遊戯王 世界の果てで   作:Thermidor

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黒く渦巻く物が絡めとり全てを混ぜる

全部溶けて混ざって底に溜まって煮えたぎる


エピソード5 失意の底

───────

 

「では受験生に先攻・後攻の選択権があるのでどうぞ」

 

 

試験官はまだ手札を用意せず、オレに先攻か後攻のどちらかを選ばせようと言ってくる。

こちらを見ずに目を閉じてるからなにか考えてるかもしれないが、オレは昔みたいにコイツらとデュエルをするだけだ。

だったら

 

 

「では後攻をいただきます」

 

「そうですか。やはり先攻ですか……えっ?後攻……ですか?」

 

「はい後攻です」

 

 

後攻を選ぶのがそんなにおかしいか?

オレとしては、相手のモンスターより先に制圧するデッキなんて使わないから、無理やりデッキをぶん回して、大型モンスターでビートダウンするデッキだから手札は多い方がいいし、後攻でワンショットするのも楽なんだが。

それをそんな驚いた表情で聞いてくるなんて、オレ間違った判断をしたか?

 

 

「遠慮はいいですよ。先攻の方がいいと思います。気遣いは嬉しいですが、遠慮せず全力で来てください」

 

「ですからそれが後攻なんですが」

 

 

なんでオレに後攻をくれないんだよ!?

こっちは本当に先攻より後攻がいいって言ってんだろ。

サイバードラゴンみたいなモンスターで動く可能性もあるんだよ!!

むしろ後攻だったらトフィニが腐ることもないのに。貴重な展開札なんだから後攻くらい素直に寄越しやがれ。

 

それなのにそんな怪訝な表情で見るんじゃねぇ。こっちは久々の聖刻龍でデッキの動かし方も漠然としか覚えてねぇし、なんだかオレまで不安になるじゃないか。

 

オレと違って試験官無駄にイケメンだし。

 

 

「いいえ。どのデッキも先攻の方がいいと思いますので先攻をどうぞ。あっ私が後攻をいただきますね」

 

「いえ、あのっ!?」

 

 

ちょっまっ!?あの試験官なに勝手なことを言って、後攻を選択しやがった。

表情もなぜか笑みを浮かべてこっちを見てる。

いらないお節介してるのにあれは絶対気づいてないぞ。

 

 

クソっ……こうなったらどうしようもない。

先攻で始めるしかない。

 

 

「オ、ボクのターン、ドローフェイズ、スタンバイフェイズをスキップしてメインフェイズに入ります」

 

 

デュエルディスクを展開してからオートシャッフル機能でシャッフルをしてから引いた初手5枚。

 

 

結果は散々だし、ここはとりあえず手札交換だな。

 

 

「ボクは【カードカー・D】を攻撃表示で召喚して効果を発動します。

特殊召喚が出来なくなりますが、デッキからカードを2枚ドローします!!」

 

 

【カードカー・D】

効果モンスター

レベル2/地属性/機械族/攻 800/守 400

 

 

デュエルディスクに置いたモンスターは、ドローカードになるモンスター 。

デカいエキゾースト音が聞こえてくると、薄く幅が広いアメ車みたいな青色の自動車が近づいてくる。

相変わらずいい音なのだが、登場まで遅いのがネックなんだよな。

 

ボディーはしっかりとメンテナンスしてるせいか光っており、ボンネットに描かれた赤いDのマークと黄色のステッカーは派手なので、速攻にドローに変えた。

悪いカードカー・D。嫌いじゃないがオレの趣味じゃないんだ。

 

 

 

「そして【カードカー・D】の効果によってエンドフェイズに移行してターンエンド」

 

 

 

誠一LP8000/H5

 

□□□□□

□□□□□

 □ □ 

□□□□□

□□□□□

 

煌遊LP8000/H6

 

 

────見学席

 

「健斗あれ見て」

 

 

灰色のセーラー服を着た深い藍色のゆるふわパーマで少し短めのセミロングの女の子は、デュエルが終わったのか、少し眠そうにデュエルの様子を流し気味で、スタジアムの観客席から見ていると、昔一緒に遊んでいた男の子に似た受験生を見つけて隣の男子に声をかける。

