人のアムドゥスキア探索は終了、の筈だった。

 

《通信不能。通信不能。》

 

「…は…?」

 

何を言ってる…?キャンプシップに通信できないのか!?

 

「何で!?」

 

《不明。強固なジャミングが施されている模様。》

 

ジャミングだと…?一体誰が?

 

《判明。原因は磁気嵐と思われます。》

 

「磁気嵐か…。ん…?磁気嵐?そんなのアムドゥスキアで起こるもんなのか?」

 

《不明。ですが現状では磁気嵐がこの状況を説明するのに最も適しています。》

 

「…。とりあえず、もう一度呼び掛けてみろ。」

 

《了解。…通信成功。》

 

やっと帰れるぜ…。ひやひやさせる…。

 

《任務終了。アレックス、お疲れ様でした。》

 

「あぁ…。お疲れ様、ポッド。」

 

腕時計の針を見ると、任務開始からまだ1時間しか経っていなかった。本当に長い1時間だった、と改めて思うアレックスだった。

 




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