 

 

「なんだよ葵。いきなり引っ張ったりしてってコイツ煌遊か?」

 

 

葵という少女に無理やり首を引っ張られて観戦していたデュエルを強制的に変えられた男子は少し不機嫌そうに、葵の指を指す方を見る。

学校のスタジアム故に肉眼で視認できたため葵の気になった男子の名前を言うのだ。

 

 

「うん。格好とか変わったけど煌遊」

 

 

少し声が弾みながら名前を言う葵。

昔一緒に遊んだ彼と引っ越し以来ぶりの出会いなのが嬉しいのか先程までの眠たそうな雰囲気は消えていた。

 

 

「懐かしいなぁ……にしても今頃どうしたんだ?」

 

 

健斗……灰色の学生服を着た赤色のベリーショートの束感スタイルでセットした男子は、葵と同様驚きからの何年振りかの一方的な再開なので、興味をわずかに示す。

 

 

「分かんない……約束を守るため?」

 

 

葵は、煌遊本人ではないため健斗の独り言に近い質問に分かんないと答えた。

そこで首を傾げて、右上を見ながら、煌遊と一緒にいた数年間を思い出しつつ最後にした約束を思い出しそれではないかと思い自信無さげに言うのだ。

 

 

「だったらとんでもねぇ勘違いだ。あんな約束こっちはもうどうでもいいんだよ……煌遊」

 

 

約束と聞くと健斗の身体がピクリと反応した。

先程まで懐かしそうにしていたのに僅かに眉間にシワを寄せて、苛立ちを隠しているかのような怒りを圧し殺す低く小さな声で煌遊の名を呼んだ。

 

 

───デュエルフィールド

 

「先攻で何もしないとは珍しい人です

ですが手加減はしませんよ。私のターンドロー」

 

 

何もないんじゃなくて何もできなかったんだよ。

 

 

「私はスタンバイからメインフェイズへと移行し、手札から

【魂喰いオヴィラプター】を攻撃表示で召喚して、その効果によりデッキから【カーボネドン】を墓地へ送ります《ソウルイート》!!」

 

 

【魂喰いオヴィラプター】

効果モンスター

レベル4/闇属性/恐竜族/攻1800/守 500

 

 

赤色の顔の恐竜が走って出てくると、雄叫びも上げず近くの巣から青白い朧気な球体を掴むと、それを食べる。

体の背中から青色の炎が出てきてから、オヴィラプターは巣からカーボネドンの小さな亡骸を、墓地へと捨てた。

 

 

「墓地の【カーボネドン】の効果を発動します。自分のメインフェイズ限定ですが、このカードを墓地から除外して手札かデッキからレベル7以下の通常ドラゴン族モンスターを守備表示で特殊召喚します。《カーボネティック・ドラゴニア》現れなさい【ガード・オブ・フレムベル】」

 

 

【ガード・オブ・フレムベル】

チューナー・通常モンスター

レベル1/炎属性/ドラゴン族/攻 100/守2000

 

 

カーボネドンが墓地からボロボロになりながら、這い上がってくるとボロボロの体が崩れていき中から、炎を纏う小さなドラゴンが出てきた。

 

 

「レベル4の【魂喰いオヴィラプター】にレベル1チューナー【ガード・オブ・フレムベル】をチューニング!!

運命に翻弄されし者よ。龍の加護をその身に纏いて滅び行く星に希望を照らせ!!

シンクロ召喚!!降誕せよ星に導かれし者【星杯の神子イヴ】」 

 

 

【星杯の神子イヴ】

シンクロ・チューナー・効果モンスター

レベル5/水属性/魔法使い族/攻1800/守2100

 

ガード・オブ・フレムベルが緑色に光る輪になると、そこにオヴィラプターが輪を潜る。

潜った時からオヴィラプターの身体が透けていき、星が4つ出て綺麗に整列すると辺り一面に眩い光が放たれた。

 

 

煌遊は、あまりの眩しさに腕を目の前で交差して咄嗟に光から目を守るのだ。

眩い光が徐々に弱くなっていくとそこには、薄い紫色の髪の長い少女が立っていた。

衣装が大胆に肌を露出させており、水色の美しい翼が静かに風に靡いて煌遊は、美しさに呼吸を忘れて見入る。

 

 

だがすぐにそんな状態もイヴによって意識が戻される。

彼女の儚くも美しい印象から想像できないほどの鋭い眼光が、煌遊を捉えるのだ。

煌遊は、カードデザインだけでは表しきれない美しさに、この怒りに近い感情がひしひしと感じる視線に星杯の神子イヴがただのカードではないと気づいた。

 

闇のカードを使う煌遊は何も思わないが、こういう普通ではないカードは煌遊のような闇のカードの所持者や闇のカードを嫌い敵と見なすのだ。

だからイヴはこちらを睨み敵対心を見せるのである。

 

 

「【星杯の神子イヴ】の効果を発動します。《星の導き》デッキから【星遺物】と名のついたカードを1枚手札に加えます。これによりデッキから【星遺物の守護竜】を手札に加え、そのまま【星遺物の守護竜】を発動します。

その効果処理で【ガード・オブ・フレムベル】を墓地より守備表示で特殊召喚します」

 

 

1度シンクロ素材になったガード・オブ・フレムベルが、地面から炎柱を勢いよく出してから這い出てきた。

煌遊は、相変わらずレベル1の演出ではないが凝っているこの演出は気に入っているのだ。

 

 

「現れなさい希望を導くサーキット。召喚条件はチューナーを1体以上を含むモンスター2体

【星杯の神子イヴ】と【ガード・オブ・フレムベル】をリンクマーカーにセット!!サーキットコンバイン!!リンク召喚

水晶を纏いし機械よ。進化を研げ新たな世界へ誘え

リンク2【水晶機巧-ハリファイバー】」

 

 

【水晶機巧-ハリファイバー】

リンク・効果モンスター

リンク2/水属性/機械族/攻1500

【リンクマーカー:左下/右下】

 

フィールドの中央に8つの矢印とその中央に四角形が出現すると、イヴとガード・オブ・フレムベルは、赤色の渦となって右下と左下を示す矢印に向かっていった。

矢印が赤く発行すると矢印の中央の四角形から銀色のボディーに水晶が光る身体の人型ロボット ハリファイバーが現れる。

 

 

「リンク召喚した【水晶機巧-ハリファイバー】の効果発動です。《チューニング・クリスタル》これにより手札かデッキからレベル3以下のチューナーを効果を無効にして特殊召喚できます。【ヴァレット・シンクロン】をデッキから特殊召喚します」

 

 

【ヴァレット・シンクロン】

チューナー・効果モンスター

レベル1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0

 

 

ハリファイバーがハンドサインで銃のような形でパンと弾丸を放つような仕草をすると、ハリファイバー近くの空間から穴が開き、銀色と青色の機械の身体で出来たドラゴンが現れた。

 

 

「そしてシンクロ召喚した【星杯の神子イヴ】がリンク召喚によって墓地に送られたことにより効果発動します。《星の行く末》デッキか墓地より同名以外の【星杯】と名のついたモンスターを特殊召喚できるので、デッキより【星杯の守護竜】を特殊召喚します」

 

 

【星杯の守護竜】

効果モンスター

レベル1/風属性/ドラゴン族/攻 400/守 400

 

 

お次はイヴが半透明の身体で、手に持っていた金属特有の光沢がある青色の杖を振るうと、緑色の小さなドラゴンが球体の機械を齧りながら現れた。

 

 

「流れに乗りますよ。現れなさい希望を導くサーキット。召喚条件はレベル4以下のドラゴン族モンスター1体

【星杯の守護竜】をリンクマーカーにセット!!サーキットコンバイン!!

星を護りし盾よ。世界が揺らぐ今永久に続く希望となれ!!

リンク1【守護竜エルピィ】

を「ハリファイバー」の右下のリンク先にリンク召喚」

 

 

【守護竜エルピィ】

リンク・効果モンスター

リンク1/闇属性/ドラゴン族/攻1000

【リンクマーカー:左】

 

穢れなき白色の身体に鴉のような濡れた漆黒の鳥のような羽で被われた片翼のドラゴンが、翼を広げて雄叫びを上げる。

淡く煌びやかな黄色の瞳は煌遊をしっかりと見ており、今にも食らいつきそうな程の距離で威圧していた。 

 

 

「【星杯の守護竜】の効果で自身をゲームから除外し、墓地の通常ドラゴン族である【ガード・オブ・フレムベル】を対象に効果を発動します《星の転輪》【ガード・オブ・フレムベル】を【ハリファイバー】のリンク先に守備表示で特殊召喚します」

 

 

星杯の守護竜がパタパタと小さな翼で飛んでくると、等間隔にエサを落としている。

そのエサにまんまと釣られてガード・オブ・フレムベルがフィールドに戻ってきた。

 

「まだ私のリンク召喚は止まりませんよ。召喚条件はレベル4以下のドラゴン族モンスター1体。【ガード・オブ・フレムベル】をリンクマーカーにセット!!サーキットコンバイン!!

星を護りし鎧よ。世界が揺らぐ今永久に続く信仰となれ!!

リンク1【守護竜ピスティ】を【ハリファイバー】の左下のリンク先にリンク召喚!!」

 

 

【守護竜ピスティ】

リンク・効果モンスター

リンク1/闇属性/ドラゴン族/攻1000

【リンクマーカー:右】

 

 

エルピィとは真逆である黒色の身体のドラゴンが、エルピィの隣に降り立つ。

貪欲を示すような黒色の身体に無垢を表すような白色の膜で出来た片翼を広げて、静かに赤く揺らめき輝く赤色の瞳で煌遊を見ていた。

 

 

「【ピスティ】の効果で除外されている【星杯の守護竜】を2体のリンクモンスターのリンクマーカーが示す場所が重なっているリンク先に守備表示で特殊召喚します【ドラゴンズ・ハーモニック】」

 

ピスティが、口を開けて歌とは言い難い轟音を鳴り響かせる。

エルピィとピスティのリンクマーカーが赤く発光し、同じモンスターゾーンを照らすと、そこに時空の穴が開き星杯の守護竜が眠そうに帰還した。

 

 

「まさかドラゴンリンクが相手なんて……受験生に本気出しすぎぎだと思うんですけど?」

 

 

エルピィとピスティが出てきただけでは、判断できないがオヴィラプター経由でここまで展開してくるとなるとドラゴンリンクというデッキが一番近いのか煌遊は、うんざりした表情で盤面を見る。

デッキがうんざりさせるだけではなくエルピィとピスティが自分を敵だと認識しているであろう威圧感が肌で感じる。

守護竜の精霊のカードは()()()()()()()()()()()()だったせいか、守護竜は精霊のカードじゃなくてもデュエルで出会えば十中八九こうやって敵対心を剥き出しにされるのだ。

 

 

「いえいえ。このデッキを使ってもあくまで実力やデッキ構築力を見ることがメインなので安心してください。それにこのデッキを平然と倒していく受験生もいましたよ。

さておしゃべりもここまでにして【星遺物の守護竜】の効果で、【エルピィ】を他のメインモンスターゾーンに移動させます。

希望を導きなさいサーキットよ。召喚条件はレベル4以下のドラゴン族1体

【星杯の守護竜】をリンクマーカーにセット!!サーキットコンバイン!!

全てを貫く弾丸よ。世界が揺らぐ今真実への引き金となれ!!

リンク1【ストライカー・ドラゴン】を【ハリファイバー】の右下のリンク先にリンク召喚!!

リンク召喚に成功した【ストライカー・ドラゴン】の効果でデッキから【リボルブート・セクター】を手札に加えます」

 

 

【ストライカー・ドラゴン】

リンク・効果モンスター

リンク1/闇属性/ドラゴン族/攻1000

【リンクマーカー:左】

 

 

また8つの矢印が出現すると小さな緑色のドラゴンが、緑色の渦となって左を指す矢印に入っていくと、青色の機械のドラゴン【ストライカー・ドラゴン】がリンクマーカーより出現する。

 

「デッキもバレてしまったのでこのままいかせていただきます。

【ストライカー・ドラゴン】と【水晶機巧-ハリファイバー】をリンクマーカーにセット!!サーキットコンバイン

我が一度の引き金は3弾の弾と化す。世界が揺らぐ今争いを静める弾丸の雨となれ!!

リンク3【スリーバーストショット・ドラゴン】をエクストラモンスターゾーンにリンク召喚!!」

 

 

【スリーバーストショット・ドラゴン】

リンク・効果モンスター

リンク3/闇属性/ドラゴン族/攻2400

【リンクマーカー:上/左/下】

 

 

全体的に赤色の光沢のあるボディにスコープと一体化した頭部。

下半身を捨てて胸部と肩部に銃身を出したドラゴン【スリーバーストショット・ドラゴン】が、リンクマーカーの中央にある空間から浮いて出てくる。

 

 

「【エルピィ】の効果発動します《ドラゴンズ・ハーモニック》

【エルピィ】の効果は、【ピスティ】と同様重なり合うリンク先に手札かデッキからドラゴン族モンスターを特殊召喚します。

現れなさい【アブソルーター・ドラゴン】!!」

 

 

【アブソルーター・ドラゴン】

効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻1200/守2800

 

 

6枚の黒色の翼をはためかせるドラゴン。

その身体はドラゴンにしては、機械的で外郭の隙間からは配線のような線が見えて、瞳は緑色に発光していた。

目が発光しているせいかかなり眩しい。

 

 

「召喚条件はドラゴン族モンスター2体!!【スリーバーストショット・ドラゴン】と【アブソルーター・ドラゴン】をリンクマーカーにセットしサーキットコンバイン!!

星を護りし槍よ。世界が揺らぐ今痛みを乗り越え永久に続く無償の愛を与えたまえ!!

リンク2【守護竜アガーペイン】をエクストラモンスターゾーンにリンク召喚!!」

 

 

リンクマーカーに消えていったドラゴン達の魂が、大気を震わせ世界を揺らぐ。

世界の全てを受け入れ、どれにも染まりそうな儚い白色の鱗に全てを飲み込む屈しない黒色の身体のドラゴンが、ドラゴンの魂が開けた次元の隙間より朽ちた槍と共に現れる。

全てを慈愛で満たす優しく光る紫色の瞳は、煌遊を見たあとに翼無き身体を蛇のように持ち上げ雄叫びを上げた。

 

 

「リンク素材として墓地に送られた【アブソルーター・ドラゴン】の効果で【ヴァレット・トレーサー】をデッキから手札に加えます。《アブソリュート・シンクロ》

【アガーペイン】の効果で2体のリンクモンスターのリンクマーカーが重なり合うフィールドにエクストラデッキからドラゴン族モンスターを特殊召喚します。《ペイン・オブ・アガペ》現れなさい【琰魔竜 レッドデーモン・アビス】!!」

 

 

【琰魔竜 レッド・デーモン・アビス】

シンクロ・効果モンスター

星9/闇属性/ドラゴン族/攻3200/守2500

 

アガーペインは、己の声を、叫びを堂々と響かせる。

胸にある紫色の珠が妖しく光ると、ピスティの赤色の珠も呼応するかのように光り輝く。

珠の光が交わる空間は裂けて穴が開く。開いた穴からは逞しい両手が無理やり空間を引き裂き、赤色のドラゴンが叫びと共に現れた。

アガーペイン達とは違い西洋に伝わるドラゴンのような形で、胸に悪魔のような顔に腕に刃、血を煮たたせたかのような濃く底が見えぬ赤色の身体。

レッド・デーモン・アビスは深淵より、這い出てきたのだ。

 

 

「召喚条件はカード名が異なるモンスター2体以上!!【アガーペイン】、【ピスティ】、【エルピィ】の3体をリンクマーカーにセット!!サーキットコンバイン!!

争いが満ちた世界に骸が奏でる四重奏。今死の調べを奏で永久に続く鎮魂曲となれ!!

リンク4【鎖龍蛇-スカルデッド】をエクストラモンスターゾーンにリンク召喚!!」

 

【鎖龍蛇-スカルデット】

リンク・効果モンスター

リンク4/地属性/ドラゴン族/攻2800

【リンクマーカー:上/左下/下/右下】

 

 

アガーペイン、ピスティ、エルピィがリンクマーカーへと飛んでいくとリンクマーカーより鎖が幾重にも現れ、まるで滝のように大量に地面に落ちて鎖が盛られていく。

山のように盛られた鎖はどこからか骸骨を集めてきて、山の鎖がドラゴンの形へと変わり、骨を纏うとドラゴンへと変わったのだ。

 

 

「【リボルブート・セクター】を発動し、2つ目の効果を使います。手札の【ヴァレット・トレーサー】と【エクスプロードヴァレット・ドラゴン】を守備表示で特殊召喚します。更に【スカルデッド】の効果を発動し、手札からモンスターを特殊召喚できます。

現れなさい【天穹のパラディオン】」

 

 

【ヴァレット・トレーサー】

チューナー・効果モンスター

星4/闇属性/ドラゴン族/攻1600/守1000

 

【エクスプロードヴァレット・ドラゴン】

効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2000/守2000

 

【天穹のパラディオン】

効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻1600/守1000

 

 

大きなリボルバーの回転式のシリンダーに、弾丸状のドラゴンが2体セットされると、勢いよくフィールドに向けて発泡した。

オレンジ色の弾丸のような少し太いドラゴンと今にも爆発してしまいそうな茶色の細長いドラゴンが放たれて飛んできたのだ。

その後ろから、青色のエネルギーラインが施された金色の鎧を纏う青年が走って登場した。

 

 

「レベル7の【 エクスプロードヴァレット・ドラゴン】にレベル1チューナー【ヴァレット・シンクロン】でチューニング!!

世界へ弾丸を放ちし龍よ。世界が揺らぐ今不条理を討つ弾丸となれ!!

シンクロ召喚!!【ヴァレルロード・S・ドラゴン】

シンクロ召喚した【ヴァレルロード・S・ドラゴン】の効果を発動します!!《ソウルリンク・ヴァレット》墓地に存在する【スリーバーストショット・ドラゴン】を装備カードとし、装備しそのリンクマーカーの数だけこのカードにヴァレルカウンターを乗せます。そして【スリーバーストショット・ドラゴン】の攻撃力の半分の数値このカードの攻撃力を上げます。更に【スカルデッド】の効果で攻撃力が上昇します」

 

 

【ヴァレルロード・S・ドラゴン】

シンクロ・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

攻撃力3000→4200

ヴァレルカウンター3つ

 

 

白色の銃身のドラゴンが雄叫びを上げて、翼を広げて飛び回る。

身体は銃で出来ているのか、胸部のシリンダーになっており、そこに墓地から拾ってきたスリーバーストショット・ドラゴンのリンクマーカーが弾丸として3発装填された。

ヴァレルロード・S・ドラゴンはスカルデッドの左下リンクマーカーが示すフィールドに降り立った。

 

 

「これでっ!?デッキが勝手に……これ以上は、うっ」

 

 

誠一は2枚の妨害カードを出したこの盤面でバトルフェイズに入ってギリギリの状態にしようと考えていたが、エクストラデッキからドクンと脈打つような熱がじわりじわりと広がっていき、自分の意思とは関係なくデッキが更に動く。

 

 

「と、止まりなさい!!彼は敵ではありません!!」

 

 

声をかけてもどうしても止まることはなく、勝手に動くカードを止めようとした時に、誠一の身体がまるで何かに縛られたかのように動かなくなってしまう。

スカルデッドとヴァレット・トレーサーがリンクマーカーにセットされていく。

誠一と煌遊にだけ聞こえる声で今高らかに宣言される。

 

 

『迸れ!!邪悪を滅するサーキットよ!!

召喚条件はリンク効果モンスターを含む効果モンスター2体以上!!リンク4【鎖龍蛇-スカルデッド】と【ヴァレット・トレーサー】と【天穹のパラディオン】をリンクマーカーにセット!!サーキットコンバイン

聖櫃を守護する主。今戦の時はきた。武具を持て。英気を纏え。恐れを捨てよ。

世界は我等に傾く

リンク召喚!!リンク3【アークロード・パラディオン】』

 

 

【アークロード・パラディオン】

リンク・効果モンスター

リンク3/光属性/サイバース族/攻2000

【リンクマーカー:上/左下/右下】

 

 

スカルデッドとヴァレット・トレーサーと天穹のパラディオンが渦を巻いて、3つのリンクマーカーに入るとリンクマーカーが目も開けられないくらいみ激しく光り、その間から兜に束ねられた装飾の青色の毛を靡かせ、光り輝く金色の鎧に青色の淡く光るラインが入った半人半馬のケンタウルスが勢いよく駆け抜けた。

 

 

「ちっなんなんだ……」

 

 

煌遊は、誠一の言葉とは裏腹にフィールドに出てきたアークロード・パラディオンに舌打ちをしながら、激しい光に目を守る。

 

 

「アークロード・パラディオン……これはいったい」

 

 

誠一もなぜアークロード・パラディオンがリンク召喚されたのか分からず自分のデュエルディスクを確認したりするが、今度は勝手に手札から魔法カード【星遺物を継ぐもの】が発動される。

 

『私の手札より通常魔法【星遺物を継ぐもの】を発動する。

これにより私の墓地に存在する【エクスプロードヴァレット・ドラゴン】を私自身のリンクマーカーの先のフィールドに特殊召喚する!!蘇れ【エクスプロードヴァレット・ドラゴン】』

 

 

アークロード・パラディオンが両手を広げてから白く輝く剣を掲げると、エクスプロードヴァレット・ドラゴンが半壊状態で今にも爆発しそうな状態なのに、アークロード・パラディオンの下へ飛んでいくのだ。

 

 

『闇よ。私アークロード・パラディオンはリンクマーカー先のモンスターは、攻撃出来ぬが私自身の効果で私自身の攻撃力を元々の攻撃力分上昇させることができる!!これによりアークロード・パラディオンの攻撃力は8000だ!!』

 

 

アークロード・パラディオン

攻撃力2000→8000

 

 

「なっ!?………………ボクのいや、オレが闇かは知らないが……このデュエルはオレの敗けだ……」

 

 

元々デッキから嫌われていたと思うくらい事故をしてしまった煌遊に状況を打破できるカードはなく、アークロード・パラディオンが暴走しているので、諦めて少し腕を開いた。

まるでアークロード・パラディオンの攻撃が贖罪であるかのような諦めにも似た状態で、攻撃を待っていた。

誠一は、動けずアークロード・パラディオンと煌遊の不思議なやりとりを見守るだけとなった。

 

 

『アークロード・パラディオンでダイレクトアタック!!

セイント・サブジュゲイション・ジャッジメント!!!!』

 

アークロード・パラディオンはエクスプロードヴァレット・ドラゴンは槍となり、ヴァレルロード・S・ドラゴンはガンソードに変形させて持つと、煌遊に向けて走り、ガンソードでビームの弾丸を放ち、槍を思い切り投げる。

 

 

「がっ!?このデュエルっ……」

 

 

ビームが防ぐ手を焼いて、槍が肩に刺さると苦悶の表情を浮かべる煌遊。

受けた痛みにより、ただのデュエルじゃないと思い避けようと身体を動かそうとするが肩を貫通した槍が地面に刺さって動かせずにいた。

 

 

『闇よ。我が聖なる力によって滅せよ!!』

 

 

アークロード・パラディオンが煌遊の目の前まで駆けると槍とガンソードで煌遊を深く切り落とす勢いでX字に斬りつけた。

 

 

「ぐっうわああああああああっ!!!!」

 

 

煌遊LP8000→0000

 

斬りつけられた痛みに誠一以外誰にも聞こえない叫び声を上げて、その場に倒れた。

斬りつけられた身体はかろうじてくっついているだけで傷口がどんどん闇が溢れていたのだ。

 

 

『世界に永久に続く平和を……』

 

 

アークロード・パラディオンは、煌遊が倒れたのでゆっくりと消えていった。

ソリッドヴィジョンも消えていき、誠一と煌遊の試験は終わりを告げたのだ。




大変遅くなって申し訳なかったです
仕事の資格勉強や社員旅行だったりと時間がなかったのと、当初予定していたガンドラワンキルが、ガンドラ禁止によって出来なかったため急遽ドラゴンリンクで対応して遅れました

書き方を少し変えてみましたが読みにくかったらすみません


今度はもう少し早く更新できるように頑張りますのでよろしくお願いいたします
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